えーとですね、実は残念ながら本日もオススメではありません…贔屓の英田さんなのにネ(笑)。
実は、著者の“意欲作”だったとは思うのです…が、私が現状BLに求めているテーマじゃ無い。
但し、あくまで初見では魅力を感じなかっただけなので、近い将来評価が一転するかもしれません。
というのも、私は頑固なので映画狂の時から滅多に作品の感想を変えることは無かったのですが、
例外的に“恋愛”映画に関してのみ、鑑賞する度に印象が変わっていくコトが経験上多いのです。
その時々の私のテンションも勿論影響しているのでしょうが、上質の恋愛映画は年を重ねることで、
登場人物の会話や表情の“再発見”が多く、繰り返し鑑賞することで真の価値が見えてくるのです。
具体例を挙げるなら
『恋人たちの予感』…この作品は4度目の正直でその面白さに開眼しました。
(ちなみに、初見ではつまらないコトに小うるさいヒステリックな男女の話にしか見えなかった…)
さて、閑話休題。
つまり、私は今回の作品の真髄を見極められていない予感がする、と前置きをしたかったのです。
物語中盤まで読んで、何で“恋愛”に失敗し続けてきた(ている)人々がこぞって主人公の志真に、
我々BL読者の多くが敬遠しがちな典型的な
恋愛イデオロギーを語るかな、と思っていたのです。
志真も志真であえて“少年”に設定する必要があったのかな…と、冒頭から疑問に感じてましたし。
ものすごくオーソドックスな恋愛少女漫画をなぞる展開に、正直とても退屈な話だなと思いました。
が、
パイプカットネタに差し掛かって、実はこの作品が恋愛を
皮肉的に扱っているコトに気づく。
なので、初恋相手(幼馴染の父親・康征)に地道な恋愛のステップアップを踏襲してきた志真も、
最終的に恋愛が成就したとしても、それは将来の波乱(浮気とか)を想起させる結末となっている。
真っ向勝負で“恋愛”をテーマに掲げながら、恋愛関係の儚さをシビアに書いた物語なのですね。
BLジャンル的には新しい試みに思えますし、英田さん贔屓の私としてはその意欲を買いたいです。
でも、まあ正直言って今のところ不肖の私ではソコに萌えが見出せないのが、ちょっと悔しいです。
私は受けのニュータイプかもしれない志真よりも、オールドタイプの当て馬・トオルの方が好みです。
ってか、ショートストーリーで良いのでトオル視点のスピンオフ(報われると尚良し)が読みたいな♪
<作品データ>
・英田サキ『ライク・ファーザー・ライク・サン』(ヤマダサクラコ・画、大洋図書シャイノベルス)2008.2
この作品は、もしかしたら私よりも若い世代に案外受け入れやすい作品なのかも知れません…。
2月19日<追記>
旅先でお約束して下さった、待望の秋月さんのレビューは
コチラです。
私の心許ないあやふやな感想を、見事に完膚無きまでに力強く論破し、更に補完して下さいました。
思えば、この小説は発売直後に読んで直ぐに感想を仕上げた為、他の方々の反応は未見でした。
私は、例の
パイプカットの描写に至ってこの作品の方向性を確信したつもりだったものですから、
皆さんから、まさかあんなに糾弾される事象になるとは予測だにせず…。
と言いつつ、私も基本的に自分の解説を撤回する気は全く無いのです。
ただ、自分は兎も角、一般的にこの作品はがどう受容されるかがまるで見えてこなかったので、
曖昧かつ不明瞭で、回りくどい解説をしてしまった不甲斐ない自分に対して猛反省中なのです。
何となく、(私も含めて)従来のBLファンからは支持され難い作品だろうな、とは思ってましたが、
そして、この予想自体はそんなに外していないと思うのですが、その理由は私の想定外でした。
にしても、パイプカットはこの小説の痛恨の一撃であり、毒であり、衝撃の瞬間だと思うので、
この描写を規制(or回避)することは、この小説の場合はやはり不可能という気がするのです。
少なくとも、パイプカットに匹敵する
Pに対する衝撃的な現象でなければ、“皮肉”が露見しない。
あ!
Pは親指PのP、はっきりと表記するなら
男根。
その昔、斉藤美奈子が古今の名作を“妊娠小説”として喝破した、あの面白さに似ていると思う。
即ち、“恋愛”小説を徹底的におちょくっているのだ。
この作品は、もしかしたら私よりも若い世代に案外受け入れやすい作品なのかも知れません…。
2月19日<追記>
旅先でお約束して下さった、待望の秋月さんのレビューは
コチラです。
私の心許ないあやふやな感想を、見事に完膚無きまでに力強く論破し、更に補完して下さいました。
思えば、この小説は発売直後に読んで直ぐに感想を仕上げた為、他の方々の反応は未見でした。
私は、例の
パイプカットの描写に至ってこの作品の方向性を確信したつもりだったものですから、
皆さんから、まさかあんなに糾弾される事象になるとは予測だにせず…。
と言いつつ、私も基本的に自分の解説を撤回する気は全く無いのです。
ただ、自分は兎も角、一般的にこの作品はがどう受容されるかがまるで見えてこなかったので、
曖昧かつ不明瞭で、回りくどい解説をしてしまった不甲斐ない自分に対して猛反省中なのです。
何となく、(私も含めて)従来のBLファンからは支持され難い作品だろうな、とは思ってましたが、
そして、この予想自体はそんなに外していないと思うのですが、その理由は私の想定外でした。
にしても、パイプカットはこの小説の痛恨の一撃であり、毒であり、衝撃の瞬間だと思うので、
この描写を規制(or回避)することは、この小説の場合はやはり不可能という気がするのです。
少なくとも、パイプカットに匹敵する
Pに対する衝撃的な現象でなければ、“皮肉”が露見しない。
あ!
Pは親指PのP、はっきりと表記するなら
男根。
その昔、斉藤美奈子が古今の名作を“妊娠小説”として喝破した、あの面白さに似ていると思う。
即ち、“恋愛”小説を徹底的におちょくっているのだ。
私も基本的にロム専なのでお気になさらず(笑)。
ただ、無性に他の方と萌えを共有したいモードの時にアチラコチラにコメント残す時もあるのですが、殆どはロム止まりです。
遊びに来てくださっていたというお話伺えただけで、とてもありがたいですヨ!
コメント&TBありがとうございます♪
この作品は、私は比較的弁護に回っているように思われているみたいなんですが、正直言って萌えではなくて、ただ面白い“試み”の作品だったなあと思う次第なのです。
類似作品が今のところ思いつきませんし、もしかしたら今後こういうブラックなBLがブームになることがあるのかもしれません。
そして、その時に改めて再評価される作品のような予感もするのですが、現状だけでは何とも言い難いです…。
(少なくとも、数年後に読んだら私の感想は変わる気がするんですよね)
英田さんは映画がお好きみたいなので、映画っぽい構成の小説を意図されていたのかもしれませんが。
んー、でも私も“萌え”で置いてけぼりをくらった口なので、やっぱりオススメ作品とは言い難いのですよね。
変わった作品だとしか言いようがない。
でも、この作品は本当BLとは別の局面でイロイロと考えさせられましたし、今でも考え続けてます。
その答えは、ブログ上でもちょっとずつ展開していけたらな、と思ってます。
ではでは!