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日本のエロティシズム 

私はこんなタイトルの本も持っていたのですね…内容はおろか買った記憶すら無いですよ(笑)。
そして、このタイトルは大変誤解を受けそうな印象なんですが(少なくとも私は誤解してました…)、
至極真面目なお堅い文学論です。

第1部こそ、エロティシズム(&「もののあわれ」)にまつわる哲学的概論に終始しておりましたが、
第2部は日本の古典作品の概論、そして第3部は近代~現代までのにあたる文豪(小説家)が、
新しい西欧型のエロティシズムと日本の伝統的なソレとどう妥協し、作品に反映させていったのか、
といったところに、この研究書のポイントがあったように思われます。

私は例によって、BL理解の一助としてこの作品を利用するつもりだったのですが、無理でした…。
だって、猥雑な作品はテーマから完全に切り落とされているし、何よりもこの先生の観点がですね、
文芸作品の読者に女性を想定していないような気がしてならないんですよ(作家もそうですが…)。
故に、エンターテインメントに堕した作品としか戯れていない私とは、全く相容れられる筈も無く…。

まま、読み物としては結構楽しかったです、志賀直哉の冷淡な姿勢は萌えと言っても良いかな?
逆に、文学(or日本社会)に絶望して理想的に生きた(=死んだ)高邁な人々にはあまり心動かず。
私は、万人に支持されるような絶対的な美意識というものを基本的に信じてませんからネ(笑)。

↓のメモは、結局第1部のみ。

<作品データ>
・百川敬仁『日本のエロティシズム』(ちくま新書243)2000.4
日本のエロティシズム (ちくま新書)日本のエロティシズム (ちくま新書)
(2000/04)
百川 敬仁

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<もののあわれ>~時間感覚の切断or飛翔
 cf.「気分」byハイデガー『存在と時間』

人間の内面は、共同体と個人との関係の仕方に応じてそれぞれの文化によって異なったかたちで歴史的に形成される。(P.11)


 例)虚無感、差別、いじめ…構造的な社会現象
円環構造…「生の円環運動」by丸山圭三郎『欲動』弘文堂
・システィマティック@感動-和解-連帯
・相対的~本質現象の区別が存在しない
例)春画@性器の誇張orデフォルメ⇒性の徹底的な戯画化⇒エロティシズムの去勢⇒逆説的
↑エロ指数の高い(過剰な)BL作品との相似性を感じる

□<時間性>⇒<どこかに到達しようとして進んでいく時間>

自我の構造化の代償として累積する心的ストレスが、その構造の一時的解体によって解消されるカタルシス的な瞬間への予期(P.15)


 cf.「時熱」byハイデガー『存在と時間』
  ・人間的地平を越えた何か(=超越)
  ・どこか得体の知れない領域
  ・抗しがたい衝動に押されてそうしや動きに身をゆだねるコト
 <時間の可視化=空間化>
 ・象徴的な死の危険を犯す(一時的解体)⇔日常的自我(生きるために計算高く配慮する)

□性的本能
 )時間性をはらむ自我(心的存在)
 )生物としての身体

エロティシズム=人間的な欲望…例)料理

性的本能を制御することによって凝縮されたかたちで経験される根源的な時間感覚


∥ cf.ポール・ヴァレリー『カイエ』

肉体の生理を不可欠の基盤として利用しながら観念の高みへ飛翔しようとする欲望


・生殖から乖離→形式の多様性、恣意性
・本能と<たわむれる>
 cf.「媚態」by九鬼周造『「いき」の構造』
観念的(人間の快楽の本質)、慣れ、あこがれ、演技、屈折、倒錯的

他者に対する支配<攻め>と被支配<受け>の両方向の関係が交錯する演技的な協働作業によって性的快感の頂点へ近づいていく予期の時間のなかで十全に、そして最高度に味わうことが可能(P.24)


サディスティック⇔マゾヒスティック関係
 cf.拷問…→谷崎潤一郎
・エロティシズム@「発情をもたらす文化的な装置(シナリオ)」by上野千鶴子『裸体の記号学』

)エロティシズム@間接的、多様、自由、個人的、個体の実存的時間感覚
)猥藝@直接的、類型化、一般的、社会の存在論、公序良俗
古典派ソナタ形式(序破急、起承転結)~予期の時間感覚、円環敵時間構造

□禁忌侵犯byジョルジュ・バタイユ…cf.三島由紀夫
・<前-人間>状況

個体同士がたがいに反撥と牽引のアムビヴァラントな本能的衝動をいだきあって身うごきできない状況(P.43)


 cf.コンラート・ローレンツ『攻撃』
・象徴的行為<祭式・芸術>←構造離脱(自我の象徴的な死)への志向性
・人間の本能と存在との間にある程度の隙間がある

異界…幻想の世界、他界、異郷、外部 BLゲート?
両面的(アムヴィヴァランス)衝動の抑圧(=疎外、馴到)によって出現
・「ヌミノーゼ」byルドルフ・オットー『聖なるもの』
・「場所<コーラ>」byプラトン『ティマイオス』
⇒抑圧された<前-人間>状態を回復…人間@コスモス、秩序⇔前-人間@カオス、混沌
<おぞましきもの(アブジェクト)>byジュリア・クリステヴァ『恐怖の権力』
 =「ねばねばしたもの」byサルトル『存在と無』

認識の深化がもたらすものは<精神の王国>ではなく、すべてが見え透いたフィクションに堕する恐るべきニヒリズムの世界(P.55)


[ 2007/07/10 19:57 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)
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