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ばら色の頬のころ 

私のように腐れ果てて久しい人間がこの感想を書くのは、大変おこがましい行為のような気が…。
そんな風に思って、当初はこの作品の感想アップを無期限で放棄するつもりだったのですが…。
やはり、拙いながら多少なりとも形に残して置きたくなりまして…故に、断片的にほんの少しだけ。
何はともあれ、後世に残したい名作、BL志向派もBLに全く興味が無い方にもオススメな作品です。

この作品はいわゆる寄宿学校の青春グラフィティ、1950年代前半のアメリカの田舎が舞台です。
日本では、例の大型ドーナツチェーン店などが「古き良き…」と喧伝している時代でございますが、
一方で、私の記憶が正しければかの大国でマッカーシー旋風が吹き荒れた時期でもある筈です。
そして、本作の主人公であるモーガン少年の父親は、おそらく急進派リベラル政治家の市長さん。
そんな方が、主人公の境界線上の親友であるポール少年の魂を穢すのですから、皮肉的な話。

そう、彼らの関係は薄皮一枚のギリギリなラインで親友として繋がっているような状態なんですよ。
特に、潔癖な気質のポールは兎も角として、思春期の誘惑に弱いモーガンはかなり危うい印象。
後輩の刺激的な場面の影響も受けて、彼はポールに対してのある種の何かの訪れを自覚します。
(ちなみに、この後輩二人にも各々我々の想像を裏切る顛末が用意されているのが、興味深い)
が、そんな彼にしても、心と魂が不可分な淡くて美しいラインを越えません…まさに、青い時代。
無論、そんな時間は永遠に続く訳も無く…。

二人が必至で守ってきたは、リベラルなモーガンの父親を通して社会から蹂躙尽くされます。
ポールは改宗して自由社会に適応する兆しを見せ、モーガンはアウトローに徹するようになる。
彼らの未完成だったパーソナリティー(アイデンティティ)は、完全な振り出しに戻ってしまいます。
同様に、二人の関係も殆ど粉々に千切れてしまうのですが、辛うじて切れ端だけは残っていました。
それは、美しく澄んだ水の底に深く沈むのようなモノなのですが、それが二人を繋ぎ止めます。

もしこの物語が、青春時代の一瞬の煌きを切り取った一つの断章に過ぎない作品だったとしたら、
私はここまで心を動かされなかったと思います…多分、只のよくある青春モノで終わっていました。
が、この作品は続きがあるらしい、というか、実はこの作品はあくまでプロローグなんですよね。
私は『Jの総て』という本編の方が未読なので、それ故やはり感想に少し戸惑いを感じるのですが、
彼らに続きがあるという事実に心が救われます!…たとえ、あの頃には二度と戻れないにしても…。

失ったものが大きすぎる二人なんですが、それでも生きることを諦めなった彼らが愛しいです。
ご馳走様でした♪

「賢く立ち回ったほうが勝ちだ」


えぇ、肝に銘じておきます。

<作品データ>
・中村明日美子『ばら色の頬のころ』(太田出版F×コミックス)2007.3
ばら色の頬のころ ばら色の頬のころ
中村 明日美子 (2007/03)
太田出版
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ちなみに、モーガンが影響を受けていたミッチャム氏は多分この方。
私的には、眠たそうな目をしたオッサンのイメージしか無いのですが…(笑)。
[ 2007/04/19 21:14 ] comic BL | TB(1) | CM(2)
こんばんは!ハスイさん。
コメント&TB共々ありがとうございました!

私も、ハスイさんのブログにコメント残すのがしんどかったです(笑)。
作品の面白さとハスイさんの感想の奥深さに心奪われたものの、
いざ自分の言葉でソレを上手く伝える術がなかなか思いつかず…。

「Jの総て」はとうとう注文しちゃいましたので、まもなく手に入るはずです。
コチラは、私の方がハスイさんの感想を読んで「やっぱり読もう」と決心しました!
今から本当に楽しみです♪

ではでは!
[ 2007/05/23 19:58 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは!

大変遅くなりましたが、TBにお邪魔させて頂きますね!

さてさて、この作品ですが。

作品が気になっていた頃に、tatsukiさんが一押しして下さった事をありがたく思います。

おかげさまで、私にとってもお気に入りの作品となりましたよ♪

手短に感想を述べるのは難しい作品ですが、それだけに心に残るものも大きいんですよね。

ポールもモーガンも、常に心の中が満たされない状態で日常生活を送っていますが、それがとっても重くて痛いですしね。

周りがどうにかして助けられる、本人が頑張れば切り抜けられる。

そう言った簡単な問題として、終わらせる事が出来ないのがヒリヒリしますね。

でも、その「ヒリヒリする部分」から目が離せないのですけれども。

キラキラしている青春を送る事が叶わなかった二人ですが、「Jの総て」の最後では、笑顔を取り戻す事が出来て良かったなあと思います。

モーガンの想いが叶わない事は切ない所なのですけれども、大人になった後に、笑い合える関係になった事が嬉しかったです。

それにしてもこの作品、コメントひとつを考えるのも難しいですね。(苦笑)

長いだけでまとまりのない文書になってしまいますが、「大好き」な作品には違いありません。

ではではまた!
[ 2007/05/22 20:52 ] ハスイ [ 編集 ]
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【内容紹介】私立カレンズバーグ学院中等部、僕らが過ごしたかけがえのない時間―。ポールとモーガンの出会いを描く「Jの総て」前日譚。描き下ろし短編収録!日本最大級ネット書店のイーブックオフ【感想】楽
[2007/05/22 20:32] +synapse∞type-bee+
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