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能楽への招待 

先日の『花の檻』の能楽薀蓄(?)は、実は付け焼刃的事前予習の成果でした(笑)。

元をただせば、年の初めになってようやく「小説リンクス」掲載分の同作品を読んだのですが、
この雑誌自体がかなりの昔のモノだったので、その時点では感想を見送ってしまいました。
つまり、ちゃんとノベルス版を読んでから、感想を仕上げてみようと思い立ったのですね。
が、私は能楽界のコトに関しては余りにも前提的予備知識が不足していることを痛感しまして、
一度学術入門書の方でも、調べられうるなら調べてみようと思って購入したのがこの作品。
(実は、全く茶道に関する予備知識の無いままに感想を書いてしまった『松風の虜』が、
個人的にあまりにもしんどい作業になってしまったというのが直接的な契機でした…)

『花の檻』との関連性を抜きにしても、大変興味深い面白いお話ばかりでした。
目下感化されまくりで、本物の能舞台も何とか鑑賞する機会が無いものかと思案中。
朱に交わって真っ赤と化している自分の姿が、かなり恥ずかしい感じです。
どうやら、成田美奈子さんが現在連載していらっしゃる『花よりも花の如く』という漫画作品も、
能楽世界が舞台で薀蓄が豊富との噂を聞き、こちらも現在購入検討中です。
いや、でも今回の著者である梅若さんご推薦のドナルド・キーンさんの文庫も気になります。
もっと言えば、世阿弥の風姿花伝とかその辺りの古典指南書すら読みたくなってきました。
うぅ、読んでみたい書籍が急速に増量中で、大変困っております(笑)。
今年は、お能の年と腹を決めて、じっくりじわじわこのジャンルを攻めて行こうかしら…。

唯一残念な事実は、こうやって予習をしていたにも関わらず肝心の『花の檻』の感想が、
相変わらずの、拙い文章に終始してしまったことでしょうかね…。
実際に私が感じたこの作品の面白さを、100分の1も伝えられなかったとが悔しくてなりません。
文章は毎度のコトながら万年精進中…です…。

<作品データ>
梅若猶彦能楽への招待』(岩波新書、赤・823)2003.1
能楽への招待 能楽への招待
梅若 猶彦 (2003/01)
岩波書店
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↓はいつもの備忘メモ


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[ 2007/01/30 21:50 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)

花の檻 

またまた、激しく酔わされてしまいました、華藤えれなさんの能楽界を舞台にした作品です。
今まで読んだ華藤さん作品の作品の中で、間違いなく一番のお気に入りになってしまいました。
それどころか、能楽界を舞台にした他の著者によるBL(風味)の作品よりも大好きかも。
(山藍紫姫子さんの『花夜叉』、杉本苑子さんの『華の碑文』と比べてという意味ですが…)

600年続いた宗家の血を絶やすことも厭わない二人の狂愛劇には、美しさというよりも、
ある種の潔さのようなものを感じ、大変感動的な力作に仕上がっていたと思われます。
事実、愛という安っぽい言葉だけでは全然足りていないですね、この二人の関係は。
能楽という伝統芸に裏打ちされた、狂おしい妄執と幽玄の世界、生死の境界すら危うい印象。
匂い立つような定家蔓に惑わされ、いつも以上に濃く淫らなサービスシーンも圧巻でした。
(それでも尚、何故か品位を失わないのはこの著者の長所でもあり短所でもあるのでしょうが、
舞台設定や文章が大変芝居がかっているので、艶っぽくても官能的にはならない作風です)

二人の関係もさることながら、彼らを取り巻く周囲の登場人物もまた狂気じみております。
特に、主人公である左近の長兄の宗家に対する執念が凄まじく、私は実は大好きです(笑)。
芸事に全てを委ねた世界は、案外誰しもこの種の狂気的なモノを内包しているのかも…。
いざ自分がそういう場に身を置きたいかといえば、残念ながら否と即答させて頂きますが、
それでも尚、こういう特殊な環境に対する憧憬のようなものを思わず抱いてしまうのです。

とはいえ私は、これぞ日本人的なメンタリティーと換言してしまうことには懐疑的です。
少なくとも私の場合、どちらかというと異国の方が日本に感じる憧憬に近いと思うのです。
私はこの作品も含めて、が舞台を彩る重要なファクターになっているお話が大好きですが、
私の個人的なリアルな思い出には、北国育ちの宿命かは一切心に出てきません。
(私の故郷で桜が満開になる時期はGW辺りで、少なくとも春のアイテムにはなりえません)
この記憶の無さが逆に、異常に幻想的なイマジネーションをかき立てられるのですよね。
要するに、無いものねだりで評価が甘くなる…逆に、思い出深いには想像力が働かないです。

さて、話が逸れてしまったので修正します。
この作品実は、ストーリー前半の『花の檻』では主人公・左近をシテとする鬘物(3番)
後半の『花の影』では、若宗家・橘平をシテとする現在物、狂女物(4番)といったように、
能楽的演目の定型パターンと作中のテーマが見事に照応しているのも見所なんですよ。
↑の2曲はどちらもほぼ女性役と限定できる演目でして、そういう意図で読み込むと、
BLジャンル的には男百合要素も垣間見える作品だったと言えるのかもしれません(笑)。
受けの左近の艶っぽさは兎も角として、攻めの橘平の執念が女のソレに近いってのが何とも…。

まあ、最後の話は冗談半分に聞いて下さい、いずれにせよ大変刺激的で楽しい作品でした。
ご馳走様です♪

<作品データ>
華藤えれな花の檻』(佐々木久美子・画、幻冬舎リンクスノベルス)2006.3
花の檻 花の檻
華藤 えれな (2006/03/30)
幻冬舎コミックス
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[ 2007/01/30 00:15 ] novel BL | TB(9) | CM(6)

夜を閉じ込めた館 

まず初めに、『水中雑草園』のゆちゅらぶ♪さんには心より感謝を。
彼女の推薦記事を読まなければ、私は暫くこの作品を買わなかったと思います。
大変面白い、ミステリー風味のBL小説でしたよ、ご馳走様です♪

さて、この作品が叙述トリックモノだったかと言えば、実は結構微妙かも…(笑)。
いえ、広い意味では勿論その要素もあるのですが、この小説をミステリー界に則れば、
むしろ、新本格派のいわゆる館モノというジャンル区分になるのではないかと思われます。
主に日本では、90年代に再流行した綾辻行人などが得意とした分野に位置するかと。
交通の便の悪い山中の古びた洋館、クセのある招待客、過去の過ち、妖しげな霊媒師…、
そんないかにもな館で繰り広げられる密室殺人劇、吹雪で道は文字通り閉ざされてしまい、
当然の如く作中の登場人物は、この種の閉鎖的空間固有の醜い心理劇を演じ始めます。

まあ、残念なことにこの作品はあくまでBLジャンルでして、舞台を彩る脇役が少なく、
犯人が直ぐに分かってしまうという弱点がありましたが、それでも力作だったと言えるかと。
特にこの著者にしては珍しく、お後がよろしい結末だったのが大変心地良かったですね。
本当に珍しいことに、(紆余曲折を経たとはいえ)大団円なハッピーエンドでした。
私は以前、閉塞的状況のストーリー展開が苦手だと書いてしまったことがありますが、
この作品は逆に、閉鎖的空間から扉を開けて開放的な世界に飛び込む展開でしたので、
私的には大変楽しく読ませて頂きました、ゆちゅ♪さん本当にありがとうございます。

さて、ミステリーが作品の肝の一つなのでこの点には深く立ちいらないことにしますが、
白いドールハウスと、白い邸、そして白い女性、雪景色も含めてが重要なキーワードです。
あとは各人、是非とも実際にこの作品を読んで逐一確かめてみてくださいませ。
私は、その辺の下手なミステリー未満よりはしっかりした骨のアル作品だったと思います。

さてさて最後にサービスシーン、実はいつも通りというかいつも以上に激しいかも(笑)。
ラストはまさに怒涛のごとく次々と、色々なモノや道具でナニされております。
苦手な方は、この辺だけはご注意ください。
余談ですが、ナニの最中の閃きで推理するとんでもない探偵というのも居たような?
てか、JDCだったっけ?確かにあそこは大所帯だったけど…。
何はともあれ、個人的には今までで一番面白い夜光花さんの作品でした。

<作品データ>
夜光花夜を閉じ込めた館』(小山宗祐・画、竹書房ラヴァーズ文庫)2007.2
夜を閉じ込めた館 夜を閉じ込めた館
夜光 花 (2007/01/25)
竹書房
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[ 2007/01/27 13:44 ] novel BL | TB(4) | CM(5)

日本語と外国語 

書籍大量購入で後が立て込んでましたので、取り急ぎ読了。
先日某大型古書チェーン店にて100円コーナーで仕入れた1冊です。
序盤の色彩にまつわる文化&意識の差に関するテーマが大変面白かったです。
が、後半の漢字礼賛、外来語撲滅の檄文には正直ウンザリでした…。
下手に漢字で翻訳語や新造語充てられるよりは、原文ままの方が個人的には有り難いです。
学術専門書でも、今でも翻訳本だと誤訳、誤用が多すぎるのが当たり前な気がします。
まあ、原文読む体力&精神力が無い私が悪いのですが…。

そういえば去年の夏ごろ、ローカル線の某駅停留所にて3歳くらいの女の子が、
「次の電車はアカかな?キイロかな?」と母親に向かって何度も囁いておりました。
で、実際に次に来た電車を見て「やったあ!キイロの電車だよ!」喜びはしゃぎ回るのです。
ちなみに、私の目には残念ながらその電車は緑色にしか見えませんでした。
彼女の母親が「バカ!ミドリでしょ!ミ・ド・リ!どうしていつも覚えられないの?」と、
彼女を叱り飛ばす様子を横に見つつ「何もそこまで怒らなくても」と思ったのですが…。
よくよく考えてみたら、少女の目にはあの電車がキイロに見えていたのでしょうか?
それとも、私たちがミドリと認識している色を彼女はキイロと判断したのでしょうか?
私はこの辺の彼女の内的事情が、とても気になってしまいました。
いずれにせよ、私たちが当たり前と思っている現象に鋭いメスを入れた少女の感性を、
私はむしろ大変高く評価したいです。
彼女には、是非ともいつまでもその心を忘れないで欲しいと思いました。

<作品データ>
鈴木孝夫日本語と外国語』(岩波新書、赤・101)1990.1
日本語と外国語 日本語と外国語
鈴木 孝夫 (1990/01)
岩波書店
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[ 2007/01/26 23:42 ] non-fiction | TB(1) | CM(0)

あなたの声を聴きたい 

何だか純粋なBL小説の感想は久しぶりのような…、本日読了した椎崎さんの作品です。
この著者の作品は、1年ほど前に大洋図書の『年下の男』を読んでいるはずなのですが、
こちらの作品の内容を、私実は良くも悪くも全く全然思い出せません!
タイトルから察するに年下攻めモノだったんだろうなあ、とぼんやり思うくらいです。
年下の男にアクセントを置く場合、彼が受けである確率は殆ど0に等しいかと)
手放して久しいので再読もままならず、今回は殆ど初読み作家さん扱いの感想になります。

さてこの作品、後書きなしのまるまる350ページという大変ボリュームのある作品でした。
最近の小説や漫画では滅多に見かけない(一昔前は定番だった)タイプの少年が主人公です。
過去のトラウマが原因で、対人関係に難を抱える薄幸で根暗な美少年系の亨君、
そんな彼がかなり年上の男性・早見に惹かれていく様を淡々と描く大変静かな作品です。

ちなみに亨が恋を自覚するのは本編250ページを過ぎてから、なかなか長い道のりです(笑)。
更に、二人の思いが通じサービスシーンに突入するのは300ページを超えてからなのです。
しかもその描写は、350ページ中たったの3ページ…BL作品としては大変バランスが悪いです。
ここまで薄口・淡白な描写なら、むしろ全く無い方がまとまりのある作品に仕上がったような?
小説のトータルバランス考慮に入れると、起承転結の起と承にページを割きすぎている印象。
でもまあ、たまにはこういう優しい癒し系BLもオツなモノ、私は何だかんだで結構好きです。

で、序盤の250ページは何だったのかといえば、主人公の過去の回想シーンも挟みつつ、
基本的には、攻めの早見の祖母・春梅と亨との優しい関係&対話が主軸になっております。
この春梅さんがまた、本当に素敵で可愛らしい魅力的なお婆ちゃんなんですよね。
BLジャンルだから攻略不能だったとはいえ、実は主人公の大本命だったようにも思います(笑)。
私個人としは、むしろ春梅×亨でも全く無問題だったのですが。

そして、今わざと攻略というゲーム用語で表現してみましたが、この作品の中盤までは、
実は、恋愛シミュレーション的攻略キャラの自己紹介に充てられていたように思うのです。
主人公の心を射止める攻め王子様候補は、実際のところ作品中他にも結構いたのですよ。

1)早見~第1印象は最悪(←少女漫画の王道w)、でも実は不器用で優しい大人な男
2)村山~バイト先の先輩で亨の唯一の理解者・兄貴分で頼りになる
3)梶元~首になったバイト先の先輩、強面・無口だが実は優しい男
4)向井~早見の恋人(?)or友人、亨を茶化しいつも意地悪なことを言う
5)義父・津島~亨のトラウマの原因、今時珍しいくらい徹頭徹尾の悪役

ボブゲ(BLゲーム)と言うよりは、もっと古典的で典型的な恋愛シミュレーション、
そんな印象を受けるのは私だけでは無いですよね?また私読み方間違ってます?
早見もいいけど他の登場人物と絡んでも、それはそれでも美味しい展開だったような…。
コレが本当にゲームだったら、私は真っ先に誘い受けモードで梶元落としにかかりますよ。
そして、2週目は義父との陵辱プレイが期待できるバッドエンドコースを驀進します(笑)。

まあつまり、この作品の主人公は主体性が希薄だからゲームの主人公のように、
読み手によって、何パターンものCPパターンが想定できてしまうそんな作品にも見えました。
結論を言えば、何だかんだでお気に入りなBL作品でした、という話でした(笑)。

<作品データ>
椎崎夕あなたの声を聴きたい』(街子マドカ・画、幻冬舎ルチル文庫)2006.11
あなたの声を聴きたい あなたの声を聴きたい
椎崎 夕 (2006/11/15)
幻冬舎コミックス
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[ 2007/01/24 20:51 ] novel BL | TB(4) | CM(5)

終わりなきドルイドの誓約 

シリーズ第4弾です、珍しくメモが順調に進んでおります(明日は1回お休み予定ですが…)
今回のお話は、もしかしたらシリーズで一番好きな作品かもしれません。
変種のサイクル、万物流転、ゲニウスロキ、この種の魔術的トリックにはとても心惹かれます。

今回は、いつになくユウリが情動的で、今までで一番感情移入がしやすい仕様です。
アシュレイと彼の関係軸が、この回を期に少しずつ変化していくターム・ポイントです。
ユウリは今後精神的に成熟してきますし、むしろ囚われているのはアシュレイになります(笑)。
私はこのシリーズに関しては、(アシュレイ贔屓とはいえ)あまり801CP萌えが無いのですが、
あえて提示するなら、実はユウリ×アシュレイなんじゃないかと思うのですよね…。
邪道であり茨道である変数になっていることは、重々分かってはいるのですが(笑)。

そしてモルガーナ、シリーズ第1弾からの再登場人物でしたが、彼女の台詞がまた素敵です。
曰く、「持続して考えることでエネルギーが満ちてくる」のだとか。
つまりは考え続けることに意味があるというこの言葉に、当時も今も大変励まされました。
このブログも暗中模索の手探り状態で続けておりますが、いつの日か実になると思いたいです。
思考を体系化するのは大変難しいことですが、断片が繋がって全てになればと思っております。

<作品データ>
篠原美季終わりなきドルイドの誓約』(かわい千草・画、講談社WH文庫)2002.10
終わりなきドルイドの誓約―英国妖異譚〈4〉 終わりなきドルイドの誓約―英国妖異譚〈4〉
篠原 美季 (2002/10)
講談社
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↓は本気でネタばれ警告
[ 2007/01/23 20:45 ] novel 非BL | TB(0) | CM(0)

囚われの一角獣 

英国妖異譚シリーズ第3弾、私にしては珍しく着々とメモが仕上がっておりますね(笑)。
が、この作品はシリーズ中一番敬遠している作品でして、個人的再読回数は、
実は一番少ないように思います(だから、本自体は案外綺麗なまま)。
ストーリー上の不満ではなく、私が単純にスプラッタ・ホラーが苦手と言うのがその理由です。
今のところ、呪によって最も多くの血が流されている作品になりますよね?

さて、舞台はフランスの古城です。
私の統計上、古城が舞台の作品は9割以上の確立で密室状態になりますよね。
謎が解けるまでは、出られない…恐いです!閉鎖的な空間は本当に苦手なんですよね。
息苦しい閉塞感を前に、萌え心がイマイチ上がらず…割とエロいシチュエーションなのに…。

さて、少女(処女)の悪魔(呪)付きと言えば、映画では『エクソシスト』が有名ですよね。
実は母に薦められている映画の一つなのですが、私は恐くて今のところ未見です。
多少はこの作品と共通する部分がありそうですが…はてさて。

個人的に一番気になっているのは、実はウェルダンの愛読書だったりします。
妖しげな官能小説抱えてそうで、アシュレイの蔵書よりもある意味心惹かれますね(笑)。
BLとかジュネもあったりして…いえ、冗談ですが。

ちなみに、今回の悪役サントスとシンクレアはアクが強くて割とお気に入りです♪
逆に、この後登場するケルト人ドクターのマクケヒトがどうにも苦手なんですが。
決して悪い人じゃないのですが、彼のせいでユウリが大変な目に合うことが多いのです。
が、まあ、その件はまた次回にでも。

<作品データ>
篠原美季囚われの一角獣』(かわい千草・画、講談社WH文庫)2002.5
囚われの一角獣(ユニコーン)―英国妖異譚〈3〉 囚われの一角獣(ユニコーン)―英国妖異譚〈3〉
篠原 美季 (2002/05)
講談社
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↓はネタばれ注意!

[ 2007/01/23 00:06 ] novel 非BL | TB(0) | CM(0)

嘆きの肖像画 

英国妖異譚の第2弾、『嘆きの肖像画』です。
こちらは前作ほど魔術系の複雑な構成は無く、至ってシンプルな絵画ホラー。
ナチス政権下のユダヤ人の悲劇という背景が、やっぱりラノベにしては少し重い感じです。
実は、現時点までで最もシモンが活躍したお話かもしれません…。
お金を使うこと、使うこと、まあ、シモンのお金だからご自由にという感じですが(笑)。

この回のゲストの一人カミーユ・ダルトンは、個人的に再登場希望しております。
今のところ再出演してないですよね?
シモンに対して、独特の距離がある面白い友人だったような気がするのですが…。
てことで、また是非絵画ネタを!

更にこの回、ちらっとだけ金髪碧眼のきれいな少年が登場しております。
つまり、後日ユウリの最大のライバル(?)になるあの方がエキストラ出演してるのです。
改めて読み返すと、この作品は思いの他伏線が多いシリーズですよねえ。
一方で逆に、読者人気の高かったロビンの扱いは、作者自身が戸惑っている模様。
彼は何度か再登場しておりますが、アシュレイと折り合い悪い所為か、
どうもイマイチ本来の役回りが出来ていないような…少し勿体無いキャラですね。

<作品データ>
篠原美季嘆きの肖像画』(かわい千草・画、講談社WH文庫)2001.12
嘆きの肖像画―英国妖異譚〈2〉 嘆きの肖像画―英国妖異譚〈2〉
篠原 美季 (2001/12)
講談社
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↓備忘メモ…今回はネタばれ割と大丈夫かも?



[ 2007/01/21 20:55 ] novel 非BL | TB(0) | CM(0)

英国妖異譚 

再三読み返している、英国妖異譚シリーズの第1弾です。
何度も読み返しているので、感想は今更だろうと思い、趣向を変えてみました。
(要するに、一言で言えば大好きなシリーズ作品だということです)
↓の備忘メモは、このシリーズ内に散らばっているトリビア的雑学と、
今後のシリーズにおける複線と思われる部分を抽出しております。
ミステリー的要素もある作品ですが、根本的にネタばれ上等仕様です。
この作品を読了した方のみチェックして見てくださいませ。

さて、第1弾です。
シリーズ化を見込んでいなかったらしく、初っ端から重要な登場人物が死んでおります。
しかも、結構惨い死に方だったので、少女向けラノベとしてどうよ、という感もあり。
キーワードは
この辺のミスティックなアイテムの巧みな扱いは、とてもデビュー作とは思えません。
私のような知性の欠片も無いような人間は、ただただ圧倒されるばかりですね。
面白くて為になる本というのは、こういう作品のコトを言うのではないでしょうか?
御馳走様です♪

ちなみに、この時点では、アシュレイはパワー抑え気味でした(笑)。
更に余談ですが、巻末にホワイトハートの選評が掲載されているのですが、
結構辛辣でびっくりします、私にはかなり完成度の高い作品に見えるのですが…。

<作品データ>
篠原美季英国妖異譚』(かわい千草・画、講談社WH文庫)2001.7
英国妖異譚 英国妖異譚
篠原 美季 (2001/07)
講談社
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↓ネタばれ警告!
[ 2007/01/20 23:35 ] novel 非BL | TB(0) | CM(0)

著作権エトセトラ 

著作権にまつわる専門書を、立て続けに2冊読みました。
私このブログ内で、著作権的にアブナイコトを何度もしている自覚があります。
殆ど引用自体をしていない小説や漫画の感想は、今のところ大丈夫だと思うのですが、
これも含めてノンフィクション系の特に備忘メモがかなり危うい感じです。
編集カテゴリーで、適応しているかどうかかなり微妙なラインです…。

中山信弘マルチメディアと著作権岩波新書・赤426)1996.1
初出みても分かるとおり、結構古い本ですので現在とのギャップが大きいです。
特に省庁再編前の文章なので、官公庁機関が今と名前が違っているので鵜呑みにはできません。
この方は典型的な法学者で、あの独特な法律関係者特有な表現を多用しております。
要するに、(私のような)慣れていない人間にはかなり読みづらい文章だと思われます。
この本は六法片手に読むのがベストなんでしょうが、私は勿論そこまでしてません。
(そもそも六法は押入れの奥底だし、私の所有版は今となってはかなり古い気が…)
ただ、↓の書物よりも具体的な法文との対応が丁寧ですので、その点は分かり易いですネ。

岡本薫著作権の考え方岩波新書・赤869)2003.12
要するに、

「アブナイことはしない方が無難」
「自己責任でリスクを負う」


という事らしいです、著作権の問題というのは。
こちらの著者は、実務で著作権関係に深く関わってきた行政の人らしく、
かなり素人に分かりやすい明瞭な文章でした(具体例も大変分かり易い)。
それ故、インターフェイス的というかマニュアル的というか、
どこと無く「~白書」系の文章を思い出しました。
難を言えば、実務で携わってきた不当なクレームに対する愚痴が多いのちょっとアレです。
お役所任せな日本人気質や、横暴なアメリカの方針に対する並々ならぬ憤りが、
大変によく伝わってくる作品でした(笑)。
日本人の「契約」精神の低さは、先日の『タテ社会~』でも指摘されておりましたが、
30年経ってもこの精神構造はパラダイムシフトされていないらしいです…。

兎にも角にも、このブログコンテンツもクレームが来たらその都度対処していきます。
ちなみにこのブログ、殆ど役に立たない記事ばかりですが引用・複製はご自由にどうぞ。
但し、無断転載&改変は恐らく私よりもそちら側のデメリットが大きいと思いますので、
私個人は一切関知致しませんが、その旨心に留めてお気をつけ下さいませ。
要するに、ご利用は計画的に、ということです。
マルチメディアと著作権 マルチメディアと著作権
中山 信弘 (1996/01)
岩波書店
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著作権の考え方 著作権の考え方
岡本 薫 (2003/12/20)
岩波書店
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↓は備忘メモ(2作品の要旨を融合させてみました)
[ 2007/01/19 22:45 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)

西洋音楽史 

実は読了したのは昨年末だったのですが、メモに非常に手間取りました。
この作品自体は、大変興味深く読ませて頂きました、楽しかったです。
ちなみに、またも再読本ですヨ(笑)。
以前に読んだ時は、篠原美季さんの『クラヴィーアのある風景』と同時進行でした。
ジャンルが異なっていたとはいえ、ほぼ同じテーマが扱われておりましたので、
この偶然の采配を、心密かに喜びながら読み進めていた記憶があります。

さて、音楽です、しかもクラシック音楽です。
薄々気づいていらっしゃる方もいるかと思いますが、私はかなり音楽に興味が無い人間です。
(まあ、音楽と言うよりも基本的に芸術一般を鑑賞する趣味が無い人間です…)
こんな私ですが、実は学生時代約10年間もエレクトーンと言う名の電子オルガン楽器を、
いわゆる音楽教室で学び続けた経験があります。
それ故、音楽を演奏すること自体は嫌いじゃないんですけどね(下手くそですが…)、
でも、音楽を(意識的に)聴く事に対する興味・関心が昔から薄いのです。

てことで、クラシック音楽はご多分に漏れず全く予備知識がありませんでした。
それでもとても楽しかったのは、音楽を数学や論理学、哲学の土壌で語っている、
大変分かり易い親切設計の研究入門書だったからですネ。
しかも、クラシック音楽を他のジャンルより優れた芸術音楽であるというような、
所謂ハイカルチャーとしてのソレから脱却した冷静な視点が好感でした。
下手なオススメレビューとか名盤レポートなんかより、よっぽど心惹かれる文章です。
特に、シェーンベルクとかストラヴィンスキーを聴いてみたくなりました。
まあ、きっと↑の音楽聴いても訳わかんなくて楽しめないとは思いますが…(笑)。

要するに、音楽に興味の無い人間にも楽しめるクラシック音楽入門書だと思いました。
オススメです。

<作品データ>
・岡田暁生『西洋音楽史』(中公新書1816)2005.10
西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 西洋音楽史―「クラシック」の黄昏
岡田 暁生 (2005/10)
中央公論新社
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↓長いメモです、ご注意を!

[ 2007/01/18 12:13 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)

恋愛映画の作り方 

先ほど読了しました。
恋愛要素はかなり薄口な印象でしたが、淡々とした雰囲気が素敵な一品でした。
御馳走様です♪

今回の二人は、職業的には映画配給会社の宣伝マン×若手実力派映画監督で、
性格属性的にはへたれ×ツンデレ美人…つまり私の大好物なキャラクター設定です(笑)。
攻め視点の作品だった所為か、この主人公は攻めだけど割と乙女志向な持ち主でした。
逆に言うと、受けの視点が全く無かったので、彼の方には少し感情移入しづらいです。

この主人公の望月は、当初は美人な明神を仕事上の相手として割り切るつもりでしたが、
あまりに自分の理想のタイプの美人ツンデレ青年だったため(←つまり多分M気質)、
ある日、とうとうアルコールの勢いに乗じて無理やり強引に(?)彼を抱いてしまいます。
(これはあくまで望月視点の話でして、彼は翌日に自分の行為を反省するのですが、
傍から見れば、明神側も誘い受けモードだったし、さして抵抗もしていなかったので疑問符を。
むしろ、私には彼はとても気持ちよさそうに身を委ねていたように見えました。)

とまあ、兎にも角にも望月の方は深く反省して、仕事上での名誉挽回に励むのです。
が、辛口映画評論家による思わぬ妨害で、殆ど成功しかけていた興行企画は一挙に暗転、
敏腕宣伝広報マンとしてはここが試練の時、つまり踏ん張りどころでございます。
彼は最愛の男とその映画作品を、不当な風評から守り切ることができるのでしょうか?
そして、二人の微妙な関係は、恋愛<BL>的局面に移行することができるのでしょうか?

さて、この作品のクライマックスが大変気になりますよね、特に後者の方…(笑)。
抑え気味にあらすじを書いたつもりでしたが、思わず最後を煽ってしまいました…。
実はこの作品、ストーリー自体は大した展開を見せません、終始淡々としております。
望月的試練の時も、現実的には殆ど明神の人脈で簡単に凌げてしまいますし…。
要するに、真の名作の前にはいかなる妨害も小細工も通用しないというコトなのでしょうか。
結局望月は、へたれた属性なまま美人映画監督明神の前に全面降伏して幕を閉じます。
(だって、本当に彼の見せ場がなかったんです…最後まで…)

ちなみに、望月の見せ場を颯爽と奪ってしまったのが、澪さんという女性キャラです。
BLにしては珍しく、この女性キャラが大変魅力的に描かれてはいたのですが…、
小説としては、ストーリー展開上かなりアンフェアな扱いだったと思うんですよ。
彼女はこの作品のキーパーソンだったにも関わらず、登場するのは物語の殆どラスト。
それまでストーリー上で、彼女に関する情報は全くの皆無、本当に不意打ちなんですよね。
小説は勿論、かなりへその曲がった映画監督だってこういう時間軸のプロットは作らないかと。
そんな彼女に、見せ場を全て奪われてしまった主人公には思わず同情してしまいます。
(穿った見方をすれば、彼女はの都合上つけ加えられたエピソードなのかもしれません)

さて、結論です。
作者のいおかさんが一切明言していないので、私の解釈の妥当性は微妙ではありますが、
恐らくこの小説自体が、明神監督の次作品のプロットであるというメタ構造的構成が、
密かに仕組まれていたと言えるのではないでしょうか?
小説全体が、冒頭で語ったように淡々とした印象で、いつものいおかさんとは違う雰囲気です。
私としては、小説というよりは、一本の静かな映画を見たような気持ちになりましたし、
そういう意味では、かなり巧い作りになっていたと思います。

何はともあれ、まったりした気分に浸りたい時には大変オススメの一品です。
そして、へたれハンターには必読の書かもしれません…。

<作品データ>
いおかいつき恋愛映画の作り方』(高久尚子・画、徳間書店キャラ文庫)2006.12
恋愛映画の作り方 恋愛映画の作り方
いおか いつき (2006/12)
徳間書店
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[ 2007/01/15 23:52 ] novel BL | TB(9) | CM(4)

不遜で野蛮 

まず初めに…今回はいつも以上に辛口な感想になると思いますのでご注意を。
昨年末にアマゾンで購入しました本作品、ようやく本日読了しました。

今回の作品は、見事に完全なる設定買い(つまりデータベース消費)でしたので、
つまり、この点に関しては申し分無く萌えるシチュエーションだったと言えます。
登場人物の組み合わせは、平の鷹揚な叩き上げ刑事×典型的なエリート美人刑事で、
ストーリー的には、リチャード・ドレイファス主演の映画『張り込み』シリーズと、
内田康夫さんの小説・浅見光彦シリーズを丁度足して2で割った印象でした。
ターゲットを張り込むに当たって、アパートの隣部屋でゲイ夫婦を偽装する二人という、
かなり突っ込みどころ満載な状況を全て含めて、私の萌え指数は120%超えております(笑)。
はっきり正直に言うとですね、私はこういう設定が大好物なんですヨ。

が、結論から言うとですね、この小説はあまり頂けない印象の作品でした。
原因は、前述のようにキャラクターでもシチュエーションでもストーリーでもなく、
純粋に文章が私の好みから程遠かったのです、控えめ表現であまり巧くはない方でした。
ファンの方には本当に大変申し訳ない話なのですが…。
以下は、私がダメだった岩本さんのこの作品内での文章の特徴です。

1)交換日記形式
2)文章奔り過ぎ…
3)小説というよりはプロットである
4)登場人物が作者によって動かされている

恐らく作者自身、この特徴(というか欠点)を自覚しているんじゃないでしょうかね。
前回の鳩村衣杏さんとは、個人的にはそういう意味で本当に好対照な作品でした。
鳩村さんが前回の作品のあとがきで、「小説の神様」についてさらっと叙述しておりましたが、
恐らく岩村さんには、この種の神様が降臨しづらいタイプの作家さんなんだと思うのです。
それゆえ、強引にご本人の力技だけでストーリーを紡いでいらっしゃる印象なんですね。
作者にとっても読者(私)にとっても、この現状がとても残念でなりません。

実は私、あの4人ユニットのSASRAの最終話だけ感想を見送ってしまったのですが、
あの最終話がきっと岩本さんだったのではないでしょうかね(もしくはひちわさんかな)。
あちらの最終話も、叙述が単調でストーリーはともかく小説の旨みに欠けておりました…。

今回、岩本さんの作品は文字通り初読みだったのですが(そして頂けなかった…)、
この作者が例のエビリティシリーズで空前の人気を誇って理由が、何となく分かりました。
小説家というよりは、企画プロデューサー的才能に恵まれた作家さんという気がします。
Unit Vanillaの方も、公式サイトのインタビューからまとめ役的ポジションを感じましたし、
総合企画プロデューサーとしての手腕は、大したものを持っていらっしゃる方なのでは?

…でも、多分私は2度と読まない作家さんだと思います、はい(ゴメンナサイ)。
結論、私はデータベース消費だけでは萌えの不完全燃焼を引き起こす模様。
作品のコクとか旨みとか隠し味というのも、かなり重要な要素みたいです。
以上。

<作品データ>
岩本薫不遜で野蛮』(円陣闇丸・画、ビブロスビーボーイノベルス)2006.1
不遜で野蛮 不遜で野蛮
岩本 薫 (2006/01/17)
ビブロス
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[ 2007/01/13 22:29 ] novel BL | TB(1) | CM(4)

ノンフィクション 

あとで泣きを見ないように、こちらもインデックス作成しました。
↓からどうぞ。

[ 2007/01/13 11:45 ] index | TB(0) | CM(0)

動物化するポストモダン 

立て続けにノンフィクションで失礼します。
実は、先日の『タテ社会の人間関係』より前に読み終えていたのですが、
メモに手間取って後出しになってしまいました。
ちなみにこちらも再読本、今年は再読に力入れようかなと思っております。

その昔この作品を読ませていただいた時は、かなりこの解説に感銘を受けたのですが、
今回の再読では、それほど心を動かされませんでした…。
ちょっと前の研究書なので、現状のオタク文化とはやっぱり少し距離を感じます。
気になるのは、この作品に限らずオタク関連の研究書は男女を過剰に区別している点、
この性差の問題を、差異と同質性から切り込む研究書が目下の所とても読みたいです。

東さんは、女性向けの現状をほぼ中島梓さんの文章に頼っているみたいで、
女性向けオタク社会の現状に関しては、かなりユートピア的な見方に支配されています。
私は男性向けはともかくとして、女性向けの現状の方がある意味動物的だと思います。
というか、女性向けという表現も良くないですね(現実的に男性読者もいる訳でして)。
やおいやBLジャンルが、他のジャンルと極端に異なっている側面があるとしたら、
それはむしろ、セクシュアリティーという単語では還元できない要素にあると私は思います。
先日の『文化と両義性』で語られていた、言語化(概念化)しづらい負の側面の問題にこそ、
私は一BL読者として、このジャンルの魅力と特徴を強く感じるのですね。

とはいえ、動物化モデル、データベース消費といったオタク社会の現状分析は、
システィマティックな思考回路を提供してくれているので、大変分かり易い作品でした。

<作品データ>
東浩紀動物化するポストモダン』(講談社現代新書1575)2001.11
動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会 動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会
東 浩紀 (2001/11)
講談社
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↑また装丁が…

↓はいつもの備忘メモ(やや混乱気味)

[ 2007/01/13 11:12 ] non-fiction | TB(58) | CM(0)

タテ社会の人間関係 

先日立ち寄った某大型古書チェーン店にて、この新書を100円コーナーにて10冊程発見。
私が10年近く前に購入した同書で第96刷…一体累計で何部発行されているのやら…。
ちなみに私の場合、この本は大学時代に所属していた某ゼミのテキストの1冊でした。
つまり再読本なんです、何だかんだで一度はゼミ論で仕上げたタイトルだった為か、
メモを取るのが殊のほか楽でした。
(実際にゼミ論で何をテーマに書いたのかはさっぱり思い出せないんですけどね…)

さて本作品、学術系新書の中ではかなり珍しいロングセラー本でございます。
大変古い作品なので、現在も大学や企業のテキストとして利用されているのか微妙ですが、
一時期はかなり多方面な場所にて参照された、日本型社会論の名著と言われております。
昔読んだ(厳密には読まされた)時には、中根さんの堅い文章に苦手意識を感じたモノですが、
今回の再読では、不思議と全くこの独特の文章が気になりませんでした。
私の読書スキルが上がったのかもしれません、というかむしろ読みやすい文章ですヨ。

さて「タテ」社会年功序列終身雇用という日本的社会の雇用システムは崩壊して久しく、
この概念は一見廃れたかのように見受けられますが、日本社会は本質的に当時のままかと。
むしろ、この「タテ」社会環境に無理やり強引に能力主義を導入してしまったが為に現在、
下流社会の急増といった、当時の状況よりもある意味シビアでグロテスクな局面が、
浮上ないし現出してきているように私は思うのですが、皆様はいかがでしょうか。
そもそも一億総中流社会が全体で上昇志向を貫こうとしたら、当然無理が出て来る訳でして…。
その当然の帰結ともいえるが現状、急速に表に出てきている予感がするのです。

とはいえ、私は社会学にも経済学にも疎い人間ですので、あくまで↑は個人的雑感です。
あまり真に受けずに、斜めに軽く受け流して頂けると助かります(笑)。

拙いながらも、ブログで書籍の感想を少しずつ書くようになったためなのでしょうが、
日本型社会の批評の難しさに関する叙述に、個人的に一番感銘を受けました。
私も決して非難ではなく批評を心がけているつもりではあるのですが、
情緒に流されないクリアな視点というモノを維持するのは、なかなか難しいです。
日々精進していきたいとは思っておりますので、長い目でお付き合い下さいませ。

<作品データ>
中根千枝タテ社会の人間関係』(講談社現代新書)1967.2
タテ社会の人間関係―単一社会の理論 タテ社会の人間関係―単一社会の理論
中根 千枝 (1967/02/16)
講談社
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↑またも私の所有本と装丁が違う…





[ 2007/01/12 22:08 ] non-fiction | TB(61) | CM(0)

松風の虜 

昨日読了、行きつけの感想サイトさんの中で割と好評だった鳩村さんの新刊です。
個人的に、初めての作家さんだと思っていたのですが調べてみたら2度目でした(笑)。
外文専門の出版社のお話読んでました…あの作品は鳩村さんの作品だったのね…。
近頃、本当に記憶の混同が激しくて危険な感じです、忘れないウチに感想をば。

さて、本作品は茶道宗家である佐生家のお家騒動がメインテーマですね。
ニューヨークの(ややいかがわしい)カフェで働き、自由気ままな生活を送っていた睦月。
彼はある日、不治の病で余命いくばくも無い家元の長男に代わり、次期家元として、
早々に佐生家に戻ってくるよう当代家元の秘書である伊藤征親に依頼されます。
が、征親への複雑な恋心を抱え、敬愛する兄の衝撃的なニュースを信じたくない彼は、
当然征親のその依頼に戸惑い、拒絶しようとします。

一方で、佐生家に復讐心を燃やす征親は、これを好機と強引に睦月を日本へ連れ戻し、
そのプラトニックな恋心を利用して、自分の傀儡家元に仕立てようと画策します…。
が、睦月と身体を繋げていく内に、あるいは睦月の先天的な茶道の才に感化されたのか、
彼自身も睦月に対して徐々に徐々に思いを募らせるようになってきた模様。

物語が進むと、このお家騒動に浮き立つ周囲関係者や、茶道宗家の裏の事情も垣間見え、
ついには睦月と征親の出生の秘密も明らかになってきたりして、事態は一層複雑化します。
2人の愛憎の行方、佐生家の未来、病床の当代家元の末路は一体どうなってしまうのでしょうか?

まずはこの作品、何といっても結末がですね本当に美しくて大変心地よい印象です。
本編で終始優柔不断を極めていた主人公の睦月でしたが、最後の最後にはとした態度で、
家元として、私事よりも茶事のおもてなしを優先する姿が好感でした。
私はこういう開放型エンディングというものが大好きなので、余計になのかもしれません。
(二人だけで愛の逃避行とかそういう閉鎖型エンディングと比較してという意味でなのですが…)

次に皆さん指摘していらっしゃるように、茶道のお作法にまつわる諸事の情景描写、
すなわち所謂和風情緒というモノなんですが、この描写がまた美しくて圧倒されました。
鳩村さんの美しくてしなやかな日本語表現にはとても心が和みましたヨ。
(この直前に読んだ某作品の壊滅的な日本語に参っていたので、余計になのかもですが…)
茶道に全く造詣の無い私なんですが、一服美味しいお抹茶を頂けたような、
そんな贅沢な気分を味あわせて頂きました、御馳走様です♪

そして最後に、この美しい和風情緒溢れる空間を体感出来る世界の中で唯一、
私が個人的に不満というか違和感を感じずにいられなかったのは、実はラブシーンです。
主従ネタにもメガネ攻めにも、敬語攻めにも心を動かされない気質ゆえか、
このBLの肝とも言えるサービスシーンだけはどうしても馴染めませんでした…。

てことで、結論を言えば私的な総合評価は中の上止まりなんですよね。
情景描写の美しさに感動しつつも、キャラクター設定に一切萌えられなかったのが敗因、
そういう意味では、とても惜しい作品でございました。
でも、皆さんのご指摘どおり、お正月には最適のBL作品だったと思います。

<作品データ>
鳩村衣杏松風の虜』(水無瀬雅良・画、海王社ガッシュ文庫)2007.1
松風の虜 松風の虜
鳩村 衣杏 (2006/12)
海王社
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[ 2007/01/11 00:16 ] novel BL | TB(3) | CM(4)

Voice or Noise 

とうとう買い直してしまいました…円陣闇丸さんの稀少なコミックス作品の一つです。
大好きだったのに、ちゃんと持っていたハズなのに、1巻が全く見つからないのです…。
2巻は持っているのですが、かなりボロボロだったので併せてお買い上げしてしまいました。

2巻は兎も角として、数年ぶりに読み返した1巻の巻末あとがきを読んでまずは一安心。
ナルナルこと成澤さんはへたれ攻めで正解らしいです、良かった…(笑)。
と言いますのも、2巻の展開や最近連載を再開したこのシリーズを読んでいますとね、
最初出会った時は中学生だった主人公の振一郎君が、高校生になり、大学生になり、
どんどんどんどん心身ともに大きく成長していくモノですから、もしかしたら、
これはナルナル受けの下克上モノだったのでは…と、つい疑ってしまいまして…。
それはそれで、大変面白いシチュエーションなんだとは思うですが(笑)、
個人的な嗜好性を言えば、やっぱりナルナル×振ちゃん派なんですよね、私の場合。

さて本作品、BLジャンル的にはかなり異色なSFコメディです。
様々な動物とコミュニケーションがとれる成澤と、その秘訣を乞いに彼の元を訪ねる振一郎。
振一郎は、実は成澤の朋友猫(?)のアフトとだけは何故かコミュニケーションが取れます。
つまり、成澤のような異能の素質を断片的にはもっているらしいのですネ。
そのため彼は、他の動物ともコミュニケーションを取りたくて仕方が無いのです。
でも、成澤の方はさっぱり相手をしてくれません…。
振一郎は、成澤の能力にオプティミスティックな憧れを抱いておりますが、
そのデメリットの方には全く気づいておりません(アフトを通して後に自覚しますが)。
より多くの存在と関わるいうことは、裏を返せばそれだけ多くの責任が伴う訳でして…。
その覚悟が全く欠けている為に振一郎は、当初はけんもほろろに成澤に断られるのです。

が、一方で成澤は、自分と同じ能力の断片を持つ振一郎に実は興味津々なのでした。
初めて、自分と分かり合えそうな存在に出会えた喜びのようなモノがあった模様。
彼は一見冷たそうな人間ですが、より多くの存在の声(言葉)を聞き取れるために、
彼自身が、そこに自分なりの境界線を引いて気構えていただけなのですよね。
他のものの言葉を聞き取り出したらキリが無いので、彼なりの予防線だったわけです。
が、振一郎と出会いその境界線はどんどん曖昧化、混沌化して広がっていきます。
動物の社会からも人間の社会からも、一定の距離を置いて外側の世界にいた彼ですが、
振一郎との関係から彼の意識も変化していき、最終的には自覚的に内側の世界に入り込みます。

つまり、振一郎のいる世界にというコトなんですが…。
実はここで初めてこの二人は、その両者の間にある恋愛意識に目覚めるのですが、
物語は差し当たってこの時点(2巻)では、ここでお終いなんです。
普通の一般的なBL期待している私達には、かなり消化不良気味なラストです。

一見、諸動物と人間がいかにして良好なコミュニケーションを取るべきか、と言ったような、
SF的でファンタジー的でヒューマニスティックな主題が描かれているように見えます。
でも、その見地からの積極的な回答というか結末はこの作品では全く語られておりません。
あの意味深な、平行宇宙やらシュレディンガーの箱やら思考実験といった単語は、
一体何処へ消えてしまったのでしょうか?

結論を言えば、それこそが成澤と振一郎のBL的(ファンタジー)世界に還元されております。
BLジャンルという装置こそが、平行宇宙であり、シュレ箱であり、思考実験なのであると。
円陣さんはこのテーマをかなり確信犯的に、この作品で明示しているですが、
著者自信が力不足とコメントしているように、ちょっと不親切設計なんですよね。
分かりづらいといえば分かりづらいし、あまり多くの読者には伝わっていないのかも…。

とはいえ、私のBLジャンルの考え方そのものとはかなり合致しておりますので、
そういう意味では、とっても楽しい作品でございました、ご馳走様です♪

<作品データ>
円陣闇丸Voice or Noise』①~②巻(徳間書店キャラコミックス)2003.8、2005.1
Voice or Noise 1 (1) Voice or Noise 1 (1)
円陣 闇丸 (2003/06)
徳間書店
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Voice or Noise 2 (2) Voice or Noise 2 (2)
円陣 闇丸 (2004/11/25)
徳間書店
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[ 2007/01/09 18:03 ] comic BL | TB(2) | CM(6)

ウェブ人間論 

2007年の初購入本です。昨日読了、興味深く今回も読ませて頂きました。
この新書は全編、『ウェブ進化論』で一世を風靡した梅田望夫さんと、
芥川賞受賞作家の平野啓一郎さんとによる対談集になっております。
リベラリストでオプティミストな包容力のある年上の梅田さんと、
割と保守的で守旧派で頭でっかちなツンデレ(笑)で年下の平野さん。
(極個人的な801記号を付すれば梅田×平野かな…私の場合…うぅ、スミマセン)
手持ちの知識を総動員して喧喧と挑む平野さんを、余裕綽綽とかわす梅田さん。
何だかんだで、年上の梅田さんに軍配が上がりそうな対談集でございました…。
それにしても平野さん、ウェブ社会で相当いやな目にあったことがあるらしいです。
確かに、ちょっと人の神経逆なでするような嫌味な言い回しをする方な印象を受けます。
小説の方も、仕事先の先輩に伺ったら難解で嫌味ったらしい作風らしいです。
こういう評価を聞くと、逆に読んでみたくなりました…まあ、そのうちにでも(笑)。

<作品データ>
・梅田望夫、平野啓一郎『ウェブ人間論』(新潮新書)2006.12
ウェブ人間論 ウェブ人間論
梅田 望夫、平野 啓一郎 他 (2006/12/14)
新潮社
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[ 2007/01/06 15:44 ] non-fiction | TB(0) | CM(2)

となりの801ちゃん 

公式ブログはこちらです。

ちまたの腐女子ブームは…いや…まあ…良いんですけどね…。
遅ればせながら、『となりの801ちゃん』と言うエッセイ漫画を読ませて頂きました。
とっても楽しかったですー、801ちゃんが本当に可愛いですねえ。
ほのぼのオタップルの素朴な日常生活描写に、とても心が癒されました。
オススメです♪

とはいえ、私は801ちゃんと萌えの係数が違っているのであまり彼女に共感はしません。
この作品に限らず、腐女子を扱った他の漫画作品を読んでも思うことなのですが…。
(具体例としては、『げんしけん』とか『妄想少女オタク系』とか…)

違いは大きく分けると、↓の二つです。

1)私の場合、801という単語を知ったのは20歳を過ぎてからだった。
2)基本的に801萌え指数(二次萌え)が低い。

他にも私はアニメは殆ど見ないとか、擬態の必然性も殆ど感じないとか、
同人誌を作ったことが無いとか、創作サークル(部活)系に全く関わったコトが無いとか、
まあいろいろ細かい違いもあるのですが、↑の2つが一番大きい差かと。
(換言すれと、私はウェブ社会を通してオタク社会に関わるようになった人間なんですね)

801萌えは常に全開で暴走している気も(自分では)しなくは無いのですが、
二次創作歴の長い友人に言わせれば、私は基本的にJUNE嗜好なんだそうです。
(唯一の例外が銀魂なんですが、それもこの冬は参加を断念したりで萌えは下火気味)
どうも私は、キャラクターの順列と属性が確定したらそれで満足しちゃうタイプらしく、
そこから物語(ストーリー)を再構築する程の情熱と集中力が絶対的に足りないらしいです。
更にカップリングにあまりこだわらないトコロも、801派には大変許せないみたい…です。
(雑食派なので、Bが受けならA×BでもC×Bでもまあいいやと思うコトが多いのです)

同人誌にしろ商業誌にしろ、基本的にオリジナル作品が好きという自覚はありますね。
二次ジャンルを否定するつもりは全然ありませんし、二次同人誌も結構所有しております。
ただ、二次ジャンルのカップリング本は圧倒的に所有率が下がってしまう傾向が…。
二次パロディは、オールキャラのギャグ4コマといったノリの作品の方が実は好きです。

まあ、要するに801ちゃんやげんしけんの熱い魂が正統派801腐女子なのだとしたら、
私の場合は、低温の異端派なんだろうな…と、思う次第であった訳です。
いずれにせよ、この作品は801ちゃんを暖かく見つめる彼氏の視点に不穏な空気が無いので、
私のようなタイプの人間にも十分に楽しめる良エッセイだったと思います。
以上。

<作品データ>
・小島アジコ『となりの801ちゃん』(宙出版ネクストコミックス)2006.12
となりの801ちゃん となりの801ちゃん
小島 アジコ (2006/12/14)
宙出版
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[ 2007/01/05 22:40 ] comic 非BL | TB(0) | CM(0)

シャレード2007年1月号 

今日は、昨年の11月末に発売されたシャレードの雑感をば。
年末が忙しすぎて、雑誌は買ってもそのまま放置状態続いてました…。
もしかしたら、暫く重点的に雑誌の感想が続くかもしれません。

・高遠琉加「楽園建造計画」(依田沙江美・画)
続きが待ち遠しくて待ち遠しくて、居ても立ってもいられなかったシリーズでした…。
まあ、あまりに放置プレイの期間が長すぎて前回の内容を思い出せなかったのですが(笑)。
予定では次号で完結予定らしいのです…が、この展開で本当に無事に終わるんですかね?
何が心配って、現時点で「ロマンス」「ロ」の字もまだ出てきていないトコロなんですけどね。
どっちに転んでも、読者の心を抉るタイプのエンディングなんじゃないかと思われますが…。
それにしても、蝶野の写真はやっぱり映画の『ブレードランナー』を思い出しますね。
この作品はSFでは無いので、デッカード刑事と同じ理由であるはずは無いと思うのですが、
ストーリーの着地点は、実はアレに近いところに落ち着くような気もします。
高遠さんの作品って、思えばいつも攻めが不安定なんですよね、オフィーリア的と言うか。
果たして、三木はちゃんと蝶野の心を繋ぎ留めることが出来るのでしょうか…。
いずれにせよ、次号も心より楽しみにしております(←忘れていたくせに…)。

・可南さらさ「移り香」(陸クミコ・画)
前回のシャレードで開眼した、可南さらささんの作品の続きです。
カメラマンの弟×ツンデレお兄ちゃんという兄弟ネタの年下攻めネタ。
財産の譲渡の交換条件にヌードモデルを提示されてオタオタしつつも、
そのプライドの高さゆえに、無体な条件を引き受ける要お兄ちゃんでしたが…。
前回は、かなり切羽詰まっていたかのように思えたこの要君の状況でしたが、
実は周囲の人々も彼が思っていた程には冷たくなかったという現状が見えてきました。
結局、彼が一人必死で空回って奔走していた訳でして…。
更に弟の清司君も折れちゃって、モデルの件はもういいやという感じになってしまって、
あのフェティッシュでエロティックな関係には移行しないような予感が濃厚です…。
まあ、これも次号の展開次第なんですが…。
ストーリー自体は今回も楽しかったのですが、エロス方面に少し期待し過ぎたのかも。
弟君の気持ちはともかくとして、私としては要のヌード写真が見たくて仕方が無いのです。
清司君、お願いだからもう一度やる気を出してください~。

・椹野道流「執事の受難と旦那様の秘密」(金ひかる・画)
やっと、事件が解決しましたヨ、とても長かったです。
厳しいこと言ってしまうと、これはBLじゃなくてライトミステリーだと思いますし、
展開引っ張りすぎで、ミステリーの心地よい緊張感も前回辺りで途切れてしまいました…。
これがホワイトハート(講談社)やビーンズ(角川)の作品だったら印象も違うのでしょうが、
私見ですが、BL誌のシャレードでこのプロットというのは、なかなか厳しいモノを感じます。
何より、読者の対象年齢にも見合っていないストーリーだったと思うのですよね。
ミステリーならミステリーで、もう少しビターな味付けでお話を展開させて欲しかったです。
お気に入りのシリーズだっただけに、余計に消化不良気味の作品になってしまいました。

<作品データ>
・「シャレード」2007年1月号(二見書房)より




[ 2007/01/04 00:37 ] magazine&anthorogy 感想 | TB(0) | CM(2)

水に眠る恋  

明けましておめでとうございます!
今年も何卒よろしくお願い致します。

余談ですが…私とうとう数えで三十路の大台に乗っかっちゃいました(笑)。
平成も19年、つまり現在のティーンエイジャーはもう殆ど平成生まれなのだそうです。
まさに、光陰矢のご如し…いや、もう何て言っていいのやら…。
諸行無常の鐘の音が、本当に耳元に聞こえてきそうな今日この頃です。
まあ新年は新年、今年も今までどおり猪突猛進にBL作品を楽しみたいと思います。

何はともあれ、皆様にとって幸多い素敵な1年になりますように♪

さて、前口上が長すぎましたが本題に入ります。
新年早々BL小説読みましたよ、もっと厳密に言えば年越しホモ本でした(笑)。
旧年と本年を又にかけて読んだ今年のBL小説第一弾は、可南さらささんの作品です。
昨年はシャレード本誌とシャレード文庫でなかなか楽しませてくれましたので、
今回はリンクスレーベルの可南さん作品に挑戦してみました。
実は一緒に『微熱の引力』も買っておいたので、どちらから読もうか迷ったのですが、
何となく、円陣さんのイラストに惹かれたのでこちらから先に読ませて頂きました。

さて本作品、半ば予測はしてはいたものの、怖いくらいにベタベタなメロドラマでした…。
正直、読後の感想は面白さよりも恥ずかしさが先に立つ印象です。
憧れの同級生、実父蒸発、身体の弱い母、幼い妹、意地悪なカレの母親などなどなど…、
キーワード設定が、どう見ても昭和時代のソレな気がするのは気のせいですか?(笑)
耐えて、忍んで、また耐えて、そんな昭和の美学を体現しているような主人公ですヨ。
平成19年の幕開けに、昭和の雰囲気が色濃いBLというのもまたオツなもの…
という気もするような、しないような(実際判断が微妙なトコロなんですが)。
私個人は、こういう多分に古臭い(←言っちゃった!)作品は嫌いじゃないのですが、
本当に典型的なメロドラマですので、ダメな人にはダメかもしれません…。
一昔前の、少女漫画風味の強い甘めのBLがお好きな方は是非どうぞ。

そういえば、前回感想を書きそびれた『恋になる日』でもそうだったのですが、
文字通りのツンデレ妹キャラが今回も登場しております。
ツンデレ妹好きのそこのお兄さん、試しにこの作品に挑戦してみませんか?(笑)
肝心の主人公のお兄ちゃんは、同性の同級生にベタ惚れなのが難点かもしれませんが…。
まあ、冗談です(私は女の子のツンデレキャラも大好物なんですが)。

濡れ場ばかりの小説読んでも、全く恥ずかしいとは思わない恥知らずなんですが、
逆にこういう作品読むと、無性に恥ずかしくて身もだえたくなるのは何故なんでしょう?
本質的には、心の琴線に限りなく近いところを掠っている作品なのかもしれませんネ。

<作品データ>
水に眠る恋 水に眠る恋
可南 さらさ (2005/11/30)
幻冬舎コミックス
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[ 2007/01/01 20:11 ] novel BL | TB(0) | CM(4)
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