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リアルのゆくえ 

自分が積極的な意味を見出せないから、ソレは意味がないと断じてしまうのはいかがなモノか?
ソコに意味がないかどうかは、数多の資料と格闘し、数多の人々と対話し、思考に思考を重ねた上、
時を経て、下手したら今際の際にて初めて分かる(見えてくる)類いのモノなのではないでしょうか?

 歴史学者同士なら生産的な会話は可能でしょう。しかしアマチュア同士では意味がない。(P209)
大塚 歴史学自体がすべて成立しなくなってしまう。(P210)
 ある意味でそのとおりです。(P211)


ということで、個人的な感情のレベルでは、ハラワタ煮えくり返るくらい苛立たしかった対談集でした。
私は東さんの明晰さを尊敬してますし、世代的にも心情的にも東派の方だと思っていたのですが…。

学生時代の私は、大雑把に言えば歴史学的なゼミを選択し、ソレをテーマに卒論を書きました。
厳密に言うと、もう少し専門領域は曖昧的というか、世間的にマイナーな学科にいたのですけれど。
だから、余計になんでしょうが、歴史学をよく知らない人間が歴史学を軽視する発言に腹が立つ。
学者同士だろうが、アマチュア同士だろうが、生産的な会話が可能か否かは人柄にもよるだろうし、
単なるお喋りも、醜悪な口論でも、公文書でも、ノートの端に残された悪筆のメモや落書きだろうが、
歴史的情報資料として収集し、分析し、書かれた(語られた)先にあるものを予測し批准することが、
歴史学研究者や探求者や志向者の、(半ば趣味と実益を兼ねた)仕事なのではないのでしょうか?
というか、いずれの専門分野の研究家は誰しも、こういう地道な作業を日々行っているのでは?

とまあ、↑の私的感情の部分を除外しても、はっきり言って全くオススメできない対談集でした。
構成的には、苛立ちが臨界点に達した大塚さんが東さんを徹底的に糾弾し、東さんは逆ギレ
やおい的にも美味しい要素が全く見込まれず、ある意味で嫁VS.姑のガチンコバトル的でした。
男性同士なので舅VS.入り婿と言いたいトコロなんですが、その醜悪さがあまりに凄まじいので。
よくまあ、こんなコンテンツを“教養”新書にまとめたなあ…。

私は大塚さんや、香山リカさん、この本では取り上げられてはいないあさのあつこさんの作品群に、
似たような印象を受けていて、内容如何よりも、彼らの表明方法が少しうるさいな、と思うんですよ。
若い君達にはこういうことを考えてほしい、というのが割と露骨で、ソレが“おせっかい”に見える。
特にあさのさんの『No.6』は、“萌え”の為に読んでいるけど、ジュブナイル的にはあざとくて苦手だ。
多分、やおいを知らない十代の頃に読んでいたら、この手の作品は毛嫌いしていたと思うのです。
年老いた私は兎も角、若くて健全な彼らから逆に考える“力”を奪っているように見えるんですよ。

似たような感覚は、いわゆる『課題図書』とか『読書感想文コンクール』の推薦図書にも感じます。
読みたい本、読むべき本くらい、自分で選びたくなりません?私は、↑の本は読んだ経験が無い。
幼い頃から重度の活字中毒で、手当たり次第に田舎の図書館(&図書カード)を荒らしたけれど、
誰かから評価される為に読書するのは本末転倒だと思うし、好きだから読むが一番だと思うんだ。
そして、そこで知的な発見&興奮&喜びを得られるのがベストだと思う訳で。

まあ、結果オーライなら、入り口がラノベでもBLでも携帯小説でも“蟹工船”でも良いんでしょう。
私が積極的に意味が見出せないからと言って、ソコに意味がないかもと言い出すと、東氏と同じだ。
ムカっ腹のままで感想を書き始めたけど、エントリー書いていくうちに憤りが収まってきました(笑)。
我ながら、現金なモノですわ。

<作品データ>
・大塚英志+東浩紀『リアルのゆくえ』(講談社現代新書1957)2008.8
リアルのゆくえ──おたく オタクはどう生きるか (講談社現代新書 1957)リアルのゆくえ──おたく オタクはどう生きるか (講談社現代新書 1957)
(2008/08/19)
東 浩紀大塚 英志

商品詳細を見る

↓は雑メモ、再読が苦痛を極めたのでポイント箇条書のみ。



・私的⇔公的by東(2008)

2001年
偽史もの(ex.『サイコ』)@現実をデータベースにして別のデータベースを捏造する方法>普通のライトノベルby東
・「サンプリング」@「キャラ萌え」の要素の組み合わせ≒手塚治虫@「まんが記号説」by大塚
・「オーラルコンポジション」by山本吉左右(中世文学者)by大塚
・手塚治虫+山本吉左右⇒『物語消費論』by大塚
・「見えない権力」@フーコーby東
・「大文字の主体」を考えない世界⇒世界に対する諦観⇒不況の思想⇒「郵便的」by東…知っているけど騙される?or全く知らない?
・陰謀史観by東⇒『噂の真相』化by大塚
・ポストモダンの理想@創作者や立法者が存在しないまま、規則だけがミニマムに自動生成していく状態by東
・エミュレーション的評論by東
・データベース的な環境さえも必要としない新たな世代が出てくる可能性by大塚
・「感動」の置き換えby東
・個人の主体性<集団的、統計的⇒「文化」の喪失by東←倒錯by大塚
・人間のセクシュアリティの変容(ex.やおいの消費者VS.ゲイのコミュニティ)by東
・日本文学VS.ライトノベルby東

2002年
・セキュリティVS.監視=安全VS.自由by東
・パブリックな言質by大塚
・「セキュリティ」という感情の肥大化≒古典的なナショナリズム的言質by大塚
・国家や権力に主体的な意志が想定された国家像by大塚
・「警察国家」b@左翼by大塚
・セキュリティの発想≒多文化主義by東
・「多様な他者」に対する処方箋
・タコツボ化=棲み分け=セキュリティby東
・フィルタリング型権力@ドゥルーズ『記号と事件』(河出書房)>「ビッグ・ブラザー」@オーウェルby東
・国家@警察権、軍事権、富の再分配の権利を有する権力装置by大塚
・「郵便的」@誤配やアクシデントの可能性、表現の自由=誤配の自由by東
・パブリック・セキュリティ=ソーシャル・セキュリティby東
・公共性by東
・伝える努力by大塚
・エンジニアにとっての倫理by大塚
・作家の交換可能性by東
・「固有性(オリジナリティ)」を意識してほしいby大塚
・「動物化」=ゾライズムby大塚
・歴史は仮想的なもの@柳田by大塚
・行間@言葉と現実の齟齬、不可能を可能にする苦闘の跡by東
・行間@作者と現実の齟齬、受け手とテクストの齟齬by東
・AI(人工知能)による創作の可能性by大塚

2007年
・「空気」を読むby大塚
・「啓蒙」by大塚
・嫉妬(ルサンチマン)の感情by東
リテラシーの発想では無理by東
・公民by東
・国家の公共化の手段としての民主主義システムby大塚
・チェック・アンド・バランス(牽制と均衡)論はへりくつみたいなものby東
・公共性@プロセスby大塚
・東の想定するシステムはリヴァイアサンby大塚
・責任@読者、責任@作品
・生活保守主義by大塚
・オルタナティブな「公共圏」by東

2008年
尊厳の問題by東
[ 2008/08/27 22:53 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)
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