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上海夜想曲 

えーと、本日の作品はオススメしません!
何の覚悟も無く読み始めると、大半の方は恐らく途中で読むのが辛くなってくると思われます。
私も実は、上海に訪れてから始まる主人公の悲劇に次ぐ悲劇には居たたまれないモノを感じ、
その典型的なドロドロの昼メロ展開は、ロマンスを期待している身としてはとてもしんどかった。
が、主人公の凛でもお相手のエディでもなく、悪役のシドが大変魅力的に描かれておりまして…。
彼の行く末を見守ることを目的に転じることで、何とか最後まで読み通すことができました。
…つまり、シドがああいうキャラクタで無ければ、この作品は私も途中で投げていたと思います。

真瀬さんは、相変わらず主人公と半ば敵対する悪役(不完全な敵)を魅力的に描き過ぎますね。
『熱情の契約』の小悪党ティムも大概憎めなかったけど、今回のシドは私の心を捉えて離しません!
無論、私が重度のツンデレスキーだから余計に、彼の兄至上主義ぶりが堪らないのでしょうが…。
凛に対する過酷な暴力を差し引いても、明らかに王子役のエディを食ったバイプレイヤーでした。
凛視点で進行するこの作品では、エディよりシドとの関係の方が密度も時間も高くなってますし、
殆どロマンスしか見せ場の無いエディに比して、局面局面で凛に複雑な心境を垣間見せるシド。
私でなくても、読者の気持ちはシドにシンクロしていきませんかね?

さてこの作品、正直言ってボーイズラブという要素では楽しめない設定が多すぎるんですけれど、
実は別の観点から読み込むと、大変興味深いテーマが隠された作品になっていたと思うのです。

「おまえには失望した」
 乾いた声で言葉を投げ出し、呼び鈴を鳴らした。部屋に入ってきたシドに告げる。
「エドモンド・フォスターは、今日から私とも、ダドリー伯爵家とも無縁の存在だ」


即ち、この作品はダドリー伯爵家のお家騒動としか言いようの無い物語でもあったのですよね。
舞台を東洋に移しても、英国の階級社会が物語の根幹に関わってくるのは真瀬さんらしいです。
シドが焦がれ、エディが敬愛する長男のリチャードは、凛にとっては大災難の元締めなんですが、
長男の家(&家族)を守らなければならないと感じる責任感も、一笑に伏せるものではありません。
むしろ、一族の困難をほぼ一手に引き受けてきたリチャードだからこそ、健やかな末弟エディに、
期待をかけたかったのでしょうし、逆にエディの人生の大半は彼によって守られてきたのでしょう。
長男は、一時は風前の灯だったダドリー伯爵家を、三兄弟で新たに築き上げたかったんだろうな。
そんな長男を知った上でもエディは凛を選んでしまったので、長男の対応は↑のように冷淡です。
“恋愛”を貫くことで失ったモノを、曖昧化せずに訣別の言葉で明示したこの展開が潔いですね!

『エマ』もそうですが、二人のささやかな“恋愛”が周囲に波及していくことで社会的に生じる軋轢を、
ロマンスの力で単純に克服させないで、超えられないものは超えられないものとして書くシビアさ。
このリアリティとベテランの安定した文章捌きが期待できるから、私は真瀬さんが大好きです♪

<作品データ>
・真瀬もと『上海夜想曲』(後藤星・画、新書館ディアプラス文庫)2007.11
上海夜想曲 (新書館ディアプラス文庫 172)上海夜想曲 (新書館ディアプラス文庫 172)
(2007/11)
真瀬 もと

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今回も直接的なサービスシーンは省かれているのですが、間接的にとてもエロいシーンが…。
シドが凛に刺青を施し、エディが凛の指先を愛撫して凛の痛覚を逸らそうとするシーンがですね、
どう見ても、記号的には3P…エロい!真瀬さんの作品でこんなにエロい描写は初めてだわ♪
ご馳走様です♪
[ 2008/01/13 21:47 ] novel BL | TB(0) | CM(2)
こんばんは!mimuさん。
ご挨拶遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願いします~♪
この作品は、BLとしては失敗作と思われても仕方の無い作品なんじゃないかなあ、と私も思います。
真瀬さんは非BLのジュヴナイル小説なんかも書かれてますから、元々はBLのプロットとして起こした設定では無かったのかもしれないとも予想しているのですが…。
だから、英国貴族の家族小説として読み直してみると、特に結末がすごく良いんですよね!
オススメはしづらいんですけど、起承転結の結の部分は、私の鋼鉄の心もグラっと傾きます。
でも、途中の過程を読むのが辛いのも良く分かります(笑)。
こういう小説は、私も扱いに困っちゃいますねー、本当に。
うーん、うーん…最終的には良いんですけどねえ…。

ではでは。
[ 2008/01/16 00:21 ] tatsuki [ 編集 ]
こんにちは、tatsukiさん。

わーい、真瀬さんだ♪と何の覚悟もなく読み始めたため、tatsukiさんの指摘どおり、途中で投げる羽目になりました・・・。
一応まだ手元には置いてあるんですけど、いつか読める日がくるかどうか・・・。
シドに注目するという手、心に留めておきます。

今年もよろしくお願いします。
[ 2008/01/14 17:12 ] mimu [ 編集 ]
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