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最後から一番目の恋 

今のところ、私にとって最も再読が厳しい高遠さんの小説である。
2007年に『神経衰弱ぎりぎりの男たち』、『地球は君で回ってる』の感想を書いたにも関わらず、
以後沈黙すること丸3年……梨のつぶて……アハハハ……この現状が全てを物語っている(笑)。
本日はあえて1~2巻を再読せずに、今回の本編にしてシリーズのスピンオフについてのみ語る。
我ながらズルイことをしているという自覚はある、シリーズ一気読みの方とは違う感想になると思う。
全てと向き合うには、まだ勇気が足りない私を許して頂ける方のみ以下の続きを読んで下さい。

これは私が想像していた以上にボーイズラブな話なのかもしれない…再読して改めて震撼した。
BL的セオリーをガン無視した顛末なのに、ボーイ・ミーツ・ボーイの限りなくラブに近い関係だった。
神経すり減らしながら一途に匡紀を想う俊哉の感情は勿論のこと、匡紀の彼への憎悪も侮れない。
むしろ、匡紀のホモフォビックな残酷な態度こそ、それが殆ど恋に近い執着心だったように見える。
ちなみに、初読時の私は匡紀の情緒面に意識を集中する余裕は無かった、まるで無かった…。

この作品も、先日の平喜多ゆやさんに引き続き双子のモチーフが作品に根強く横たわっている。
互いの母親が双子の従兄弟にして、父親が同じなので異母兄弟という残酷な宿命を帯びた二人。
二代、三代に渡って彼らの孤独と憎悪と執着とある種の狂気が引き継がれていく怖ろしい寓話。
(今唐突に気づいたんだけど、樹なつみさんの朱鷺色三角シリーズと非常に近いモノを感じるな…)
この負の因子を断つのが、高遠さんにしては珍しいポジティブ気質な本編の主人公の七瀬である。
が、ソレはまた別の話で、今回は彼の恋人・匡一の過去の因縁そのものを扱ったスピンオフの方。

その昔、私は深夜枠で放映されていた『ツインピークス』という海外のテレビドラマに夢中だった。
当時流行ってたサイコサスペンスの典型で、FBI捜査官が連続殺人事件を捜査していく物語である。
犯人は大胆不敵にクーパー捜査官に勝負を挑み、新聞投稿のチェスに沿って凶行を繰り返す。
対するクーパーはチェス名人に、勝てなくても良いから極力コマを失わない勝負をするように依頼。
ちなみに、クイーンはクーパーそのもので、実はやおい的に色々と妄想の余地を残す顛末だった。
…それはさておき、このシリーズの苦しさは、あのチェス勝負の厳しさに通じてるように思うのだ。
瀕死のクイーンを残すため、ゲームプレイヤーは少ない手持ちの駒を駆使して勝負に挑み続ける。
それは、この作品に関わったものの業である…どんなに苦しくとも、最後まで勝負は投げられない。
だから、生まれたばかりの匡一ですらクイーン(俊哉)のコマとしての人生を余儀なくされる…。

それにしても、哀しいである。
『愛と混乱のレストラン』シリーズや『楽園建造計画』と同じ舞台装置で、顛末は真逆という…。
桜の魔性に魅入られてしまったのは、残酷な天使の業なのか冷酷な美しい悪魔の所為だったのか。
世界一近い他人が恋人同士になれない不幸な巡りあわせに対して、未だ言葉をうまく紡げない。
また、別の機会に別の新たな発見が得られる物語なんだと信じている。

<作品データ>
・高遠春加『最後から一番目の恋』(東山紫稀・画、二見書房シャレード文庫)2001.6
最後から一番目の恋―神経衰弱ぎりぎりの男たち〈3〉 (二見シャレード文庫)最後から一番目の恋―神経衰弱ぎりぎりの男たち〈3〉 (二見シャレード文庫)
(2001/05)
高遠 春加

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『甘い運命』の感想を書くためには、こちらとまず対峙しなくてはならないと感じた。
何となく資格が無い気がして、少なくともこの作品を既読の私はそうしなければならないような、
そんな使命感に駆られて急遽再読してみた。

『甘い運命』の一の幸福を考えると、もう高遠さんはこの方向の物語を書かないのかもしれない。
今回の作品は、読者がというより当時の著者が書かずにはいられない物語だったように見える。
差し出がましい印象論なんだろうけど、それは私が初読の時から一貫して感じる作品の振動
こういう“返し刃”付きのエッジの効いた小説を、時折無性に読みたくなる。
[ 2010/02/28 22:13 ] novel BL | TB(2) | CM(0)
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la aqua vita 最後から一番目の恋
[2013/04/22 13:19] scarpe hogan
ウィキペディアによると、四大悲劇中もっとも“平明”な構造の作品とある。 私には、このエピソードが“悲劇”に分類されている理由すらわか...
[2010/07/04 00:59] la aqua vita
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