スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

緋い月 

これは、当たりです!私にとって、アルルノベルスで初めてのホームランでした。
mimuさんの感想を読んで以来ずっと気になっていたのですが、レーベルに一抹の不安を感じて、
暫し様子見してしまいました…只今、軽く後悔しております、本当に楽しい作品でしたヨ。
何はともあれ、ご馳走様です♪

さてさて、かなり本格的な任侠モノですよ、時代は明治初期…極端な欧化・近代化政策を前に、
一見、時代錯誤にも見える義理と人情で一家を守ろうと奮闘する竹居一家の三代目・七弥。
彼は女形も凌ぐ美貌の持ち主らしいのですが、この新米親分はどうも極度のシャイボーイ
腹の内を腹心の子分衆(+読者)にすらちっとも晒さないモノですから、不信感も自ずと募る訳で。
にも(七弥自身は気づいていないみたいですが)にも敵は多く、事態は軽く一触触発の危機。

そんな中、不意に現れたのが鬼の刺青を背負う渡世人・政一でした。
彼は実に男気溢れる風体で、幾度も七弥(と竹居一家)の絶体絶命の危機を救うのです。
私は、未だかつてBLジャンル界隈にて彼ほど純粋に格好良い攻めを見たことがありません!
受けの七弥一筋に、拳や太刀を振るい、小指を詰め、最終的には育ての親ともケリをつける攻め。
物語中盤までは、本当に怖いくらいに七弥と我々読者の理想をついた都合の良い攻めなんですよ。
が、彼には鬼を背負うだけの暗い闇や過去も当然ある訳でして…。

物語終盤の展開部にて、事態は意外な方向に転びます。
今回はあらかじめ他の方の感想を読んでいて、話の転び方を前以て知っていたにも関わらず、
七弥同様、すっかり政一に惚れこんでしまった私も、かなりしんどい思いをさせられました…。
いえ、結局はハッピーエンドなんですけどね…ちょっと作品にのめり込み過ぎちゃったみたいで。
やっぱり、一時とはいえ最も信用していた人間に裏切られる一幕というのはツライですよね。

ちなみに、主人公の七弥の方はいかにもなヒロイン気質で、私自身はあんまり好きではないです。
一家の親分とはいえ、彼の心は殆ど政一一色で彩られておりますから、彼の今後も少し不安。
最後は身も心も許した文字通りの懐刀・政一を掌握しますが、色ボケは少し抑えて欲しいですね。
こういう雰囲気の二人は、甘い時間を極端に削ったギリギリの関係の方が萌えますので(笑)。
てか、実はこの作品は色ボケに堕し無ければ続きが読みたかったり…アンケ葉書送ろうかしら?

そして、最後に唯一にして最大の不満点を一つ…即ち、序盤の文体ないし文章の視点です。
私は結局二度も読み返したのですが、あまりに視点が多重化ないし錯綜していると思うのです。
受けの七弥を筆頭に、攻めの政一、腹心の千蔵、当て馬の佐太郎に加えていわゆる俯瞰視点。
更に、池戸さんは実は初読みなのですが、極端に文章の主語や目的格が少ない方みたいでして、
私が読みなれていないというのも原因なんでしょうけど、会話文や-で示される心理描写が、
一体誰が誰に伝えている言葉なのかが大変読み取りづらく、私は何度もそこで躓きました…。

ストーリー中盤以降は視点がほぼ七弥に固定されますし、政一の大立ち回りのシーンなどは、
動きのある見事な文章捌きを感じるので、決して文章が拙い作家さんでは無いと思うのですが、
だとしたら、序盤の多重視点の意図は何なんだろうと只今大変気になっているトコロです。
私が知らないだけで、何処かできちんと確立されている小説技法の一つなんでしょうかね?

<作品データ>
・池戸裕子『緋い月』(有馬かつみ・画、ワンツーマガジン社アルルノベルス)2007.3
緋い月 緋い月
池戸 裕子 (2007/02)
ワンツーマガジン社
この商品の詳細を見る

[ 2007/03/20 19:32 ] novel BL | TB(1) | CM(2)
こんばんは、mimuさん。
毎度、コメント&TBありがとうございます♪

作品自体は、とっても楽しかったですよ!
mimuさんの御指摘どおり、攻めの政一がとても格好よかったです。
受けの為に、スパンとあっさり指を落とす攻めの姿に私も惚れました。
現代人設定の攻めでは、なかなかこういうシーンはお目にかかれませんよね。

池戸さんは、実は一点長らく積読している作品がありまして、
そちらを読んでまた考えてみることにします。
谷崎さんの作品も、確かにいつもよく視点が切り替わる文章ですよね。
でも、谷崎さんの視点のブレはパターンが分かっているのでサクサク読めるのです。
先日読んだ夜月さんも、なかなか視点の切り替えの激しい作風だったのですが、
こちらも目まぐるしいなあとは思っても読みづらいという感じでは無かったのです。
が、池戸さんは序盤がとにかく何故か躓きまくりでした…。
中盤以降はサクサク読める文章だったので、余計に不思議なんです。
しばらく、独自に研究してみようと思います。
ではでは!

[ 2007/03/22 20:17 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんにちは。
本文でまで紹介していただいてありがとうございます。
私の感想を読んで買ったらつまらなかった~!ということにならなくて安心しました(笑)

政一はホントに素敵でしたが、確かに七弥はヤクザの親分というには頼りなく、いくら心を新たにしても、一人じゃ危なっかしい感じですね。
私もストイックな続編が読みたいです。

池戸さんの文章ですが、同じ事を私は谷崎さんにいつも感じています。
でも谷崎さんを読み慣れているお友達たちは、違和感を感じないそうなんです。
「慣れると平気」と言われました。
池戸さんの文章の違和感に私が気づかないのは、慣れてるだけなんでしょうか?
[ 2007/03/22 06:31 ] mimu [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://joekey.blog23.fc2.com/tb.php/489-7d7b8a3a

緋(あか)い月池戸 裕子著 / 有馬 かつみイラストワンツーマガジン社 アルルノベルス(2007.3)オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る女形も凌ぐ美貌の武居一家三代目・七弥は、鬼の刺青を負う渡世人・政一と出会う。いつか去っていく男と知りながら、政一の男気に惹き....
[2007/03/22 06:32] 0Hz ―ゼロヘルツ―
*profile

tatsuki

Author:tatsuki
気になる方は、こちらをどうぞ。
アサッテなBLが好きです♪
アンケート回答募集中!!

*calendar
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
*category
*counter
現在の閲覧者数:
*blog-people

読書メーター
*page ranking*


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。