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浸食 

本日はゆちゅ♪さん流のサブタイトルも考えてます、マゾヒスティック・サティスファクションで。
うわあ、楽しかったデス!目下私の内なるM魂に火がついてしまって、興奮冷めやらずという状況。
萩野さん、本当に本当にゴチになりました♪

てことで、本日は暫しの間積んでいた萩野シロさんの『浸食』をご紹介します。
大企業の御曹司×ヤクザリスキーラブらしいデス…男前なヤクザ西垣に見事ヤラレました。
…冗談さておき、コレはハードボイルドですね、しかも何ちゃってではなくて本格派ではないかと。
私は、極めてナル臭の強いこのハードボイルドという手法がイマイチ好きでは無かったのですが、
この作品のように、ハードボイルドのスタイルを踏襲したボーイズラブだと大好物みたい…(笑)。
加えて、視点が探偵紛いの仕事を不承不承引き受けた受けのヤクザの方だったので、萌え倍増♪
(というか、攻めがハードボイルドしている作品だったら、通常のソレ同様全く心動かなかったと思う)

で、件のハードボイルドが何かという話については、基本的にウィキの解説を頼って下さい(笑)。
我流に換言するなら、男の美学というモノを信じている人間に何かを訴えかける作品なんだと思う。
原理的には読者の情に訴えずにストイックな生き様を描くのが理想ですが、現実はそうでもない。
ちまたに溢れる同ジャンル作品の大半は、にまみれたご都合主義的な展開と化してます。
このジャンルは基本的に読者に媚びちゃいけないんですけど、マーケティング戦略を加味すると、
読者に寄った(or読者が酔い易い)エンターテインメント小説になっているのが、現状ではないかと。

が、今回の萩野さんは良くも悪くも読者に対する媚が無いので、そういう意味でもかなり本格仕様。
逆に言えば、大変読みづらい文体で綴られた独自孤高美学を貫かれてるので感心します。
萩野さんの独特の文体については↓で解説を試みますが、要するにツンデレ文体なんですよね。
今回の作品もキャラ設定、物語構成共にほぼパーフェクトに魅力的な作品に仕上がっていますが、
文体がとかく入りづらいのでそこで躓く読者が多いでしょうし、今後もあまり読者は増えないと思う。
でも、攻略難易度の高いツンデレっ子落とすつもりで、是非挑戦してみて欲しいなあと思います。
内容に関しては、申し分無く本当に面白いので…。

てことで、主人公のヤクザ受けの西垣は、BL界でも非常にレアな冷静な視点キャラとなってます。
通常の受け視点の小説は、先日の英田さんの『素直じゃねぇな』の真路君なんかが典型的ですが、
ソフトフォーカスがかったかなり美化した視点で物語を紡ぐので、本人達は無自覚なんですが、
読者に対するカメラの精度が荒く、一方で夜光花さんや松田美優さんの捻くれた性格の受けは、
読者を確信的に欺くあざとい視点を提供してくるので、私はまるで彼らを信用できなかったりします。
が、西垣は読者に殆ど心の内を見せない反面、精度の高いカメラで正確な情報を読者に提供し、
自身に極めて直接的に絡んでくる事柄ですら客観的に描写してくれるので、とても信頼できます。

但し、この淡々としたクールな筆致は、次がどう転ぶかが読者に見えてこないのでハラハラします。
具体的には、かなり序盤から強引な御曹司・槙野が物理的に西垣に絡んでコトに及んできますが、
その濃密な時間における西垣の心理状況が掴めないので、彼の次の行動が全く予測できません!
ま、結果的には黙ってナイフで彼の腕を切りつけるんですけどね、一瞬先はスプラッタ劇場デス。
その後も懲りない槙野は、手を変え品を変え隙を突いて西垣をモノにしようと奮闘するのですが、
その度ごとに西垣本人は勿論のこと、彼の先輩格である比佐野や親友の幸村などにボコられる。

で、Mな嗜好を持つ読者なら次第に気づくんですよ、次は何時来るんだって期待してる自分にね。
この冷静な視点キャラ・西垣が、言葉も無くいきなり槙野を殴ったり切りつけたりする瞬間をデス。
最初は彼の沸点が見えなくてビビっていたのに、いつの間にかソレが快感に摩り替わってました。
ヤクザという単語にゾクゾクくるらしい、言わば真性のMと思われるバカボン槙野は兎も角として、
私もその瞬間に期待しているあたり大概Mだよなあ、と…静かなSにしてやられたコトに気づく訳で。
てことで、サブタイがマゾヒスティック・サティスファクションなんですよ、Sな主人公(視点)は、
読者の内なるMの願望を剥き出しにさせ、あまつさえ心を浸食させて陥れるのね(笑)。

<作品データ>
・萩野シロ『浸食』(桜城やや・画、リブレ出版ビーボーイノベルス)2007.7
浸食 (ビーボーイスラッシュノベルズ)浸食 (ビーボーイスラッシュノベルズ)
(2007/07)
萩野 シロ

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萩野さんの文体の特徴
・自動詞と他動詞の使い分けに我流の独自ルールがある模様(多分、一般的ではない)
・意味深な行動パターンが意味を持っていることに気づくまでに時間(ページ)がかかる
・主人公は必要最低限しか読者に手の内を見せないので、心情を追うことは困難である
・このスタイルはやはりハードボイルドに近く、エンターテインメント小説ではあまり見ない気がする。

…スイマセン、もっとちゃんと分析しようと思ったのですが↑だけで疲れちゃったので備忘メモのみ。
いずれの機会にまた。

・萩野シロ『あいまいで頑ななキス』(佐々木久美子・画、ビブロス「小説ビースト」2006Winterより)
↑も、切なくて良い作品でした♪いずれにせよ、萩野さんの受けは男前でカッコイイですね。
[ 2007/10/27 22:15 ] novel BL | TB(2) | CM(4)
こんばんは!ハスイさん。
こんな前の記事にコメント&TBありがとうございます♪
って、私しつこくお奨めしてましたしね…ハスイさんも楽しんで頂けたようで、ホッと胸をなでおろしてます。

私は、萩野さんの第一印象が兎に角読みにくいっ!けど、受けが男前で気持ち良いなあという印象だったんですよ。
今はもう慣れたので(萩野さんご自身の筆が柔らかくなってきた気もするのですが)、私も普通に読めます。

幸村の番外編は、昨年末に発売された小説ビーボーイにショートストーリーが掲載されていました。
プラトニックで良い話なんですけど、短編なので再録は大幅改稿とかしない限り厳しいかもしれません…。
というか、事件モノとしてシリーズ化しても良いくらい、脇も魅力的なキャラばかりでしたよね。
私も続編期待したいです。

ではでは。
[ 2008/07/11 22:54 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんにちは!

随分前にお勧めして頂いた作品ですが、面白かったです♪お勧めをして頂かなかったら、そのままスルーをしていたかも知れません。ありがとうございました!

自分自身が読み難い文章を書くせいか、萩野さんの文章には読み難さを感じませんが、「ツンデレ文体」と言う表現には頷けるものがありますね。本格小説と大衆向けにアレンジされた小説の、丁度中間に位置するような、そう言った程良い硬さを感じます。

>真性のMと思われるバカボン槙野

最初は飄々としていたのに、物語が進行する事でM気質やヘタレ要素が出て来てしまった槙野ですが、「バカボン」は良い表現ですね。笑ってしまいました。(笑)

後半では槙野以上に幸村の存在感が勝ってしまいましたが、可能であれば、幸村編の続編も読みたいものです。

ではでは、TBさせて頂きますね!
[ 2008/07/11 16:49 ] ハスイ [ 編集 ]
こんばんは、ゆちゅ♪さん。
今回は、久々に見っとも無い長文感想で申し訳無い気持ちでいっぱいです…。
私もはっきりと萩野さんの文体の特徴を掴んでいるわけでは無いのですが、強いてあげればハードボイルドのスタイルに近い気がするというお話でした。
この『浸食』は特に、失踪事件を解決するために二人が俄かコンビを組んで物語が廻るので、余計にソレっぽい気がしました。
ちなみに、萩野さんは攻め視点だと逆にへたれ気味になるような気が…。
いずれにしても、受けが漢前で受け受けしくないのが魅力的ですね。
もっと、作品が増えて欲しいなあ~。

ではでは!
[ 2007/10/29 20:41 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん こんにちは!

そうかー、萩野さんは正統派ハードボイルドなんですね!
BLだと思って読むからとっつきにくさに不満が残るのかも。
そうなんですよね、萌えは満載なのに読みづらいのがもったいないなぁなんて思っていましたが意識を変えればそれが持ち味ってことで!
魅かれてしまうのは間違いないんですもの~♪

tatsukiさんの解説興味深く読ませていただいて自分なりに納得!

TBいただいていきますのでよろしくお願いしますね!
[ 2007/10/28 14:57 ] ゆちゅらぶ♪ [ 編集 ]
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