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幻の恋人 

大鳥さんの作品は、やはりBLジャンル的には何処か異端だ…異質なものが紛れ混んでいる。
のっけからスノビッシュな発言で申し訳ないけれど、今回の作品も萌えは無いけど面白かった。
というか、中盤まで心の中で何度も「やっぱり止めようかな」と中断を繰り返しながらチビチビ読んだ。
はっきり言って、書き手が大鳥さんじゃなければこの主人公を見限って、途中で放置していたと思う。
…著者を信じて、本当に良かった!!

健気っ子アピールが白々しい受けも、公明正大なようで実は器の小さい攻めも正直気に食わない。
彼らを目の当たりにする機会があったら、容赦なく平手打ちを食らわせたいくらい腹が立つタイプだ。
当て馬ポジションを自覚して如才無く振舞う正樹のみが、よく出来た魅力的なキャラだったと思う。
メイン二人の“若さ”を差し引くにしても、自身にはもちろん他者への配慮の無頓着さにイライラした。
特に俊@主人公の、己を過小評価し片恋相手を妄想補完で過大評価するのは当人に失礼だろう。
何処までも彼の恋は自己完結しており、自己中心的であり、それは親友への裏切り行為に等しい。
“女装”を通じて彼の恋がとんとん拍子に上手くいく話だったら、私は本を投げ捨てていたと思う。

が、そうは問屋が卸さないのが大鳥さんの作品である。
彼は己が生み出した幻のライバルに心苦しめられ、その偽り行為を攻めに真っ向から拒絶される。
どんな理由があったにしても、それは長らく培ってきた“友情”関係への裏切り行為に他ならない。
恋愛感情は無論のこと、友情関係まで致命的な亀裂が入り、彼の虚栄心が身から出た錆となる。
だって、彼は本当に信頼されたい人への仁義を欠く行動を選んでしまったんですもん!!

ここから、俄然この小説は面白くなってくる。
攻めの信一側も己の語調の強すぎた失言に囚われ、傷付けてしまった俊を逆に無視出来なくなる。
何と物語も三分の二を過ぎたあたりで、偽物の恋の陰に潜む本物の恋愛フラグが立ち始めるのだ。
…遅い!しかも、同情と嫉妬で心中パニックを起こしかけた信一を導くのが、当て馬の正樹だし。
彼が二人の心を掻き乱さなければ、永遠に心すれ違ったまま、勘違いの恋で終わっただろう…。
攻めも受けも人としての魅力を感じないのに、ラストで二人の恋愛はアリだと思えるから不思議だ。
全く共感できない/しない筈だったのに、いつの間にか二人の煮え切らない様子に心奪われてるし。
嘘から出た真の恋の顛末は、好感度0スタートで無理そうだったのに、意外と着地点は固そうだし。
初心のうちに躓いて過ちに気づけたから、軌道修正が可能だったのだろうな。

最後に余談を一つ。
大鳥さんは文章捌きがクールでかなり上手い!!しかも、地味にエロがエロくて美味しいです♪
もうちょっと、コンスタントに作品が読みたいなあ。

<作品データ>
・大鳥香弥『幻の恋人』(三池ろむこ・画、笠倉出版クロスノベルス)2009.11
幻の恋人 (クロスノベルス)幻の恋人 (クロスノベルス)
(2009/11)
大鳥 香弥

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三池さんの絵が時折、ヒコさんとダブる…視力が更に下がったのかもしれない。
[ 2009/11/08 19:37 ] novel BL | TB(1) | CM(0)
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JUGEMテーマ:BL小説  一度でいい。抱いてほしい。一生大切にする恋の形見が欲しい。それがもらえたら、僕はその記憶を一生胸の奥底に大切にしまって生きていくから。前回に続いて、親友に対して秘めてきた片想いの話です。これも大好き。小学生の頃から親友の?...
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