スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

神に弄ばれた恋 

三千世界の鴉を殺し 主と添寝がしてみたい


読後にこの都都逸が頭を過ぎった。
物語の舞台はスペインで二人の生きる世界は三千世界ではないし、実際に殺しているのは牛である。
主の忌まわしい些事を取り除き、褥を共にする為には牛を延々殺し続けなければならぬ攻めの切なさ。
そんな苦しさはこの都都逸とどこか通じるものがあったように思う、そんな作品であった。

彼の主ことアベルが、運命の男サタナスを己のマタドールに仕立て上げる情熱とその過程が凄まじい。
ラテン気質の血ゆえか、愛と復讐と目的を遂げるためには己が穢れることには一切頓着しない主人公。
自身どころか他者に対する“暴力”すら厭わない、そんなアベルには一切の共感がもてなかった…。
一心不乱に狂気的な彼の行動/信仰は生粋のものであり、逆境が彼の性格を歪めた訳では無い。
その終始一貫したある意味で強靭な姿勢は、いっそ清清しいともいえる…兎に角、“濃い”に尽きるのだ。
(余談であるが、大好きなシャーロック・ホームズシリーズの「ソイ橋」に登場した女を髣髴させる)

闘牛の巡る文化的/政治的状況は、国技とされているスペイン国内ですら困難を極めている模様。
“野蛮”の一言で片付けるのは容易いが、それだけではない独自の美学がこの文化にはあるのだ、と。
マタドールと闘牛の対峙する関係を描写する筆致は、さすが闘牛好きを公言する著者ならではである。
BLは受けの容姿の美しさを称えるものが多いが、今回の作品内ではその立場は完全に逆転している。
生と死の最前線に常に立たされ続けている彼の太陽を背負うシルエットには、ため息しか出てこない。
先日、惜しくも故人となられた朝南かつみさんが添える端正な挿絵が、更に彼の魅力を引き立てている。

残念ながら、BLとしてはあまり楽しめる作品ではなかった。
闘牛描写が勝ち過ぎているのも原因のひとつであろうが、それ以上に回想シーンが多くて疲れるのだ。
むしろ、闘牛を取り巻く“濃ゆい”人々の愛憎ないまぜの人生模様を楽しむ作品だったと思う。
メイン二人もさることながら、脇役の登場人物達も皆一様にキャラが非常に濃くて楽しかった。

<作品データ>
・華藤えれな『神に弄ばれた恋』(朝南かつみ・画、ムービック・ルナノベルス)2012.1
神に弄ばれた恋 ~Andalucia~ (ルナノベルズ)神に弄ばれた恋 ~Andalucia~ (ルナノベルズ)
(2012/01/07)
華藤 えれな

商品詳細を見る



改めまして、謹んで朝南かつみさんのご冥福をお祈りします。
まさにこの作品を読んでいる途中で訃報を知り、動揺を禁じえませんでした。

[ 2012/01/14 22:14 ] novel BL | TB(1) | CM(0)
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://joekey.blog23.fc2.com/tb.php/1449-4eb42b3d

la aqua vita 神に弄ばれた恋
[2013/04/22 11:55] scarpe hogan
*profile

tatsuki

Author:tatsuki
気になる方は、こちらをどうぞ。
アサッテなBLが好きです♪
アンケート回答募集中!!

*calendar
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
*category
*counter
現在の閲覧者数:
*blog-people

読書メーター
*page ranking*


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。