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黒衣の税理士 

人から「どんな映画が好きです/でしたか?」という質問を受けると、非常に困るタイプである。
同様に「どんなBLが好きですか?」という質問にも、必要以上に深刻に悩む優柔不断なA型の私。
甘いのも辛いのも、痛いのも抱腹絶倒モノも、歴史モノも(近)未来モノも現代モノも基本は大好き。
とはいえ、ジャンルを越えた“好み”のベースというのは勿論あって、ソコを突き詰めるのが難しい。
つまり、私がしょっちゅう口にする“いかにもシャレードらしい”作品というのが、ソレなんだけれど。
ちゃんとちゃんとのお仕事描写もさることながら、全てのキャラ達の有機的な“関係”が堪らない。
それは受け、攻め、当て馬、ライバル、噛ませ犬といったBLにおける属性配置のことではなくて。
主人公に対して、あるいは彼の恋人に対して、夫々が豊かな人間関係を育む過程が楽しいのだ。
思えば映画も、特定ジャンルではなく人間関係が持続的に有機的に繋がってる作品が好きだった。

さて、という訳で本日は久々に私的スマッシュヒットだった海野さんの新刊。
今まで読んできた海野さんの作品の中では、圧倒的に萌えたし、楽しかったし、無我夢中で読んだ。
是非続編出して欲しい…というか、続編が出なければネタが回収し切れていない半端な作品だ!

放漫経営気味だった零細下請け中古車販売会社に、“活”を入れる黒衣の税理士の奮闘記。
彼の鶴の一声をきっかに、着流し着物姿のグータラ(笑)社長の心に飼っていた龍は目覚める訳で。
ああ、痛快!!一方で、社長の意外な一面に心絆され恋に溺れてグルグルする主人公も萌える~♪
従業員の面々も個性的だが社長を中心に一致団結し、そんなアットホームな空気が大変心地良い。
擬似家族的絆の強い彼らの仲間の一員として、主人公も受け入れられていく過程が堪らない。
まだまだ前途多難な要素は多そうだし、続編で彼らにまた再会したいと思える魅力的な作品だ。

とはいえ、コレは商業作品。
何はともあれこの作品自体が、一定以上売れてくれないことには後が続かないよね…。
人気が出ると良いなあ。

<作品データ>
・海野幸『黒衣の税理士』(麻生海・画、二見書房シャレード文庫)2010.8
黒衣の税理士 ((二見書房 シャレード文庫))黒衣の税理士 ((二見書房 シャレード文庫))
(2010/07/21)
海野 幸

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[ 2010/07/28 23:52 ] novel BL | TB(1) | CM(0)

戦場のピアニスト  

これは傑作だと思う。
極限を生き抜いたピアニストの、殆ど目を背けたくなるような“現実”が連続する5年間の日常。
この映画は、老若男女を問わない無慈悲で残酷な“死”を徹底的に冷徹に突きつけてくる。
これが渦中を生き延びた者の“業”なのか?作品を通じて彼の体験を追体験させられるのだ。
全てのシーンを記憶/目に焼き付けなければならない使命感を感じ、私は画面に釘付けだった。
何より怖ろしいのは、ポランスキーがこの過酷な状況を“芸術”作品に仕上げたことに尽きる。
人の死も落下も暴力も銃撃戦も、かつての町並みが徹底破壊された廃墟のゲットーも皆“美しい”。
殊に廃墟を彷徨うシュピルマンのロングショットのシーンの美しさには、圧倒されてしまう。
(↓のDVD画像参照)

シュピルマンは、名ピアニストである。
必ずしもソレが原因の全てでは無かろうが、奇跡的に生き延びた稀少なユダヤ人の一人。
ナチスドイツのポーランド侵攻という非常事態に、全ての人間が究極の選択を迫られたこの時代。
彼の生に手を差し伸べたのは同胞の裏切り者であり、虎視眈々と機会を伺うレジスタンスであり、
愛国的なポーランド市民であり、しかも最後は本来憎悪/嫌悪すべきドイツ軍の将校だったのだ。
必ずしも誠実な人が正しい道を、真っ当な人が平穏な道を歩めるとは限らないのが時代の宿命。
矛盾を矛盾と受け止め、彼はいずれの抵抗/暴力も一般市民が巻き添えになる現実を達観する。
そんなシュピルマンのいつまでもどっちつかず的な曖昧な態度は、微妙にイラっとするのだけれど、
彼の現実の過酷さの前にはお釣りが来る…むしろ、その傍観者ぶりが改めて“凄い”とも思う。

にしても、あのドイツ人将校とのショパンを通じた時間はやっぱりエロかった。
菅野彰の『青春残酷物語』における、二人で薄氷を踏みしめるあの瞬間に匹敵する緊張感がある。
私が信じる理想的な“やおい”的関係そのもので、不謹慎にも“腐”的スイッチが入ってしまった。
色々と辛いシーンが多すぎる為オススメとは言いづらいけれど、せめてラスト30分は観て欲しいな。
二人の一時が、堪らんのだ。

やっぱり、ポランスキーはエロい(笑)。

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[ 2010/07/10 21:55 ] movie | TB(0) | CM(0)

楽園建造計画 

私の中の何かが、このシリーズを読むたびに「裏切られた」と感じてしまうんだと思う。
そういう意味で高遠作品を信頼してはいけないと知りつつも、“楽園”を信じたかったんだと思う。
よく“燃える”話であり、“燃やす”話であり、そしてそんな“火中の栗”を拾わんとする話である。
シャングリラは何処にあったのか?何処にあるべきなのか?今でも私は踏ん切りがつかない。

自分の身体がどうしようもなく重くて、邪魔で、沈んでいきそうな気持ちは今でもある。
今だからこそ感じる時もあれば、今でも断ち切れない不安定な己の立ち位置にグラグラしてもいる。
かつて武蔵野と縁が深かったあの当時、未来の私はもう少し軽くなっている筈だと信じてたのにっ!
まあ、所詮努力のしない(かった)人間の末路とはこんなものだと、身につまされる近過去なんだな。
本当に見事にイヤになるくらいに自身の身の程を思い知らされるから、再読が困難だったのである。
今までここで感想を書き残すことがどうしても出来なかったのも、同じ理由。

誰が誰のための創作(作品)だったのか、著者のあとがきにも苦心の痕跡を感じる。
作品内ではきっちり昇華されているが、己が身に振り返って考えてみるとどうにも迷いが生じる。
このシリーズの“痛み”は、そういう割り切れない“思い”で構成されているんだと思う。

A.蝶野洸×三木高穂(※一線越えてないので、多分)
蝶野は高遠さんお得意の信頼できない“攻め”である。
元々、シリーズ第一話からブレードランナーのレプリカントみたいなキャラだと思ってはいた。
いや、表情とかじゃなくて、彼が撮る…撮らざるえない“写真”というツールの扱い方がね…。
そういえば、三木はノスタルジーの“破壊”者でもあることを再読して思い出したのだった。
彼は彼とその肉親の“思い出”を衝動的に、否、確信を持って炎の中に放り込む役割を担ってた。
多くの登場人物が“残す”ために動いているのに、彼だけは逆向きに走っているように見える。
だから、この二人は王子と姫の役割がアベコベに逆転していて、関係も未遂のままなのかもね。
当時はこの未遂に「裏切られた」と感じたものだが、コレも確信犯的な流れだったのかも…。

B.志田静一×響川聡史
不謹慎と知りつつも、二人の父親の最期がまるで“(無理)心中”のように見えて仕方が無い。
彼(ら)が命を賭して守ったその子供は、皮肉なことに己が生き残ってしまった宿業に苦しむ。
要は、苦しみ続ける以外の選択肢を己に辞さない頑ななツンデレラのラブストーリーである。
正直、私は当て馬の峰岸さんが嫌いだ…懐の広さですっぽり彼を包み込もうとする手段が許せん!
でも、そのやり口が結果的に恋に破れる話なので、シリーズ全体のテーマに繋がっているんだな。
繋がろうが、重なろうが、交差しようが、我々は一生“孤”であることを手放してはいけないのだ、と。
嫌いな割に、今の私は多くを手に入れつつも孤独を生きるのであろう峰岸さんに思いが募る(笑)。
志田は手順を間違えたものの、一貫して響川の楽園そのものだったので、やや個人的印象が薄い。

C.屋敷了×美延皐月
三木や響川タイプのキャラは兎も角、皐月は今回限りの“受け”だと思う。
皐月も屋敷も、そして倉科も何処か著者の分身なのではないかとついそんなことを考えてしまう。
皐月の描く絵が汚物入れから芸術に昇華されるその瞬間が、堪らなく美しくて心掻き乱される。
皐月に囚われた“王子”であることを自覚した屋敷が、皐月の炎で焼け落ちる瞬間も堪らない。
それでも尚、皐月が絵を描くために孤独を/孤高に生きることは、彼の業であり、使命なのだと。
これ以後、吹っ切れたように明瞭で洗練した作品を創り続ける著者の他の作品が意味深でもある。

<作品データ>
・高遠琉加『楽園建造計画』全4巻(依田沙江美・画、二見書房シャレード文庫)2005.6、2006.2、2006.7、2007.6
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[ 2010/07/07 22:14 ] novel BL | TB(2) | CM(2)

オセロー 

ウィキペディアによると、四大悲劇中もっとも“平明”な構造の作品とある。
私には、このエピソードが“悲劇”に分類されている理由すらわからなかったというのになっ!
“誠実”というコトバに過度に酔い、惑い、その帰結として破滅の道を歩む人々の風刺劇に見えた。
プロローグ以降一切の本音を閉ざし、道化に徹し、最後にはその饒舌な口まで閉ざした“彼”も、
太陽の如く燦然と輝く公明正大な主人公のオスカーも、最期まで貞淑と純真を貫き通すヒロインも、
私の想像とか理想の射程内にはいない人物像なので、どうにも“解釈”に困る戯曲であった…。

が、いつもの如く腐った目的で読み始めた私なので、腐った解釈で無理を通すことにする。
“憎悪”という情動で箍が外れたイアーゴーが、その対象に讒言を弄して奸計を講じる顛末の中に、
致命的宿命を帯びた二人の男達の、真逆なようで実は底辺が繋がっている関係を妄想してみたい。
意気揚々と露悪的に(しばしば婀娜っぽく)振る舞う彼の姿は、まるで性悪の誘い受けのようである。
目障りな彼を自身の側に陥れたいという身勝手な願望は、殆ど“やおい”そのものとも言えないか。
憎悪とか復讐で滾る心を秘めた男の、その目的の為に手段を選ばない姿はやはり“魅力的”である。
作中であらゆる登場人物の“誠実”を一貫して否定する悪役は、裏のヒロインに見えて仕方無い。

物語のエンジンそのものであった男が口を閉ざした瞬間は、確かに変則的でちょっと呆然とする。
彼の手の平で踊り続けることがこの物語の肝の筈なのに、語り手自らその役割をあっさり放棄…。
たった一人の主人公を陥れるその野望だけに特化した彼も、やはり“一途”なキャラなのである。
“一途”な登場人物達が、その“信念”のために生きることがミステイクの始まりだったのかも。
彼らの末路は、だからある意味因果応報的で予定調和だったように見える。

イアーゴーはオスカーのネガではなく、むしろデズデモーナのネガであったのだ、と。
これは“作品解釈”ではなく、妄想補完した私の“願望”である。

<作品データ>
・シェイクスピア『オセロー』(福田恒存・訳、新潮文庫)1973.6
オセロー (新潮文庫)オセロー (新潮文庫)
(1973/06)
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[ 2010/07/04 00:53 ] novel 非BL | TB(0) | CM(0)

2010年6月の読書メーター 

連日の暑さ、もとい湿度の高さにバテバテの今週です。
やろう、やらなきゃ、いい加減やらねば、な仕事が微妙に貯まってちと忙しいです。
いや、私の仕事配分が上手くないんだろうな?バイトちゃんにも少し仕事振り分けたい。
今日から今年も後半戦…しかし、今年はそういえば風邪を一度も引いていないなあ。
その代わり、皮膚疾患に悩まされて“辛かった”と言えば、そうなんですが。
後半も恙無く、無難に過ごせますように…!

<拍手御礼(6/1~30)>
・entry329、428、569、614、664、827、969、1046、1087、1088、1095(3件)、1132(2件)、1225、1293、1327(4件)、1329(4件)、1330(4件)、1331(5件)、1333(2件)、に拍手ありがとうございます。

まだまだ、更新ペースが上がらないなあ。
いつも、今月こそは!と思うんですけどね。
次回予告は……止めておこう(笑)。


[ 2010/07/01 08:22 ] 読書メーター | TB(0) | CM(0)
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Author:tatsuki
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