スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

優しい檻 

椎崎夕さんの最新刊です、実は3日もかけて読みました…ボリュームが…あります…。
今回の作品の感想は、正直どっち側から書こうか結構判断を迷うトコロなんですが、
この著者はもっと面白い作品を生み出す能力があると思うので、やや厳しめの感想で。

一言でその欠点を挙げれば、それはつまり文章が長すぎるという点に尽きます。
私は、こういう緩やかな日常を描くタイプのBLストーリーは大好きな部類に入りますし、
登場人物もそれなりに好感な印象でしたし、逆にスカスカな文章を好まない人間なので、
基本的に文章みっちり型は大変好ましい作風の筈なのですが、それでも限界があります。
特に本作品は、より厳密に言えばエピソードもしくはプロットに見合わないに問題を感じました。

借金を完済して家族を養う為に、夢を諦め、愛人契約のようなモノで生計をたてていた主人公が、
(※現実的には、物理的な肉体関係は皆無で、むしろ擬似家族契約のような立場でした…)
9年越しで当時から敬愛していた相手とまともな対話をし、徐々に恋を自覚するお話です。
一時的な監禁生活や、主人公の雇用者の突然の死といったストーリーの波は多少ありましたが、
それでも個人的には、ここまで文章を助長化させる必然性は全く無かったように思うのです。

グルグルと迷い戸惑う優柔不断な性格をした主人公だったというのが理由の一つなんでしょうが、
(そして↑が原因で、私はこの主人公には全く感情移入できず…イライラします…)
それだけが原因ではないという具体例を、↓にやや長めの引用します。

 

 それなのに、樹だけは例外だった。
 目に入った看板の赤がどぎつすぎるという些細なことにすら腹が立つ時でも、樹といるだけでその感情が溶けるように消えてしまうのだ。それこそ手のひらに落ちたぼたん雪のように跡形もなくなって、ただ凪いだような気持ちになる。だからといって制作意欲が削がれるわけでなく、かえって落ち着いて思考を組み立てることができてしまう。



↑が長すぎる文章の真の要因です(笑)。
これは実は、比較的判断力と行動力を兼ね備えた攻めの常盤視点の後日譚からの引用でして、
受けの樹の煮え切らない優柔不断性を敢えて外して眺めてみても、この体たらく…(笑)。
たかが樹の例外性を表現するのに、かなりもったいぶった回りくどい言い方をしております。
そして、何となく方丈記あたりの現代語訳に出てきそうな文章に見えるのは気のせい?
これが本編だと更に、受けの樹のグルグルと同じコトを何度も反芻する心理描写も相まって、
ストーリー展開自体は割と単純なのに、遅々として物語が進まないのです…。

椎崎さんの文章は基本的に歯切れが良くて、私的には大変読みやすい部類に入るのですが、
比喩表現はもう少し場面を自粛しないと、重要な局面での演出効果が期待できなくなりますし、
私のように集中力の無い人間は、辛抱できなくて途中で作品自体投げてしまいかねません。
要するに、殊にこの作品に関してはもう少し文章を推敲して欲しかったな、と。

あと、視点キャラの美しい感性にのみ終始した描写も共感しづらく、頂けません…。
私のような汚れた人間は、心情のドロっとした部分とか恥ずかしいシーンだって見たいのです。
欲張りな要望で申し訳ないのですが、長い割に読者サービスが全然たりていませんでした。
今後に期待したい作家さんなので、今回は厳しい意見を連ねてしまって本当スイマセン。

<作品データ>
椎崎夕優しい檻』(佐々木久美子・画、大洋図書シャイノベルス)2007.2
優しい檻 優しい檻
椎崎 夕 (2007/01/29)
大洋図書
この商品の詳細を見る







前回『あなたの声を聴きたい』を読んだときも、実はこの小説自体の尺が気になっておりました。
(どうも、起承転結のに異様に文章を割くクセというか特徴がある作家さんみたいです…)
只、この時はほぼ初読み作家さんだったのと、脇役の春梅が大変魅力的に描かれていたので、
この欠点は私の心の中で完全に相殺されていたのですネ。
が、今回は受けと攻めのほぼ2人劇だったのにこの長文、というのが逆にストレスだったのかも…。
故に、脇の笠岡や山辺がもう少し詳細に描かれていれば、作品の印象は違ったかもしれません。
ここまで書いていてアレですが、ストーリー自体は嫌いじゃないです、むしろ大好物でした。
[ 2007/02/01 21:05 ] novel BL | TB(1) | CM(2)
こんにちは!はーこさん。お返事少し遅れてしまってスミマセン。
TBはちゃんと送ることができましたので、よろしくお願いします。

椎崎さんはたまに読むには良い作家なのかもしれませんが、
立て続けに読むとちと飽きる(疲れる)作風ですね。
決して雰囲気が嫌いというわけでは無いのですが…。
私の場合、同時期に読んだ他の作品がとても面白くて泣きまくったので(笑)、
それもあって感想が少し厳しくなってしまいました。

はーこさんもおっしゃっているように、周囲のキャラ描写がもっと練ってあれば、
作品の印象がかなり良くなったかもしれませんので、
そういう意味でも勿体無い印象でした…。
何というか、惜しい作品でした。

それでは、コメントありがとうございました♪
[ 2007/02/03 06:03 ] tatsuki [ 編集 ]
椎崎さんって、確かに、起承転結の承が長いかもしれませんね~。私は一気に読めましたけど~。

ただ、やはりあまりにも2人だけの世界で物語が進んでいたのが~。
監禁ものだから、当たり前の展開かもしれませんけど…。
もう少し周りのキャラを活かしてくれれば~
倉沢あたりも出番これだけ?と思いましたよ。
でも、私も設定自体は好きですね。

TBよろしくお願いしますね♪

[ 2007/02/02 01:51 ] はーこ [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://joekey.blog23.fc2.com/tb.php/457-9c0db928

二段組みでページ数としてはボリュームがありましたが、結構サクサクと読めましたよ~。前回もボリュームがあったのにサクサク読めたよな~。相性がいいのかしら?優しい檻椎崎 夕【あらすじ】ある冬の寒い日、橋本樹は、彫刻家・常盤正嗣の工房を訪ねる。樹が秘書を務める
[2007/02/02 01:39] こんな本よみました…
*profile

tatsuki

Author:tatsuki
気になる方は、こちらをどうぞ。
アサッテなBLが好きです♪
アンケート回答募集中!!

*calendar
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
*category
*counter
現在の閲覧者数:
*blog-people

読書メーター
*page ranking*


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。