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見えない月 

ブログ歴は足かけ二年ちょっとですが、本日初めて剛しいらさんの本の感想を書きます。
私がまともに読んだこの著者の作品と言えば、「~の顔」シリーズと「~の記憶」シリーズのみ。
前者は大好きな作品の一つなんですが、妹から借りた後者のシリーズは私的には微妙な印象。
いずれにせよ、私の中で剛さんの作風は淡白なテイストのBLを手がけてるイメージが強いです。
尤も、作品数が膨大な方なのに私は殆ど読んでいないので、根本的な誤解をしている可能性大。
てことで、本日はそんな剛しいらさん初心者の感想ということで、一つご了解下さい!

と言いつつ、今回の作品も楽しかったのですが、実はとても感想が書き難い…。
ミステリー風味の展開が無きにしもあらずなので、極力ネタバレ回避の方向に努めるつもりです。
人気のミステリアスなミステリー作家・津積黄道と新米編集者・高橋昌人のビルディングロマンス。
原稿を盾にあっさり編集が喰われちゃう的な、BL的にはお馴染みの展開かと思っていたのですが、
蓋を開けてみたら、そういう王道展開を少し斜めにズラした物語になっていて、面白かったです。
むしろ、「~の顔」と同じパターンで、純真な受けが攻めの渇いた心を満たして円満解決する展開。
大雑把に換言すると、『王様と私』とか『サウンド・オブ・ミュージック』等の映画と同じテーマですね。
ヒロインの方が孤独な男にの手を差し延べて、かけがえの無いパートナーとして彼に歩み寄る。
二人の穏やかな愛情物語はまだ始まったばかりで、幸福の余韻に浸りながら静かに幕は下りる。

一方で、メインの片方がミステリ作家なので、この小説も一種のメタフィクション構成になっている。
新米編集者のアキトは、憧れの人気ミステリー作家である津積黄道に原稿を依頼に伺うのですが、
私生活が謎に包まれた彼にはなかなか会えず、運良く出会えてものらりくらりとかわされてしまう。
が、彼の唯我独尊な素振りにも動じず、彼が提示する難題を身体を張って難なくクリアするアキト。
結局、アキトの聡明さと健全さを前に先に音を上げたのは津積の方で、秘密を抱えたまま大遁走。
彼はジュブナイルorヤングアダルト小説のような親切仕様で、随所にヒントを残してくれたので、
新米探偵のアキトも推理で彼の居場所を突き止め、秘密のカラクリまで見破ることができました。
お見事です!あとには、犯人…いえ、この小説の仕掛け人によるシリアスな自白供述が続きます。

アキトは行儀の良い真摯なキャラなので、ファン心理恋愛感情を混同せずにコトに対処します。
そんなアキトの思慮深い反応が、津積の心の糧となり、新たな物語を生み出す豊かな土壌になる。
不意の事故でストック(≒アイデア)の多くを喪失してしまいましたが、彼が復活する日は近い筈。
今後は心の澄んだパートナーと二人三脚で、新生・津積黄道は物語を創出し続けていくのでしょう。

ご馳走様でした♪

<作品データ>
・剛しいら『見えない月』(榎本・画、フロンティアワークスダリア文庫)2008.3
見えない月 (DARIA BUNKO)見えない月 (DARIA BUNKO)
(2008/03/13)
剛 しいら

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[ 2008/03/19 21:57 ] novel BL | TB(1) | CM(2)
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