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暁の高嶺で 

『白の彼方へ』の感想は、思えば結構辛口気味だったと思う。
確か私が初めて読んだ真崎さんの作品だったので、事前に過剰な期待をしていた所為もある。
私は今まで、この方の作品の感想に“物足りない”という言葉を散々口にしてきた気がする…。
期待していた方向に転がらないというか、山頂まで到らずに小さく纏まるパターンが多くてね。
それがこの方の持ち味だとするなら、読者である私の方が見限るか納得するしかないのだけど、
私の“萌え”を刺激する設定やオチを用意して下さる方だから、結局は読みたい作家さんなのだ。
でも、読むとそれ以上を期待したくなって(また、期待できる技術がある方だと思っているので)、
楽園まであとちょっとで手が届きそうなのに!などと、読むたびジタバタさせられる作風です。
好きなのに、好きだからこそ、山頂からの眺めを期待したい作家さんの一人だったのだ…。

が、今回は今まで私がずっと思い描いていた“山頂”に辿りついた小説だったように思う。
山に魅せられ、山に捉われ、自身の人生から山を全く切り離せない男達の淡々とした日常生活の、
そんな悲喜交々の一コマ一コマがまさに“感動”の連続で、物語世界に完全に飲まれてしまうのだ。
今回久々に読んだせいかもしれないけれど、いつもより硬質で低温な文体/筆致で綴られており、
小説というよりは、情感を抑制させたドキュメンタリーとかノンフィクションとか山岳エッセイの按配。
いや、無論この物語はフィクションだしBL要素もあるけれど、まず第一に山×男達の小説なのだ。

私が山岳BLに期待していた要素の全てが、この作品には備わっている。
即ち、峻厳で畏怖を覚えつつも人を魅了し続ける“山”の前では、我々人間は皆“受け”である。
攻めにとって本命は山であり、山を本命とする彼らを愛し続ける覚悟を備えた受けのドラマである。
ボーイズラブのラブは形を潜め、男達の静かで暖かいヒューマンドラマを堪能できるBL小説である。
本当に、“美味しい”作品であった。

今回は(も)、中編二本で二組のCPの間で夫々に不意打ちの“転機”が訪れる話である。
山に関わり続ける限り避けられない“運命”の話であり、“覚悟”の話であり、“絆”の話である。
山と恋人と私の間を生き続ける彼らの姿が、私の“理想”そのものだったので涙が止まらなかった。
何より、真崎さんの“本領”を感じ取れた気がするのが、個人的には一番嬉しかった。
大満足~。

<作品データ>
・真崎ひかる『暁の高嶺で』(高峰顕・画、二見書房シャレード文庫)2010.2
暁の高嶺で ( 二見書房 シャレード文庫 ) (二見シャレード文庫 ま 3-3)暁の高嶺で ( 二見書房 シャレード文庫 ) (二見シャレード文庫 ま 3-3)
(2010/01/22)
真崎 ひかる

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このシリーズは、出来れば著者のライフワーク的に細々と続けて欲しいなあ。
大々的なエンタメorエロ的梃入れによるシリーズ化なら、却下(笑)。
あくまで、山岳警備隊周辺の業務日誌の範疇で、日常に根ざした物語を読みたいのだ。
音羽の過去とか、高代のエベレスト登頂記とか、“彼”の最後の北アルプスの話とか。
浅田の人生に至っては、掘り返せば掘り返すほど面白いお宝話が出てきそう~♪
私は、山岳>>>>BLの物語が読みたいのです。
[ 2010/01/25 21:33 ] novel BL | TB(0) | CM(0)
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