今まで商業誌で発表された玉木ゆらさんの著作を、私は恐らく全部読んでいます。
そして読む度に思うのは、ディアプラスの玉木さんは一体何処に向かおうとしているのかな、と。
リブレ(or旧ビブロス)の場合は、少し癖があるとはいえ基本に忠実な真っ当なBLだと思います。
が、ディアプラスは……いつも、
イロモノ勝負でレーベル的には勿論、BL業界的にも
異端児だ。
私はこの強烈な“個性”を買っていますが、他の読者にはこの方の作風はどう映るんでしょうか?
特に、今回はいつも以上にBL的には“不安”を感じる特殊設定なのでした…。
実のところ、今回の
スラップスティックコメディは“恋愛”小説としては完全に破綻していたと思う。
作品テーマというかカテゴリー区分は、
アメリカン・ホームコメディを踏襲した小説になっており、
即ち、一家の大黒柱である父親(弥太郎)が、かなり鬱陶しいへたれオヤジぶりを露見させつつも、
最終的には、息子の恋路を邪魔し続けながら、彼の良き理解者として柔軟な対応を示す物語です。
はっきりいって、主人公の悠人よりも彼の年上の恋人の彰よりも目立つポジションにいた弥太郎。
だてに年齢はくってないっちゅーか、義理の“息子”を10数年も育ててきただけのことはある(笑)。
ウンザリする程濃い三枚目キャラを演じつつ、締めるところではちゃんと締めてくれて頼もしかった。
ところで、この物語はご近所ラブコメディである。
【大津家】←―(お向かいさん)―→【山田家】
悠人(高校生)→<恋人同士・前編>←彰(女装青年・27歳)
↑ (相思相愛) ↑
<(義理)親子> <兄弟>
↓ ↓
弥太郎(35)←――(片恋・後編)←――始(高校生)
図式的には↑のような設定(注、多分携帯アクセスだと表示が崩れる)。
斜めに線を引っ張って補足すると、悠人と始は同じ学校に通う高校生(が、親しい関係では無い)。
加えて、前編では弥太郎はお向かいの綺麗なお姉さん(彰)にラブ・アタックを仕掛けるが玉砕する。
実はこの小説、お察しの通りメインの二人(彰×悠人)の関係にまるで説得力が感じられません。
この作品では、二人(彰×悠人)が人目を忍んで“付き合っている”のは物語の
初期設定であり、
彼らがどういう経緯で“お付き合い”するに至ったかについては、作中で全く明示されていません。
が、悠人視点なので、彼のご近所の綺麗なお兄さんに対する麻疹のような淡い恋心はまだ分かる。
さっぱり分からないのは、年の離れた弟と同学年にあたる悠人にベタ惚れしているらしい彰の心中。
同性愛であるとか、女装趣味とかも特殊な条件設定ですけれど、この二人の場合の最大の障害は、
二人の
年齢差にある筈で、そこを超えて尚“愛”を貫く理由というのが、まるで見えてこないのだ。
なので、この作品は“ラブ”が主題から脱落した荒唐無稽な“コメディ”としか説明しようが無い。
の割に、物語の後編では弥太郎に対する始の切ない恋心が綴られているから、アンバランスです。
結果として、この作品における(BL的な)着地点を私は見出すことが出来ませんでした…困ったな。
物語後編でも、弥太郎が出張って大変ユニークなポジションに巡り着くのが面白いと言えば面白い。
あまりに弥太郎が他の登場人物を喰い過ぎているので、彼が真の主人公かと錯覚したくなる程だ。
でも、そうなるとやっぱりこの作品は“家族愛”とが“隣人愛(?)”がメインテーマになっちゃいそうだ。
即ち、残念ながらBL小説ではなかったと…そう結論しなければならない作品に見えるんだな(笑)。
BL的なモノを期待すると、思いっきり当てが外れると思うのでご注意を!
イロモノBLが好きで、オヤジ(攻め)萌えが無ければ読んで得るトコロがはっきり言って無いと思う。
時折出てくる
ジェネレーションギャップネタが心臓に悪い…このイタさが我が身に深く沁みた…。
異星人のような、テンションの高い(イタい)“年増”なキャラを許容できる方のみ推奨です(笑)。
そして、弥太郎にしか感情移入出来ない自分に私は心底絶望した…。
<作品データ>
・玉木ゆら『ご近所さんと僕 』(松本青・画、新書館ディアプラス文庫)2008.11
実は同時発売の渡海さんを先に読んでいるのですが、こちらは保留中…。
とても良い年下攻めBLなのは分かるのですが、ソレゆえに私には苦しすぎる作品なのでした。
また暫く、年下攻めは読みたくないな…。
玉木さんは変則プレイとは言え、どちらも年上×年下だったのがありがたかった。
但し、正直に言うと“コメディ”としては榎田さんの交渉人〜の方が、遥かに面白かったな(苦笑)。
ああ、でも弥太郎×始の十年後とかはちょっと読んでみたいです。
始の片恋が真か否かは、その頃になって(社会経験を経て)ようやくはっきりするんじゃないのかな。
若い“純愛”を否定するつもりは無いけれど、年上としては若い子には
視野を拡げて欲しい、と思う。
そして、そのチャンス(可能性)を与えてくれた弥太郎はやっぱり良い大人(オヤジ)なんだと思う。
私もかくありたし…いやいやいや、あそこまで濃い人間になりたいとは思わないけどネ(笑)。
<拍手お礼>
・entry962に拍手ありがとうございます〜♪
小説を優先させちゃったので、ちょっと出遅れ感想で申し訳なく。
暫くコミックの購入予定が無いから、下手したらBLコミックはあっくんが年内最後かも…。
実は同時発売の渡海さんを先に読んでいるのですが、こちらは保留中…。
とても良い年下攻めBLなのは分かるのですが、ソレゆえに私には苦しすぎる作品なのでした。
また暫く、年下攻めは読みたくないな…。
玉木さんは変則プレイとは言え、どちらも年上×年下だったのがありがたかった。
但し、正直に言うと“コメディ”としては榎田さんの交渉人〜の方が、遥かに面白かったな(苦笑)。
ああ、でも弥太郎×始の十年後とかはちょっと読んでみたいです。
始の片恋が真か否かは、その頃になって(社会経験を経て)ようやくはっきりするんじゃないのかな。
若い“純愛”を否定するつもりは無いけれど、年上としては若い子には
視野を拡げて欲しい、と思う。
そして、そのチャンス(可能性)を与えてくれた弥太郎はやっぱり良い大人(オヤジ)なんだと思う。
私もかくありたし…いやいやいや、あそこまで濃い人間になりたいとは思わないけどネ(笑)。
<拍手お礼>
・entry962に拍手ありがとうございます〜♪
小説を優先させちゃったので、ちょっと出遅れ感想で申し訳なく。
暫くコミックの購入予定が無いから、下手したらBLコミックはあっくんが年内最後かも…。
やっぱりフツーの感覚からすると、微妙な作品ですよね…私は雑誌で半分読んでいたので、薄々気付いていたけれど(笑)。
ディアプラスの玉木さんは、本当にどこかがズレているんですよねー。
私は作家買いしてる程好きな筈なんですが、この作風の良さ(?)は説明しにくいです。
決して嫌いじゃないのだけど…設定に対する説明も必要条件を満たしていないですよね。
でも、弥太郎は嫌いじゃないです(笑)。
一番ぶっ飛んでいそうで、リアクションが割と冷静なのが面白いです。
では!