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唐梅のつばら  

先日発売されたばかりの水原作品が消化不良で、ようやく評判の旧作の方に手を出してみた。
噂に違わず力作の名著で大満足!BL小説を読む気力が下降していたのが嘘のように回復した。
こういう出会いがあるからBLは止められないし、無理に読み止めなくても良いんだな、と再認識。
私は果報者だ。

本作は、和風ラプンツェルもとい、「伊勢物語」の芥川前後を下敷きにした略奪愛だったと思う。
若者が“鬼”から可憐なヒロインを奪い去るも、“情熱”だけでは追っ手を振り抜くことが出来ない。
結局、“恋人”は“鬼”に喰われてしまい、二人には水原ワールド全開の手痛い仕打ちが待っている。
ソレは端から予測できるし、彼らもソレを“覚悟”しているが、それでも彼らは“檻の外”を夢想する。
夢想するだけでなく実現を試みる…そして、多く(殆ど)を失うのである。

一方で、“鬼”に象徴されているヒロインの義兄も義父も、実は“情”で道を踏み外す“人間”である。
初乃という名の淫靡で清廉なヒロインに翻弄され、彼らにも思うようには生きれぬ末路が待っている。
否、思うように生きた結果がこの末路だったのかもしれない…だから、“因果応報”はやや不正確。
ただ、庭の奥でひっそりたたずむ唐梅の木だけが、無情に初乃の少年期~青年期を眼差している。
初乃を長い間閉じ込めてきた“檻”は、結局最後の最後でオートマチックにあっけなく開かれるのだ。
初乃は自分の足で“檻”から旅立ち、彼の“未来”が先の先まで開かれているから読後が充溢する。
ハッピーエンドとは言い切れないまでも、素晴らしき開放型エンディングを用意した水原さんに脱帽。

とまあ、古今東西この手のロマンスには事欠かないが、私もやはりソコに抗いがたい魅力を感じる。
本作は加えて純和風で古風な雰囲気、嗜虐的な水原ワールド、山本タカトさんの耽美な挿絵付き。
故、この物語は二重にも三重にも年老いた孤独な腐女子の心を、“萌え”で満タンにしてくれるのだ。
特に、無条件でただひたすら初乃を思って人生の全てを投げ打つ将大がカッコいい“攻め”だった。
何というか、私はノーガード戦法で“バカ”と紙一重な侠気溢れるタイプの“攻め”に弱いんだ(笑)。
無論、彼が対峙する相手の滝川悦司の初乃への執着心も、浅野の忠誠心も切なくてかつ美しい。
元を糺せば全て初乃に対する“情”であり、悲劇のヒロインである初乃は多くの男達を惑わす傾城。
この物語は、何度リセットを試みたとしてもこのように廻るしか道は無いんだと思う…。

こういう物語がBL界隈でもっともっと増えれば良いと思う。
そして、水原とほるさんには特にこのテイストの物語を期待したい。

<作品データ>
・水原とほる『唐梅のつばら』(山本タカト・画、大洋図書シャイノベルス)2005.12
唐梅のつばら (SHYノベルス)唐梅のつばら (SHYノベルス)
(2005/12/22)
水原 とほる

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以前も何処かの記事で語った気がするけれど、私は「伊勢物語」が大好きです。
在原業平は、私の理想の誘い受けです♪

<拍手お礼>
・entry593、981、982に拍手ありがとうございます~♪
全部、私の愛しい作品です。
[ 2008/12/01 21:01 ] novel BL | TB(0) | CM(0)
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