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花の檻 

またまた、激しく酔わされてしまいました、華藤えれなさんの能楽界を舞台にした作品です。
今まで読んだ華藤さん作品の作品の中で、間違いなく一番のお気に入りになってしまいました。
それどころか、能楽界を舞台にした他の著者によるBL(風味)の作品よりも大好きかも。
(山藍紫姫子さんの『花夜叉』、杉本苑子さんの『華の碑文』と比べてという意味ですが…)

600年続いた宗家の血を絶やすことも厭わない二人の狂愛劇には、美しさというよりも、
ある種の潔さのようなものを感じ、大変感動的な力作に仕上がっていたと思われます。
事実、愛という安っぽい言葉だけでは全然足りていないですね、この二人の関係は。
能楽という伝統芸に裏打ちされた、狂おしい妄執と幽玄の世界、生死の境界すら危うい印象。
匂い立つような定家蔓に惑わされ、いつも以上に濃く淫らなサービスシーンも圧巻でした。
(それでも尚、何故か品位を失わないのはこの著者の長所でもあり短所でもあるのでしょうが、
舞台設定や文章が大変芝居がかっているので、艶っぽくても官能的にはならない作風です)

二人の関係もさることながら、彼らを取り巻く周囲の登場人物もまた狂気じみております。
特に、主人公である左近の長兄の宗家に対する執念が凄まじく、私は実は大好きです(笑)。
芸事に全てを委ねた世界は、案外誰しもこの種の狂気的なモノを内包しているのかも…。
いざ自分がそういう場に身を置きたいかといえば、残念ながら否と即答させて頂きますが、
それでも尚、こういう特殊な環境に対する憧憬のようなものを思わず抱いてしまうのです。

とはいえ私は、これぞ日本人的なメンタリティーと換言してしまうことには懐疑的です。
少なくとも私の場合、どちらかというと異国の方が日本に感じる憧憬に近いと思うのです。
私はこの作品も含めて、が舞台を彩る重要なファクターになっているお話が大好きですが、
私の個人的なリアルな思い出には、北国育ちの宿命かは一切心に出てきません。
(私の故郷で桜が満開になる時期はGW辺りで、少なくとも春のアイテムにはなりえません)
この記憶の無さが逆に、異常に幻想的なイマジネーションをかき立てられるのですよね。
要するに、無いものねだりで評価が甘くなる…逆に、思い出深いには想像力が働かないです。

さて、話が逸れてしまったので修正します。
この作品実は、ストーリー前半の『花の檻』では主人公・左近をシテとする鬘物(3番)
後半の『花の影』では、若宗家・橘平をシテとする現在物、狂女物(4番)といったように、
能楽的演目の定型パターンと作中のテーマが見事に照応しているのも見所なんですよ。
↑の2曲はどちらもほぼ女性役と限定できる演目でして、そういう意図で読み込むと、
BLジャンル的には男百合要素も垣間見える作品だったと言えるのかもしれません(笑)。
受けの左近の艶っぽさは兎も角として、攻めの橘平の執念が女のソレに近いってのが何とも…。

まあ、最後の話は冗談半分に聞いて下さい、いずれにせよ大変刺激的で楽しい作品でした。
ご馳走様です♪

<作品データ>
華藤えれな花の檻』(佐々木久美子・画、幻冬舎リンクスノベルス)2006.3
花の檻 花の檻
華藤 えれな (2006/03/30)
幻冬舎コミックス
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[ 2007/01/30 00:15 ] novel BL | TB(9) | CM(6)
こんにちは!mimuさん、こちらこそコメント&TBありがとうございました~。

そうなんですよね!小説内の専門的描写って匙加減が難しそうですよね。
それに特化しちゃうと、BLジャンルじゃなくなってしまいますし…。
程よく読者を騙し、程よい薀蓄があると個人的にもとてもお気に入りになり易いです。
今回の能楽世界は、平均的な日本人よりも基本的な知識が足りてないような私でしたので、
大慌てで事前予習しました(笑)。
というか、華藤さんはもう心してかかる作家さん認定してますので。
とことん付いて行きたくなる魅力のアル作家さんだと思うのですよー。

それでは、また!
[ 2007/02/03 06:12 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんにちは。

コメント&TBありがとうございました。

能について凄くよく勉強なさって感心いたします。
BLというジャンルで『ある職業』や『ある世界』を書こうとする時、専門書ではないので、それを知らない人が手に取ることも往々にしてあるわけですが、ではどのくらいその世界について書き込めばいいかというと、説明になりすぎても読むほうは嫌になるし、簡単すぎても、その世界の面白さや臨場感は伝わらないしで、バランスは結構難しいと思うんですよ。
そういう点で、日本伝統芸能でありながら、誰もが良く知ってるわけではない『能の世界』を取り入れて、BLファンにも伝わる“萌え”に昇華させているところは、上手いなと思ったりします。

こちらからもTBよろしくお願いしますね~!
[ 2007/02/02 06:24 ] mimu [ 編集 ]
ゆちゅ♪さん、こんばんは!毎度コメントありがとうございます♪
『花隠れ』の方は実はこれからなんですよ…。
『花の檻』購入の際に同時に買うつもりだったのですが、『花隠れ』の方が切れていて…。
まあ、でも後日他のお店でこちらも無事購入しましたので、次の感想はコレになりそうです。

それにしても長良川の薪能舞台とは羨ましい限りです~。
私も、今は色々計画を練っているだけで実行にはまだ程遠く…。
しかも、職場の目と鼻の先に能舞台があったっぽいコトを実は先日知りました(笑)。
所詮は、こういういい加減な人間なんです、はい…。
うん、でも今年は本当にコレを一つの目標にしようと思います!
ではでは。

[ 2007/02/01 21:24 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん こんばんは♪

華藤さんの和物といえば花花シリーズ(勝手にシリーズ名を…)だわ~、と思ってましたが私もこちらの方が好きです♪
「花隠れ」は既に読まれましたか?左近がちびっと出演してますね(^-^)

読了後は世界に酔って「薪能見に行こうかなぁ」などと思うくせに、なかなかtatsukiさんのように行動するところまで至りません(ノ_・。)
せっかく近所で素晴らしい催し(長良川の河畔に能舞台を設えて薪のあかりで舞うんですって。まさに幽玄ですね♪)があるのだから今年こそチャレンジしてみたいものです…。
[ 2007/02/01 00:31 ] ゆちゅらぶ♪ [ 編集 ]
こんばんは&はじめまして!mikuさん。
コメント、TBともども本当にありがとうございました。
こちらからも、TB返させていただきましたのでよろしくお願いします。

華藤さんは、本当に文章が上品な方ですよねー。
私も、独特の比喩表現に惑わされっぱなしです(笑)。
この著者の受けキャラは、割といつも一見儚げで危うい美人さんが多いみたいですが、
どこか天然属性めいた変な愛嬌もあって、私はそんなキャラクター性に心惹かれます。
もう、何というか華藤さんの作品には最近ずっと惚れっ放しで、
いつも見苦しい萌えトークを垂れ流していますね…。

実は本日、この感想を書くに当たって読んでみた現実の能楽入門書も紹介しておりますので、
よろしければこちらもどうぞ。
私の、いかにも付け焼刃的なネタ元(つまりいわゆるカンペ)がまる分かりですヨ(笑)。
ではでは。
[ 2007/01/31 00:25 ] tatsuki [ 編集 ]
おはようございます!

「花の檻」、私も好きです!こんな世界観の表現はさすがえれなさんだな~って思います。
女性っぽい受けは敬遠しがちなのですが、
>品位を失わないのはこの著者の長所でもあり・・・
ってところに激しく納得です。上手く書かれてあるな~って思います。左近は設定的に女性っぽくても、芯はしっかりしてますしね。

このお話、以前に読んでいたのですが、最近同人で番外を読んでまたまたマイブーム中で、tatsukiさんのレビューがタイムリーでした~(^^)

>この作品実は、ストーリー前半の『花の檻』では主人公・左近をシテとする鬘物(3番)~
このくだり、ふむふむ!と勉強になりました!

是非TBお願いいたします!
[ 2007/01/30 08:07 ] miku [ 編集 ]
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