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8月の略奪者 

久々にごと持っていかれました…。
待望のいつき朔夜さんの最新作、正にタイトル通りの略奪者でした。
目下の所、私はこの小説の所為で心ココにあらずという状況でして、
冷静な記事を書けない予感が致します。

自分の人生には別の道が存在したかもしれない、とふと思うことってありませんか?
私はあります、もっと言えば、ほぼ毎日そんなコトを考えて暮らしていた時期もあります。
今は年齢も取ったし、気性も落ち着いてきたし、仕事に忙殺されて毎日を過ごすウチに、
これが等身大の自分なんだと思えるようになりましたが…。
あるいは、自分を誤魔化すスキルが身についたのだと言い換えてもいいのかもしれません。

私の別の道は、学究に一生涯を捧げることです、いえでしたです。
当然それは、空想と現実逃避の産物でして、でも確かにささやかな希望でもありました。
そういう意味で、本作品の主人公達は厳しい現実も含めてうらやましかったのが正直な感想。

別の道という比喩は、レイチェル・カーソンの名著『沈黙の春』から引用させて頂きましたが、
彼女自身、この言い回しをアメリカのとある詩人のタイトルから引用していたはずです。
(この詩人の名が思い出せない…『沈黙の春』自体手放して久しいですしね)
この小説を読んで、何故↑を思い出したかは本作品を読んで頂ければ一目瞭然です。
BLジャンルだからと侮っていると、私のように魂を奪われてしまいますよ(笑)。

ええ、私正直侮ってました。
BL大好きですし、このジャンルに対して色眼鏡の視点を持っているつもりは毛頭ありませんが、
やっぱり何処か気が緩んでいたみたいです…反省しております。

このお話は端的に言えば、を見つけ、違えずにそのを進み、を守る話なんだと思います。
ちなみに前の二つは主人公で年下攻めの浩紀の道で、最後はその恋人である香月の道です。
ストーリー後半、年上の香月は大人であるが故に自身の道を守るのが困難な状況に陥ります。
その道を守る為に浩紀は身を挺しますが、その所為で浩紀は従来の道を失うコトになります。
が、彼にはまだ別の道が残されており、積極的にそちらの道に軌道を修正するのです。
それが可能だったのは、浩紀の唯一のコンプレックスだった若さがあったからなんですよね。

恋人香月を守るためならそれが武器にもなりうると知り、それを躊躇わずに利用する浩紀。
それは即ち、浩紀の心身が文字通りに成熟した結果でもあります。
つまり、晴れてこの年の差カップルは対等の関係になって小説は幕を閉じるのです。
最初は甘ったれで頭でっかちの高校生に過ぎなかった浩紀の成長譚とも言えるかもしれません。

※香月が守れなかった道は、大人である我々の多くが守るのが大変困難なソレです。
冒頭のカーソン女史は、道を守る為に果敢に戦ってきた尊敬すべき研究者の一人です。

<作品データ>
いつき朔夜8月の略奪者』(藤崎一也・画、新書館ディアプラス文庫)2006.11
 ISBN4-403-52146-0
八月の略奪者(ラプトル) 八月の略奪者(ラプトル)
いつき 朔夜 (2006/11)
新書館
この商品の詳細を見る

・レイチェル・カーソン『沈黙の春』(青樹簗一・訳、新潮文庫)2004.6
 ISBN4-10-207401-5
沈黙の春 沈黙の春
青樹 簗一、レイチェル・カーソン 他 (1974/02)
新潮社
この商品の詳細を見る


※私が昔所有していた『沈黙の春』は選書バージョンでしたが↑の方がお手ごろ価格かと。




という比喩的表現も、あまり良くなかったのかもしれないと深く反省しております…。
言葉足らずで申し訳ございませんです。



「草一(香月)は俺にとって命の水だよ」

↑はちょっぴりくさい台詞だとは思いましたが…。
あまり深く考えずにつけてしまった当ブログタイトルとかぶっていたので、思わず引用(笑)。
[ 2006/11/10 00:31 ] novel BL | TB(4) | CM(8)
ヒトコさん、こんにちは!
コメントもTBも本当にありがとうございました。

やっぱり浩紀の境遇ってちょっと羨ましいですよね。
ま、結果はその後の努力次第で決まるのしょうが…。
浩紀は香月の為にも一生懸命努力してあの場所まで登り詰めたのしょうから、
私のように大学時代を無為無目的に過ごしてしまった立場の人間とは、
土台から全く違っておりますからね。

こちらこそ、リンクもありがとうございました♪
ヒトコさんの記事は本当に何度も読み返して反芻して、
改めて読み返して…を繰り返させていただいております。
鳥頭なんで何度も読み返さないと覚えきれないんです(笑)。
やおい研究は私個人もかなり興味深いテーマです。

滅多に露出はしないと思いますが、これからも遊びに行かせて下さい。


[ 2006/11/25 09:34 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、初めまして。
TBありがとうございました。
うちからもTBさせていただきました。

私も、浩紀が「道を見つける」物語として、とても羨ましいなぁと思って読みました。10代後半の道を決めかねて悩む時期に、自分を導きその背を押してくれる人と出会えるなど、本当に中々ないことですよね。そして浩紀は、道が見えた時しっかりそれに向って行ける力を持ってる子でした。そんな浩紀を受け入れる事で、香月も自分の殻を破る事が出来たわけですし、お互いが良い影響を与え合える、理想的な関係だと思います。いつきさんの次回作も楽しみです。

それから、リンクありがとうございます。うちのブログリストにも入れさせていただきました。
[ 2006/11/24 22:34 ] ヒトコ [ 編集 ]
こんばんは、ゆちゅらぶ♪さん。
出かける直前にコメントの存在に気づいてはいたのですが、
ちょっと時間がなくてお返事遅れてしまいました、ごめんなさいです。

>こういった年の差ものは大好きです。

そうですよね~。
私は今まで、基本的にあんまり年下攻めネタが好きではなかったのですが、
この作品のような心理的成長がみられるお話なら大好物なのだと気づきましたヨ。
年下攻めネタは食わず嫌いで遠ざけていた作品が多かったので、
今後少しずつ克服していきたいなあと思いました。

そして、えーとですね、恐れ多いのは私の方でして、どなたに対してもTB送信時には恐縮してしまいます…。
TBシステムってもう少し有機的に機能して欲しいなあ、といつも思うんですけどね。
TBも送って頂き、コメント共々本当にありがとうございました。
またリンクするような記事がありましたら、是非TB送らせて下さい。
それでは。




[ 2006/11/24 22:10 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん こんにちは♪

この本、いろいろな意味でわかりやすく気持ちの良い話だったなぁ、と思います。
浩紀にとってコンプレックスだった若さを逆手にとって、草一がしたくてもできなかったことを為した時には胸がすっとしました!この子は大事な人をまもるだけの知恵と力をちゃんと身につけたんだなぁ、と思えて、こういった年の差ものは大好きです。

今までこそこそ見に来てましたので大変恐れ多い気もしてしまいますが。よろしければTBさせてくださいね♪
[ 2006/11/24 12:17 ] ゆちゅらぶ♪ [ 編集 ]
はーこさん、こんにちは!
コメント&TBありがとうございました。
私も浩紀が羨ましくて、仕方ありません。

私が本当にやり直したいのは、大学生からですね。
あんなに無尽蔵にお勉強できる時期だったのに、
殆ど講義に出ずにフラフラした日常送っていました。
どうして、あんな無駄なことしてたんだろうなあ…
悔いても悔いきれない過去の汚点ですネ。
自業自得なんですが…。
[ 2006/11/18 10:53 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こんばんは~♪

別の道…。しょっちゅう考えますね。
正直、今の職業は自分の意志と云うよりは、家庭環境ゆえのものがあるので…。
それこそ、人生やり直せるなら、中学生ぐらいからやり直したいと思うことしばしばです。
だけど、そういう人は多いと思います。
そういう人間から見ると浩紀はかなりうらやましい人間ですね。
草一という導いてくれる人に出会えたと云うだけで、かなり幸運ですね。
[ 2006/11/17 23:55 ] はーこ [ 編集 ]
こんばんは、mimuさん。
コメント&TBありがとうございました。

『沈黙の春』は学生時代に後輩に譲ってしまったので、
うん年前の記憶だけを頼りに書いているので、
イロイロとあやしいトコロがあります、スイマセン。
コレを機に文庫版買いなおそうかなあ。

リンクについては私個人はポリシーと言えるほどのポリシーは無いんです。
が、相手側の方で細かい規定があったりすることが多くて…。
私のような境界線上の雑多な記録ブログですと、
どうにもこうにもリンクしても良いのか悪いのか微妙な感じでして。
従来はずっとブラウザのブックマークだけで対応していたのですが、
余りにブックマーク件数が増えてしまったので、
不承不承BL関係だけブログピープル利用するようになりました。
故に、非BL系ブログを完全に規制しているところなんかは、
日参していても(リンクは)あえて外しております。
後は、クレームあったらその都度対処するかなあ程度の、
かなり後ろ向きな対応です。

何はともあれ、相互リンクしてくださってありがとうございました♪
[ 2006/11/13 18:10 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん、こちらでははじめまして。
拙宅に遊びにきていただいてありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきましたので、どうぞよろしくお願いします。

>道を見つけ、違えずにその道を進み、道を守る話
なるほどな~と思いました。
道をみつけることも難しいし、その道を間違えずに歩くことも難しいですね。
でも、ある場所にたどり着くまでの道は、けして一つじゃなかったりもします。
浩紀がそれを実践していましたね。
レイチェル・カーソンまで思いを馳せてしまうとは、引き出しの広さに感服いたします。

それから、リンクもしていただいてたんですね!
ありがとうございます。
私の方にも貼らせて下さいね。(リンクに関するお考え、拝見しました)
今後ともどうぞよろしくお願いします。
[ 2006/11/13 14:06 ] mimu [ 編集 ]
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