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リセット 

メビウスの輪の如く永遠に抜け出せそうにない数奇な運命が、意外な盲点から解かれていった。
白状すると、15年を挟んだ二つの事件の結末は勿論、三角関係の顛末も予想を外した私…。
著者は謙遜してあとがきで“浅い”などという言葉で呟かれているが、いやいやそんなことないから!
事件の発端も動機も展開も…そしてBL的な帰結も、文句のつけどころがなく面白かった!!
即ち、ミステリーとしても警察小説としても、BL小説的にも読み応えバッチリの骨太作品だった。
一つだけこれから読もうとされる方にアドバイスするなら、上下巻一気読み推奨♪

という訳で、物語の根幹に関わる感想はネタバレ回避の為にも↓に下げます。

<作品データ>
・谷崎泉『リセット』上・下巻(奈良千春・画、二見書房シャレード文庫)2011.4、2011.8
リセット <上> (二見書房 シャレード文庫)リセット <上> (二見書房 シャレード文庫)
(2011/04/22)
谷崎 泉

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リセット <下> (二見書房 シャレード文庫)リセット <下> (二見書房 シャレード文庫)
(2011/08/24)
谷崎 泉

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被害者が加害者に抱く感情とそれに伴った行動について、深く考えさせられた。
自分の人生を狂わせた相手と対峙したとき、人はいったいどのように振る舞うことができるのか?
少なくとも最終的に橘田/高平のようには振る舞わ(え)ないだろう、と私は漠然と感じている。
元より人間の感情には訴追時効などというものはなく、それは被害者も加害者も同じである。
感情をリセットすることでデリートされるものでは決してなく、永遠に己の行動には責任が伴う。
記憶が消えても罪は消えない、巡り巡ってその罪のしわ寄せは彼の身体に還ってくる、のだと。
最後の審判の如く相手に永遠の探求を強いる橘田、彼が不断の努力で獲得した強さが美しい。
過酷な運命だったとはいえ、彼の欠けたピースは彼自身がちゃんと取り戻せたことに安堵した。

今回の二つの事件は、ひょうたんから出たコマの要素と身から出た錆の併せ技で成立している。
この偶然の産物をご都合主義で片付けることも可能であろうが、この物語には相応しくない。
過去の事件に二人の人生の契機があり、彼らが事件と繋がっていたからこそ結果が伴ったのだ。
否、二人だけではなく事件に関わる全ての人々の各々の行動が事件解決の糸口になっている。
15年を経て事件のヤマが動く時が到来し、全てのカードがひっくり返るタイミングが鮮やかだった。
私はこういうミステリーが大好物である。

それにしても、橘田が選んだ相手が複雑な運命で結びついた相手ではなかったことに驚いた。
過去の作品の傾向から、谷崎さんに3Pエンドはないと思ってはいたもののソッチも予想外だった。
いや、よくよく考えてみたらソッチじゃなければ倉橋との克明な回想シーンは不要なんだけどさ。
ラプンツェルのように身近な宿命の相手より、光輝くポッと出の王子様に救われるのは定石だけど。
私にしては珍しく、この倉橋@年下攻めワンコ兼ご飯係は素直に可愛い男だと思えたのも不思議。
つまり、大阪弁の魅力に抗えなかった…(笑)。

毎度、素晴らしい作品に出会うたびにBL読み続けて本当に良かったなと思う。
谷崎さんは文章が苦手…という言葉をちらほら耳にするけれど、やっぱりオススメしたい作家さん。
大好き♪

最後に余談。
相変わらず谷崎さん家の受けはワーカホリックだな、と思わされる一作でもある。
[ 2011/08/24 05:03 ] novel BL | TB(0) | CM(0)
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