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グリム童話の世界 

世の中には、文系⇔理系よりもある意味反りが合わない学問的分野が存在します。
つまりそれは、心理学⇔社会学なのですが…。
一見同じ文系の学問系統に見えますが、ココロの水面下の内奥を分析重視する心理学分野と、
ココロの如何に関わらず、表層に現出してきたものを考察の対象にする社会学分野、
同じ事象を研究対象にしていても、この二分野は結論が真っ二つに割れるコトが多いです。
本著者は典型的な後者型で、心理学的分析をかなり徹底的に否定しております。
私も社会学的分野を重視するタイプですので、この著者の分析には概ね同意しておりますが、
心理学的側面を重きにおく方には、かなりシビアなエッセイになっているかと。
ご注意を。

私は以前から、BLジャンルには多分に童話的世界観との親和性があるのではないかと、
予測しておりましたが、このエッセイを読んでますますソレを確信するようになりました。
そのうち、1本のエッセイもどきを書き上げたいと目論んでおりますが、まだまだ現状は知識不足。
もう少し、文芸評論系の論文を探してみたいと思います。

<作品データ>
・高橋義人『グリム童話の世界』(岩波新書1041)
 ISBN4-00-431041-5
グリム童話の世界―ヨーロッパ文化の深層へ グリム童話の世界―ヨーロッパ文化の深層へ
高橋 義人 (2006/10)
岩波書店
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↓以下はいつもの私的備忘メモ。



◆メルヘン

<神話的思考としてのメルヘン>
プロップ昔話の形態学』(1929):魔法昔話=神話
レヴィ=ストロース:メルヘンの基底には神話的論理がある
アドルフ・イェンゼン(20c前半の偉大な民族学者):メルヘンにはそれに先立つ神話的手本がある

<特徴>
1)集団記憶→危機に直面した際の予備知識
2)…ex.変身譚
3)魔法=不可能を可能にするモノ
4)神話的→「死と再生」のモティーフ
5)時も所も人物名も不明→普遍性を有する
6)「単純形式」…過剰な文学的装飾の禁止→読者の想像力を掻き立てる
  cf・伝説…時・所・人物名を明示、歴史的事実であるかのように語る
   ・聖人伝…著名な聖人の殉教の経緯や顕彰されるべき行為を物語化
7)ハッピーエンド…非ハッピーエンドモノでも「救済」がある
8)主人公は「いい者」

<歴史的推移>
声の文化」(口承文芸)…流動的、庶民的、匿名性

産業革命で衰退

声の文化」の記録(グリム兄弟)

文字の文化」の促進(⇔「声の文化」の消滅)

創作童話の出現(口承文芸の代用品?)
例)・ティーク『金髪のエッグベルト』
  ・ノヴァーリス『青い花』
  ・ホフマン『黄金の壷』
  ・『アンデルセン童話集』
  ・ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』
  ・サン=デグジュペリ『星の王子様』
  ・エンデ『モモ』

幻想文学誕生

映像の文化」へ(映画とか)


◆シンデレラ=農耕儀礼、ユーラシア大陸に拡散したシャーマニズムの影響
・ギンズブルグ(イタリアの歴史学者)『闇の歴史』

<農耕儀礼>=「冬追い、夏招き」
例)クリスマス(冬至祭)、カーニヴァル(謝肉祭)、復活祭、五月祭、節分祭(立春前日)、ナマハゲ(男鹿半島、旧正月15日)、アマメハギ(能登半島、旧正月6日)、奥三河の花祭、等

<キリスト教による上書き>
クリスマス
 ⇒ローマ帝国内でのキリスト教の普及を図った人々は、帝国内で信仰されていたミトラ教が12月25日を太陽神の誕生日と考えていたため、イエスの誕生日をそれに合わせ、帝国内の住民がキリスト教に転向する上での心理的な抵抗を少しでも軽減させようとした。(P49)
オーディン=Robin≒Ruprecht(鬼のような姿をしたサンタクロースの従者)
 ⇒嵐の神冬至の神農作物の祭祀王
 →キリスト教下でサンタクロース祭に…
十二夜…12月25日(クリスマス)~1月6日(公現節)、オーディンは死者たちの軍勢を率いて地上を荒れ狂う
・クランプス…悪魔(=獰猛な動物の化身)←サンタクロースの化身
・シャープ…植物の化身(=自然の象徴)←キリスト教圏外

※王子の「恋」→近代的(「禁欲」的で精神的)
∴近代になって付け加えられたエピソード
※ガラスの靴…「此岸」⇔「彼岸」のメタファー?

<魔術的存在>
・植物…ハシバミ(古代ケルト信仰やゲルマン信仰で重要、知恵、無病息災、癒しの木)、
    ナツメ(オウィディウス『変身譚』によれば「ご神体」)等
・動物(牝牛、牡牛、雌羊、雌山羊、魚)
賢女…中世ドイツ社会で産婆・女医・薬剤師として村人のために尽くした女性
 ⇒人間の身体や薬草に関する知識が豊富で、魔術的な力を持っている
 ≒魔女
 善悪の二面性
・「錘」…糸を紡ぐ道具、神々に捧げられる貢物、賢女のメタファー
ホルダ(北ドイツの女神)⇔ペルヒタ(南ドイツ、オーストリアの女神)
 ⇒あの世の魔力を用いてこの世の生産を支配する創造の女神
  古代ゲルマンの地母神、地上の生死、吉兆、豊作と不作を司る
ディアーナ(≒ケルトの女神エポナ)…豊穣の女神、神々の母親、妖精
…神的な魂(日本)
   「悪魔の誘惑の道具」(キリスト教)

ラプンツェル…垂直方向の美学
「地上的なものへの愛による救済」⇒人間世界の荒野へ
[ 2006/10/29 23:00 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)
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