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冥愛の鎖 

ここ2ヶ月、私は本当に読書力が停滞していたんだなということを痛感させられました。
あまりに唐突な始まりに度肝を抜かれ、大好きな華藤さんの作品だったのにほぼ積読状態でした。
ファン失格デス…しかも、面白かったです!手放しではオススメしづらい欠点もちらほらありますが、
いかにもこの著者らしい要素で満ちており、例によって魂の浄化と救済云々が物語の主題でした。
華藤さんのキャラクタは、そもそもが我々“人間”の尺度では測りがたい感覚&時間の持ち主です。
しかも、今回は精密機械×獣という、共に人間の形を取り繕った非人間CPだったから尚更ですね。
冒頭から、ノスタルジックなえれなさんワールド(inモロッコ)に誘われる展開だから吃驚しましたが、
改めて読み直してみたら、いつもの華藤えれなさんで、今作が特に異端という訳ではなかったな。

この作品は、ファティマの手の指輪(@ミスティックアイテム)が大変重要な役割を担ってます。
この聖性加護を有する指輪が、三神の手を離れて近衛の手に渡ったコトが全ての始まりなのだ。
恐らく、今まで三神の生命貞操危機を何度も守り抜いてきたに違いないこの指輪が外れた時、
聖性とは対極にある強靭な“呪縛で己の記憶精神を制御してきた近衛に、指輪が移動した時、
二人の運命は必然的に交錯し、“情動”という感覚だけでは説明しきれない間隙が生まれたのだ。
二人が出会う舞台はモロッコですが、それは華藤さんがお得意とする異界に通じたモロッコでして、
この著者特有の蠱惑的な筆致で綴られることで呼び覚まされた、理性を超越した世界だったのだ。
華藤さんをほぼコンプリートしているくせに、恥ずかしながら初読でこの構造を見抜けなかった…。
く、悔しい~。

そして、近衛の手に渡った聖魔法の指輪は、彼が年月をかけて紡いだ呪法もあっさり解き放つ。
が、聖と対極の外法に近い呪縛を用いていたため、この間近衛は過去の記憶で苦しむことになる。
己の背負っていた十字架を思い出した近衛は情緒不安定で、精密機械の仮面も削げ落ちていく。
彼が救いを求めていると野生の勘で察知した三神は、そんな近衛の狂気すらも受け入れてしまう。
しかも、純粋な心を持っているかに見えた三神も、実は父親の生命の尊厳を歪めつつある訳で…。
人間的理性の部分では互いに反目しつつも、魂レベルで惹かれていくことを止められない二人。
畢竟、二人の執着的な関係は深化し、近衛の“国家の犬”としての人生は道を見失っていくのだ。

欲を言えば、JUNE的な底なし沼にハマって消滅するバッドエンドでも良かったんじゃないかな~?
英田さんとはまた違う対テロの姿勢を貫いてて、この点に関しては私は華藤さんの方が好きデス。
多分、架空の中東の国(タハリール共和国)のモデルが想定しやすいのが主因なんですけれど。
漁夫の理を狙って権謀術数を重ねる権力者達の“えげつなさ”の描写も、華藤さんらしくて良い!
が、今回のスケールの大きい物語は、兎に角明らかに(特に序盤)書き込み不足だったと思います。
二人の心理の変化が分かりづらく、それ以上に特に三神の性格と思考と行動が乖離し過ぎていて、
ものすごーく文章に集中していないと、作品から振り落とされそうになるんですよね…。

でも、この作品は『アンタッチャブル』で有名なデ・パルマぽい映像感覚(or演出)が冴えていて、
華藤えれなさんの独特の文章センスは、やっぱり私は大好きだなって思いました。

<作品データ>
・華藤えれな『冥愛の鎖』(高階佑・画、大洋図書シャイノベルス)2008.12
冥愛の鎖 (SHYノベルズ)冥愛の鎖 (SHYノベルズ)
(2008/12/11)
華藤 えれな

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みっともない言い訳ですけど、何が騙されたって高階さんの挿絵に騙されました、今回。
コメディだろうが何だろうが陰気な空気が付きまとう華藤さんの作品に、高階さんは合わない…。
高階さんのイラストは大好きだけど、陽気健全過ぎちゃう気がするんですよねー(笑)。
[ 2009/02/05 22:02 ] novel BL | TB(1) | CM(2)
こんばんは!ゆちゅ♪さん。
コメント&TBありがとうございます!
ここだけの話、恋愛小説として読むにはあまりに唐突で読み辛かったので、ノンフィクションを読む感じで、メモを取りながら読んだら「あー、そうか」となりました。
いや、私のいつもの誤読なんでしょうけど、心構えを変えて読んでみたら“面白かった”ので、我流読みを貫きました(笑)。
そして、私は大真面目なのかオオボケなのか確信犯なのか判断がつかないけれど、何処かぶっ飛んでいるのに文章には飲まれてしまう華藤さんに、抗いがたい魅力を感じているんだなと実感しました。
次作もとっても楽しみです~♪

ではでは。
[ 2009/02/07 21:25 ] tatsuki [ 編集 ]
tatsukiさん こんにちは~!
私は今回の作品はどうもイマイチ物足りなさがくすぶってノリ切れなかったのですが、tatsukiさんの素敵な解釈を拝見して目からウロコが削げ落ちた思いがしますw

そうかー、舞台設定がリアルな題材を用いているから惑わされたけど、これはえれなさん流のある意味幻想小説と捕らえたほうがすんなり納得がいくのかな?
惹かれあう二人に理由を求めてはいけないのね・・・あくまでも幻惑とか本能とかの領域の話だと思えたならば見方も変わってきそうですw
うふふ、やっぱりtatsukiさんのレビュー面白いな♪

TBいただいていきますのでよろしくお願いします!
[ 2009/02/06 14:53 ] ゆちゅらぶ♪ [ 編集 ]
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[2009/02/06 14:55] 水中雑草園
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