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酷いくらいに 

ハッピー・メリー・クリスマス(イブ)!

私はクリスチャンではないし、キリスト教を人生で身近に感じたことが殆ど無い人間である。
だから、神の実存を疑うことも神の不在を嘆くともないし、彼らの信仰生活は非日常的である。
が、今回の高遠さんの作品はとてもキリスト教的と考える次第で、それ故に感想を書き辛い。
はっきりいって、逆にBLという枠内での感想は非常に遺憾ではあるが全く無いと認めざるえない。

酷いくらいに、__されたい/したい人々の物語である。
酷いくらいに、__できなかった/しなかった人々の教訓が綴られているとも言える。

(数学的に)美しい正三角関係の三人が、夫々の“聖なるモノ”を信じて裏切られるのが本編の顛末。
たとえ裏切られても、見失っても、振り向かれなくても、己の信じる道を駆け続けたのがこの主人公。
二人の七つ下の“弟”分の年下攻めであり、実の“兄”にはコンプレックス混じりの憎悪しかない。
広見が恋した年上の元・兄の恋人は、美しくて優しくて、尊くて聖なる理想化された相手である。
そんな秋に酷い仕打ちをしたと信じる兄を、ギリギリ歯軋りして拳を握り締めて、内心で軽蔑してる。
が、弟(広見)視点では見えてこない“真実”があって、その裏事情に私は深く打ちのめされるのだ。

誰が、誰の、何を信じていたかったのか?
誰が、誰を、何処で裏切っていたのか?

彼らが信じる理想化されたソレは、彼らが“人間”であるからこそ醜悪なモノに見事に反転していく。
オセロゲームのように白から黒へ、黒から白へ、そしてまた白から黒へとどんでん返しが連続する。
人間の真価は常に遍く黒の局面で問われるし発揮されるが、誰しも出来れば黒の局面を避けたい。
黒を回避する為に、あるいは克服したり向き合う為に、人は保障/保険を求めるのかもしれない。
彼らが“洗礼”を受けたり、“婚約”したり、“約束”を交わすのはそういう理由だったのかもな、と。
こんなことを考える私は、彼らの行動を上から冒涜/批判してるんじゃないかという迷いもある。
グルグルと悩んでしまって、私は上手く言葉が紡げない。

更に戸惑ったのは、書き下ろしの「ひとの望みのよろこびよ」の方。
今度は年上受けの秋視点によって紡がれる告解というか懺悔というか信仰告白、なんだろうか?
彼の信仰心を試しているとしか思えない“試練”が、偉大なる神によって改めて課されているようだ。
克至がかつて彼に向けた“失言”によって順風満帆だった人生の大半が奪われていったのと同様、
秋は己が広見に対して発した“失言”によって、全てが崩壊しそうになるまたも手強いエピソード。

改めて実感したのは、高遠作品を前に油断は禁物だな、と。
そして、私は今まで以上にお兄ちゃん編スピンオフ実現の夢に駆られるのだ。
是非、次は彼の“受け”としての勇士を拝みたい(笑)。

<作品データ>
・高遠琉加『酷いくらいに』(麻生ミツ晃・画、海王社ガッシュ文庫)2011.1
酷いくらいに (ガッシュ文庫)酷いくらいに (ガッシュ文庫)
(2010/12)
高遠 琉加

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以下は、改稿についてちょろっと。
この文庫版しか読んでいない方は、読まない方がよろしいかと~。



読メやツィッタでも断片的コメントしていたが、雑誌掲載分からの改稿は結構多い。
「小説ビーボーイ」掲載時の方が、基本的に広見の視点がフランクで描写が大雑把であった。
あとは時系列(回想)を入れ替えたり、予想通りバリアフリーに関する記述が少々変更されてる。
が、以上は些細な差異である。

一つだけ重要なシーンの変更箇所があって、それにより登場人物の性格が決定的に変わっている。
私は雑誌掲載分を何度も再読している為、↑の感想でも雑誌掲載の性格に引きずられているかも。
他の方がこの話/キャラをどう受け止めるのか、非常に気になるトコロ。

ヒント:シャワーの水音。
(万が一気になる方がいらっしゃったら、コメント頂ければツィッタ等で個別DMします)
[ 2010/12/24 09:48 ] novel BL | TB(0) | CM(2)
こんばんは、yoriさん。
コメント頂いていた事に気づかず、似たようなコメントしちゃってすみません。
勝手に萌えがシンクロしたのだと思っても良いですか?(笑)
yoriさんに信仰心の敗北と言われてしまうと身も蓋も無いです…胸が痛いなー。
私も何となくそうなんだろうとは思っているのですが、広見のモノローグの一人勝ちは何処か拒絶したい部分があるんですよね。
そうそう、彼らの話を読んでいて私は何となく合田と元奥さんと加納の関係を思い出したんですよね。
何でかな?と自問自答してみましたが、やっぱり三角関係+信仰心みたいなものが近い気がするのです(キャラや設定が似ているという訳じゃなく)。
別の方からツィッター上でアドバイス頂いたのですが、やっぱり加納も合田も最初は(半)クリスチャンだったようで。
この部分、残念ながら文庫改訂版で完全に削除されちゃっているらしいんですが…もしかしたら、yoriさんは文庫版しか読んでいらっしゃらないかな?
マークス文庫版は手元にあるので、改めて再読して考えてみたいです。
で、最初に戻りますが秋の信仰の敗北は合田のソレと繋がりそうで、やっぱり私の中ではそうあって欲しくないんですよね。
でも、鋭いyoriさんが仰るんですから、そうなんでしょう(笑)。
た、耐えよう。

ではでは!
新年早々微妙な返しですみません。
余談ですが、そちらへのブログコメントタイトルは自分の備忘用だったのです。
紛らわしくてゴメンなさい。
ケータイだと特に、書いてる端から書きたかったこと忘れていくトリアタマなので。
こちらこそ、今年はゆっくり直でお話したいです。

[ 2011/01/08 01:18 ] tatsuki [ 編集 ]
某所でお伝えしたようにショッパイ正月休み満喫中のyoriでございます(笑)

「エンドゲーム」とどちらにコメントしようか迷ってこちらにお邪魔しました。どちらもとても素晴らしい感想で読んでいて興奮しました。

キリスト教的、と捉えるには書き下ろしで秋の信仰はある種の敗北を迎えたようにも思えるのです。宗教を「利用」した彼は結局のところそこに救済を見出すことが出来なかった。「病者の祈り」の引用のくだりは、神様の言葉よりも広見が勝った瞬間だったのかなぁなどと思いました。
お兄さんの今後はとても気になるところですね!
シャワー音のくだりのヒントは私にはまったく見当も付かないのですが…間違い承知で述べるなら、シャワーが最初から出ていたか後から出たか、の違いなのかなと。即ち克至の「暴力性」が文庫版では排除されているのかな?などと思いました。求む正解!

改めて今年もよろしくお願いいたします。今年こそはニアミスではなくてお会いできますように(笑)

[ 2011/01/04 15:30 ] yori [ 編集 ]
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