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宵山に啼く恋し鳥 

金ひかるさんの挿絵買いだったけれど、昭和初期の京都が舞台の精緻な物語に引き込まれた。
てことで、おそらく絢谷さんは初めて読む…主人公の京都弁も色っぽいが地の文もとても上品だ。
時代モノ故当時を意識した文体だったのかもしれないが、古風な美しい文体に独特の色気を感じる。
華藤さんの異国情緒鮮やかなソレとは対照的な、抑制の効いた一昔前の女性の手を彷彿させる。
双方甲乙付けがたく、私好みの“小説の文章”である。

物語自体は、“双子の入れ替え譚”というこれまでも幾度と無く目にしてきた定番の設定である。
内気な弟が家族の大黒柱であった兄を装い、旅館業を建て直そうと試みるも現実はうまくいかない。
そんな中、ひと夏の思い出の如く5年前に出会い情を交わした恋人が、帰国し彼の元へ尋ねてくる。
彼こと倫太郎は5年前と何ら変わらぬ一途の情を敦彦に示そうとするが、現在の彼の状況は一変。
切ない想いに駆られながらも兄だと騙り、弟である敦彦は既にこの世にはいないと告げるのだ。
換言すると、ゴリゴリの時代情緒溢れるメロドラマである(笑)。

正直、敦彦視点の一本調子ともいえる倫太郎への断ち切れぬ恋情に付き合うのは少々飽きる。
無論、仕掛けられた伏線はここだけに非ず、徐々に明らかになる水面下の状況に期待が高まる。
事故で急逝した兄の死には不穏な陰が付きまとい、その陰は次第に敦彦の喉元にまで迫って来る。
万事休すの状況に追い込まれた時、初めて明らかになる敦彦には窺い知れなかった兄の別の顔。
同時に生まれ育った瓜二つの一卵性の双子の兄は、家業を守るため全く別の道を生きていたのだ。
彼らにとって諸悪の根源としか言いようが無い某氏が暴露することで、皮肉にもその事実が露見。
敦彦は兄が生涯かけて守り通した“矜持”を、如何に克服し今の苦しい状況を打破していくのか?

ま、ソコはシンデレラストーリーなので“王子様”の活躍が楽しめる展開な訳でして。
が、実は終始完璧な“王子様”役を貫き通した倫太郎より、ヒール役に徹した敵役の存在感が勝る。
もっといえば、凡庸な恋するヒロインに過ぎない敦彦より、兄の芳彦の生き様に心が痺れてしまう。
あまりに立派な人柄の側面しか見えてこないキャラは、完全に割を喰う形になってしまったかも…。
個人的な好みを言えば、日向しか歩いていないように見える王子様の内情も提示して欲しかった!
父親との衝突/対立だとか、脛齧りの身の上の自分の不甲斐なさとか、そんな精神的葛藤シーン。
更に付け加えると、実は彼がどうしようもない“変態”だったりしたらテンションも上がるんだが。
何はともあれ、今回は私の最萌え設定といっていい、“お兄ちゃん”を堪能できたので大満足~♪

<作品データ>
・絢谷りつこ『宵山に啼く恋し鳥』(金ひかる・画、海王社ガッシュ文庫)2010.1
宵山に啼く恋し鳥 (ガッシュ文庫)宵山に啼く恋し鳥 (ガッシュ文庫)
(2010/01/09)
絢谷 りつこ

商品詳細を見る


続きは、完全ネタバレ要注意!!
いや、私の腐脳垂れ流してるだけですが…。


坪倉とパパの番外編が読みたい。
坪倉と芳彦のスピンオフも凄く読みたい…。
淡々とした文章なのに、お布団のシーンが意外にエロくて萌えに萌えたのはここだけの秘密デスv
[ 2010/01/16 11:25 ] novel BL | TB(0) | CM(0)
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