物理的に精神的な3Pと現実的に心理的な三角関係と、覆水が盆に返らないラストのオチ。全てがパーフェクトでした。館野さんは、やっぱり一番大好きなBL漫画家さんです。
↑初読時の読了コメント。
世界で一番好きなBL漫画家さんを一人だけ選べと云われたら、やっぱり館野とお子さんなんだな。
草間さかえさんと並べてうーん…うーんと唸るけれど、どちらかしか選べないとなると館野さん。
勝敗のポイントは館野さんが“寡作”なのと、草間さんの登場人物の半分は萌えないから(笑)。
草間さんが大型ワンコ攻めをお好きなのは重々承知してるので、もうこれは好みの問題としか。
館野さんのキャラは外面と中身が正反対とまではいかないまでも、腹に一物抱えた人が多い。
ワンコはワンコに非ず、当て馬は当て馬に非ず、巻き込まれ型ヒロインは実は何気に計算高い。
自己保身のために身体を担保にしつつも、そんな彼にとって都合の良い時間は永遠に続かない。
しっぺ返しを経て、“雨降って地固まる”的な今までどおりのようで違う二人の関係が始まる。
今回の三角関係の顛末もそんな話。
実は、第一話の時点でこの物語のルートは確定しているのだ。
どんなに読者がハラハラドキドキしつつページを捲ったにしても、結果はもう序章で確定済み。
以後の岡田の行動で生じる“確変”は、二兎を追って両方失うかモブAの手を取るしかない訳で。
“聖域”過ぎて踏み込めなかった国富と、後腐れ無さそうだからと繋いでしまった加賀谷の手。
竹内まりやの有名ソングのように、二人の男の間で優柔不断に迷い戸惑う明らかに狡猾な岡田。
ええ、岡田の片恋がいかに純粋であろうが、好奇心に負けた彼にそのツケは回ってくるのだ。
この低温の恋の行方の顛末が、実に私好みで堪らなかった(笑)。
しかし、考えさせられるのである。
自分の手に届きそうにもない相手に迂闊に恋しちゃった場合…。
身体だけの相手で妥協して一時の充足を得るのか、生真面目に自家発電で一生耐えるのか。
限りなく接点のないどうでも良い相手っちゅーのは、あくまで岡田の視点で加賀谷の方は違う。
当て馬の如く近づき、面倒くさい二号さんのように振る舞い、最後に愛しの相手を射止めてしまう。
美味しいところを攫っていけたようで、でもやっぱり肝心な部分を味わえていないように見える彼。
まあ、それもこれも今後の二人の運次第っちゅーことで。
<作品データ>
・館野とお子『運がいいとか悪いとか』(フロンティアワークスダリアコミックス)2011.6
今年はダリアの他にもCabやOnBLUEで館野さんの連載作品を確認済み。
一ファンしては大変嬉しいのですが、一抹の不安が拭い去れないのも事実だったり(笑)。
今年はダリアの他にもCabやOnBLUEで館野さんの連載作品を確認済み。
一ファンしては大変嬉しいのですが、一抹の不安が拭い去れないのも事実だったり(笑)。