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機械仕掛けの王様 1~2巻 

出版流通業界では、未だにBL系(?)商品を“耽美”と総称して呼ぶことが一般的です。
古参のスタッフは勿論、若いスタッフも所謂オタクジャンルに疎い人は大抵BLを“耽美”と称する。
(でも、最近の版元営業さんはBLとか女性向けライトノベルと表現することが多くなってきたかも)
そもそも、POSデータのジャンル区分が耽美(女性向け、BL)と打ち込まれているのが現状です。
皆さんも、BL本購入時のレシートに“耽美”の文字表記があってギョッとした経験はありませんか?
(ちなみに、ウチの職場のレジは書籍/雑誌/ムック/MM/その他の区分しかありませんが)

とはいえ、体感的/直感的に私なんかもBLと耽美はまるで違うものだと感じる訳なんですよ。
耽美っぽいBL作品というのも中にはありますが、耽美風であることと耽美であることはまるで違う。
何が違うかって問われると答えが難しいのだが、BLが耽美であったら私は好きにはならなかった、
という確信が唯一にして最大の根拠かもしれません…。

ところが、今回ご紹介する高屋未央さんの作品(アート)はBLであるとは正直明言しにくい(笑)。
レーベルがCRAFTなので便宜上BL漫画に放り込みますが、どちらかというと“耽美”に近いと思う。
更には、“漫画”と呼ぶのも何だか申し訳ないようなアートテキストコラージュ作品に見える。
(イカレポンチ…)タナトス博士の過剰な“美”を追求した成果の断片がこの作品に開示されている。
その成果は殆ど“失敗”であり、博士が侵したかもしれない禁忌は残酷を超えて滑稽ですらある。
あくなき“タナトス”への追求も、人形と人間が反転した世界も、とても哀しい“寓話”の筈なのに、
そんな人間(or人形)の無様な姿は何処か可笑しく、博士の異常な愛情萌えすら感じるのだ。
あー、そういう意味では紛れも無くBL作品でもあるんだな。

<作品データ>
・高屋未央『機械仕掛けの王様』(大洋図書CRAFTコミックス)2000.12、2002.4
機械仕掛けの王様 (1) (Craft comics (009))
機械仕掛けの王様 (2) (Craft comics (020))機械仕掛けの王様 (2) (Craft comics (020))
(2002/03)
高屋 未央

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新陳代謝が嫌いだ

 食べることも

死ぬまで
寝て食べて、
排泄して、

 体温や、
 渇いていく汗だとか

  たとえば今
  こうしてこの部屋の
  俺以外の気配も


(2巻P108~109)

↑は、ツンデレ(というかツンサマ?)タナトス博士の、ベッドを共にした相手に対するリアクション。
木原さん家の暁たんにアリエナイレベルで萌える理由と既視感の正体を、今はっきり思い出したヨ。
そうだ、私はこの手の“受け”に弱いんだった…しかも、二人とも限りなく“死”に近い職業だし。

二巻のメインである槃×タナトスは、比較的萌えやすい…即ち、BLっぽいエピソードになっている。
が、この二人の物語は回想に過ぎず、本編は博士の遺言を実行する紅×シェイマスの方である。
とはいえ、紅×シェイマスの関係は博士の異常な愛情を一身に受けて生成されたカップルなので、
近親相姦的(兄×弟、父×子)的で無機物×有機物的な二重三重に禁忌を犯した組み合わせ。
責任の殆どはイカレた博士の側にあるとはいえ、単純なヤオイ図式では萌え難い構造にあります。

以下思いっきりネタバレしますが、紅はシェイマスの母親でタナトス博士の最愛の人である紅子の、
“棺”なんですよ…彼は本当は“紅子”の姿の棺で彼女の亡骸を納めたかったのに失敗し続けた。
完璧主義者なので“理想”の紅子を自身の手で作ることは適わず、代わりに紅を製作したのです。
で、“紅”は実は若い頃の博士の姿を模った“棺”なんだよね…つまり、博士は相当なイカレポンチ!
だから、紅は博士の形をした紅子の記憶を再現できる生体人形という、プログラムの一つなのだ。
つ、ついて来れてます?

一方で、シェイマスは紅子と博士の(生物の営みによる)製作物だとされています。
彼は、クローンのように紅子に瓜二つな(博士が人工で決して再現できなかった)姿をしています。
でも、シェイマスはシェイマスで心はどちらかというと博士の因子を帯びているように見えるのだ。
二人/二つの関係/存在はあまりに近くて、内と外、生と死が反転/混濁していて“歪”です。
だから、ヤオイ読み的には面白い思考実験ではあるのだけれど…。

アレは何?
君は誰?

↑の二つが、区別できない世界のお伽話です。
未完です(「CRAFT」でこの続きが、ちょびっとだけ描かれてましたが…数年前に…)。

シェイマスは、奇跡であり可能性です(多分…)。
(死して尚、)博士が閉ざし続ける物語を開く鍵を有している運命の少年です。
紅とシェイマスの心は、タナトス博士と紅子の心と同調(シンクロ)しつつ新たな道を踏みしめる筈。
華不魅さんの『鉄錆廃園』も復活したことだし、この物語も続きがそのうち読めると嬉しいなあ…。

余談ですが、『向日性のとびら』のメルナール兄さんの“記憶”引き継ぐプログラムの方は兎も角、
その筐体を従来の“人間”に設定することに、私は直感的に無理を感じていたんですよね、実は。
華不魅さんや高屋さんのように、人形とか機械とか超人を設定しないとハードが持たない気がして。
あるいは、外付けHDなどのメモリー増設…でも、コレはそれこそメモやブログでも同じコトだよね?
お兄さんの開発がどの程度まで進んでいたのか不明だけど、何となく片手落ちの予感がするの。
いや、語られていない部分についてアレコレ言ってもしょーがない話なんですが。

という訳で、6月後半は記憶にまつわるデンパ強化月間なtatsukiでした(笑)。
[ 2009/06/30 19:57 ] comic BL | TB(0) | CM(0)
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