スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

フラッター 

このシリーズは、本当に見事に一目惚れだったのだ。
第一話感想(コピペしようかと思ったけど、赤面モノの感想だったのでリンクのみw)

あくまで 僕の場合ですけど なんていうか
僕らみたいなのを 気持ち悪いって 人がいるのは 仕方ないことだと 思うんですよ
そういうハンデ というか負い目 みたいなものを いつも感じてて
それならせめて 外見はちゃんと しとけ! みたいなね
劣等感(コンプレックス)の 裏返しです
「カッコいいのに 勿体ない」って 言わせたら こっちの勝ちです
ま、ちゃちな プライドですよ

(P20-21)

この観月さんの淀みないモノローグが、当時の私にはすごく“新鮮”に映ったらしい。
とはいえ、今でもやはりこういう視点で自身を眼差すキャラクタは殊にBL界では非常に稀だと思う。
あらかじめ性指向をカミングアウトすることで周囲に誠意を尽くし、相手の出方を待つ喰えない男。
左手薬指に光る指輪はそんな彼の誠実さの証であり、朗らかで美しい人柄を益々惹き立てている。
まさにゲイの理想を生きる人で、彼の順風満帆な人生に波風が立つ余地があるようには見えない。
が、そんな彼が不意打ちのを流し、浅田はまさにその瞬間を目撃するのである。

観月さんのメガネは、武器としてあまりに優秀かつ出来すぎなのだ(笑)。
彼が大事にしていたプロミスリングという名の脆いも、切なさ倍増のアイテム効果を発揮している。
だが、何より私が惹かれてやまないのは、引用箇所を含む二人の真摯な言葉のやり取りに尽きる。
浅田の愛の告白が、過去のリフレインのように耳に響いてうろたえ絶望する観月さんの可愛いこと!
破綻してしまった過去の恋を悔いる観月を相手に、浅田は我を貫くことで持続する関係を証明する。
畢竟、指輪に封じられていた観月さんの“負い目”あるいは“呪縛”も徐々に昇華されていく訳で。

終わってみれば、何の変哲もない甘めのBL作品の一つだったと思う。
でも、その過程で紡がれる会話の、モノローグの、言葉の一つ一つの美しさが際立つ作品なのだ。
誠実な二人の愛の顛末を、だから拍手喝采で祝福したくなるんだな。

<作品データ>
・天禅桃子『フラッター』(大洋図書ミリオンコミックス)2011.10
フラッター (ミリオンコミックス  CRAFT SERIES 47)フラッター (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 47)
(2011/10/15)
天禅 桃子

商品詳細を見る

スポンサーサイト
[ 2011/10/20 04:03 ] comic BL | TB(1) | CM(0)

見つめて、もっと 

今日も、自分みたいな社会のゴミが生きてて本当すみません…。

もう二度と恋はしないと誓う攻めと、恋人は生涯一度だけと頑なに心に誓う受けのメロドラマ。
そんな二人が出会って互いに惹かれあっても、誓約に縛られているために関係は進展しない。
あくまでラブアフェアのポーズを崩さぬ攻めに、一途な受けは次第に切ない思いを募らせていく。
こんなベッタベタでコッテコテのロマンス小説に、私はうっかりグズグズ泣かされてしまったのだ。
人間、本当に年を重ねるごとに涙腺が弱くなってくるなあ(笑)。

ところで、この二人のはじまりの場面はちょっと異色である。
主人公のケイはショーストリッパーで、気晴らしに客として店を訪れた男と運命的な再会を果たす。
チップを取り出した男に、ラップダンス(膝乗り)でたどたどしくも官能的なサービスをするのだが…。
逆に男の視線に翻弄され、元々備わっていた彼の“見られる”快感が進化して大変なことになる。
一見純情そうな受けが、性欲に対しても素直でややフェティッシュなのは絢谷作品の特徴でもある。
彼がいかに女々しい性格の“性別=受け”だったとしても、男の子アイデンティティを失うことはない。
余談であるが、世間的に大ブームの“男の娘”に私がモヤモヤ苛立ちを感じるのも実はココなのだ。
彼らがナニモノになりたいのかが見えないから、女装男子と違ってどうもイマイチ魅力を感じない。

さて、話を強引に戻すと主人公のケイはプロのダンサーである。
今までの彼のダンスは、アクロバティックな身体能力の高さと可愛らしさが魅力かつ売りであった。
が、本来ストリップとは観客を官能的な気分にさせて何ぼの世界で、その意味で彼は未熟だった。
そんな彼が左手薬指に指輪をはめた男にのめり込み、その苦しさと切なさが恋なのだと自覚する。
ラブホのベッドでは思いが届かなくて逃げ出してしまったケイだが、彼の正念場は無論ソコじゃない。
恋心を知った彼はスランプを経て一回り成長し、男の視線と心を虜にするためのダンスに没頭する。
そして、ついに……。

読む前は、小嶋ララ子さんの稚いイラストがどうにも苦手だと思っていたけれど…。
うん、これはアリだ!このヘタレなイケメン攻めが陥落させられたのが彼だと思うと頗る楽しい♪
ケイに対してイケズな時間が長かったのだから、今度は彼が罪悪感に苛まれれば良いと思うよ!

<作品データ>
・絢谷りつこ『見つめて、もっと』(小嶋ララ子・画、アスキー・メディアワークスB-PRINCE文庫)2011.10
見つめて、もっと (B-PRINCE文庫 あ 7-2)見つめて、もっと (B-PRINCE文庫 あ 7-2)
(2011/10/07)
絢谷りつこ

商品詳細を見る

[ 2011/10/09 02:20 ] novel BL | TB(1) | CM(0)

暴れん坊専務 

表題作は、BLを期待すると完全に当てが外れるゆるいギャグ漫画である。
既存のゲーム業界を皮肉りつつ、玩具(モノ)に対する真摯な愛情が空回る専務と部下の話。
これに引き続くのは、器物にフェティッシュな愛情と愛撫を重ねる不思議少年の青春コメディ。
そして、寿命が尽きかけたアンドロイドに延命措置を施すSF系ハートフルストーリーが続くのだ。
ここで私の涙腺が決壊…彼らが夫々の大切な相手を“見取る”という使命を果たす姿が胸を打つ。
限りある動力源を省エネモードで短時間だけ起動させ、決して諦めない青年の背中がたくましい。
そして、締めは先のアンドロイドのモデルとなった少年の甘酸っぱい初恋未満の青春物語。
実はどれも恋未満のエピソードである…一陣の風が吹いて、何かが始まりそうな予感で終わる。
余韻だけが私の中で何度も何度も鳴り響く、そんな傑作短編集だった。

ずっと長らく紹介しそびれている、市川春子さんの『虫と歌』を少し思い出した。
市川春子さんの作品は、生命の根源のミクロコスモスに対する深い洞察と愛情を根底に感じる。
一方で宇野ジニアさんは、少なくともこの短編に関する限り無機物に対する深い愛着を感じる次第。
この二人に共通するのは、植物や昆虫やモノをヒトと同等に愛しむ奇妙な領域侵犯性にあるかと。
この多様にも異様にも見える愛の形は、所謂擬似化ではなくむしろ異種混交に近いように思う。
私は、この二人のラディカルな物語の紡ぎ方が果てしなく好きだ。

結論。
また一人、一生追いかけたい作家さんが増えた。

<作品データ>
・宇野ジニア『暴れん坊専務』(リブレ出版シトロンコミックス)2011.10
暴れん坊専務 (CITRON COMICS)暴れん坊専務 (CITRON COMICS)
(2011/10/03)
宇野 ジニア

商品詳細を見る


虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)
(2009/11/20)
市川 春子

商品詳細を見る

↑ついでに、こちらも。
これも傑作&オススメ。
[ 2011/10/05 02:57 ] comic BL | TB(1) | CM(0)

運がいいとか悪いとか 

物理的に精神的な3Pと現実的に心理的な三角関係と、覆水が盆に返らないラストのオチ。全てがパーフェクトでした。館野さんは、やっぱり一番大好きなBL漫画家さんです。


↑初読時の読了コメント。

世界で一番好きなBL漫画家さんを一人だけ選べと云われたら、やっぱり館野とお子さんなんだな。
草間さかえさんと並べてうーん…うーんと唸るけれど、どちらかしか選べないとなると館野さん。
勝敗のポイントは館野さんが“寡作”なのと、草間さんの登場人物の半分は萌えないから(笑)。
草間さんが大型ワンコ攻めをお好きなのは重々承知してるので、もうこれは好みの問題としか。

館野さんのキャラは外面と中身が正反対とまではいかないまでも、腹に一物抱えた人が多い。
ワンコはワンコに非ず、当て馬は当て馬に非ず、巻き込まれ型ヒロインは実は何気に計算高い。
自己保身のために身体を担保にしつつも、そんな彼にとって都合の良い時間は永遠に続かない。
しっぺ返しを経て、“雨降って地固まる”的な今までどおりのようで違う二人の関係が始まる。
今回の三角関係の顛末もそんな話。

実は、第一話の時点でこの物語のルートは確定しているのだ。
どんなに読者がハラハラドキドキしつつページを捲ったにしても、結果はもう序章で確定済み。
以後の岡田の行動で生じる“確変”は、二兎を追って両方失うかモブAの手を取るしかない訳で。
“聖域”過ぎて踏み込めなかった国富と、後腐れ無さそうだからと繋いでしまった加賀谷の手。
竹内まりやの有名ソングのように、二人の男の間で優柔不断に迷い戸惑う明らかに狡猾な岡田。
ええ、岡田の片恋がいかに純粋であろうが、好奇心に負けた彼にそのツケは回ってくるのだ。
この低温の恋の行方の顛末が、実に私好みで堪らなかった(笑)。

しかし、考えさせられるのである。
自分の手に届きそうにもない相手に迂闊に恋しちゃった場合…。
身体だけの相手で妥協して一時の充足を得るのか、生真面目に自家発電で一生耐えるのか。
限りなく接点のないどうでも良い相手っちゅーのは、あくまで岡田の視点で加賀谷の方は違う。
当て馬の如く近づき、面倒くさい二号さんのように振る舞い、最後に愛しの相手を射止めてしまう。
美味しいところを攫っていけたようで、でもやっぱり肝心な部分を味わえていないように見える彼。
まあ、それもこれも今後の二人の運次第っちゅーことで。

<作品データ>
・館野とお子『運がいいとか悪いとか』(フロンティアワークスダリアコミックス)2011.6
運がいいとか悪いとか (Dariaコミックス)運がいいとか悪いとか (Dariaコミックス)
(2011/06/22)
館野とお子

商品詳細を見る

[ 2011/10/02 01:23 ] comic BL | TB(1) | CM(0)
*profile

tatsuki

Author:tatsuki
気になる方は、こちらをどうぞ。
アサッテなBLが好きです♪
アンケート回答募集中!!

*calendar
09 | 2011/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
*category
*counter
現在の閲覧者数:
*blog-people

読書メーター
*page ranking*


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。