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西洋音楽史 

実は読了したのは昨年末だったのですが、メモに非常に手間取りました。
この作品自体は、大変興味深く読ませて頂きました、楽しかったです。
ちなみに、またも再読本ですヨ(笑)。
以前に読んだ時は、篠原美季さんの『クラヴィーアのある風景』と同時進行でした。
ジャンルが異なっていたとはいえ、ほぼ同じテーマが扱われておりましたので、
この偶然の采配を、心密かに喜びながら読み進めていた記憶があります。

さて、音楽です、しかもクラシック音楽です。
薄々気づいていらっしゃる方もいるかと思いますが、私はかなり音楽に興味が無い人間です。
(まあ、音楽と言うよりも基本的に芸術一般を鑑賞する趣味が無い人間です…)
こんな私ですが、実は学生時代約10年間もエレクトーンと言う名の電子オルガン楽器を、
いわゆる音楽教室で学び続けた経験があります。
それ故、音楽を演奏すること自体は嫌いじゃないんですけどね(下手くそですが…)、
でも、音楽を(意識的に)聴く事に対する興味・関心が昔から薄いのです。

てことで、クラシック音楽はご多分に漏れず全く予備知識がありませんでした。
それでもとても楽しかったのは、音楽を数学や論理学、哲学の土壌で語っている、
大変分かり易い親切設計の研究入門書だったからですネ。
しかも、クラシック音楽を他のジャンルより優れた芸術音楽であるというような、
所謂ハイカルチャーとしてのソレから脱却した冷静な視点が好感でした。
下手なオススメレビューとか名盤レポートなんかより、よっぽど心惹かれる文章です。
特に、シェーンベルクとかストラヴィンスキーを聴いてみたくなりました。
まあ、きっと↑の音楽聴いても訳わかんなくて楽しめないとは思いますが…(笑)。

要するに、音楽に興味の無い人間にも楽しめるクラシック音楽入門書だと思いました。
オススメです。

<作品データ>
・岡田暁生『西洋音楽史』(中公新書1816)2005.10
西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 西洋音楽史―「クラシック」の黄昏
岡田 暁生 (2005/10)
中央公論新社
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↓長いメモです、ご注意を!



■西洋音楽芸術:18c~20c初頭
 ・西洋≒伊、独、仏
 ・「芸術音楽」:「楽譜として設計(構成、コンポジション)された音楽」
  ⇒「書かれたもの」(エクリチュール)的性格⇒支持基盤は知的エリート
  cf.ジャズ…即興性が高い/民謡・民族音楽…「書かれた」音楽ではない
 ・楽譜…普遍性、不滅性、偉大性の音楽の基盤

<中世音楽>~仏音楽
□グレゴリオ聖歌~「単旋律によって歌われるローマ=カトリック教会のラテン語による聖歌
 ・聖歌…神の言葉/神の世界で鳴り響く音楽、ex.ウンベルト・エーコ『バラの名前』
 ・口頭伝承(∴芸術音楽ではない)~ex.声明@日本(歌、呪文、言葉)
 ・楽譜@ネウマ~エヴァンゲリスト(福音宣教師)的な意思
□オルガヌム~聖歌編曲(アレンジ)
 ・グレゴリオ聖歌に新しい別の声部をつけ加え、それと重ねて歌うジャンル
 ・メリスマ・オルガヌム
□ノートルダム楽派~12c末
 ・「空虚五度」:禁欲的、峻厳、威嚇的⇒甘美ではない
 ・ボエティウス『音楽綱要』~音楽@「世界を調律している秩序
  )ムジカ・ムンダーナ(宇宙の音楽)
  )ムジカ・フマート(人間の音楽)
  )ムジカ・インストゥルメンタリス(楽器の音楽)
  ※音楽≒数学、秩序
  cf.バッハの数の象徴/シェーンベルク@十二音技法/バルトーク@黄金分割
  ⇒「音楽は必ずしも耳に聴こえる必要はない(音楽は現象界の背後の数的秩序だ)」
  (byシェーンベルク)
 ・ヨハネス・アフリゲメンシス『音楽論(デ・ムジカ)』1100頃
  )ムジクス~理論を熟知している音楽家
  )カントール~理論なくただ音楽をするだけの人
 ・八分の六拍子(「三」拍子)⇒三位一体
 ※「神の国の秩序を音で模倣する」⇒超越的な秩序
□モテット「言葉〔mot〕」~三声、旋律がフランス語
 ・聖俗混合のパロディ芸術
 ・アルス・ノヴァ(新しい芸術)論争~二拍子
  ⇒芸術音楽史における宗教と音楽との乖離

<ルネサンス>
 ・定旋律(カントゥス・フィルムス)からのパラフレーズ(編曲)
 ・三度の多用(大らかで響きが暖かい)
 ・「創意」性(職人→芸術家)~作曲家の誕生
 ・音楽の多元化~エコー&サウンドの発生(和音、器楽曲)
 ・印刷技術~楽譜
□ティンクトリス『音楽用語定義集』(1474)~ハーモニー(数→美)
 )「ムジカ・アルモニカ」(人間の声)
 )「ムジカ・オルガニカ」(空気の流れによって発生する楽器)
 )「ムジカ・リトミカ」(触れることによって音を発する楽器)
□フランコ・フランドル派(英の影響)
 ・通模倣→輪唱(カノン)→フーガ
 ・無伴奏宗教合唱曲(ミサ曲、モテット)
□リステーニウス『ムジカ』(1537)
 ・「ムジカ・ポエティカ」→「作曲論」
  )完成された閉じた作品を作ること
  )作者の死後も残るような完全で独立した作品を作ること
□マドリガーレ≒伊版モテット⇒バロック時代

<バロック>
通奏低音~ベースメインの和音
協奏曲(concertare=競う、協調させる)
・情動(エフェクト)~トレモロ効果→快適なBGM
・「絶対王政時代の音楽」
カトリック文化圏~西、仏、伊、墺→宮廷文化
プロテスタント文化圏~蘭、独→市民(商人)文化⇒バッハ
□バッハ~音楽の父(プロテスタント的ナショナリズム、プロヴィンシャリズム)
 ・質実剛健/地味/コラール/対位法(フーガ)
 ・神が作った世界秩序の音によるミクロコスモス⇒「全体の秩序」
 ∴楽譜として読んだ時に初めてその偉大性に気づく
 ※バロック時代の典型的な音楽家ではない

<古典派音楽>
・「市民による、市民のための、市民の心に訴える音楽」
□ウィーン古典派
 ・旋律+和音伴奏~シンプル、歌う音楽(⇔対位法、通奏低音)
 ・多楽章形式(ソナタ形式)~音による「対話」、「議論」(⇔フーガ)
□ハイドン~交響曲、弦楽四重奏の父
 ・シンフォニック/興行収入
□モーツァルト
 ・(オペラ・セリア⇒)オペラ・ブッファ/室内音楽
□ベートーヴェン~貴族世界と決別
 ・進歩史観/集団的(群集)/単純化/推進力(デュミナーク)/必然性の確信
 ・主題労作(主題加工)~「勤労の美徳」

<ロマン派>
 ・無味乾燥な時代のロマンチック音楽
 ・音楽~ブランド化、大衆化←瑣末音楽キッチュ
  ex.ムード・ミュージック
 ・音楽批評~名曲(19c)⇒名演(20c)
 ・音楽学校~練習曲(クレメンティ→クラマー→ツェルニー→モシュレス→ハノン→ピシュナ)
□ヴィルトゥオーソ~技術開発
 ・ニコロ・パガニーニ/フランツ・リスト
 cf.バッハ《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ》、ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」》
□グランド・オペラ~ハリウッド映画の19c版
□器楽曲~「究極のポエジー」
 ・絶対音楽/擬似宗教的な構え(ハビトゥス)/理念的(交響詩
 ・音楽の形而上学(音楽≒哲学)
 例外)職人気質のブラームス

<モダンタイム>
 ・ジャズの要素~キャバレーソング
 ・異国情緒・エキゾチズム~ex.トルコ
  ⇒伝統的な西洋音楽の拡張or解体
 ・ドビュッシー~構造的な音楽思考の持ち主
 ・シュトゥラウス~最初にハッタリ(クライマックス)
 ・マーラー~カトリックに改宗したユダヤ人⇒神なき音楽、自己矛盾
 ・シェーンベルク~十二音技法(作曲マニュアル)、情緒欠乏症
 ・ストラヴィンスキー~異化作用、コラージュ、贋作の美学
 ※オリジナルの余地がない⇒既成の音楽の解体

<西洋音楽の終焉>
①前衛音楽~公衆不在、アングラ音楽
 ・総音列主義、コラージュ、クラスター技法
②クラシック・レパートリーの演奏~王道
③ポピュラー音楽~娯楽
[ 2007/01/18 12:13 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)
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