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エルミタージュ 

実は、ベルリンの壁が崩壊したときに初めて、ベルリンに壁があったという事実を知りました…。
しかもその後も数年間、ベルリンは旧東ドイツと旧西ドイツの丁度狭間にあるのだと信じてました。
ベルリン市が思いっきり旧東ドイツ側にあるコトを知った衝撃といったら!無知とはかくも恐ろしい。
西ベルリンはベルリン空港を死守した西側陣営による例外中の例外物件で、所謂飛び地でした。
(↑の大雑把な我流解説は誤解を招きそうなので、いつものようにウィキ解説もリンクしときます)

てことで、本日は久しぶりに華藤さんの感想です!またまた、ツボに入ってテンション高いですヨ。
今回は旧ソ連時代のKGB中佐×声楽を志す日本人学生で、異国シリーズの第4弾になるらしい。
当局の厳しい尋問に耐えながらも、尊敬する先生に思いを馳せ難局を切り抜けようとする主人公。
今まで私が読んだ華藤えれなさんの著作の中で、最も芯の強い受けキャラだったように思います。
いえ、彼の場合は強い(タフ)というより堅い(ソリッド)という形容表現がより適切かもしれません。
兎も角も、歌を決して忘れない(&ギリギリまで歌わない)カナリアのお話でした(笑)。

華藤さんの小説はある種の魔術的な力を感じる幻想的な文体でして、私はソコに魅了されます。
著者自身は異国(エキゾチック)ロマンスと仰ってますが、もはやコレは異世界ではないかと。
ブエノスアイレスにしろ、上海にしろ、今回のモスクワにしろ、華藤さんの筆致で描写される都市は、
我々が通常見聞き(or認識)している感覚とは、次元からして異なっているように思えてなりません。
以前もお話したとおり、やはり映像美の鬼才テリー・ギリアムの映画に何処か似ている気がする。
(注、私は↑の映画監督の大ファンで、特に「フィッシャー・キング」が大のお気に入り作品でした)
その文章から霞が立ち込め、気づいたら読者は旧ソ連という異世界へ誘われるミスティックな作品。
文体という観点から見ると、やはり他のBL作家と一線を画しているように思います、スバラシイ!

しかも、今回は攻めのマクシムと受けの和沙の二人の登場人物のギリギリの攻防も楽しかった♪
和沙に厳しい尋問と陵辱を強いる怜悧(&冷酷)なマクシムですが、彼の頑なさには適いません。
和沙の心には確固たるエルミタージュが存在するから、対人用の脅迫手段が通用しないのです。
自身を楽器であると喩えて泰然としているこの主人公にとって、ソレは換喩ではなく現実なので、
何処か人間性を越えているというか、一般的な人間とは土台が異なっているキャラになってます。
この手のタイプの主人公は、実はこの著者お得意の人物設定でして、“華”シリーズのは勿論、
『シナプスの柩』における医術にしろ、『サウダージ』のタンゴにしろ、これらは全てそれ自体が、
物語の根幹に深く関わっていて、登場人物の人間性と不可分の構造になっているんですよね。
今回の場合は声…いえ、歌…いえ、声楽という天性の楽器(&録音機)を有する半-人間設定。

人間相手なら敏腕のKGBであるマクシムの敵では無いのでしょうが、和沙は人間を超越している。
対人間用のプログラムでは頑として動かず(歌わず)、責める方が逆に心理的に追い詰められる。
陵辱行為の延長は加虐側の精神的な消耗も激しく、とどのつまり人間が“楽器”に適う筈が無い。
マキシムは和沙という名器の虜になり(←ヤラシイなw)、和沙は唯一の絶対的な聴衆を得ます。
演奏者(プレイヤー)としての和沙も楽器(インストルメンツ)としての彼も、水を得た魚のように、
自分に対する絶対的な支持者を得た途端、それまで堰き止められていた音楽を奏で始めます。
その瞬間は、実際に読んで体感してください!文章から和沙の歌声が響き伝わって来ますから。

というか、私が華藤さんの作品の虜なんですけどね…ご馳走様でした♪

<作品データ>
・華藤えれな『エルミタージュ』(高座朗・画、幻冬舎リンクスノベルス)2007.10
エルミタージュ (リンクスロマンス)エルミタージュ (リンクスロマンス)
(2007/10)
華藤 えれな

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一点だけ気になったのは、暗号としての旋律のお話。
要するに、普段の和沙はドレミで歌っていたのをCDEで歌いだしたら暗号が解けたらしいのだが。
CDEFGAB(ドレミファソラシ)だけで暗号文は解読できるモノなんでしょうか?
半音は?音の長短や強弱やオクターヴやヴィヴラートやらはどうなるの?意味が無いのかな?
7進法でもそりゃ暗号文は無限に打てるでしょうけど、素人がそんな簡単に解読できるモノなの?

…いえ、私個人は楽譜や音楽に暗号を乗せるというようなネタ自体は大好きなんですけどね(笑)。
[ 2007/11/05 21:23 ] novel BL | TB(2) | CM(4)
こんにちは!ゆちゅ♪さん。
久々に本格的な風邪を引いてしまって、家で寝てばかりのtatsukiです。
幸い、今回の風邪は頭痛や嘔吐感とは無縁で、ただ喉がガラガラでティッシュが手放せないだけなので、読書がサクサクと進んでます♪

>暗号に関してはAから始まって次のオクターブでAに戻らずアルファベットに置き換える、と書いてありましたが25音使う楽譜を実際メロディーとして奏でたら相当気持ち悪そうです・・・。

なるほど!そうだったんだ(←ちゃんと読めよ、自分)!
でも、半音が無いと旋律の美しさというか面白さが感じられない歌になりそうなんだが…。

和沙にとっての歌にしろ、左近にとっての舞にしろ、本人達の(肉体を越えた)存在基盤と不可分な要素になっていて、言葉がやや過ぎるかもしれませんが“神がかり”的なキャラとして作られているのがもうお見事という感じでして…。
こういう、華藤さんの幻想的な舞台装置が私は本当に大好きです♪
基本的にリンクスを読んでこなかったので、後発のファンである自分が少し悔しいな(笑)。

ではでは。
TBもありがとうございました!
[ 2007/11/23 10:18 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん こんにちは~♪

tatsukiさんの半人間解釈、素晴らしいですね!
うわー、一気に和沙のああまで頑なななぞが解けましたよ(笑)
確かに体も囚われてはいましたが心はずっともう以前から引きこもりですもんね、あの人・・・。
中佐から渡されたエセーニンの詩集がエルミタージュのドアを解放する鍵だったのかもしれませんね。
或いはカナリアだとすれば鳥かごからの解放ですか!よし、私の記事のテーマともリンクした!(笑)

暗号に関してはAから始まって次のオクターブでAに戻らずアルファベットに置き換える、と書いてありましたが25音使う楽譜を実際メロディーとして奏でたら相当気持ち悪そうです・・・。

ではでは、TBもよろしくお願いしますね♪
[ 2007/11/22 16:45 ] ゆちゅらぶ♪ [ 編集 ]
こんばんは!はーこさん。
華藤さんの描かれる受けキャラはどこか魔性の子的な雰囲気があるんじゃないかと思ってます。
だから、気を抜くとアッチの世界へ行ってしまわれそうでそういう意味でハラハラするんですよね。
(『シナプス~』は物語の半分近くがアチラの世界へ渡ってしまった受けの話だし…)
人間の器とは、違う成分で構成されているような気がしてなりません。

暗号の件は、今回私も一番気になりました(笑)。
スパイ小説の暗号って、例え文章が解析されても例えば「キツネがネズミを井戸に落とした」とかこんな文章になっていて、それ自体じゃやはり意味が分からないメッセージになっているようなイメージでしたから…。
ネタ自体はロマンチックで(しかも現実的に使われてもいたでしょうから)私も好きなんですけどね。

ではでは。
コメント&TBありがとうございました!
[ 2007/11/10 10:44 ] tatsuki [ 編集 ]
こんばんは♪

私はどちらかというと受けの頑固さにイライラさせられたのですが、そうか、人間を超えた存在だったのですね…。そうおもえば、受けの態度も納得できるかもですね(笑)

しかし、暗号のことは私も気になりましたよ~。
しかも、あんなに全貌が解るような暗号でいいのか?とか思ってしまいましたよ。いや、私もアイデア的には嫌いではないのですけどね~。

私の方はあんな感想ですが、TBいただきますね。ではでは~。
[ 2007/11/09 01:39 ] はーこ [ 編集 ]
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