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歌姫 

表紙に描かれている少年が大変美しくて私好みで、勢いだけで買い込んでしまった作品です。
薄味ではありましたが、切なくて少し哀しい正統派ファンタジーでなかなか素敵な作品でした。
それにしても、初めて読んだ作家さんなのに読むと画風に深い既視感を覚えるのですよ。
「あれ?デジャヴ?」等と思っていながら、著者の公式サイト確認して理由が見事に判明。
あはは、私多分この方の数年前の幻水同人誌かキャラクター・グッズを持っていますよ(笑)。
いや、通りで…。

さて、『歌姫』。
この世界は、男の王が中心で大地を収め、女の歌姫が周辺からで国を支える設定です。
だから、女の王も男の歌姫も本来決してあってはならない存在だったのですが…。
本作品の主人公は男の歌姫、双子の亡き姉を偽って毎夜国を守るために歌い続けるのです。
要するに歌姫とはいわゆる巫女なのですが、この制度には実は残酷なカラクリがあります。

即ち、周辺の村々は歌姫を確実に確保・維持し逃亡の不手際が無いように、村人総出で、
歌姫を支えている…というのは建前でして、実際は行き過ぎた軟禁状態というのが正しいです。
歌姫には移動の自由も無ければ、継承者存続の為に時には更に過酷な行為も強いられます。
これが政府推奨で、中央と周辺が結託して歌姫の基本的な人権を徹底的に破壊しております。
云わば、国を挙げてのラプンツェルなのですネ。

この作品の主人公であるカインも双子の姉のマリアも、そんな状況下なので父親は不明です…。
彼らの母親(前歌姫)は、村人を「寄生虫」と蔑み恨みつつ、双子を育てつつも歌い続けます。
が、ある日この双子は偶然にも下の村長の息子トーマスと出会い、新たな運命が廻り始めます。
疑い深いカインは兎も角、マリアとトーマスはそんなカラクリを知らず徐々に親しくなっていきます。
とはいえ、こんな世界で3人の平穏の日々がいつまでも続く筈もなく…。

双子の母親の体調の悪化により、3人はそれぞれ村と歌姫の醜い真の関係と対面することに…。
マリアのトーマスに対する淡い恋心に薄々気づいていたカインは、彼女を彼に託して村を離れ、
トーマスは村と歌姫の関係を変えたいと願い考え、水面下で行動し始めるようになります。
そして、マリアは後代の歌姫として国を守るために歌い続ける道を覚悟するのですが…。
実は、一子相伝の歌姫の能力はマリアではなく、カインの方に受け継がれていたのです。

さてさて、この3人の末路は?これ以上はネタばれになってしまうので、あらすじは自粛します。
哀しい別れもありますが、カインは運良く一時的に外に出れたので世情を知って成長し、
トーマスは双子の為に、地味ながらも物語の裏側で本当に大活躍してくれます。
歴史は、男の歌姫である異端のカインを育み、国王崩御で異端な女の国王を誕生させます。
結論を言ってしまえば、従来の歌姫制度にも変革の時代が来るのでご安心を!

いかにも幻水シリーズ好きの血を感じる方の作品でして、とても面白かったです!
世界を救うのは、名をはせた勇者や戦士や僧侶ばかりではありません。
それは豊富な知識で粘り強く折衝を重ね、政府にマメに陳情し、村人の意識を変えていく、
そんな地味な一介の村人代表の、地道な努力の賜物という側面もあるのです!
要するに、誠実なトーマスの姿に心底に惚れました!(萌えるのはカインなんですが…)
短い作品であるにも関わらず、中心⇔周辺世界の構造的な従属関係にも踏み込んでいて、
歴史好きで幻水好きにである私には、大変堪らない設定で本当に楽しかったです。
ご馳走様です♪

<作品データ>
・あき『歌姫』(リブレ出版・ゼロコミックス)2006.12
歌姫 歌姫
あき (2006/12/09)
リブレ出版
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[ 2007/02/28 22:26 ] comic 非BL | TB(6) | CM(0)

DEADHEAT 

(↓はスルー推奨の愚痴…作品の内容とは一切無関係です)
ここ3日ほど某T間書店に呪詛電波を送っていたら、本日見事に携帯電話を電車に忘れました…。
まさに、人(?)を呪わば穴二つ、以後肝に銘じます、兎も角もこの作品読めたので良しとします。
キャラ文庫の今月新刊の本作品、英田さんの大ファンとしてそれはそれは楽しみにしてたのに、
4点中の唯一この作品だけ自分の職場で入荷0という切ない現実に打ちひしがれていたのです。
素人目に見ても、今回この作品が一番刷り部数多い筈よね…何で…どうして…切ないですヨ。
通常少なめとはいえ、キャラ文庫は多少入荷しているんですよ…でも英田さんだけ入荷無し
しかも、今月の新刊のためにこっそり既刊の『DEADLOCK』も結構取り寄せていたんですよ。
本当に悔しいなあ…、しかもT間書店は業界随一の搬入ペースのトロさを誇っている版元でして、
追加入荷自体一体いつになることやら…てか、本当に追加も来るのか激しく微妙なんですよね。
本当にスイマセン!以上の前口上は本作品の内容とは全く関係ない個人的な職場の愚痴です。

ということで待望の新刊、結局泣く泣く他店で購入しまして早速読了、ようやく心が晴れました(笑)。
相変わらずの楽しいハリウッド映画的展開で胸いっぱいです、何はともあれご馳走様でした♪
でも、本作品は序破急部分というコトで、実はかなり感想が書きにくい印象なんです。
故に、今回は久しぶりに短めに雑感のみで失礼します。

実はこのシリーズ、ラスボスの設定が見えすぎちゃって、ただ今目のやり場にかなり困っています。
しかも、今回はラストの山場をかなり無理やり詰め込みすぎちゃっている印象が強いんですよね。
私としては、アッチの伏線を削るかして、ラストのカーチェイスにページを割いて欲しかったかな。
もしくは、読者(ユウト)をミスリードさせるような他のエピソードを1つ2つ期待したかったですね…。
このシリーズはスケールがやたらに大きい設定の割に、道筋が一直線で猪突猛進なんですよ。
例えるなら、ハイウェイをメーター振り切らして真っ直ぐに飛ばしている車のような作品でして、
わき道や小道を楽しむゆとりが感じられないのが欠点と言えば欠点かもしれません。
いえ、とても楽しい展開だったのですヨ、が、やっぱりちょっとは遊び的部分も欲しかったかも。
我儘な読者で本当スイマセン…。

あと、一つだけユウトに言いたいコトが。
ディックは兎も角、ロブの言動はもう少し一つ一つ検討して疑ってかかった方が良いと思います。
作品の構造上、彼は確実に味方だとは思うのですが、政治思想を語りすぎるきらいがありまして、
私は個人的に、どうにもこうにもそういうトコロが生理的に気に食わない感じなんです(笑)。
友人と思っている相手に、自己の政治信条を語るのは反則(タブー)だと思う人間なんですよ。
私も、一時期『JFK』とか『大統領の陰謀』とかトム・クランシーとかフォーサイスとかの原作や映画、
はたまた江畑謙介さんとか山内昌之さんとかの軍テク評論を読みふけった時期がありまして…。
いえ勿論、私も↑を踏まえた上でロブの思想を否定するつもりは決してないのですけどね、
そういうモノは個々人が様々な経験や知識を踏まえた上で結論づけていくものだと思うので、
ちょっとロブのやり方はあざといと言うか、ズルイというか、私的にはナシなんです…。
いや、何というか、現代史ないし米国情勢をネタにする英田さんの勇気には感服しますが、
個人的に昔のバトルフィールドであることも手伝って、今回どうも距離が上手く取れません…。

何か、楽しい作品だったのに妙にツマンナイことネチネチ語る感想になってしまいました。
しかも、思ったほど短くないし…今回はT間に対する憤りが強すぎたのが敗因と言うコトで(笑)。
楽しくて満足度の高い作品だったのに、この感想ではそれが全く伝わってきませんね…。
英田さんの作品の感想って、いつも意外と難産な上にヒドイ出来ですよ。
うぅ、スイマセン…。

<作品データ>
・英田サキ『DEADHEAT』(高階佑・画、徳間書店キャラ文庫)
2007.2
DEADHEAT―DEADLOCK2 DEADHEAT―DEADLOCK2
英田 サキ (2007/02)
徳間書店
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[ 2007/02/27 21:54 ] novel BL | TB(5) | CM(6)

赤い呪縛 

今更読んだ松田美優さんのデビュー作、ネタが兄弟姦係というコトでずっとスルーしてました(笑)。
が、世間は割と好評でゆちゅ♪さんもオススメとのこと、ようやく食わず嫌いを克服しました。
毎度のコトではありますが、何でもっと早く手にとっていなかったのか…とても楽しい作品でしたヨ。
極私見ですけれども、後発の2作品よりこちらの作品の方が遥かに完成度が高いなと思いました。
登場人物のキャラクター描写が大変丁寧で、とんでもな設定なのに意外な説得力を感じます。
というか、やっぱり『不道徳な闇』の方はかなり作品描写が大雑把だったのだなと、改めて実感。

主人公の日向にとって、今までは自分の我儘を聞いてくれて優しかった筈の次兄・龍昇でしたが、
(まあ、実際はそれ程優しかったわけでは無いのですが、少なくとも甘やかしてはくれました)
ある日の些細な兄弟喧嘩を境に、そんな穏やかで緩い日常生活は見事に終止符を打たれます。
その後に待つのは、男同士であるとか血の繋がった兄弟であると言った社会的な通念を超えた、
インモラルな官能の日々…真夏の太陽と庭に咲き誇る紫陽花が二人の関係に拍車をかけます。

当初は、強引に肉体関係を迫る龍昇に恐れ戦き、彼からどうにか逃れようとする日向でしたが、
その抗い難い未知の快感に溺れ流され、徐々にその異常な非日常的関係を受け入れ始めます。
というか、日向はむしろソレ無しでは生きられない禁断の欲望と渇望の実を掌握してしまった模様。
ここに、従来の日常世界を無為に緩くダラダラと生きてきた彼の、内なるリビドーが垣間見えます。
退屈な日常空間からの逃避ないし離脱というテーマは、BLといいうよりは青春小説のノリですね。
そして実際、松田さんの作品のテーマはいつもそちら側の面がかなり強い作風かと思われます。

物語終盤、龍昇の彼女登場で二人の関係は龍昇⇒日向から日向⇒龍昇へと見事に反転。
序盤の普通の兄弟から兄弟姦へ至る日常⇒非日常への移行から、二度目の価値転換です。
この変化の様子が読んでいて本当に楽しかった!自分をダシに誘い受けモードの日向の完成、
彼は龍昇を繋ぎとめるために、あらゆる手段を講じ、ついに兄の龍昇を陥落させて物語は終結。
このザクッと刃物で切り取られたような結末が、インパクトがあってかなり良い感じなんですよ。
この夏は決してひと夏の思い出に還元できるようなモノではなく、それは唯一の永遠の夏なのです。

思うに、夏という季節が世界の価値転換を招き易い要素を多分に含んでいるような気がします。
耐え難い暑さが、眩しい太陽が、陽炎の揺らぎが、日常世界を見事に反転させてしまうのです。
カミュの『異邦人』なんかがまさにそう、殺害動機は「太陽のせい」なんて言い切ってますヨ、これ。
要するに、この二人の一見ありえない関係も「太陽のせい」だと言い切ってしまって良いんです。
これもまた、一つの作品世界の真実なんです(笑)。

さて、最後に一点だけ気になったことをば。
それは、いじめられっ子のハジメの存在です、正直彼の存在がそれ程必須とも思えないのですが、
場面場面でよく出てきます(しかも、主人公日向との会話シーンが一つも無いのです…)。
でも、このハジメには何かを見透かされているような妙な印象を受けるのです、変な感じです。
多分私の誤読なんでしょうけど、ハジメと日向は実はかなり近い人物のような気がしてなりません。
でなければ、この作品自体がハジメが日向を妄想して作られたモノのようにも見えなくもなく…。
穿ちすぎかなあ(実は『不道徳な闇』でもこういう変な印象を受ける描写があったのですが…)。

<作品データ>
松田美優赤い呪縛』(奈良千春・画、大洋図書シャイノベルス)2006.4

赤い呪縛 赤い呪縛
松田 美優 (2006/04/24)
大洋図書
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[ 2007/02/25 21:59 ] novel BL | TB(11) | CM(4)

交渉人は黙らない 

タイトルどおり、本当に終始しゃべりっ放しの主人公でした…久々に期待の榎田さんの新刊です。
ヤクザ×交渉人のラブバトル(orデスマッチ)という噂でしたので、シリアス展開かと思っていたら、
かなりコテコテでベタベタの、下町純情派(ラブ)コメディだったのでとてもびっくりしました(笑)。
榎田さんらしいと言えばらしいです、『エス』シリーズよりも『真昼の月』のノリに近い雰囲気ですね。
この主人公・芽吹章が経営する『芽吹ネゴオフィス』が予想以上にアットホームな雰囲気でして、
所属しているスタッフ(つまりキヨとさゆりさん)も、一癖あってこれが実に榎田さんらしい設定。
榎田さんの過去の作品で紐解くと、『眠る探偵』シリーズが一番近いかもしれません。

そんな慎ましい個人営業の事務所にある日、ヤクザの兵頭がミカジメ料を請求してきます。
気丈で口が達者な芽吹は当然その要求を突っ撥ねますが、翌日早々イヤガラセが始まります。
それが二人の関係の発端…ではなく、実は二人は高校時代の先輩後輩関係でもあった訳で…。
しかも体育館倉庫の青臭い思い出付き!いやあ、ここまでベタベタな設定・光景も久々です(笑)。
先日のうえださんのお話とは打って変わって、只ひたすらに笑いが込み上げてくるお話でした。
榎田さんのBL職人仕事にはお見事としか言いようがありません、勿論楽しかったんですけどね。

私は何気にとんでも設定の電波系攻めが大好きなんですが、今回の兵頭もかなりキてる口です。
自分の職場に、片思いの彼(芽吹)の隠し撮り写真をA4サイズに引き伸ばして飾ってますから!
しかも、面子が重要そうな裏の社会に生きながら、根っからの同性愛嗜好をカミングアウト済み。
こういうタイプ、実はかなり大好きなんですよね(笑)、笑いすぎてお腹が痛くなってきましたヨ。
(受けが1回くしゃみをしたら、軍用ヘリで百万本のバラの花束担いでくる攻めとか大好きです!)

さて、閑話休題。
一方でまた、主人公を筆頭にこの作品の登場人物には各々暗くて重い過去の設定もある模様…。
まあ、いずれの登場人物も裏家業ないし半裏家業に身を落としている訳ですからこれも当然です。
今回のお話で、主人公の芽吹に関してはそれがほぼ解消されておりますが、他キャラが全く不明。
恐らく今後シリーズ化されて、徐々に過去を小出しにしていくんじゃないかと予想しておりますが。
現時点では、私からはこれ以上語れる材料がありません…。

何はともあれ、そんな過去も踏まえつつ、この作品の基本ペーソスはやっぱりコメディなんです。
というか、あえてコメディアンに徹する作中人物の姿が大変好感でして、自然と愛着が沸きます!
個人的にあまり萌え要素が無かったのが残念と言えばそうなんですが、とても楽しい作品でした。
(ちなみに、サービスシーンもやや消化不良気味でしたが…)
ご馳走様です♪

<作品データ>
榎田尤利交渉人は黙らない』(奈良千春・画、大洋図書シャイノベルス)2007.3
交渉人は黙らない 交渉人は黙らない
榎田 尤利 (2007/02/23)
大洋図書
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[ 2007/02/24 15:22 ] novel BL | TB(6) | CM(10)

時間はどこで生まれるのか 

先月末に『天国へ行けばいい』を読了して以来、ずーっと考え続けてきた時空論について。
というか実は、↑を読んでまず時空論を勉強する為に手に取った作品がコレでした。
が、正直難解と言いますか、前提的な知識が不足し過ぎてついて行けない点がちらほら。
先日ご紹介した『世界が変わる現代物理学』の方が、物理学の入門書としてはオススメです。
私としては、自分のイマジネーション力に限界を感じる一品、故↓のメモもかなり混乱気味です。
恐らく時空のイメージを掴むには、まずは基本的な物理学的知識が必要なのだと痛感しました。

一方でまた、↑の『世界が~』の竹内薫さんと↓『時間は~』の橋元淳一郎さんの差は、
単純にミステリー作家とSF作家というジャンルの方向性の差なのかもしれません…。
私が個人的に読みなれたミステリー作品とまず手に取らないSF作品というジャンルの違いが、
私の作品の理解力の深度に差が出ていたようにも思うのです。

が、これだけではアレなので…。
このテーマはもしかしたら、私の大好きなテレビ・PCゲームに置き換えて考えると良いのかも…。
少なくとも、SFジャンルよりは遥かに私にとって身近な存在なのは事実ですので(笑)。
TVゲームのRPGとかシミュレーションといったジャンルには、少なくとも2つの時間が存在します。
即ち、プレイ時間とゲーム内時間です(ちなみにオンラインゲームはプレイ時間≒ゲーム内時間)。
これは、漫画とか小説を読んでいる時間と作品内の時間と置き換えも可能だと思われますが、
私の場合、ゲームが一番イメージし易いです(理由は、プレイ時間が記録されるものが多いから)。

で、実はDQとかFFといった我々にある意味もっとも身近なRPGというジャンルには時間が無い。
もっと正確に言えば、作品内の時間が我々の日常感覚でカウントできません…。
そこにあるのは、ストーリーの流れと空間軸の拡がりのみとほぼ断言して良いと思われます。
その時間はプレイヤー次第とも言えますが、一作品として捉えた場合は時間が無限に見えます。

一方で(恋愛)シミュレーションゲームの場合は、極めて限られた時間ルールがありまして、
これが私の経験上、割と1年とか3年と言う区切りの場合が多いです。
無論それはプレイ時間では勿論無く、(我々からみて)かなり短縮された時間軸です。
その限られた時間(と空間も)で、目的を達成するのがシミュレーションゲームかと思われます。

ここで私が想起するのは、昔大好きだった『ガンパレードマーチ』というかなり特殊なゲーム作品。
発売直後当時から、空前絶後のシミュレーションゲームになりそうだと騒がれておりましたが、
本当に2007年の現在まで、この作品の類似商品を私は見たことがありません…。
(ちなみに、小説や漫画ならあるかもしれません、というかどちらかと言えばゲームよりも、
そもそもテキスト媒体の方でこそ試みられ易い手法だったようにも思われます)

まあ兎も角として、このゲーム大変異色で面白い設定なのですが実に説明がしづらいです。
そういう意味では、冒頭の『天国へ行けばいい』とかなり似たトコロをついております。
個々のプレイヤー次第で、戦争シミュレーションにもなれば恋愛シミュレーションにもなりますし、
無論、上記以外の遊び方も無限に可能です…が、作品内の時間限界が2ヶ月ちょっとなのです。
コレが実のところこの作品の異質性の肝でして、シミュレーションゲームに慣れた身にとって、
かなり時間限界が短く感じられてしまうのです。

要するにこの作品、時間現象という人間(プレイヤー)の錯覚を確信犯的についた作品なのです。
(もっと言えば、プレイヤーがゲームキャラクターでもあるという次元設定にも踏み込んでいます)
これが私のようなひねくれ者には病みつきになる仕掛けでして、何度もリプレイしております。
ちなみに、この2ヶ月ちょっとという時間枠はゲームとしてはかなり濃厚な密度でして、
そのために、その時間の空隙を付いてほぼ無限と言って良いプレイスタイルが可能なのです。

で、結論は何かと言えば、重要なのは時間を正確にカウントすることでは勿論なくて、
限られた時間を、いかに生きるか(楽しむか)という点に尽きるのだと思います。
先日はそれを萌えで換言しましたが、我ながらこれはかなり正解に近かったと思います。
『英国妖異譚』シリーズの某女神が語る継続的な思考⇒エネルギーという発想も同根かな。
今月は私いつもより読書量が格段に落ちておりますが、質の方は珍しく急上昇してますね(笑)。
ブログの更新ペースは過去最低ぽいですが、中の私はこれでも結構頑張っているのですよ。

<作品データ>
・橋元淳一郎『時間はどこで生まれるのか』(集英社新書)2006.12
時間はどこで生まれるのか 時間はどこで生まれるのか
橋元 淳一郎 (2006/12)
集英社
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[ 2007/02/22 20:42 ] non-fiction | TB(2) | CM(0)

術語集 

とっても分かり易くて親切な岩波新書でしたヨ、知の入門書として結構オススメかも…。
一種の単語帳ないし辞書ツールとして考えても、大変ユーズフルで秀逸な構成でしたが、
一つのエッセイとして、テキスト自体を楽しむこともできる満足度の高い作品でした。
但し、↓のメモは過去最高に仕上げるのに時間がかかってしまい、ブログの更新が…。
メモも取り易い仕様なのですが、ここまで読者に易しいと逆に向学心が停滞する模様。
即ち、メモや付箋が思考の断片に繋がらず、只の作業になってしまって…(笑)。
要するに、作業だからすぐに飽きてしまうのですネ、怠惰な人間なものですから。
私には、いつでもできると思うと却っていつまでもやらないという悪癖があります。
今回はそれが、唯一の難点でした(作品の欠点ではなく私の個人的な欠点です!)。

あと余談ですが、自分もフロイト先生的にはならないようにしようと肝に銘じました。
特定の作品を、上(外)から見るようになったら感想はお終いです。
多少の偏りがあったとしても、主観性を大事にしたいと思いました。

<作品データ>
・中村雄二郎『術語集』(岩波新書、黄・276)
術語集―気になることば 術語集―気になることば
中村 雄二郎 (1984/09)
岩波書店
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↓長いです&一部ナンバーが飛んでますがお気になさらずに…。
私的に現状心に引っかからなかった単語は割愛しました、ご了承を。

[ 2007/02/19 22:37 ] non-fiction | TB(67) | CM(0)

子供に内緒で 

お気に入りのカバンの中に忍ばせること約2週間、ようやくこの作品を読了しました。
(あ、今回は読み始めるのに時間がかかっただけで、サクっと読めましたけどね!)
様々な方面で好評な感想を伺っていたのですが、私は今回の挿絵に対する抵抗感が強く…。
どうにもこういう、松本花さんとか星野リリィさんとかその辺の画風がBLだと苦手です。
(他ジャンルだと多分全然平気だし、可愛いとは思うのですがBLだと濡れ場がシンドイのです)

で、早速の雑感なんですが…実は私的にはせいぜい中の中といった印象の作品でした…。
アレ?何ででしょ?決して面白くなかった訳では無いのですヨ、楽しいBL作品だったと思います。
が、今回は作品のメインプロット以外の部分が非常に気になったりして、イマイチ入り込めず…。
よくよく考えてみたのですが、その理由は以下の3点に凝縮されていたと思うのです。

①前評判を伺いすぎて、私の方が作品に期待をかけすぎた。
思えば私、いおかさん作品はいつも何かを割り引いて読んで楽しむ作家さんなんですよね。
作品世界にのめり込むのではなく、むしろ萌えとかエンターテイメント小説として楽しんでいました。
この軽さというかサクッと感がいおかさんの持ち味で、そこを私もいつもは愛していたのですが、
今回はもう少し世界観に入り込み易い、ヤラレタ感の強い作品を期待してしまったらしく…。
多分、いつもどおりのいおかさんの小説だったのですが、私が読むスタンスを逸したみたいです。

②へたれ攻め×健気受けという組み合わせ
へたれ健気も単体としては大好物なBL属性なんですが、この二つの組み合わせがちと不満…。
私的にはへたれ×女王様とか俺様傲慢×健気とかそういうCPパターンに萌える人間なので、
今回の穏やかな二人の関係には、イマイチ萌え心が掻き立てられませんでした。

③攻めのお仕事設定(書店営業)が私の日常に極めて近い
他の方からも何度か、自身の職業設定は集中して読めなくなるというお話伺っていたのですが、
今回の私も正しくソレが原因だったんだろうなあ、と後になって思い立ちましたヨ…。
二人のラブストーリーとは全く別個の細かい点が、とても気になって気になって…。
(ちなみに、榎田尤利さんの『普通の~』シリーズは、うんうん頷いて読めたのですけどね)

③についてはもう少し詳しく、今回は↓で語りますネ。
で、まあ他にも、裕真は週1勤務で残りの6日間を一体どのように過ごしてきたのだろうとか、
深夜の4時過ぎまで(裕真を)待っていたスポンサー社長の気の長さとか気になりドコロが…(笑)。
(短気で自己中な私は、待っても5分ですからね!この社長が可愛く見えるのは私だけ?)
てことで、今回の私の感想はいつも以上にあてにならないかも知れません…。
勧善懲悪の痛快劇は、私も読んでて心地良かったのですけどね…ちょっと設定が残念でした。
(作品が新書媒体だったので、お値段に見合う面白さじゃ無かったかもです)

<作品データ>
いおかいつき子供に内緒で』(カズアキ・画、幻冬舎リンクスノベルス)2007.1
子供に内緒で 子供に内緒で
いおか いつき (2007/01)
幻冬舎コミックス
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[ 2007/02/17 13:04 ] novel BL | TB(1) | CM(0)

月にむらくも、花吹雪 

実は、今月発売予定で一番楽しみにしていた新刊です!わーい、とっても面白かったですよー。
この作品はBLジャンル的には遊郭ネタなのですが、どちらかと言えばメインは人情話ですよね。
典型的なライトノベルなんですが、一部時代モノのノリもあって独特の味があるシリーズです。
昨年から続きを待ち焦がれること約1年、やっとこ続きを読むことができて本当に幸せです♪

やっぱり、一番のお気に入りは鴉ですね…一見美少女、でも中身は口の悪い俺様美少年(笑)。
見事にダイレクトに私の萌えツボを刺激する少年です、今回は「幻月」の最高位娼妓に昇進抜擢。
この彼の可憐で気風の良い性格が、この世界観特有の重い雰囲気や淫靡さを巧妙に忌避し、
全編覇気の良い仕上がりになっております、本当に大変読み心地の良い作品なんですよね。
実は今回のお話では、とばっちりで大変な目にも合っているのですが、それでも強気の少年です。
何というか、紅塵くらいの年齢になったら真の意味で格好良い素敵な男になりそうな予感がします。
勿論、彼にも幸せにはなって欲しいのですが、簡単に靡いても欲しくない誘い受け希望です(笑)。
…このようにファン心理と言うものは、かくもアンビバレントで複雑なんです…。

一方で、メインカップルの紅塵×豆のへたれ×ドジっ子CPも私は大のお気に入りなんですよ。
主人公の豆が、ショタ風味でいかにもな幼妻で苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、
そこで尻込みするのは本当に勿体無いです、各キャラが立ってて大変楽しいシリーズなので。
尤も、この作品の場合BLというよりは、ストーリーの本質上ラノベの雰囲気に近いと思いますが。
柱はラブやエロよりも、勧善懲悪な捕り物帳で娼妓生活を余儀なく営む少年達の心の成長譚。
つらいコトも多いけれど、可憐で健気で強かでそんな彼らの生き様に心温まるモノを感じるのです。

そして、最後にサービスシーンという名のエロシーンについて(笑)。
ここまで書いててアレなんですが、コチラもちゃんとしっかり用意されておりますのでご安心を。
ちなみに、この著者の書くラブシーンは意外にもナニな描写が直接的というか写実的です。
変な比喩表現が無いのは良いのですが、このシリーズに合っているかと言えば実は微妙…。
私は割と好きなんですが、少し独特の癖があります。

さて、私の記憶が正しければこのシリーズは確かもう1本分雑誌に掲載されておりましたよね?
(ビブロス倒産直前の号だったかなあ…鴉と豆が取っ組み合いの喧嘩をしてたような…)
こちらも是非是非ノベルス化を切望しております、ご馳走様でした♪

<作品データ>
玉木ゆら月にむらくも、花吹雪』(六芦かえで・画、リブレ出版ビーボーイノベルス)2007.2
月にむらくも、花吹雪 月にむらくも、花吹雪
玉木 ゆら (2007/02)
リブレ出版
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[ 2007/02/16 21:54 ] novel BL | TB(9) | CM(9)

シャレード 2007年3月号 

今月号は、意外にも当たりが多かったように思います。

・矢城米花『王子隷属~仙狐異聞1』(陸裕千景子・画)
私、デビュー作以来ずっと矢城さんの作品を追いかけているファンの一人なんですが、
今までで、一番普通にBLとして面白い作品になりそうです(今後の展開次第ですが…)。
ファンタジー系統の作品設定は、BLよりもニアの方が萌えると思っていたのですが、
これはちょっと美味しすぎる展開ですヨ、おバカへたれ俺様妖狐×ツンデレ美人
従来の作風は、中心的なBL嗜好の斜め30度くらい傾いた異色で個性的なソレだったのですが、
(触手攻めとか、電波攻めとかね…いえ、私の場合、こういうのも大好物なんですが…)
今回は割とフツーのBL嗜好派も安心して満足できる設定になっております。
私が大好きな『幻想水滸伝』とか『封神演儀』と、その辺と似たような展開になりそうです。
もしかしたら、『十二国記』が一番近いのかもしれませんが、こちらは未読なので…。
とまれ、今後の展開が大変待ち遠しいです、長編シリーズ化切望。

・可南さらさ『移り香<後編>』(陸クミコ・画)
まずは一言、シューマンのショパンに対する名言を一部転じて引用させて下さい(笑)。

「腐女子諸君、脱帽したまえ、傑作だ!」


初っ端からテンション高くてスイマセン、この作品は結局全編雑誌で読ませて頂きましたが、
結論から言えば当たり!傑作とは言いすぎだとしても、同著者の快心作なのは間違いないです。
文庫化の際には、みなさん是非一度チェックしてくださいね…コレは布教したい作品です。
まとまって文庫になった折に、ちゃんとした感想を仕上げたいので、内容には触れません。
兎も角も、私は自身の思いを1枚の写真に封じ込めた弟(攻め)に感情移入しまくりでした。
私的には、名作BLの一本になりそうです、恥ずかしながらかなり号泣してしまいました。

・高遠琉加『楽園建造計画<8>』(依田沙江美・画)
これまた、感想書きづらい最終回でした…高遠さんらしいと言えばらしいのですが…。
どうもタイトルの楽園は、作品内のあの楽園のもう一段高いところにあるみたいです。
何というか一つネタをばらすとですね、BL的にはかなり強引な帰結で更に未満の結末です。
これは極個人的予想なんですが、文庫書下ろしのあの別CPと最終話に何処かで合流して、
こちらの二人とあちらの二人が、一緒にまとまるラストを用意していそうな気がしますが…。
このままだと、BL小説だったとは到底言いがたいので…てことで、感想は文庫化待ちです。
こちらも大変楽しみです♪

<はえぬき新人 競演ショート>
私的には、海野さん>森田さん>神江さん>早瀬さん>しみずさんの順番で面白かったです。
(ショートショートなので、つまらなくても読める文量ではあるのですが…)
まあ、でも結局技術的な差はそんなに無かったので、↑の順位は単純に私の萌え指数です。

・しみず水都『午後のお仕置き』(えとう綺羅・画)
この著者はショートショートが苦手なのかも…作品に説得力が全く感じられません。
・神江真凪『ロッカールームで』(さらちよみ・画)
この著者の文庫も去年読んでいるのですが、タイミングが悪くて感想書けませんでした。
結構面白いキャラクター書いていらっしゃる方なんですが、文章が古いですよね。
著者がレトロ趣味なのか、それとも元々結構上の世代の方なんでしょうかね。
・海野幸『愛の言葉は花言葉』(楠木潤・画)
私は、逆にこの著者の雑誌掲載作品はいつも途中挫折組だったのですが…。
今回の企画参加者の中で一番、ショートショートの趣旨をちゃんと掴んでおります。
ヤクザのへたれ攻めに激しく萌えました♪
・森田しほ『本気なのに』(あおぎり尊・画)
この短さで2段構えだったのが好感ですが、私は受と攻の台詞が途中で混乱しました。
ラストが会話に終始するのも頂けないけど、ストーリー自体は結構楽しかったです。
・早瀬亮『放課後の校長室』(すがわら竜・画)
この方だけ文字通りの初読み作家さん、↑の4人より一つ文章ランクが下がるような…。
何というか、イロモノとしては実は結構楽しかったです(笑)。
単品ではしんどいモノがありそうな作品です、電波攻め許容できる方のみ推奨。

<作品データ>
・「シャレード」2007年3月号(二見書房)



[ 2007/02/15 16:09 ] magazine&anthorogy 感想 | TB(0) | CM(0)

水槽の中、熱帯魚は恋をする 

以前から、機会があったら是非一度ご紹介したいと思っていた、うえださんの作品です。
昨日読んだ同著者の新刊も大変面白かったので、これを機に再読してみることにしました。
はっきり言って、私の個人的に大好きなBL小説不滅の10選に入る名作だと思われます。
シリーズや連作作品を含めるとカウントが面倒になってくるのですが、少なく見積もっても、
単発部門では5本指に入るといっても過言ではない、好きで好きでたまらない小説なんです。
昨日から引き続き、ややセンチメンタルな話題になってしまいそうでアレなんですが…、
プライベートで落ち込んでいる時に読むと、とても気持ちが和むエピソードなんですよね。
とっても、オススメですヨ♪

私は大学生同士モノのBL作品で、あまりハズレを引いたことが無いように思うのですが、
今回もご多分に漏れず…というか、実際は大当たりの初々しいタメ友カップルネタでした。
一見非の打ち所無い眉目秀麗でクールな攻め・桂真と、ごくごくフツーの健全な青年・睦(受け)。
学部が同じとはいえ元々殆ど接点の無い二人でしたが、不慮の事故で奇妙な関係が始まります。
即ち、桂真のBMWの修理代の代償に、熱帯魚(アロワナ)の世話を引き受けることになるのです。
が、これがなかなか至難の道でして、飼い主ではない睦にこのアロワナは全く懐こうとしません。
ツンデレどころか、終始ツンツンツンツン属性の攻略難易度が高過ぎるキャラです(笑)。
ちなみに、この初代アロワナは結局最期まで睦には懐かない孤高の攻略不能キャラでした…。

一方で、飼い主の桂真もアロワナ同様ツンツンツンツン属性の取り付く隙も無い孤高の青年。
この二人、序盤は恋愛モードの欠片も見られない関係なんですが、主人公の睦の方は、
せめて人として、必要最低限の友好なコミュニケーションを取りたいと思うようになります。
が、もとかくかなり難易度が高いキャラでして、睦は中盤まで四苦八苦しております…。
とはいえ、(まあ想像の通りの話なんですが)このツンツン桂真の心には深い孤独がある訳で…。
立て続けに生じた桂真の悲しい出来事を通じて、睦は桂真に心を奪われてしまいます。
つまりは、共感(同情)から生じた淡い恋心の始まりなんですよね。

桂真の心に触れたくて、ある日ついに(アルコールの力も借りて)一線を越えてしまうのですが、
結果的に桂真はソレでも睦に落ちません…この辺りがかなり徹底していて感心します(笑)。
というか、むしろ寂しがりで情け無い自分の本当の姿を見られてしまったという思いから、
逆に桂真は、睦と距離を取ろうとします(睦も睦で距離を置こうとしますが…)。
孤独の埋め合わせに過ぎないセックスをしてしまう自分に、自己嫌悪ばかり感じる攻めって、
はっきり言って、私は他のBL作品で全くお目にかかったコトがありません!
しかもこの日初めて、(2代目の)ペットのアロワナの方は睦の餌になびくのです。
この対照的な描写が、大変哀しく、そして切ないのです…つまり、私的に溜まらないのですね。

ここまでで、かなり暑苦しい文量ですね…ハハハ…クールダウンします。
まあ兎にも角にも、最終的にはハッピーエンドです、受けの睦が主導の恋愛関係なんですが…。

「俺と、恋愛しようよ」

↑は、健気受けかと思われた睦のラストの告白の台詞です、素朴なんですが力強い言葉です。
ここで、攻めの桂真はようやく睦に落ちます、腹を括ったとでも言うべきでしょうかね。
過去の孤独も現在の孤独も、全て睦と分かち合うことで桂真は救われるのだと自覚します。
私はツンツン属性の桂真に激萌えしましたが、しなやかで健全な強さを併せ持つ睦も大好きです。
要するに、この二人と+αのアロワナ含めて全てがとてもお気に入りな作品なんですネ♪

最後に余談ですが、続編は桂真視点なんですが、彼は完全にへたれ攻めに転じてます。
あるいは、それこそ元々の桂真の本質だったとも言えるのでしょうが…。
つまり、私大好物のツンデレとへたれ攻めというダブルで美味しいキャラ設定だったみたいです。
設定・ストーリー共にパーフェクトに大好きな作品でした、ご馳走様です♪

<作品データ>
うえだ真由水槽の中、熱帯魚は恋をする』(後藤星・画、新書館ディアプラス文庫)2004.10
水槽の中、熱帯魚は恋をする 水槽の中、熱帯魚は恋をする
うえだ 真由 (2004/10/09)
新書館
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[ 2007/02/12 22:41 ] novel BL | TB(2) | CM(4)

恋の行方は天気図で 

うぅ、完敗…はっきり言って認めるのが恥ずかしいのですが、この手の作品には弱いです、私。
序盤の展開では、こんな乙男(オトメン)に心動かされてなるものかと抵抗していたのですが、
物語中盤以降、私のBL展開予想図を地味に上方修正していく二人の関係に堪えられなくなり、
結局は、己の本能(萌え)に打ち勝つことが出来ませんでした…こういうお話、大好きなんです。
自覚はしているのですが、それを認めたくない自分もまたいる訳でして…。

この作品の所為で、今私の頭の中は松任谷由美の『卒業写真』がエンドレスで流れています。
時期的にも(世代的にも…)少し早いですが、タイムリーと言えばタイムリーなんでしょうけど、
リアルな私は、本当はいつもこういう雰囲気にだけは負けたくない気持ちで一杯なんですよ。
あの頃の理想とはかけ離れた自分を知りつつもね、今の私も相応に頑張っているつもりですし。
アレはアレ、コレはコレと見限って生活していかなければ、生活基盤が成り立たないですし…。

どんなに好きなモノ(コト)を仕事に生かせたとしても、不満やストレスは絶対に無くなりません。
私達社会人が世間で出来るのは、せいぜい妥協であり、ある種のバランス感覚くらいなモノです。
社会に身を置いている方は、多かれ少なかれそのコツを身につけていかなければなりません。

今回の主人公の柚生君は、ソレが上手く体得出来ずに心身に失調をきたしてしまいました。
胃潰瘍で入院、実家で静養、仕事上では彼にとって厳しい向かい風が吹き荒れております。
そんな中、初恋の君と再会し、あの頃のピュアな恋愛感情を再確認し、しかもBLですから、
その彼・知明とは割と直ぐに気持ちが通じてしまいます…が、ここまでは私の予想図通りの展開。

意外だったのは、この後の展開。
てっきり知明は「(仕事をやめて)俺のそばにいればいいだろ」的なコトを言い出しすモノと、
予測していたのですが…結果的には、柚生の背中を押して「頑張ってこい」だったのですよね。
柚生も私も一瞬「あれれ?」となってしまいました…いや、コレは正論なんですけどね。
BLジャンルは、無理を通して道理が引っ込む要素が多分にあると思っていたものですから、
こうも毅然と「遠恋しよう」なんて言われてしまって、逆にかなり驚いてしまいました。

攻めの知明は、当初から少女漫画にありがちな出来過ぎな男だなあとは思っていましたが、
ちょっと私の想像以上に出来た男だったみたいで、こうなると俄然作品にのめり込んでしまい…。
この後も、主人公の柚生は甘えたり、泣いたり、悩んだりと乙男街道まっしぐらなんですが、
ナマジ、昨今滅多にみられないくらい安定した骨のある彼に支えられているモノですから、
何と言いますか、私の方も良い夢いっぱい見させてもらい、幸せな気分になるんですよ。

折りしも台風速報というアクシデントを挟んで、柚生の仕事の風向きも変わってきます。
全てが良い感じになって、予定調和に物語は収束しますが、これが嫌味じゃないんですよね。
夢見心地のようでいて、案外地に足が着いた素敵な恋愛物語になっていたと思います。
それは、この知明もかつて厳しい風を経験し、挫折も味わっていたからなんですよね。
が、それを表面に出さずに、柚生の理想的な彼に徹する姿がまた大変魅力的でして…。
柚生は柚生で割と(私の)自己投影をしやすい属性を多分に孕んでおりますから、要するに、
この二人は、私にしては珍しく手放しで応援したくなるのですヨ。

こんなことを長々と赤裸々に書いている自分が、かつて無いくらい恥ずかしい感じなんですが、
まあ、正直大好きなタイプのBL小説です、個人的に久々にうえださん作品で当たり引きました。
ご馳走様です♪

注、私実は、『乙男』を未だ読めていないので、この解釈間違っていたらゴメンナサイ。

<作品データ>
うえだ真由恋の行方は天気図で』(橋本あおい・画、新書館ディアプラス文庫)2007.2
恋の行方は天気図で 恋の行方は天気図で
うえだ 真由 (2007/02)
新書館
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[ 2007/02/11 21:42 ] novel BL | TB(4) | CM(8)

半年振りの… 

RO男垢課金中です♪
いつの間にか、テコンキッドから拳聖に転職しております。
結局、根性無しだったので落法取ってジョブ41で転職。
(落法は今のところ想像以上に使えないのだが…Agi型だからかなあ…)
木屑も貯まってを製作。

今更… 

ちゃんとした自己紹介&ブログ紹介でもしてみようかなあ、と。
今までは、私のような取るに足らぬ凡庸な人間の属性について知ったところで、
読む側も大変困るだろうと思いまして、何の理も無くダラダラ記事を書き続けておりましたが、
よくよく考えてみたら、私自身記事を読むときは必ず著者プロフィール確認する人間でした。
まあ、ウェブ上なんで正直に書こうが虚言を連ねようが大して差は無いと思うのですが、
これも読む方にとっては、一応の心構え・指針になるかもと最近になって思うようになりました。
何よりも正直に言うと、ここまで長くブログを書き続けられるとは思っていなかったのです。
兎も角、そういう訳で本当に今更ながらの自己紹介&ブログ紹介をば。

■ブログタイトル:la aqua vita

↑の意味するところは『命の水』→『美味しい水』的なイメージです。
『美味しい水』という有名な邦題のボサノバナンバーが実は存在するのですが、
こちらの原題は“aqua de beber”でした…(直訳すると←は飲み水です)
これは、最近になってようやく知った意外な真実です(笑)。

■HN:tatsuki

これは、某オンラインゲームで使い始めて以来長らく愛用しているHNです。
実は、私のもう一つの本名と言っても過言ではない名前だったりします。
即ち、私が男の子として生まれていたら両親が付けていたと思われる名前なんですヨ。
ちなみに、同オンラインゲームの方では最近はこの名前を転じて付けている、
「月」絡みの名前を使うコトが多いのですけどね。

■リンク・TB・コメントなど

特に規定も規制も設けておりません、リンク・被リンクはご自由に(報告不問)。
TBも言及、非言及(共通話題であれば)問いませんし、コメントも自由です。
まあ、(こっそりで構いませんので)一言残していただけると励みにはなります。

■連絡用:joe_key78★@yahoo.co.jp(★を削ってください!)



読書と社会科学 

先日某大型書店にて、タイトルに心惹かれて購入しようかと思ったのですが、
その時は結局買わず終いで帰宅、後日学術新書を放り込んであるダンボールを漁ったら、
案の定見つかりました…いやはや、本当に買わないで置いて良かったです。
人生何度も本のダブり買いを経験しておりますが、これって本気で気持ちが凹みます。
まあ、今回はギリギリセーフ、以後も気をつけるようにしないとですね…(笑)。

で、タイトルに惹かれて期待を胸に読み始めた本作品(これは多分積読作品だったので)、
実は正直、大変退屈な作品でした…勉強にはなるけど面白くはないお話ですネ。
少なくとも、この作品をあたって読書の楽しみ方が体得できるとは到底思えませんでした。

まあ、その理由の一つは私が年をとり過ぎてしまったという悲しい現実があるんだと思います。
この論文というか実際には講義録なんですが、大学1~2年生辺りを想定して書かれておりまして、
若い君達に是非とも正しい読書法(思考法)を身につけて欲しい、といった著者の主張が、
かなりはっきり現れておりまして、私的には今更そんなこと言われても感が強かったです。
要するに、読むタイミングを見事に逸した書物でした…全てが遅すぎです、ハハハ。

一方でこの講義録は、じっくりよく考えて読まれる(聞かれる)ような仕掛けが施されており、
説明が大変回りくどくて、せっかちで短気な私には結構ヤラシイ手法に見えて仕方が無いです。
後述しますが、内田さんの主張は結局は要するに熟読をしろと言っているわけなんですが、
その過程が迂回路ばかりを通ってくるので、なかなか本筋が見えてきません。
この方的には、だから全神経を総動員して集中してテキストを読めというコトなんでしょうが、
私はむしろこんなんじゃ集中力を失います、実際この方の講義を聞いたら即熟睡しそう…(笑)。

まあ、何というかもう少し読者(聴衆)を楽しませる努力をして欲しかったなあ、と思うのです。
読書の基盤としての概念装置のお話とか、大変興味深いコトもおっしゃっているのですが、
読者(聴衆)に対するサービスが総合的に全然足りておりません!消化不良気味です。

・「信じて疑え」(粗読×、耽読×)
・「本は読むべし、読まれるべからず」(耽読×)
・「確信にあぐらをかくな」(誤読×)
∴↓
・精読→個性的◎
・感想文@感想を凝結させるしんどい作業→○
・創造的読書@自由への自由な読書→◎


今回の主張の大半は↑が全てだったと思われます。
もしかしたら後半部分にも、他に意義深い主張があったのかもしれませんが、
私の方がこの論文に飽きてしまって、集中して読むことが全く出来ませんでした…。

<作品データ>
内田義彦読書と社会科学』(岩波新書、黄・288)1985.1
読書と社会科学 (岩波新書 黄版 288)

[ 2007/02/09 21:35 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)

花隠れ 

またまた、立て続けに華藤えれなさんの作品の感想で失礼しますネ。
私的に、目下クリティカルヒット連発中の素敵BL作家さんの一人です。
今回もなかなか素敵な作品で大変美味しゅうございました、ご馳走様です。
(流石に作風に慣れたのか、今回は残念ながら“クリティカル”ではありませんでしたが…)

今回は前回の左近以上に京言葉を紡ぐ受けと伺っていたので、実は少し身構えておりました。
私は以前に読んだ某BL作品にて、京言葉の受けに手酷い目に遭ったことがあったので、
どうしても苦手意識に先立ってしまうのですよね…どうもはんなり系受けは苦手らしいです。
が、この作品は全く気にならなかったといえば嘘になりますが、案外普通に楽しめました。
これぞ、所謂華藤さんマジック、この方の独特な文章に私は相変わらず魅了されております。

まあ、これも実はいつものコトでなんですが、ストーリーはかなり典型的に王道な設定です。
今回は文字通りのシンデレラストーリーだったので、私的に萌え指数は実はイマイチでした(笑)。
これは単純に個人的な嗜好性の問題なので、皆さん本当許してください…。
ちなみに、今回の二人の障害は征司郎がもう少し頭を使って巧く立ち回ればしのげたような…。
まあ、彼の間抜けな属性がとかく暗くなりがちな作品のトーンを明るくしているのは間違いないので、
そういう意味では、私は彼のようなお馬鹿攻めは割と楽しかったですヨ(笑)。
(私は殊にBLに関しては、強引な関係から始まる恋もバッチコイです♪)

メインの舞台が京都だったためか、お話の設定も時間軸も妙に古風で現代ぽくなかったですね。
たよりない身の上の主人公が、嵯峨野の東屋で侘しく恋人を待ち焦がれる姿は、実は明言すると、
平安時代的な印象でして、伊勢物語か源氏物語あたりに似たような恋愛モチーフがありそうです。
でなければ、古今和歌集か新古今、いやもっと単純に百人一首だったかもしれません…。
健気だけが取り得の(家筋が)心もたない女と高貴な身分の男との身分違いの悲恋譚とか、
借金の形に身をひさぐ女とか、男の激しい恋の情念が女を蔵に閉じ込めてしまう展開とか…、
そして最終的には通い婚スタイルというのが、致命的に時代錯誤というか中世的です(笑)。
これはこれで、個人的にはこの不思議で楽しい雰囲気を十分に堪能させて頂きましたけどね。

一方で、ストーリー後半の東京編は思わず『智恵子抄』かと突っ込みそうになりました。
これは、決して私だけではないハズですよね…?
(ストーリーに倣うなら、華藤さんの場合『シナプスの棺』の純愛の方がソレに近いですが)
受けの千尋君は、とかく東京の空気がよっぽど肌に合わなかったみたいでして、
そそくさと京都へ帰ってしまいます(まあ、彼なりに紆余曲折が色々とあったのですが…)。
確かにあんなに美しい京都の情景描写の前には、都民としては全く立つ瀬が無い訳ですが…。

てことで、実際華藤さんの独特で美しい情景描写に今回も虜になっておりますヨ。
今回はお能の描写はあっさり目でしたが、京都の四季の移り変わりやお祭り風景は勿論のこと、
西陣織の着物や花の色の描写、主人公が挑む染色作業の様子、そんな和の所作・雰囲気が、
大変暖かくて色鮮やかで、本当に魅力的なんですよ、ここがこの方の作品の読みドコロです。
そして、次はいよいよ大人気(らしい)スレイヴァーズシリーズに手を出す予定です。
きっとこのペースで、今年中にはコンプリートしてしまうコトでしょうネ(笑)。
今のところ、私的にハズレ無しのマイブームなBL作家さんです♪

<作品データ>
華藤えれな花隠れ』(佐々木久美子・画、幻冬舎リンクススノベルス)2005.6
花隠れ 花隠れ
華藤 えれな (2005/06/30)
幻冬舎コミックス
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[ 2007/02/08 23:18 ] novel BL | TB(0) | CM(0)

コーヒーブレイク! 

このブログ読んで下さる方で、英国妖異譚シリーズのファンがどれ程いらっしゃるか不明ですが、
こんなものを見つけてしまいましたので、早速挑戦♪

英国妖異譚キャラクタ占い

結果は↓に。

世界が変わる現代物理学 

2004年10月15日読了というメモが、紛れも無く私の字で本の裏側に書かれてあります。
つまりは、いつもの再読本なんですが…これを再読してちゃんと復習しておけば、
先日の『天国へ行けばいい』の感想も道を見失わずに済んだのかも、と正直悔しいです。

円陣さんが自身の漫画作品でテーマにしている事象に関する解説は勿論のこと、更には、
私が奇しくも『天国へ~』を誤読してしまった理由すら、この書物には書かれてありました(笑)。
いや、もう、何ていうかびっくりです、読んだのに内容を覚えていない自分にもびっくりですが…。

何はともあれ、この現代物理学概説書はとても分かり易い上に内容が大変刺激的でして、
私の足りな過ぎる脳みそも、この本でかなり活性化されたような気がします。
面白くて為になる、とてもオススメのノンフィクション作品でした。

最後に竹内さんに倣って、私も世界の多層構造の例文を思いつきましたのでお披露目(笑)。

①ソラチ先生が連載している『ギンタマ』という作品のヤヲイ二次同人誌がある。
現実(一次元)>ソラチ先生の『ギンタマ』
虚構(二次元)>↑の二次同人誌

②タツキはソラチ先生の『ギンタマ』という作品に萌えて、そのヤヲイ二次同人誌を読んだ。
現実(一次元)>タツキ
虚構(二次元)>ソラチ先生の『ギンタマ』
虚構(三次元)>↑のヤヲイ二次同人誌

③アナタは、タツキが『ギンタマ』に萌えて、そのヤヲイ二次同人誌にまで手を出したというブログ記事を読んだ。
現実(一次元)>アナタ
虚構(二次元)>タツキ
虚構(三次元)>『ギンタマ』
虚構(四次元)>↑のヤヲイ二次同人誌

さてさて、ここまで来るとあれ?あれれ?と少し混乱してきませんか?
↑は何処かで見たことのある名前と、その名前を使っている誰かが大変萌えている、
某作品とも似ておりますが、実際には↑のブログ記事が存在するという文章も虚構ですから、
結論を言えば、それを読んだアナタすら虚構になるという無限にループする世界になります。
(※具体例は私の個人HNとその萌えベクトルを投射してみましたが、特に他意はありません)

円陣闇丸さんの作品もかなり確信犯的に、この種の多層構造で貫かれているのですよね。
この構造は、実際に萌えたモノ勝ちで具体的にイメージできると大変分かり易いのですが、
萌え指数が下がると逆に混乱を来たし、道を見失い易かねない状況を呈します。

さて結論、この現象は全ての根幹でありBLややおいもこの関係性と無関係ではありえません。
換言すれば、それは即ちありえない世界ではなくて量子論に倣って無限にありうる世界なのです。
それこそ、その特定の世界の志向者の萌えと想像力に委ねられた結果次第なのだと思うのです。
2は無限に通じる一つの具体例(2以上の可能性も無限にありますが、条件が複雑多岐化する)、
この物理学的思考実験(円陣さんの作品も含めて)に、私はBLの本質を見たような気がしました。

<作品データ>
竹内薫世界が変わる現代物理学』(ちくま新書493)2004.9
世界が変わる現代物理学 世界が変わる現代物理学
竹内 薫 (2004/09/07)
筑摩書房
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[ 2007/02/05 22:27 ] non-fiction | TB(38) | CM(2)

天国へ行けばいい 

今回は、感想は諦めました…大変難解な作品です、覚悟してください。
どうも円陣さんは、自身の漫画作品でBLジャンル自体を脱構築しているように見えます。
(二次パロディとしての)「やおい」がオリジナル作品をBL方向へ脱構築する行為であるとするなら、
この著者は、それを自作品のBL漫画で更に微分化して再構築するという変則プレイをしております。
要するに、私ごときのショボイ脳容量じゃ全く内容を解析しきれない作品を提供してくれるのですね。
現時点の私には、この作品の解釈をすることも感想を仕上げるコトも不可能であると判断しました。
ということで、↓にて断片的に解析できた(ような気がする)部分のみをメモに残してみました。
興味のある方は、どうぞ。

それにしても、円陣さんの漫画はBLジャンルの限りない周縁に位置している事は間違いないです。
下手したら、そもそもこの方の作品はBLジャンルでは無い可能性すら否定できません…。
(↑が意味するのはBL以外かもというコトであって、BL以上という意味では決してありません、
私の場合、ジャンル区分というものが存在したとしてもあくまで横の線引きで判断しております)
少なくとも、この円陣さんやセクピスシリーズを描いていらっしゃる寿たらこさんに比べたら、
一般(という言い方もアレなのですが)メディアでより好感なイメージでよく取り上げられている、
よしながふみさんやbassoさんの作品は、実はかなりBLジャンルの中心的な場に位置していると、
私は強く思うのです。
(よしながさんやbassoさんが世間で過剰に評価されているコトに対して私はやや批判的ですが、
この両者の作品の質が他のBL作品に比べて劣っているという意味では決してありません!)

今回、この作品について語れることが殆ど無かったので、ちと話題が別方向へ逸れてしまいました。
でも、この『天国へ行けばいい』という作品に込められた意図というかテーマというか何というか、
ソレと↑の余談は案外どこかで深く間接的に繋がっている予感がするのです…。

<作品データ>
・円陣闇丸『天国へ行けばいい』(フロンティアワークス・ダリアコミックス)2007.1
天国へ行けばいい 天国へ行けばいい
円陣 闇丸 (2007/01/26)
フロンティアワークス
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↓メモなので煩雑で読みづらいです、スイマセン…。
[ 2007/02/03 23:50 ] comic BL | TB(6) | CM(10)

1月の読了本 

1月は全28冊読了(既読作品9)でした。
今年は購入記録やめて、既読記録をちゃんと付けて行こうかと。
今のところ、大体手帳にメモ残しているので記入漏れは殆ど無いはず。
(漫画作品が一部怪しいけど…)
↓は、ジャンルを問わずほぼ読了した日付の順番になっているはずです。
興味のある方は、どうぞ~。


[ 2007/02/03 22:57 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

優しい檻 

椎崎夕さんの最新刊です、実は3日もかけて読みました…ボリュームが…あります…。
今回の作品の感想は、正直どっち側から書こうか結構判断を迷うトコロなんですが、
この著者はもっと面白い作品を生み出す能力があると思うので、やや厳しめの感想で。

一言でその欠点を挙げれば、それはつまり文章が長すぎるという点に尽きます。
私は、こういう緩やかな日常を描くタイプのBLストーリーは大好きな部類に入りますし、
登場人物もそれなりに好感な印象でしたし、逆にスカスカな文章を好まない人間なので、
基本的に文章みっちり型は大変好ましい作風の筈なのですが、それでも限界があります。
特に本作品は、より厳密に言えばエピソードもしくはプロットに見合わないに問題を感じました。

借金を完済して家族を養う為に、夢を諦め、愛人契約のようなモノで生計をたてていた主人公が、
(※現実的には、物理的な肉体関係は皆無で、むしろ擬似家族契約のような立場でした…)
9年越しで当時から敬愛していた相手とまともな対話をし、徐々に恋を自覚するお話です。
一時的な監禁生活や、主人公の雇用者の突然の死といったストーリーの波は多少ありましたが、
それでも個人的には、ここまで文章を助長化させる必然性は全く無かったように思うのです。

グルグルと迷い戸惑う優柔不断な性格をした主人公だったというのが理由の一つなんでしょうが、
(そして↑が原因で、私はこの主人公には全く感情移入できず…イライラします…)
それだけが原因ではないという具体例を、↓にやや長めの引用します。

 

 それなのに、樹だけは例外だった。
 目に入った看板の赤がどぎつすぎるという些細なことにすら腹が立つ時でも、樹といるだけでその感情が溶けるように消えてしまうのだ。それこそ手のひらに落ちたぼたん雪のように跡形もなくなって、ただ凪いだような気持ちになる。だからといって制作意欲が削がれるわけでなく、かえって落ち着いて思考を組み立てることができてしまう。



↑が長すぎる文章の真の要因です(笑)。
これは実は、比較的判断力と行動力を兼ね備えた攻めの常盤視点の後日譚からの引用でして、
受けの樹の煮え切らない優柔不断性を敢えて外して眺めてみても、この体たらく…(笑)。
たかが樹の例外性を表現するのに、かなりもったいぶった回りくどい言い方をしております。
そして、何となく方丈記あたりの現代語訳に出てきそうな文章に見えるのは気のせい?
これが本編だと更に、受けの樹のグルグルと同じコトを何度も反芻する心理描写も相まって、
ストーリー展開自体は割と単純なのに、遅々として物語が進まないのです…。

椎崎さんの文章は基本的に歯切れが良くて、私的には大変読みやすい部類に入るのですが、
比喩表現はもう少し場面を自粛しないと、重要な局面での演出効果が期待できなくなりますし、
私のように集中力の無い人間は、辛抱できなくて途中で作品自体投げてしまいかねません。
要するに、殊にこの作品に関してはもう少し文章を推敲して欲しかったな、と。

あと、視点キャラの美しい感性にのみ終始した描写も共感しづらく、頂けません…。
私のような汚れた人間は、心情のドロっとした部分とか恥ずかしいシーンだって見たいのです。
欲張りな要望で申し訳ないのですが、長い割に読者サービスが全然たりていませんでした。
今後に期待したい作家さんなので、今回は厳しい意見を連ねてしまって本当スイマセン。

<作品データ>
椎崎夕優しい檻』(佐々木久美子・画、大洋図書シャイノベルス)2007.2
優しい檻 優しい檻
椎崎 夕 (2007/01/29)
大洋図書
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[ 2007/02/01 21:05 ] novel BL | TB(1) | CM(2)
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