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赤い呪縛 

今更読んだ松田美優さんのデビュー作、ネタが兄弟姦係というコトでずっとスルーしてました(笑)。
が、世間は割と好評でゆちゅ♪さんもオススメとのこと、ようやく食わず嫌いを克服しました。
毎度のコトではありますが、何でもっと早く手にとっていなかったのか…とても楽しい作品でしたヨ。
極私見ですけれども、後発の2作品よりこちらの作品の方が遥かに完成度が高いなと思いました。
登場人物のキャラクター描写が大変丁寧で、とんでもな設定なのに意外な説得力を感じます。
というか、やっぱり『不道徳な闇』の方はかなり作品描写が大雑把だったのだなと、改めて実感。

主人公の日向にとって、今までは自分の我儘を聞いてくれて優しかった筈の次兄・龍昇でしたが、
(まあ、実際はそれ程優しかったわけでは無いのですが、少なくとも甘やかしてはくれました)
ある日の些細な兄弟喧嘩を境に、そんな穏やかで緩い日常生活は見事に終止符を打たれます。
その後に待つのは、男同士であるとか血の繋がった兄弟であると言った社会的な通念を超えた、
インモラルな官能の日々…真夏の太陽と庭に咲き誇る紫陽花が二人の関係に拍車をかけます。

当初は、強引に肉体関係を迫る龍昇に恐れ戦き、彼からどうにか逃れようとする日向でしたが、
その抗い難い未知の快感に溺れ流され、徐々にその異常な非日常的関係を受け入れ始めます。
というか、日向はむしろソレ無しでは生きられない禁断の欲望と渇望の実を掌握してしまった模様。
ここに、従来の日常世界を無為に緩くダラダラと生きてきた彼の、内なるリビドーが垣間見えます。
退屈な日常空間からの逃避ないし離脱というテーマは、BLといいうよりは青春小説のノリですね。
そして実際、松田さんの作品のテーマはいつもそちら側の面がかなり強い作風かと思われます。

物語終盤、龍昇の彼女登場で二人の関係は龍昇⇒日向から日向⇒龍昇へと見事に反転。
序盤の普通の兄弟から兄弟姦へ至る日常⇒非日常への移行から、二度目の価値転換です。
この変化の様子が読んでいて本当に楽しかった!自分をダシに誘い受けモードの日向の完成、
彼は龍昇を繋ぎとめるために、あらゆる手段を講じ、ついに兄の龍昇を陥落させて物語は終結。
このザクッと刃物で切り取られたような結末が、インパクトがあってかなり良い感じなんですよ。
この夏は決してひと夏の思い出に還元できるようなモノではなく、それは唯一の永遠の夏なのです。

思うに、夏という季節が世界の価値転換を招き易い要素を多分に含んでいるような気がします。
耐え難い暑さが、眩しい太陽が、陽炎の揺らぎが、日常世界を見事に反転させてしまうのです。
カミュの『異邦人』なんかがまさにそう、殺害動機は「太陽のせい」なんて言い切ってますヨ、これ。
要するに、この二人の一見ありえない関係も「太陽のせい」だと言い切ってしまって良いんです。
これもまた、一つの作品世界の真実なんです(笑)。

さて、最後に一点だけ気になったことをば。
それは、いじめられっ子のハジメの存在です、正直彼の存在がそれ程必須とも思えないのですが、
場面場面でよく出てきます(しかも、主人公日向との会話シーンが一つも無いのです…)。
でも、このハジメには何かを見透かされているような妙な印象を受けるのです、変な感じです。
多分私の誤読なんでしょうけど、ハジメと日向は実はかなり近い人物のような気がしてなりません。
でなければ、この作品自体がハジメが日向を妄想して作られたモノのようにも見えなくもなく…。
穿ちすぎかなあ(実は『不道徳な闇』でもこういう変な印象を受ける描写があったのですが…)。

<作品データ>
松田美優赤い呪縛』(奈良千春・画、大洋図書シャイノベルス)2006.4

赤い呪縛 赤い呪縛
松田 美優 (2006/04/24)
大洋図書
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[ 2007/02/25 21:59 ] novel BL | TB(11) | CM(4)
ハスイさん、こんばんは!今朝方TBの方、再送信させて頂きました、よろしくです。
ハスイさんのコメント読んで、ちょっと前に放映されていたヴィッツ愛しちゃったのCM思い出して、
とっても気持ちが和んでしまいました、猫型キャラって私も大好きなんです♪

ハジメの話は冗談半分に聞き流してください…あわわ…。
誰も指摘していらっしゃる方いないみたいなので、又も私の誤読かと。
『不道徳~』を読んだ時も、実はこの種のトリッキーな設定疑ってたのですよ。
つまり、コレは主人公の弟によって書かれた兄へのイヤガラセ小説なのかも…、
と思わなくもなかったのですが、情報が絶対的に不足している上に、
やっぱり誰もそんな風には読んではいなかったみたいなので、
これまた私のしょーもない誤読に過ぎないのだと封印してました(笑)。

何せ、現役時代に国語の模試偏差値で29を記録した人間ですからね!
こんな偏差値が実存するんだという事実に、まず驚き呆れましたヨ(笑)。

只、主人公が殆ど意識しているとは思えない登場人物が執拗に描かれている理由が、
私にはどうにも解せなくて…しかもハジメの視線をひしひしと感じる気がするのです。
うーん、誤読王の通り名でも襲名しようかな(笑)。

コメント&TBも本当にありがとうございました。
こちらこそ、ハスイさんのコメントに大変楽しませてもらいましたヨ♪
ではでは。

[ 2007/02/27 22:21 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、今晩は!

物凄く奥にしまい込んでいた記事にコメントを下さってありがとうございました!

基本的に、どの作品を読んでも論点も観点も人様からズレてしまう私の感想文ですが、この作品の感想もまた、派手にズレまくっている感想文でしたので、そんな記事にコメントを頂けて嬉しいです。

さてさて、この作品。

近親相姦に始まり、下半身の行動力が活発な子達が登場します。その辺りの印象が強かった私は、この登場人物達の行動範囲を「にゃんこコミュニティー」と勝手に決め付けては、曲がった視点で楽しんでしまいました。(すみません)

登場人物達を「人間」として考えると、「なんて節操のない人達なんだろう」と考えてしまうのですが、あら不思議。登場人物を猫に見立てて「にゃんこコミュニティーで起こった出来事」としてしまうと。

節操の無さまで可愛らしいと思えるようになりました。(人間の決めつけ力ってのは際限が無くて怖いですね)

何はともあれ、「赤い呪縛」が「血縁で深く繋がり合う絆」に変わった事で迎えるハッピーエンド。

tatsukiさんもコメントしていらしゃいますように、「対照的な兄弟」であったからこそ、「作品世界の現実」としてくっついた後に、妙な後ろめたさもなく纏まったような気もします。

それにしてもハジメ!初めて読んだ際にはそんなに気にならない人物だったのですが、改めてtatsukiさんの突っ込みを拝見し、気になり始めました。今後また読み返してみたいと思います。

折角のコメントのお返しがこんな文章になってしまってすみません!

しかし、同じ作品で沢山の方の、視点の違う感想を拝見させて頂けると、自分では気付かなかった新しい発見が出てくるので嬉しいですね。

本日も充実した一時を過ごす事が出来ましたよ。本当にありがとうございました!

ではではまた!
[ 2007/02/26 20:53 ] ハスイ [ 編集 ]
こんばんは、ゆちゅ♪さん。コメントありがとうございます。
私は父子姦ネタなんかは大好物なので、一概に近親モノが苦手というわけではないのですが、
少なくとも、同質性の強い二人の肉体関係というモノには強い抵抗があります。
が、今回は実の兄弟とはいえ、かなり対照的な設定で描かれていたのでとても楽しかったです。
私は松田さんの作品は、どれも割と好きみたいです(贔屓という程では無いのですが)。
いずれも描写が足りていなかったり設定が不安定だったり何処か満足に一歩足りないのですが、
逆にそういうトコロに妙な愛着が沸くみたいです。

それにしても、この手の男の子って等身大でそこらにいそうなフツーさがありましたよね。
(まあ、さくらちゃんは滅多にいないタイプかも…)
こういう独特の田舎っぽさ、バタ臭さが妙に懐かしくて心地良いものを感じましたよ(笑)。
そういえば、松田さんのSSはいつも逆に読まなければ良かったな、と思うことが多いです。
シリーズでどうこうする作品じゃないので、蛇足な印象がとても強くて…。
この話のは当然読めていないのですが、まあ私的にはナシで良いです。
この作品の断ち切り方がお気に入りなので(笑)。

こちらからも、TB送らせて頂きましたー、よろしくお願いします。
[ 2007/02/26 19:09 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん こんばんは♪

わ~近親ソーカンものでしたがとうとうチャレンジされたのですね!
私も松田さんの中ではこれが一番好きです。
『不道徳な闇』は「ありえねー」とかずっと呟きながら読んでましたが(いえ、でも好きなんですよ…)『赤い呪縛』はいかにもいそうなんですよね、こんなダラけたコーコーセーとかガテンなあんちゃんとか。
二人の兄弟関係もいかにもBLにありがちな感じじゃなくて、しっかり虐げられる弟<支配する兄の構図だったものが最終的には心情の上で下剋上が成ってしまったのかなぁ、と思います。

本編を読み終わった時点ではあまり幸せな今後を想像できないなぁ…と思ってたのですが、以前出版社のHPに掲載されたというSSはわりとほのぼのとラブでしたよ♪

それでは、また後日TBにまいりますね!よろしくお願いします♪
[ 2007/02/25 23:14 ] ゆちゅらぶ♪ [ 編集 ]
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