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恋するピアニスト 

クラシックピアニストが主人公の、非常にクラシカルで手堅いBL小説だったと思う。
典型的な世間知らずでピアノ一筋だったツンデレお姫様が、“身分違い”の恋に懊悩する話。
場末の(?)ピアノバーで、かつて一度だけ姫の心を震撼させたピアニストとの運命の再会。
彼は彼の理想の音楽を極めている筈だと信じていたのに、彼は通俗的な世界で生きていた。
そんな現実に打ちのめされ、己と彼との“環境”の違いを忘れて男を激情に任せて罵倒する。
が、まさに口は災いの元であり、姫は自身の暴言で自己嫌悪に陥っていくのである。

二人の恋のエピソードは、彼らの選曲のセンスも相俟って些か私には甘ったるい気もする。
とはいえ、絢谷さんの丁寧かつ鮮やかな情景描写だとツルっと作品に入り込めるから不思議だ。
意外にも官能的局面の描写は色っぽく、特に受け側が下半身の反応に割と正直なのも好感♪
本作品の王子こと曽我誠のように、クラシックもポップスもこなす器用な作風と言えるのかも。
が、この王子様はただフツーにカッコいい男だから攻めとしてツッコミ甲斐が無いのが残念。
典型的なラプンツェル型お姫様こと塩谷一史も、過去のトラウマ含め定番過ぎるんだよね…。
その後の内心グルグルなメロドラマ的展開も、波長が合わない時は苦行になったかもしれない。
私は、BLにあんまり“切なさ”を求めない性質だから余計にね。

その代わり、これは長所と呼ぶのも微妙なんだけれど、当て馬が主役二人を完全に食ってるのだ。
勿論セクシャル的な意味ではなく、キャラクタの魅せ方がね…彼が立ち過ぎて他が霞んじゃうの。
人間不信の権化かつ幼かったヒロインに性的嫌がらせを実行する、有体に言ってサイテーな男が、
音楽(ミューズ)の女神には忠実かつ公正なのが、ちょっと出来すぎだなと思いつつ魅了される。
私も彼の非道の数々を正当化する気は毛頭無いけれど、場面を掻っ攫う最後のシーンは堪らない。
一史は彼を虫唾が走るほど嫌い続けて良いし、生涯憎み続ける権利を行使続けるべきだ、と思う。
だが、私は作品におけるバイプレイヤーとして彼の“個性”に惹かれて仕方ないのである。

それにしても、攻め視点の完全スピンオフを読んでみたい。
理想の貴方を追いかけるために練習を続け、志半ばで断念し、生きる糧の為のピアノを弾く男。
こちらはこちらでロマンチックなんだけど、彼の内心を知ってしまうとヘタレが露見するかな?
それはそれで、ヘタレ攻め萌えの私にはバチコイかもしれない(笑)。

<作品データ>
・絢谷りつこ『恋するピアニスト』(あさとえいり・画、新書館ディアプラス文庫)2009.10
恋するピアニスト (新書館ディアプラス文庫 228)恋するピアニスト (新書館ディアプラス文庫 228)
(2009/10/10)
絢谷 りつこ

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私はかれこれ10年近く、『ピアノの森』という青年漫画を愛し続けている。
故、この題材(ピアニスト)はどうしてもどうしてもこの作品と比較してしまうのよね。

恩田は人間としての何かを犠牲にして、音楽に魂を売った男だったのかもなあ。
否、売らざるを得なかったと言うべきか…とかく、恩田が面白いキャラだった。
[ 2010/04/13 23:38 ] novel BL | TB(0) | CM(0)
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