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月下の縁 

掲示板で予告した通り、本日は久々の水原とほるさんの新刊『月下の縁』をご紹介いたします。
ちなみに、以下の感想はまたも微妙なモノとなりそう…と言うか、多分誤読してると思われます。
決して面白くなかったと言う訳では無いのですが、私的にはキャラ萌えも設定萌えもほぼ皆無。
で、またもBL的局面とは全く無関係な側面が、気になって気になって仕方がなかった作品です。
てことで、私らしいといえばらしい感想にはなると思いますヨ(笑)。

その男、危険につき

今更言わずもがなですが、↑は水原とほるさんが描かれる、極めて独特な攻めの基本的な性質。
俺様攻めとか我侭攻めとか自己中攻めといった属性とは一線を画した、非常に危険な攻め。
本作品も然り…依りによってその男に近づいちゃいかんだろ的な男に近づき、心身ボロボロの受け。
但し、今回は従来の作品に比べると状況はやや温め…いえ、私が慣れすぎた所為なのかも…。

肉親の死で天涯孤独の身の上となってしまった晶は、幼馴染の敬生と共に中華街で生活している。
時代は戦後の経済成長の兆しが見え始めた日本、日本人でありながら台湾人のように振舞う晶。
敬生とはいつしか幼馴染の一線を越えた関係も始まるが、晶は彼に友情以上の心を開けない。
自身の性別や出自が敬生の将来の負担となる上、晶はもっと運命的な何かを期待していた模様。
そんなとある月夜の晩に、凱士という妖しい美丈夫な男に出会い、彼にも運命的な何かが訪れる。

折りしも中華街内の台湾人の立場は悪化し、その背後にはこの大陸から来た凱士の影がちらつく。
実は、台湾人若手グループのリーダーでもあった敬生は、断腸の思いで晶を彼の元に送り込む。
つまり、スパイとして…気丈な晶は意気揚揚と凱士に近づき、彼を翻弄するつもりだったのだが…。

てことで、決して近づいちゃいけない男に近づいて最大のタブーを犯した晶は当然手酷い目に合う。
これが普通のBL作品でしたら、可愛いお尻に大き目の注射を打たれる程度で済むのですが(笑)。
水原作品の世界の先はいつも大変シビア…今回は鞭による折檻、複数姦、阿片が待っています。
が、今回の作品は攻めの凱士に責め続ける気概が薄く、晶は晶で心が鈍感というか冷淡な為か、
決して通常よりは甘い状況という訳ではないのですが、暴力的なシーンは温めな印象を受けます。

そして、凱士には生き急いでも大金を一刻も早く調達しなければならない理由が、厳然と存在する。
後に文化大革命と呼ばれるようになる、あの血生臭い大陸(本国)の権力闘争前夜の不穏な動き。
そんな動向を敏感に察知した凱士は、危険承知で単身日本に乗り込み資金調達を始めるのです。
が、前提知識に乏しい私には、この凱士の危機感に対する共感という名の想像力が働きません。
と言うか、複雑すぎて学生時代に投げてしまったんですよ…文化大革命の歴史的展開把握は…。
まあ、この辺の解説は例によって↓にて挑戦したいとは思いますが、何はともあれ差し当たっては、
凱士という男が、只の冷酷なヒトデナシという訳では無かったコトが判明する事実が極めて重要。
彼は、本国に送金しては窮地にあえぐ人々や、中国の重要文化財・遺産の保護に奔走してたのだ。

晶はそんな凱士に絆された…という感じもしなくはないのですが、結局彼と共に歩む決心をする。
元々凱士に殆ど監禁されていたので、久しく敬生他台湾人の仲間とは会えていなかったのですが、
結局彼らとは決別し、凱士の逼迫した状況も手伝って二人は日本からアメリカに亡命することに…。
晶は勿論、凱士にとっても日本は祖国の一つだったのですが、二人はソコに帰属意識を見出せず。
そういう意味では、立場は違えど孤独異端な二人が、魂のレベルで結ばれるお話だったのかも。

が、残念ながらこの作品からは、そこまでの感慨(萌え)は見出せず…心情描写が希薄過ぎる…。
とまれ、ひたきさんのイラストは大変素敵で萌えました♪特におまけの羅兄弟がカッコイイ!

<作品データ>
・水原とほる『月下の縁』(ひたき・画、海王社ガッシュ文庫)2207.8
月下の縁 (ガッシュ文庫)月下の縁 (ガッシュ文庫)
(2007/07)
水原 とほる

商品詳細を見る




文化大革命
リンク先は、いつものウィキ解説。
実は私、この解説を熟読しても、結局何を目的に何が行われていたのかがよく分からない…。
小説で気になったのは、凱士が文化大革命前夜の状況を、現在の歴史的解釈で語っていた点。
当時の不穏で錯綜した状況&情報の中で、彼の言質はやけに断定的で結果論的過ぎる気が…。

中国はこのままだと危機的な状況になることは目に見えている。ただ、指をくわえて国が今世紀最大の過ちを犯すのを待っているわけにはいかない(P239)


同時代を生きていない私には想像することしか出来ないが、そこまで未来は断定的に語れまい。

横浜中華街
こちらは観光ガイドの側面という限界はあるものの、初耳のお話も多くて結構為になりました。
が、当然の如くあったかもしれない内部事情の水面下の民族(出身地)対立は見えてきません。

台湾
実は、今回一番気になったのはこの単語…非常にデリケートな問題を含む言葉だと思うのです。
ウィキの情報は量が膨大で読むのが大変だと思うので、注目して欲しいのは定義住民の項目。
敬生達が自身の民族として主張する台湾人とは、時代を考えると本省人からの華僑と思われます。
この時代の横浜の華僑の出自に関しては、無論私は何の予備知識も持ち合わせておりませんが、
大陸人は勿論のこと、本省人と外省人の民族対立にも根が深いものがあったのではないのかと。
(ちなみに、今回便宜上「民族」という単語を選択しましたが、いずれも華僑は漢民族に含まれる)
いやあ、私の余計な危惧であれば良いんですけどね…
[ 2007/07/26 21:41 ] novel BL | TB(4) | CM(6)
おはようございます、ハスイさん。
読み返してみたら、私も大概微妙な感想残してましたね…(笑)。
ハスイさんが、日記でこの作品を読むのをとても楽しみにしていらっしゃった様子でしたので、
「あー、そこまで期待されるとー、この作品はー」と一人ヤキモキしながら日記の方も読んでました。

うーん、やっぱり微妙な作品ですよネ。
あはは。

『唐梅のつばら』は実はまだ読んでいません。
水原さんの作品が、読みたくて読みたくて仕方ない病気が再発したら買うと思います。
水原さんも、殆どコンプリートしちゃっているので、未読作品を少し残しておかないと不安なんです。
ファン心理とは、かくもアンビバレントなんですヨ。

それでは!
コメント&TBもありがとうございました。
[ 2007/08/03 08:20 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは!

どうも残尿感に近いような消化不良感を覚えて仕方が無かった作品ですが(早速下品ですみません)、

>そういう意味では、立場は違えど孤独で異端な二人が、魂のレベルで結ばれるお話だったのかも。

tatsukiさんのこの一文を拝見して、大分スッキリしました。(笑)

妙な所で理屈を通したい事があるのですが(普段の屁理屈人間の自分を棚に上げて)、魂だとか運命だとかのレベルに当て嵌めてこの作品についてを考えたら、少しだけ自分の意地の悪さを控えられるような気がして来ましたよ。(苦笑)

BLだけに限らず、フィクション作品の殆どの恋愛の根底には、魂だとか運命レベルが100%に近い形で「前提」として絡んでいて当然なんですが、時々(主に、作品に酔いきれなかった時)それを忘れそうになるので行けません(反省)。

しかし水原さん、「唐梅のつばら」を境に、以降の作品がソフト路線に向かいつつある気がするので、そろそろ「もの凄い」と思える作品が読みたいです。

ではでは、TBさせて下さいね!
[ 2007/08/02 22:02 ] ハスイ [ 編集 ]
こんばんは、霖雨さん。
コメント&TBありがとうございます♪

温いと感じてしまうのは、私だけじゃなかったのね…と、ホッと胸を撫で下ろしております(笑)。
今回の二人は、こう…何だろう…淡白な気がします、だから粘着質な行為が持続しないと言うか…。
甘い作品では無いのですが、やっぱり少し薄味でしたよね。

文化大革命云々は、実は私も読み飛ばそうかなとも思っていたのですが(笑)、
柊平さんの時には突っ込みまくって、今回スルーと言うのもアレだなあと思いまして、
必至でウィキ読み込みましたが、これがなかなかキビシイ感じです…。
水原さんもよくまあこんな難しいテーマを選んだものだと、感心しております。

とまれ、静かで落ち着いたBL読みたいときはこういう作品も悪く無いかな、とは思いました♪
ラストのアメリカでのワンシーンも美しかったですし!

ではでは!
[ 2007/07/30 19:59 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは!

水原さんの暴力描写に馴れると、これぐらいだと温いと感じてしまいますよね…(遠い目)
晶を華と表現する凱士は、想像以上に晶に惚れているのかなと思いました。

近代史は不勉強のため、分からないことも多かったですが、中華街は人種が入り混じる興味深い場所だと思います。

前半の説明は上手く話に織り込んであったのですが、文化大革命の辺りは読み飛ばしてしまいました…。
どうせなら、最後まで上手く読ませて欲しかったなと思います。
[ 2007/07/29 20:19 ] 霖雨 [ 編集 ]
こんばんは!mikuさん。
てっきり現代物だと思っていたので、この水原さんの作品には少し驚きました。
まあ、中盤の手酷い仕打ちはいつもの水原さんなんですが…でも、やっぱり少し温いですよね?
感覚が麻痺しちゃっているのかなあ?

そうそう、本日は華藤えれなさんの小説を買ったので、立て続けに受けがチャイナドレスです(笑)。
まあ、偶然なんですけど妙な符合を感じました!

それでは!コメント&TBありがとうございます。
こちらからも、後ほどお邪魔させて下さいね。
[ 2007/07/29 00:20 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは!

私も水原さんの新作、「おお!温めじゃん!」と思いましたよ(私も水原作品に鈍化してるのか・・・)!そして、歴史的なものも絡めているせいか、心情描写は物足りなかったですねぇ(水原さんのキャラのちょっといってる心情がツボだったり←おい)。

私も文化大革命とかその歴史的なものは苦手なので、その辺軽く飛ばしてしまったのですが、tatsukiさんの補足参考にさせていただきました~。

TBお願いします!
[ 2007/07/27 22:24 ] miku [ 編集 ]
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【内容紹介】母を亡くし、倹しい生活を送っていた晶。しかし戦後の中華街で幼なじみの敬生と志を同じくし、日本人でありながら中華街に生きる台湾人としてそこを守ってきた。そんなある晩、中国からきた凱士という美丈
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[2007/07/29 19:10] 霖雨の彼方
久々の水原さんの新刊!!!最近の水原さんは痛さ度低めですねぇ。攻めの執着度合いも低めです。あの痛さと執着具合がツボなのですが。でも、それでも読ませてくれる作家さんなので好きです(^^)月下の縁 (ガッシ
[2007/07/27 22:08] BL本の日記
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