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太陽と月の背徳 

私には、先天的にファンタジーに対する萌えが欠けているのかもしれせん…。
マイブーム中の高岡ミズミさん作品の私的第2弾は、予告通りにホワイトハートのファンタジーです。
が、感想は正直微妙…BLとしてはあまり面白味が無いというか、薄味作品なのは分かるのですが、
ファンタジーとして読み込むとどうなんでしょう?世間一般的には、面白い部類に入るのでしょうか?
私はと言えば、内容&設定がさっぱり頭に入らなくて、結果的にメモをとりまくって読み込みました。
しかも、感想を書くために、再度斜めに読み直して設定&世界観の再確認までしちゃいました(笑)。

改めてメモを読み直してノートに整理してみたら、非常に良く出来た世界観のファンタジーでした。
最初に読んだ限りでは納得のいかなかった箇所も、ちゃんと要所要所でフォローされておりました。
故に、問題は全て私の到らない読解力or集中力or記憶力にあると言っても過言では無いと思う。
恐らく、高岡ミズミさんは私のような愚鈍/不得手な読み手を想定していないんだと思うのです…。
著者自身も分かり易くを心がけたと仰ってますから、それなのにメモ無しでは辛かったと思う私は、
ファンタジーの読者としては脱落者なんですよね、きっと…。

さて、メモを手がかりに解説しますが、実はこの物語には重大な“皮肉”が内に隠されていた模様。
まず、神官である主人公の月花が信じる伝統が世界平和をもたらす礎であるという観念が危うい。
とても、危うい…その厳格な血統主義と保守主義が、むしろ中央を疲弊/堕落させているのですが、
純粋培養の月下視点ではソレが見えてこないからこの物語は厄介だし、感情移入しづらいのです。
本来貧富という概念が無いと公言する中央官僚国家のラドルグを、私はまるで信用できません…。
ラドルグがパパラギ的な原始的コミュニズム社会を維持しているのなら兎も角、同国は官僚国家。
国家財政のすべては他国からの上納金によって賄われているという記述もあるし、矛盾している。
遅かれ早かれ、この陽の国は伝統と血統と天帝の人徳だけでは立ち行かなくなる筈です…。

が、この“現実”を天帝の後継者である莉央少年は、直感的or理性的に感知しております。
彼は中央の純血主義の弊害で帝王に祭り上げられているように見えるのですが、実体は違います。
彼には血統+αの王者の資質が天性で備わっており、むしろ+αの部分が彼を帝王たらしめます。
血統という権威は彼にとって手段に過ぎず、大事な人間を守る為に権力者になることを厭いません。
軍事大国ガルトの独裁者の叡帝すらも、寝所でBLらしい“契約”を行使して懐柔させる強かな少年。
好色でやはり彼同様冷徹な現実主義者である叡帝も、積極的に彼のパワーゲームに加担する。
あどけない少年の振りをした、この次期帝王こそが正統で明瞭な視点の持ち主なのだ。

この政権交代劇は伝統に則りながらも、実は革新的な新しい風が入る構造になっているのです。
が、この薫風は私のようにボンクラな読者では大変読み取りづらく、巧妙に隠されているのです。
ヒントは莉央の言動、あるいは叡帝の心中(回想)描写にあり、そこから真の答えが見えてきます。
むしろ、月下の視点(真理)描写は不当とまでは言いませんが、世界を理解するにはかなり邪魔…。
つまり、メインの月下と悠仁の逸話を脇に据えた方が、世界観に入り込みやすいと思うのだ(笑)。

ちなみに、莉央とは全く別の視点になるのですが、三葉という脇役も世界の理解に役立ちます。
彼に注目して読み進めるのが吉!むしろ、彼視点で物語が進行したら一番分かりやすかったかも。
まあ、私好みのキャラクタなんです(笑)。

それにしても、今回は私が大苦戦したので、ファンタジーの読み方講座みたいになっちゃいました。
もっと効率の良いファンタジーの読書法がありましたら、教えてください!よろしくお願いします。
ちなみに、この作品の結論を言うとファンタジーとBLの両立はなかなか難しいものなのだな、と。
BLは兎も角、ファンタジー小説に慣れていない人間には少し不親切な仕様だった気がしました。

<作品データ>
・高岡ミズミ『太陽と月の背徳』上・下巻(水名瀬雅良・画、講談社X文庫ホワイトハート)2006.5、2006.6
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二度読み直しても、どうしても疑問に残る箇所が一箇所だけあります。

エスタルもラドルクも、国の紋章の一部にアルファベットが使われているみたいなんですけれど、
この世界は表音文字文化圏?…の割に、人名(位階名)は漢字という表意文字なのが解せない。
ってか、人名が漢字@表意文字なら、地域名も当て字で表意文字使っても良さそうなんですが…。

ちなみに、パパラギとは↓デス、読んだのは大昔なので実はあまり内容を覚えていない…。
パパラギ―はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集パパラギ―はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集
(1981/01)
岡崎 照男、ツイアビ 他

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[ 2008/04/24 22:19 ] novel BL | TB(1) | CM(0)
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la aqua vita 太陽と月の背徳
[2013/04/22 13:27] scarpe hogan
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