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ホテル・ラヴィアンローズ 

午前中に携帯電話の着信記録を確認して、お昼休憩中に息せき切って夢中で買いに走りました。
高遠琉加さんの新刊は、どうしても待ちきれません!恥も外聞も捨てて、突っ走っちゃいます(笑)。
休憩時間が半分になっちゃうのは分かっていたけれど、ほんの少しでも先が読めるコトを考えたら、
居ても立っても居られなかったのです…ホント、キモイファンでゴメンナサイ…。

この作品は、“ホテル・ラヴィアンローズ”を舞台に繰り広げるオムニバス形式の短(中)編集です。
故に、それぞれの物語に登場するキャラクラタ達に殆ど接点は無く、ほぼ独立した作品構成です。
何も語らずただ超然と建っている(た)ホテルが、この小説を貫く真の主人公と言って良いのかも。
彼は、生涯多くの“カップル”を見守ってきましたが、中でも特に印象深かった3組に纏わる記憶を、
夫々の主人公達と視線を共有しながら、静かにノスタルジックにそれぞれの“恋物語”を語ります。

それにしても、表題にホテルを冠しながら、それが冒頭から廃墟なのが実に高遠さんらしいです。
例によって例の如く、この“ホテル”は“天国”や“世界の果て”や“楽園”や“レストラン”とほぼ同義。
彼岸此岸の境界(裂け目)であり、“人生”の目的地で、到達地で、始まりの地でもあるのです。
だから、登場人物たちを夫々の場所に導くという役目を終えると、自然崩壊してに帰るのです。
このように、高遠さんの作品には場(トポス)を象徴したモノを重視したテーマの作品が割と多い。
(ちなみにその経験則に倣うと、件の“レストラン”も少なくともあの姿のままでは残らない予感が…)
人も建物も時間の刻印を帯びると風化するのが世の摂理で、いつまでもそのままではいられない。
が、たとえ見た目はすっかり変わってしまったとしても、変わらぬままで残り続けるモノもある。

それが、所謂“本質”というモノです。
この小説では、3組のそれぞれの受けと攻めの“恋心”が持続するエネルギーとして機能している。
彼らは互いを思うことで、過去を懐かしみ、今を生き抜き、未来の“夢”を二人で実現していきます。
そんな彼らの生き様を垣間見て、読者の私も“幸福”の在り処を見つけたような心地になれるのだ。
全体的にはほの暗いトーンで物語が進行するので、手放しでお奨めとは言い辛い作品なのですが、
高遠さんの“あの感じ”がお好きな方なら、太鼓判押しても大丈夫かな?

まあ、少なくとも私は大満足です!ご馳走様でした♪

<作品データ>
・高遠琉加『ホテル・ラヴィアンローズ』(北上れん・画、アスキー・メディアワークスB-PRINCE文庫)2008.5
ホテル・ラヴィアンローズ (B-PRINCE文庫 た 1-1)ホテル・ラヴィアンローズ (B-PRINCE文庫 た 1-1)
(2008/05)
高遠 琉加

商品詳細を見る




□青
物語の殆どが“回想”シーンなので、高校生同士の青春逃避行モノと言って良いと思う。
受けの久住の一人称視点で、月村さんの『Release』と実は少し設定が被っています(笑)。
但し、攻めのタイプが違うので、待ち受けている展開が全く違う…私は、この滝口の方が好みだ。
ついでに、この3作品の中で私は一番好きです♪

□赤
ホテルのフロント係である攻めの数樹の三人称視点。
心中未遂事件で辛くも生き残ってしまった浅海が、泣いて、泣いて、泣いて、新しい恋を知る物語。
浅海のツンデレ乙男ぶりは、それこそジンマシンが出そうなくらいアレですが、一番BLっぽい作品。
始まりが心中(自殺)未遂なので、文字通りどん底から王子様が引っ張り上げてくれる安心仕様で、
多分、3作中一番明るいトーンの物語です♪

□薔薇色の人生
“ホテル・ラヴィアンローズ”の誕生秘話でした(笑)。
崩壊⇒斜陽⇒始まりと、時間に逆行してホテルの歴史を遡っていた事実に大変驚かされました。
よくよく考えてみたら、高遠さんの番外編って、実は大概が“過去編”だったりするんですよね(笑)。
別れ話切り出すつもりが、逆にお城を取り返してきてくれた王子様にプロポーズされちゃったお話。
受けの千尋の3人称視点です。
[ 2008/05/02 00:42 ] novel BL | TB(4) | CM(10)
こんばんは!ハスイさん。
コチラの記事にもコメント&TBありがとうございました♪
私、通産3回はブログ上でこの作品の感想らしきモノ認めているので、まとめる作業は流石にいつもよりは楽だったかも…。
というか、高遠さんは何度も読み返さないと感想が書けないんですよね。
自分のショボイ日本語能力じゃさっぱりこの方の魅力が伝わらないわ、と途中放棄している作品も多いです。
私は登場人物たちの細かな感情の機微を追うのが苦手なので、どうしても感想が外側からのアプローチになっちゃうんですよ(笑)。

ハスイさんを初め、皆さんの感想は作品に対する愛情や細やかな配慮が感じられるので、いつも憧れます。
そして、自分の我流適当読み込みにいつも呆れるのです…。
これからも、技術が少しでも向上するよう精進いたします。

ではでは!
[ 2008/05/22 23:10 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、またまたお邪魔させて頂きますね。

沢山の人間の人生以上に、そうした人間達を見つめてきたホテルが(陰に隠れるように存在した、控えめで最重要な)主役であると言う構造と切り口がとても面白かったです。

私の所の感想と言えば、長いだけで身も蓋も無い形で終わってしまったのですが、tatsukiさんの感想は、流石に高遠さんフリークだけあり、簡潔で判り易い。にゃんこさんもコメントをして下さっていますが、「巧く言葉に出来なかった感情」を的確に表現して頂いてありがたかったです!

ではでは、連続コメントで失礼致しました!
[ 2008/05/21 23:35 ] ハスイ [ 編集 ]
こんにちは!森さん。
再コメント&TB頂いておりましたのに、レスポンスが悪くて申し訳有りません!
コチラからも先週の時点でTB送ろうとしたのですが、上手く送信できなくてあたふたしているウチに先を越されてしまいました(笑)。
FC2同士がたまに全くTB反映され無いんですよねー、困ったことに!
ただ、森さんの方からはTB送信できたみたいでしたので、今回はコチラからも上手くいったはず。
後ほど、コメントにお邪魔させて下さいな。
ではでは!

[ 2008/05/17 15:59 ] tatsuki [ 編集 ]
前コメでお伝えしなかった手際の悪さに度々のお邪魔申し訳ないです~汗。
僭越ながらTBさせていただきます^^

ナンだか全然取り留めのないダラダラ感満載のレビュになってしまい、折角のtatsukiさんからいただいた目から鱗が生かせなかった気が……うぅ。
精進しますvv
[ 2008/05/14 21:49 ] 森 [ 編集 ]
こんばんは!にゃんこさん。
こちらこそ、酔っ払ってはベラベラと変な萌えばかり語ってしまっていて申し訳ないです…。
そちらでもコメントさせていただきましたが、『世界の果て…』のCDが良い出来だと思いますよー。
小説も勿論良いんですけど、続きが気になる感じで終わっちゃっているので、レストランとか↑はシリーズ続編が発売されてからまとめて読む方が、良いかもしれません~。
高遠さんは、雑誌掲載分と書き下ろしで随分印象の違う作品を書かれることが多いのですよね。
にゃんこさんが仰るジュネっぽさは、書き下ろしの際に覿面に出てくることが多いので、そちらに注目しつつ読まれることをオススメします。

ではでは!
コメント&TBありがとうございました♪
[ 2008/05/11 19:45 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは!

3作とも無常観が漂っていていいなぁと思っていましたが、巧く言葉に出来なかった感情をtatsukiさんがしっかり言葉で説明されていて、感激しました。

今更ながらに高遠さんの魅力に気が付いてしまいました…。
もっと早く知っていたら、tatsukiさんとお会いしたときにいろいろ話が聞けたのに!と、残念でなりません。
これから他の本も手に取ってみようと思います!

TBさせていただきますね。
それではまた~
[ 2008/05/11 00:39 ] にゃんこ [ 編集 ]
こんばんは!はーこさん。
TBだけ送信して、コメントする余裕が無くてズルズルしちゃってて申し訳ないデス!
「小説ビーボーイ」は、番外編は賞味2Pで原稿用紙4枚もあるかどうかの量なので(高遠さんに限らず皆さん共に)、その為だけに雑誌を買うと後悔するかも知れませんよ、と伝えたかっただけなのです(笑)。
私は小説誌を買って割とちゃんと読んでいる方だと思うのですけど、今月の小説ビーボーイは見事に高遠さん以外の作品が読み込めなくて辛いです…。
アンケ葉書書こうにも、一本しか読んでません!というのもアレだしなあー、と。

そして、このオムニバスシリーズは雑誌で掲載されていたときに、勝手に三本立てだと思っていたので(しかも、ノベルス化の際には、“青”も“赤”も別のノベルスで刊行されるものと思ってました)、メインの二本だけだと妙に座りが悪いなあ、と思ってました、実は(笑)。
なので、ビープリンス文庫は世間で高いって言われてますけど、この作品は文量も“質”も高くて私にとってはリーゾナブルな小説に見えました。
私が高遠さんフリークだから、こう思えるのでしょうか?

だから、えーと、はーこさんも仰っていらっしゃるとおり、続けようと思えばいくらでも続けられるオムニバスシリーズなので、続編を書いて下さると嬉しいですよね♪
続きが気になるタイプの作品ではないから、スローペースで全然構いませんので。

それでは!
コメント&TBありがとうございます♪
[ 2008/05/08 23:21 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは♪

>ホテルが、この小説を貫く真の主人公と言って良いのかも

確かに、その通りかもしれませんね。
この本では3組のカップルを見守っていたわけですが、そのほかにも様々なドラマがありそうな気がします。
それを見続けていたホテルが真の主人公なのかもしれませんね。
しかし、ホテルが廃業になった理由が分からないのが~。
そこれへんにもドラマがありそうな気がするのですが。
気になります。

TBいただきましたので、よろしくお願いします。
ではでは、お邪魔しました♪
[ 2008/05/07 22:33 ] はーこ [ 編集 ]
こんばんは&はじめまして、森さん。
私の方こそ、いつも森さんの暖かくて丁寧なレビュー記事を楽しく読ませて頂いております♪
今回はコメントまで頂いてしまって、とっても嬉しいです、ありがとうございました!
こちらこそ、いつもロム逃げでスイマセン!

この作品は、雑誌掲載分の切り抜きを持っているので書き下ろし以外は予習できたんですよね(笑)。
だから、ある程度的を絞った感想を書けたかな、と自分では思ってます。
私は、今となっては多分高遠さんが一番大好きなBL作家さんなんですが、実は感想が極端に書きづらい作品が多くて、いつも悪戦苦闘しております。
ただ、この方が設定しているタイトルは言葉や単語は違っても“場所”的には同じトコロに着地していく物語なのではないかな、と思ってます。
(と言いつつ、半分はお友達ブロガーさんの“月と凌霄花”の秋月さんからヒントを受けて得た実感なんですが…)
で、森さんの仰るとおり“背丈にあった幸福”を得る物語になっているから、私も魅了されっぱなしなんだろうな、と思います。

ただ、今回の作品は前作のレストランやその前の『溺れる恋』に比べるとトーンが暗めで地味なので(まあ高遠さんの中ではそれでも報われている方のお話なんですが)、その事実を考えると一般にオススメな物語なのかどうかちょっと判断しづらいんですよね…。
しかも、語りだすと本当に自分の“素”に近づいちゃうから、恥ずかしいし、自分の痛い部分が露見されちゃってて、私も読み返すと「うわぁああ!」ってなります。

とまれ、森さんのレビューも楽しみにしてます!
取り上げられたら、是非是非TBさせて下さいな~。

ではでは。
[ 2008/05/05 23:26 ] tatsuki [ 編集 ]
初めまして、こんばんは。
いつもtatsukiさん独自の観察眼には感心させてもらっています。
この本、読了後に他の人はどんな印象を持ったのかと思い色々とお邪魔していたんですが、まさにtatsukiさんのこのレビュに言い得て妙なるものをいただきました(笑。
確かに大きなものを感じると言う程の展開がないのに、何故だか心に染み入るものがある。しかもそれが非常に自分の「素」に近いどこかに響いてる気がする。ナンだろう?と考えてみる。そんなときにこのレビュを読ませていただいて、納得です!不変的なものと進化するものの中で、ちゃんと各々の視点で各々の幸せの在処を見据えてる。その背丈にあった幸福だからこそこちらも素直な気持ちで幸せを感じることができてるんですね。嗚呼、目から鱗でしたよ!
初コメ、長々とすみませんでした。汗。
これからも参考にさせていただきます^^
[ 2008/05/05 21:29 ] 森 [ 編集 ]
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