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イゾルデの壺 

先日、勢い込んで3冊も購入してしまったシャレード文庫新刊のウチの1冊です。
前作の『ドロシーの指輪』からほぼ1年、続きが待ち遠しくて仕方なかった作品でした。
贋作ミステリーの仕掛けが巧妙で、大変満足指数の高い面白い作品でした♪
ご馳走様です!

この作品は、私的にはかなりお気に入りのオススメなシリーズ作品なのですが、
重大な注意事項が1つだけあります。
必ず前作の『ドロシーの指輪』から読むように!
BLジャンルのシリーズモノは、大抵途中から読んでもそれなりに楽しめる仕様になっておりますが、
この作品は基本がミステリー仕立てでして、導入部は一作目の後半から始まるお話なのです。
イゾルデの壺』自体はそれゆえ、かなり中途半端な箇所から物語が始まっておりますので、
読むなら絶対に一作目から読んで下さい、よろしくお願いします。

さてこのシリーズ、メインストーリーがミステリー仕立てに展開しておりますので、
BLジャンルから見れば、かなり異色なタイプのコメディ作品になりますね。
サービスシーンもあるにはあるのですが、あまりというか全く本編とは関係が無かったりします。
今回の作品は悲恋も作中のテーマの一つはありましたが、それはあくまで脇の男女のソレでして、
そういう意味では、BL的に期待できる展開は殆ど見られません。

つまり私は、単純にライトミステリーとして楽しませて頂きました。
ホンモノの壺と贋作の壺を巡って、守銭奴達が一喜一憂するコメディとも言えます。
漫画作品で言えば『パタリロ』とか『ギャラリーフェイク』と同質の面白さを体感できる作品です。
ある時は『イゾルデの壺』と呼ばれたり、また別の人には『媚薬の壺』と呼ばれたり、
あるいは『玉手箱』とも名付けられたり…そんな曰くつきの壺を巡って、
結構熾烈な小ズルイ頭脳合戦と、コミカルな人間喜劇が作中展開されております。
はてさて、最終的にホンモノの壺は一体誰の手に渡るのでしょうか?
巧妙に捻られた物語の仕掛けに、谷崎泉さんのベテラン作家としての手腕と貫禄を感じました。

こういう作風が上手く映えるのは、谷崎泉さんらしいと言えばらしいです。
『しあわせにできる』シリーズにしろ『君が好きなのさ』シリーズにしろ、
本当に様々なタイプの脇役が出演してくるのですが、どの方もそれぞれ個性的で魅力的なんですよ。
今回感想を書くのは意外にも初めてだたりするのですが、実は私の贔屓作家さんの一人です。
また谷崎泉さんは、長編シリーズでも脇役にカップルが移行しないのも個人的には好印象です。

ミステリー仕立てなので、あんまり本編には触れられない感想になってしまいましたが、
本当に楽しい作品でした。

最後に一言。
今回初登場の雨森さんは、場を引っ掻き回すだけ引っかき回したにも関わらず、
本編とは全く関係の無いキャラクターでした…次回は彼絡みのお話なんでしょうね。
続きが待ち遠しいです♪
(『しあわせにできる』が雑誌連載終了したので、今度はこのシリーズに本腰入れて欲しいなあ)

<作品データ>
谷崎泉イゾルデの壺』(陸裕千景子・画、二見書房シャレード文庫)2006.12
 ISBN4-576-06196-8
イゾルデの壺〈ドロシーの指輪2〉 イゾルデの壺〈ドロシーの指輪2〉
谷崎 泉 (2006/11/28)
二見書房
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[ 2006/11/30 20:20 ] novel BL | TB(1) | CM(2)

天気予報ノ恋人 

私の心の中には、受けヒエラルキーなるものが厳然とあります。
健気、やんちゃ、トラウマ、美人、女王様、ツンデレ、天然、電波、へたれ、襲い受け、等など…、
受け属性(記号)のパターンは、それこそ星の数ほどあるのでございますが、
私的にそのヒエラルキーの頂点に立つのは、何といっても誘い受けなのであります。
ちなみに、男性論理社会においては受けはヒエラルキーの最下層に見られてしまうようなのですが、
私達の価値観から言えば、その見方は確実に間違っているわけでして…。
私達の世界観の最下層は、あえて言うなら受けにも攻めにも区分されない存在になるのでは?

さて、街子マドカさんの新作コミックです。
個人的に、大好きな作家の作品ですらツマラナイモノにしてしまうシエルレーベルでしたので、
全然全く期待していなかったのですが…とっても面白い作品でした。
冒頭で熱く語ったように、私が大好きな誘い受け属性のお天気お兄さんが主人公です。
お相手はツンデレ>へたれ属性持ちのメガネ黒髪ニュースキャスターでして、
一見した限りでは、二人の役割分担がどっちがどっちなのか分かりにくい印象です。

結果的には誘い受け君の方が本編では受けなのですが(最後でリバも匂わせてはおりますが)、
これは、誘い受けはあらゆる受け属性を凌駕するという私の仮説と見事合致しております。
(↑は言いすぎですが…少なくとも誘い受け>ツンデレ受けでありました)
端的に言えば、私と著者の街子マドカさんの萌えベクトルが完全に一致している訳でして、
まあ、要するに私にとって大好きなタイプの漫画だったというお話なんです。

ちなみに、私にとっての誘い受けの定義と言えば。

1)ラブアフェアーの主導権を握る受け志望である
2)頭の回転が早く、会話や状況の切り返し能力に優れている
3)心の内奥、すなわち手の内は最後の最後まで誰にも見せない

と言うものでして、BLに限らずこのタイプのキャラクターは大概萌えます。
彼らは唯我独尊なトコロがあるとはいえ、本質的に自己中ではありません。
過剰に優しいわけでも冷たいわけでもなく、程よくクールで落ち着いた受けです。
どんなタイプの攻め属性でも割と巧くあしらえる性質を有しているので、
このタイプを相手にする攻めの属性は、どんなタイプでも大好物です♪
ある意味、一番大人なココロをもった受けタイプと言えるかも知れませんネ。

このように、個人的には最も大好きな属性でありキャラクターパターンなのですが、
何故か未だに商業媒体では、まず滅多に見かけることは出来ません…。
更に小説となると、これが絶望的にお目にかかれない代物だったりするんですよね。
私は元々、誘い受けの色気に参ってこのジャンルに足を踏み入れた人間だったりしますので、
このBL界の現状は本当に残念でなりません…。
(ちなみにへたれに開眼したのはここ1~2年の話です)

さて、街子さんの作品に戻ります。
この誘い受け主人公は、お仕事の為にいつも様々なコスプレをしてくれるのですが、
(半分以上は本人の趣味もあるかもしれませんがね…)
これがまた、街子さんの暖かい人物描写も相まって、えらく可愛らしくお似合いなんですよ。
女装しているからと言って、決して女の子ぽいキャラというわけではなくて、
あくまで男性キャラによる女装という範疇で、私の心を萌え立たせてくれるのです。
つまり、千変万化のコスプレシーンも、個人的なオススメポイントなんですよネ。

大変オススメな作品ですので、機会があれば皆様是非お手にとって観て下さい。
ご馳走様でしたー♪

<作品データ>
街子マドカ天気予報ノ恋人』(角川書店あすかコミックスCLDX)2006.12
 ISBN4-04-854059-9
天気予報ノ恋人 天気予報ノ恋人
街子 マドカ (2006/12/01)
角川書店
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[ 2006/11/29 21:23 ] comic BL | TB(3) | CM(10)

徒花 

昨日読み終えたのですが、あまりにもあまりなストーリー展開に呆然としてしまいました…。
私が個人的に感銘を受けたあの『夏蔭』や『夜夜の月』をこの世に送り出した方と、
本当に同一の方が書かれた作品だったのでしょうか?

水原さんは、残虐的な性表現が確かに個性的な作風ではありましたが、
その暴力性の背後に見え隠れするカタルシスこそが魅力の源だったはずです。
なのに本作品ときたら、いつも以上に凄惨で暴力的なシーンが描かれてはいたものの、
そこには作品としての意味が全く感じられず、よしんばそこに何らかの意図があったにしても、
恐らく殆どの読者にソレが伝わらなさそうな印象を受けました。
私が個人的にこの著者に入れ込んでいた分、いつも以上にやるせない気分なのかもしれません。

本作品は、実は一種のコメディBL作品だったのかもと思えなくも無いのですが、
コメディに還元するには、余りにも洒落にならない状況に追い込まれるのですよね…。
私、何となく一休さんの頓知話を思い出してしまいました。

「このはしわたるべからず」

結構有名な話だったと思います。
一休さんは橋の前にあるこの立て札を読んで、堂々と橋の真ん中を渡るという話なのですが、
この作品の主人公の和彦君も、何の根拠があったのか私には分からなかったのですが、
脆そうな橋の真ん中を堂々と歩いて、案の定底板を踏み抜いて河に落ちてしまうのです。
読者の誰もが、その橋は洒落にならない位危険だと気づいているにも関わらず、です。
そこで「えへへ、落ちちゃった」で済めばコメディ(ギャグ)としてはありかも知れませんが、
水原作品がそんな温さを許容するはずは無い訳でして…。
河に落ちた主人公は、文字通りある意味いつも以上にドエライ目に合ってしまうのです。

従来の水原さんの作品では、攻めの地雷が見えずに受けが常に緊張を強いられるのですが、
(事実、この緊張感が水原作品の魅力の一つだったとも言えるはずです)
今回の作品の場合、割と初めからその種の地雷が読者にも主人公にも見えていたはずなのです…。
が、本作品の主人公が己を過信していたのか、もしくは特別と思っていたのか、
あえて自ら地雷を踏む道を選ぶのです(ちょっと属性に電波入っているってのが正解なんですが)。
一読者としては、本当に驚いたというか呆れたというか…。

ストーリー中盤、主人公の和彦君はタイへ出張に出向くことになるのですが、
そこで、かの国で終身刑を言い渡されているとある男と出会います。
この男と日本にいる彼の家族の関係が、後の主人公とその相手の関係を暗示しているのですが、
この点に関しても、イマイチ作品装置として生かしきれていなかったように思えました。
かの地の男は、もう二度と家族に会えない孤独を抱えて生き続けている訳ですが、
主人公サイドは結果的に時間軸にしてせいぜい4年ちょいしか壁の隔たりは無かったので、
積年の孤独な思いが成就する感すらも弱いのですよね…。
実際、三十路一歩手前の我々にとっての4年なんて、本当にあっという間なんですよ。

うーん、角度を変えても乗り切れないイマイチなお話でした。
期待していたので、ちょっと本当に残念です。
次作品は暴力描写が多少薄くても、もう少し共感を得やすいものを読みたいですね。
ご贔屓作家だった分、感想がかなり厳しくなってしまいました。

<作品データ>
水原とほる徒花』(水無瀬雅良・画、海王社ガッシュ文庫)2006.12
 ISBN4-87724-551-0
徒花(アダバナ) 徒花(アダバナ)
水原 とほる (2006/11/24)
海王社
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[ 2006/11/28 19:53 ] novel BL | TB(1) | CM(0)

君を殺した夜 

先程読了…。
本日の感想は、恐らく微妙なモノになりそうなので注意してください。

夜光花さんの最新作です。
実は私、夜光花さんの作品を結構買って読んでいたりするのですが、
実際好きかと言われたら…ちょっといつも考え込んでしまいます。
でもいざ作品を見かけると心惹かれて、結構買ってしまうコトが多いのです。
そして読む度に、心が何ともグルグルするのです…乗り物酔いに近いかも…。
読んでる最中は、木原音瀬さんのようにシンドイ感は感じないですし、
水原とほるさんのような刺し貫かれるような痛みを描く作風では無いのですが、
読後はいつも何ともいえないドンヨリした気分になるのです…。

さて本作品も例外に洩れず、いつもどおりそんな気分になっております。
いわゆる、幼馴染の再会譚なのですが。
幼馴染だったからと言って、いつでもどこでもお互いの仲が良かった訳では勿論無く、
この単語から醸し出されるノスタルジックなイメージを、ことごとく突き壊すお話です。
幼馴染という言葉は、実際に過去を美化する偽善性で彩られた単語なんですよね。

アンダーティーンからローティーンにかけて、つまりいわゆる思春期時代の内面は、
本当は正視するのが耐えないくらい醜いモノを、誰しもが抱えていたのではないでしょうか?
箸が転がっても可笑しいお年頃と言われ、いつも能天気にキャラキャラ笑っていたとしても、
個々人の心の底辺には、大概ドロっとした暗い澱のようなモノがあるわけで…。

そんなあんまり見たくない内面心理描写が、本作では淡々と書き綴られております。
主人公の後ろ向き具合ももさることながら、脇の女性陣(少女~母親まで)がもっと凄まじい印象。
何でこんな居心地の悪い作品を、わざわざBL作品で読む羽目になったんだろうと思いつつも、
何故か読むのを途中で諦めきれない自分がまたいる訳でして…。
何なんでしょうね、こういう気持ち…多分本質的には嫌いでは無いんですよ。

中学校教師が主人公だったせいか、大昔の少女漫画『海の天辺』を少し思い出しました。
(くらもちふさこさんがその昔、別冊マーガレットで連載しておりました)
こちらの作品は、それこそ私自身がれっきとした中学生の頃に読んだ作品なのですが、
やっぱり実際好きだったのかどうか、自分では何故かよく分からない作品でした。
でも、今でも忘れられない独特な印象を残す作品であります。

ふと思ったのですが、夜光花さんの作風はBLというより少女漫画に近いのかもしれません。
恋愛主軸の現代的なソレではなくて、一昔前の思春期の少女の内面を抉るアレです。
無論BLジャンルですから、物理的なナニやソレのシーンもあるとはいえ、
(しかも夜光花さんは割とそこにページを割く方ではあるのですがね)
受けと攻めの関係が、いつも何処か恋愛未満の感情描写に終始するのですよ。
恋愛感情というよりは、子供っぽい執着心とか意地の張り合いといった印象なんです。
この方の描かれるサービスシーンは私は実は結構好きだったりするのですが、
いつも感情表現には煮えきれないものを感じてしまいます。

さて、結果的にはやっぱり今回もBLとしては何処かイマイチ不満が残ってしまいました。
でも、次作もやっぱり買ってしまいそうな自分がココにいます。
本当に不思議です。

<作品データ>
夜光花君を殺した夜』(小山田あみ・画、徳間書店キャラ文庫)2006.11
 ISBN4-19-900418-1
君を殺した夜 君を殺した夜
夜光 花 (2006/11/25)
徳間書店
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[ 2006/11/27 20:56 ] novel BL | TB(1) | CM(2)

サウダージ 

さて、予告どおり立て続けに華藤さんの作品の感想です。
こちらはアルゼンチン(アルヘンティーナ)、つまり天使の国が舞台でした。
(ロサンジェルスも同義語源ですが…)
こんな多国籍な情緒に溢れたBL作品は私的に初めてでして、本当に楽しかったです。

2本しか作品を読んでいないのに結論付けるのもアブナイ話なのですが、
どうも華藤さんの作風は、BLジャンル界の幻想作家に位置づけられそうな印象ですね。
相変わらずの独特な言葉のセンスが、この作品からも十分に感じられました。
小説的にはカフカとか宮沢賢治とか、そういう雰囲気をちょっぴり感じます。
もっと言えば、私の大好きな映画監督テリー・ギリアムぽいのです。
(彼はニューヨークの地下鉄のラッシュを、ダンスホールのワルツに置換させる演出を見せました)
この作品の場合、情熱的なテーマであるタンゴ(タンゲリーア)のシーンを通して、
登場人物の人生がめまぐるしくも華々しく印象的に読者に伝わってくる訳でして…。
遠い昔の幼い兄弟の、拙くも可愛らしい回想シーンのタンゴからはじまり、
成長した弟とその敵にして最愛の男との情熱的でエロティックなタンゴへと。
このノスタルジックなイマジネーションの転換が何とも美しく、心地良い酩酊気分を味わえるのです。

ストーリーは、行方不明の兄を追い求めてブエノス・アイレスまで出向いた主人公が、
マフィアに監禁、調教され最終的には愛情へと昇華する話でして(笑)、
BL的には割とありがちでキャラクター設定も含めて、実は目新しさがあまり感じられません。
つまりこの作品は、ストーリーを味わうのではなく作品演出に酔えるかどうかが勝負の分かれ目。
私個人はめいっぱい酔わせて頂きましたが、演出に酔えない人には楽しめない作風かと。
(現に『シナプスの柩』を貸してくれた我が妹は、全く楽しめなかったらしいのです…)
換言すれば、多分に読者を選ぶ作風なんだと思うのです。

さて私、普段読んでいる他のBL作品からは考えてみたことも無かったのですが、
この作品に関しましては、映像作品で見てみたいと強く思ってしまいました。
と言っても、アニメーションやCG作品ではダメなんです。
あくまで息づかいや体温が感じられる人間(俳優)によって演じられるモノで。
理想は映画か、もしくは舞台上のミュージカル。
演出次第でかなり美しいモノに仕上がりそうに思うのですが、どうでしょう?

え?ナニでアレなシーンはどうするのかですって?
そこでこその、タンゴのダンスシーンなんですよ!
主役二人に長々と情熱的なタンゴを踊らせて、その場を誤魔化せば良いのです(笑)。
勿論、受けの方が身に着けているのはバスローブのみ、チラチラと魅惑的な太股を見せつつネ。
下手なポルノよりきっとエロいと思いますが、これで映倫の目は誤魔化せます!
かの天使女優オードリー・ヘップバーンだってコレで切り抜けて来たのですから大丈夫。
(ヘップバーンの場合は、確かチェスで敵を欺いてきたハズです)

てことで、冒頭の天使つながりで感想を締めさせて頂きます♪
二回続けて楽しい作品読ませて頂きました。

エスタマニャーナ!ブエノディア!

<作品データ>
華藤えれなサウダージ』(円陣闇丸・画、幻冬舎リンクスノベルス)2006.8
 ISBN4-344-80818-5
サウダージ サウダージ
華藤 えれな (2006/08/30)
幻冬舎コミックス
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[ 2006/11/25 22:18 ] novel BL | TB(3) | CM(7)

シナプスの柩 

上巻を読んでから身悶えること約一週間、ようやく下巻も読了しました。
いつも、私は面白かったBLに対して「美味しい」という形容詞を使うことが多いのですが、
この作品には↑の形容詞はさすがに不適切な感じがします。
個人的には(ベタベタなメロドラマと知りつつも)かなりのめり込んでしまった作品。
昼メロ、韓流にハマッて抜け出せない方々の気持ちが、今回初めてよく分かりました。

まず、シナプスとは?
私のようにこの言葉の意味が分からない方は、こちらで語義のご確認を。
(ウィキペディアなので、ちょっと重いのですが)
雑誌の「ニュートン」のような、興味深くも詳細な解説がなされておりますヨ。

このストーリーは、皆様ご存知のように記憶喪失がメインテーマです。
過去のトラウマに耐えられず衝動的に自殺未遂の末、生命は助かるものの記憶を失う主人公。
この状況は、シナプスの伝達回路がバラバラに切断されてしまったとも言えますし、
この作品的表現では過去のつらい記憶を湖の底(or柩)に封印してしまったとも言えます。
私はそもそも、ネタとして記憶喪失というテーマを扱う作品は好きではないのですが、
(無論、この作品のように例外的に好きなものも結構あります)
それはつまり、記憶のリセットとか精神的にアチラ側(彼方、彼岸?)に行ってしまう選択肢は、
いかに美しく思えたとしても、人間最後の最後までそれを選んではいけないと思うからです。
まあ、私のなけなしの倫理観なんですが…。
故に、それを作品の装置として使うことはちょっとズルイ反則技のように思えてしまうのですね。
(余談ですが、そういう見地から私は小野不由美さんの小説が苦手です)

さて、で、こちらの作品なんですが、主人公は悩みつつも記憶を取り戻して、
最終的には、社会的人間としてシナプスの復旧に努力するお話でしたので、
苦手なテーマとはいえ、それゆえ安心して主人公に共感して読むことが出来ました。
攻めの精神力、忍耐力もナカナカなモノです。
まあ、幾分穿った見方をすれば、主人公の自殺未遂がなければこの攻めは、
この主人公にそれ程強い思いを自覚することは無かったようにも思えましたが…。

このお話の舞台が私の故郷だった点も、共感指数を高める効果があったように思えます。
冬の北国、もしくは北国の冬、うん、あんな感じです。
この湖のモデルはS湖で、書き下ろしに出てきた水族館はN水族館かなと、
個人的予測もしてみたり…(水族館は↑で間違いないと思いますが湖は自信が無いです)。
彼らが移動手段に飛行機使っているコトには、少し違和感感じましたが…。
(普通は自動車か鉄道か長距離バスを使うような…猛吹雪でもまず動きますし)
※JR北海道は私の体験上、普通列車は止まりますが、急行・特急は人海戦術で意地でも動かす気がします。

又、主人公が比喩表現として使う「解剖」「心臓」「血液」「ウィルス」といった言葉に、
あるいは人体標本や骨格標本に愛着を感じる主人公に、いささかグロテスクとはいえ、
言語感性の独特な美しさを感じました。
これがロシア・フォルマニズムが言うところの異化効果なんでしょうね。
個人的に初読みの華藤さんですが、正直文章や文体にそれ程魅力は感じなかったのですが、
言葉や単語の一つ一つに対する独特の美しいセンスには圧倒されました。
ついでに、タンゴのお話も購入してみたのでそちらの方も楽しみです。

素敵な小説をありがとうございました。

<作品データ>
華藤えれなシナプスの柩』上(佐々木久美子・画、幻冬舎リンクスノベルス)2006.9
 ISBN4-344-80838-X
華藤えれなシナプスの柩』下(佐々木久美子・画、幻冬舎リンクスノベルス)2006.10
 ISBN4-344-80859-2
シナプスの柩(上) シナプスの柩(上)
華藤 えれな (2006/09/30)
幻冬舎コミックス
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シナプスの柩(下) シナプスの柩(下)
華藤 えれな (2006/10/31)
幻冬舎コミックス
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[ 2006/11/25 09:14 ] novel BL | TB(4) | CM(3)

文学部唯野教授 

この作品は厳密に言えば、小説になるのですが…。
再読本でしたので、唯野教授の文学概論部分のみをリロードし、
小説部分(地の文)は今回読み飛ばしましたので、ノンフィクション扱いです。

実はこの作品、私がかつて読んだコトのある唯一の文学理論概論書です。
この作品より、分かり易くて読みやすい研究書がありましたら、是非ご一報下さいませ。
よろしくお願いします。

本当は前回の続きの『文化と両義性』をメモするつもりだったのですが、
その間にこちらを先に読み終えてしまったので、急遽こちらのメモを先に仕上げました。
要するに、この作品をまとめる方が遥かに楽な作業だったというお話です。

この作品は、拙いパロールで小説や漫画の感想を小さなブログに書いている身としては、
大変耳の痛いコトが沢山書かれております。
エクリチュールを実践している方は皆、最低限↓のメモを踏まえなくてはいけませんな。
ハハハ…イロイロ反省中です。

<作品データ>
・筒井康隆『文学部唯野教授』(岩波現代文庫)2000.1
 ISBN4-00-602001-5
文学部唯野教授 文学部唯野教授
筒井 康隆 (2000/01)
岩波書店
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今回の↓のメモも大変長いのですが、かなり不親切仕様です。
個人的予備知識のある概念に関しては、大部分端折りましたので…。
気になる方は、是非ともこの作品自体を読んでください。
シニカルなメタフィクションはなかなか癖になりますヨ。


[ 2006/11/24 00:27 ] non-fiction | TB(52) | CM(0)

小説キャラvol.15 

・鳥城あきら『出直してこい!』(金ひかる・画)
本当に本当にご馳走様でした♪究極の美味BLでした。
実際、世界の中心でこの作品に対する愛を叫んでも良い位、素敵なお話でした。
とうとう、シルバー高齢社会に対応したBL作品が出てきたとも言えるかもしれません。
夫に先立たれた後家さん(寡夫?)が主人公って、このジャンル内じゃ初めてなのでは?
(墓参りシーンなんかはよく見かけますが、仏壇に手を合わせるシーンは珍しい)
ま、厳密に言えば不倫関係だったので、本物の奥さんとのデスマッチもあるのですけどね…。
(あくまでコメディの範疇に収まっているので、ドロっとした印象は薄いのですが)
何とこの主人公、親子どんぶりどころか結果的に祖父と孫を味見しております!
ああ、もう、こういう作品は本当個人的に大好きです!
主人公カップルが作る創作料理もとても美味しそうで、お腹も鳴りっぱなしでした。
タイトルも秀逸で旨いオチがついておりますし、贔屓の金ひかるさんのイラストも萌えました。
個人的満足度のえらく高い作品でした!是非是非みなさん読んでください。

・英田サキ『欺かれた男』(サクラサクヤ・画)
私が知りうる限り、英田さんの作品で初めてのツンデレ主人公でした。
キャリア×ノンキャリアの刑事二人のラブストーリーだったのですが、
イラストを見て順列が反対なのでは、と私実は一瞬疑ってしまいました…。
でも実際は、黒髪のノンキャリア刑事の方が30過ぎの典型的なツンデレ受けでした。
30過ぎてもツンデレが許されるBLジャンルって、本当に奥が深いと思います!
ちなみに、従来の英田さんの作品の受けは大概美人・女王様系でございまして、
属性的にはツンツンしまくってはいるのですが、デレは殆ど見受けられません。
その代わりに、ラブシーンでは割と自らが大きく足を開きだすやや誘い受け系が一般的です。
今回、このやや痴態じみた属性は珍しく攻めキャラが引き受けておりましたので、
未熟な私には、順番が逆なように思えてしまったのですよね…反省しております。
今回の主人公は、攻めからの告白シーンでキュンキュンしているあたりが、
もう何とも大変可愛らしいツンデレ受けでして、意外にもかなり萌えさせて頂きました。
私は、ツンデレキャラは老若男女を問わずに大好きな属性みたいです。
ご馳走様でした。

今回の感想は↑2点のみ(この2作品は本当に面白かったです)。
他の作品も大半読むには読んだのですが…感想は聞かないで下さい。
(特に巻頭の遠野春日さんの作品は、フランスの田舎に関する紀行文にしか見えませんでした…)
小説キャラってベテラン作家さんばかりで安定感はあると思うのですが、
逆に独自のカラーが感じられず、目新しい作品に出会えないのが難点ですね…。
新人さんを育てる環境が整っていないのでしょうか?
この辺、ちょこっと気になりました。

<作品データ>
・「小説キャラ」vol.15(徳間書店)2007

[ 2006/11/23 00:08 ] magazine&anthorogy 感想 | TB(1) | CM(5)

蜜月~Honey Moon~ 

ここ数日、職場からダンボールを持ち帰って蔵書の整理を行っていたのですが、
その際に発掘してしまいました…。
今まで、雪代さんの作品は全く読んだこと無いものと自分では思っていたのですが、
読んでいたらしい…ずっと忘れていたけれど、間違いなく読んでいるっぽいです。
(あらすじがデジャブったので、積読していた訳ではなさそうです)
反省を兼ねての再読と感想です。

正直、回想から入るストーリーの導入部はかなり読むのがシンドかったです。
何の捻りも感じられないシンデレラストーリーなのはあらすじから予測しておりましたが、
想像以上に主人公の内向的な性格が私と反りが合わず、本当に辛かったです。
正に悲劇のヒロイン気質の主人公なんでしょうが、私が求めないタイプの主人公なんですよね。
(そもそも、シンデレラとかマイフェアレディ型のプロットが苦手なんです…)

が、ストーリー中盤からは視点が主に攻め側に移行したので面白くなってきました。
この種のヒロインは、私のような天邪鬼から言わせてもらえば喘がせてなんぼだと思うので、
攻め視点に切り替わった途端、実は逆に読むのが楽しくなってきたんですよ。
ヒロインを眠らせてイタズラとか、バタープレイとか、目隠しプレイとか…(笑)。
私は、この二人の恋愛譚には正直言って何の興味も沸かなかったのですが、
それゆえサービスという名のエロシーンで萌えを充填させて頂きました。

加えて、意外にも素敵だったのが英国の古城描写やお食事シーンでした。
あくまでこの作品から受けた印象なんですが、雪代さんは人物よりも背景描写が巧い方なのかも。
特に、古書が充実しているらしい南翼の書庫の描写の美しさには圧倒されました。
この物語の主人公である由生君とは殆ど共感するトコロが無かった私でしたが、
私も由生君同様、あのお城の書庫には何時間いても飽きない予感がします。
(どうせ原書ばかりで読めやしないのでしょうが、本に囲まれるだけで幸せなんです)
BLジャンル界隈の、アラブの豪邸や億ションには全く興味関心が無いのですが、
本作の古城には、一度でいいから行ってみたいと思わせる魅力を感じました。

さて、結論。
主人公の性格設定が、もう少し共感しやすいキャラだったらなあ…それだけが唯一の難点です。
逆に導入部さえ我慢すれば、あとはエンディングまで結構楽しめる作品かもしれません。
ちなみに、誠実な人柄を装いつついささか変質的趣味を持っていた攻めは実は結構好きでした。
奔放な性格をしていらっしゃる主人公のお姉さんは、更に魅力的なキャラだったと思います。
以上。

<作品データ>
雪代鞠絵蜜月~Honey Moon~』(片岡ケイコ・画、雄飛アイノベルス)2004.6
 ISBN4-902543-00-1
蜜月~Honey Moon~ 蜜月~Honey Moon~
雪代 鞠絵 (2004/05/21)
雄飛
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[ 2006/11/19 19:58 ] novel BL | TB(0) | CM(2)

ブラック・ラグーン 6巻 

またも、フライング入手していたので感想自粛しておりました。
ブラック・ラグーン最新刊です(略すとBLになっちゃうのね…w)。
5巻がシリアスで悲しい結末だった反動か、今回はコミカルにハジけております。
こういうドタバタした雰囲気もまた一興、面白かったですよ。

このシリーズの醍醐味って、実はある種のコスプレ感覚にあるのかもしれません。
メイド、チャイナ、シスター、軍服、女子高生、ゴスロリなど等、これら割と一般的な萌え記号と、
仰々しい大掛かりな得物(武器)の組み合わせが大変興味深くて面白いのです。
思えば赤川次郎の『セーラー服と機関銃』は、そういう意味で萌え作品のはしりだったのかも。
(高橋留美子の『うる星やつら』とかも同じ括りかもしれません)
現に今回、メイドのロベルタが殆ど主役的ポジションを獲得しておりますが、
彼女のセミヌードシーンは、何故か萌え指数が逆に下がるのです…。
要するに、彼女はメイド服(+重火器)という組み合わせが萌えるのですよネ。
次回シリーズは、魔女っ娘あたりの登場を予測しておきます。

<作品データ>
広江礼威ブラック・ラグーン』6巻(小学館サンデーGXコミックス)2006.12
 ISBN4-09-157075-5
ブラック・ラグーン 6 (6) ブラック・ラグーン 6 (6)
広江 礼威 (2006/11/17)
小学館
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↓は腐向けネタ

[ 2006/11/18 14:23 ] comic 非BL | TB(0) | CM(5)

アマゾンさんと私 

今月初旬からちまちまと、アマゾンさん内でBL小説の読書目録を作っていたのですが、
とりあえず大体のトコロが完成したので、オススメ商品がガラッと変わりました。
(今までは咎犬関連アイテムのみだった…)
アマゾンさんご自慢のリコメンド機能を、個別検証してみました。
ウチ、気になった商品を↓にピックアップしております。
興味のある方は、どうぞ。

全体的に、未読作家で多かったのがふゆの仁子さん、崎谷はるひさんあたり、
殆ど読んでいないのに多かったのが、中原一也さん、砂原糖子さん、沙野風結子さん。
オススメ理由に納得出来るのもアリ、不思議なのもアリといった観。
BL界の超人気シリーズや作家さんが割とスルーされているのが興味深いです。
(南原さんとか、お金シリーズとか、タクミくんシリーズとか…)

あ!続きはものすごく長いので覚悟して下さい!

[ 2006/11/16 23:23 ] novel BL | TB(0) | CM(3)

SASRA第3回 

ただいま、読了。
今回は悲恋譚…半ば予想してましたが報われない恋のお話ですネ。
年甲斐も無く、ボロボロ泣いちゃいました。
ボキャブラリーが乏しい一が、「恋しい」とか「切ない」とか「寂しい」ではなく、
「心配した」といじらしく主張するのが、また一層涙を誘います…。
前回が設定の割に、明るめの話だった分、余計に今回胸にズンと重みを感じました。

それにしても、顔が見せられない受けってBL史上初めてなんじゃないかしら?
鉄の仮面というのは、ややグロテスクで何やらゴシックホラーなテイストな印象も。
設定が異色な上、ややショタっぽい関係かもしれませんので、苦手な方はご注意を。

今回はイロイロと異端な感じがするので、執筆担当者は木原さんと予測します。
文章は洗練されていて読みやすく、和泉さんのような硬質さは感じなかったので。

あ、私の個人的な嗜好を言えば、2話目のようなコメディテイストの方が好みです。
安心して読めると言いますか…今回のお話はちょっとグルグル引きずりそうです。

<作品データ>
・Unit Vanilla『SASRA第3回』(リブレ出版、「小説ビーボーイ」2006年12月号より)


[ 2006/11/15 23:22 ] magazine&anthorogy 感想 | TB(0) | CM(0)

1985年 

これは、久々の当たりな新書でした。
が、↓のメモは(修正したにも関わらず)失敗です。
ノート取るの下手ですね…。

1985年といえば、私の場合今は亡き祖母にファミコンを買ってもらった記憶しか無いです。
毎日毎日、自分の家や友達の家でファミコンで遊んだり喧嘩したりしていました。
同時期、女の子の間ではジェニーちゃんやシルバニアファミリーといった人形類も、
ブームだったような気もするのですが、幼い私はファミコン一筋の人生でした。
未だに「スーパーマリオブラザーズ」以上にプレイしたゲームは存在しません。
というか、逆に年々ゲームするのがしんどくなって来ましたので、
もうあの時期を越えたゲーマーにはなることはないでしょうね。

懐かしい(おぼろげな記憶の)時代のお話でした。
(比較するのもアレですが、小説の『クライマーズ・ハイ』よりもずっと面白かったです)

<作品データ>
吉崎達彦1985年』(新潮新書130)2005.8
 ISBN4-10-610130-0
1985年 1985年
吉崎 達彦 (2005/08)
新潮社
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[ 2006/11/15 01:34 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)

あとり硅子短編集Ⅰ ぶどうの瞳 

大好きなあとり硅子さんの作品がコミック文庫になりました。
もう2度と話題にすることは無いかもしれないと思ったので、
いつもより気合を入れて感想を書きました。
ちなみに、全作品コミックスバージョンも所有しております。

まずは、第1弾です。
長すぎるので↓からどうぞ。

<作品データ>
あとり硅子あとり硅子短編集Ⅰ ぶどうの瞳』(新書館ウィングスコミック文庫)2006.11
 ISBN4-403-50086-2
ぶどうの瞳―あとり硅子短篇集 1 ぶどうの瞳―あとり硅子短篇集 1
あとり 硅子 (2006/11)
新書館
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[ 2006/11/13 20:42 ] comic 非BL | TB(0) | CM(0)

今更なんですが… 

本日、FF3を無事クリアしました。
今回はかなり慎重にコトを進めて、回復役は回復に専念させたので、
余裕でラスボス倒せました。

ちなみにタイムスパンが長すぎて本編ストーリーは忘れております。
ま、FFなんでいつものクリスタルがどうのというテーマだったんじゃないかな?
クリアデータが残せたので、次回からはデータ持ち越せるのかな?
また、気が向いたら再プレイするかも…。

かなり久しぶりのゲーム記録でした(笑)。
あとはヴァルキリー・プロファイル2とか妹から借りたダージュ・オブ・ケルベロスとか…
年内に片付けられるか微妙。
年取ると本当にゲームをプレイするのがしんどいです、大好きなんだけどネ。
[ 2006/11/13 17:48 ] game others | TB(0) | CM(0)

この世 異聞 

待望の鈴木ツタさんのコミックスです!
殆どの作品を雑誌上で読んではいたのですが、肝心の初回だけは初読みでした。

勿論、大変面白かったですよ。
鈴木ツタさんの描かれる普通っぽい地味顔の男の子が、私的に大変萌えます。
下手な美形キャラより、サービスシーンが妙にエロくてそそるのですよね。
登場人物は殆ど全員へたれ属性持ちなのも最高です!
ヘタレハンターの血が滾りますネ(笑)。

少し気になったのは、雑誌に掲載されていた過去編が全く載っていなかったコト。
本音を言えば、私もあの話はちょっと蛇足気味だなあと思ってはいたのですが、
無ければ無いでちょっと物足りない感じでした(話数的には一緒に出来たと思うので)。
巻数表記は無かったのですが、人気が出ればシリーズ再開といった計画でもあるのでしょうか。
だとしたら、個人的には大変嬉しいのですが…。
つまり、暫くマガジンビーボーイのバックナンバーを処分できなくなってしまいました…。

何はともあれ、ご馳走様でした♪

<作品データ>
鈴木ツタこの世異聞』(リブレ出版ビーボーイコミックス)2006.11
 ISBN4-86263-058-8
この世異聞 この世異聞
鈴木 ツタ (2006/11/10)
リブレ出版
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[ 2006/11/11 01:57 ] comic BL | TB(2) | CM(3)

偽装恋愛のススメ 

オンライン上でかなり評判が良かった上に、あらすじも好みだったので、
ずっと読みたい読みたいと思っていた本作品。
とはいえ、出されているレーベルが私が大変苦手意識の強い角川ルビーレーベル。
レーベルの信頼度があまりに低くて、今までずっと購入を見合わせてきたのですが、
今回、先日の『FLESH&BLOOD』9巻(松岡なつき)と一緒に購入してみました。
たとえ本作品がハズレだったとしても、フレブラパワーなら乗り切れるだろうとの判断でした。

結果的には、大変面白かったです。
ルビーじゃなければもっと早くに読んでいたのに、勿体無いコトしてしまったなあ。
ストーリーの大半にサービスシーンを挿入するBLレーベルの作品だったはずなのに、
これは爽快感溢れる読後良い青春小説でした。
逆にサービスシーンは殆ど無かったですが、こういう作風なら少な目が正解です。

前評判どおり、レーサー業界の描写が臨場感溢れていて大変魅力的でした。

「ボーイズラブというジャンルは、一種の職業漫画・職業小説である」

と指摘していたのは、先日の三浦しおんさんのエッセイですが、その説に倣えば、
この作品は、職業小説としても実に良い出来だったと思われます。
(私が読んだ中では、いつき朔夜さんの『GIトライアングル』に近い雰囲気)

恋愛譚としては少し弱い感じもしましたが、そんなの殆ど気にならないくらい素敵な印象。
(特にタイトルはレーサーモノという意図を前面に出したほうが良かったと思いましたが…)
ご馳走様でした♪

今まで殆ど食わず嫌いをしていたルビーに、開眼しそうな予感がします。
オススメ商品がありましたら、是非こっそり教えてください!
(ちなみに、例の2大シリーズは除外の方向で…)

<作品データ>
緋夏れんか偽装恋愛のススメ』(沖麻実也・画、角川書店ルビー文庫)2006.7
 ISBN4-04-452101-8
偽装恋愛のススメ 偽装恋愛のススメ
緋夏 れんか (2006/06/30)
角川書店
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[ 2006/11/11 01:35 ] novel BL | TB(1) | CM(2)

8月の略奪者 

久々にごと持っていかれました…。
待望のいつき朔夜さんの最新作、正にタイトル通りの略奪者でした。
目下の所、私はこの小説の所為で心ココにあらずという状況でして、
冷静な記事を書けない予感が致します。

自分の人生には別の道が存在したかもしれない、とふと思うことってありませんか?
私はあります、もっと言えば、ほぼ毎日そんなコトを考えて暮らしていた時期もあります。
今は年齢も取ったし、気性も落ち着いてきたし、仕事に忙殺されて毎日を過ごすウチに、
これが等身大の自分なんだと思えるようになりましたが…。
あるいは、自分を誤魔化すスキルが身についたのだと言い換えてもいいのかもしれません。

私の別の道は、学究に一生涯を捧げることです、いえでしたです。
当然それは、空想と現実逃避の産物でして、でも確かにささやかな希望でもありました。
そういう意味で、本作品の主人公達は厳しい現実も含めてうらやましかったのが正直な感想。

別の道という比喩は、レイチェル・カーソンの名著『沈黙の春』から引用させて頂きましたが、
彼女自身、この言い回しをアメリカのとある詩人のタイトルから引用していたはずです。
(この詩人の名が思い出せない…『沈黙の春』自体手放して久しいですしね)
この小説を読んで、何故↑を思い出したかは本作品を読んで頂ければ一目瞭然です。
BLジャンルだからと侮っていると、私のように魂を奪われてしまいますよ(笑)。

ええ、私正直侮ってました。
BL大好きですし、このジャンルに対して色眼鏡の視点を持っているつもりは毛頭ありませんが、
やっぱり何処か気が緩んでいたみたいです…反省しております。

このお話は端的に言えば、を見つけ、違えずにそのを進み、を守る話なんだと思います。
ちなみに前の二つは主人公で年下攻めの浩紀の道で、最後はその恋人である香月の道です。
ストーリー後半、年上の香月は大人であるが故に自身の道を守るのが困難な状況に陥ります。
その道を守る為に浩紀は身を挺しますが、その所為で浩紀は従来の道を失うコトになります。
が、彼にはまだ別の道が残されており、積極的にそちらの道に軌道を修正するのです。
それが可能だったのは、浩紀の唯一のコンプレックスだった若さがあったからなんですよね。

恋人香月を守るためならそれが武器にもなりうると知り、それを躊躇わずに利用する浩紀。
それは即ち、浩紀の心身が文字通りに成熟した結果でもあります。
つまり、晴れてこの年の差カップルは対等の関係になって小説は幕を閉じるのです。
最初は甘ったれで頭でっかちの高校生に過ぎなかった浩紀の成長譚とも言えるかもしれません。

※香月が守れなかった道は、大人である我々の多くが守るのが大変困難なソレです。
冒頭のカーソン女史は、道を守る為に果敢に戦ってきた尊敬すべき研究者の一人です。

<作品データ>
いつき朔夜8月の略奪者』(藤崎一也・画、新書館ディアプラス文庫)2006.11
 ISBN4-403-52146-0
八月の略奪者(ラプトル) 八月の略奪者(ラプトル)
いつき 朔夜 (2006/11)
新書館
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・レイチェル・カーソン『沈黙の春』(青樹簗一・訳、新潮文庫)2004.6
 ISBN4-10-207401-5
沈黙の春 沈黙の春
青樹 簗一、レイチェル・カーソン 他 (1974/02)
新潮社
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※私が昔所有していた『沈黙の春』は選書バージョンでしたが↑の方がお手ごろ価格かと。


[ 2006/11/10 00:31 ] novel BL | TB(4) | CM(8)

FLESH&BLOOD9巻 

案の定、立て続けにFLESH&BLOODシリーズです!
今回は、(噂には聞いていましたが)雪舟さんの挿絵が無くてちょっと寂しいです。
でも実は、いよいよ堂々と通勤電車で読めると言う利点もあります。
たとえ横から盗み読まれた所で、官能的なシーンが全くと言っていい程無いシリーズですし。
周囲の目を気にすることなく、安心安全で充実した通勤快読生活が送れますよ(笑)
でも、今回のニューフェイスのラウルとファンは、やっぱりイラストで確認したかったです。
(この二人の関係は、ちょっとアヤシイ感じがしますよね、今後の活躍に期待したいです)

さて、カイトの方はビセンテと一緒にエスパーニャヘ到着してしまいました…。
今回はとうとうあのフェリペ二世と緊張の対面シーンもありました。
彼はエリザベス女王以上に一筋縄ではいかない人物のようで、今後が心配です。
でも、話の流れ的にはジェフリー達とは次回辺りで再会できそうな予感がしました。

ジェフリーとナイジェルも何とかスペインへ乗り込む算段がついた模様。
意外にも、クリストファー・マーロウが協力してくれました。
こちらは今後イロモノトリオの珍道中になりそうなので、また別の意味で楽しみです。

そういえば、松岡さんはもしかしてウォーラースティン世界システム論を参照しているのかな?
今回特に世界経済史的叙述が多かったようなのですが、世界システム論的な解説に見えたのです。
少なくとも、高校の教科書レベルではこういう視座で世界史を語ってはいないはず…。
いやでも、もしかしたら、今の高校の教科書はそこまで踏み込んでいたりするのかな?

ちなみに、私個人はウォーラースティンの学説にはかなり傾倒しております。
無論私の場合、彼の学説に対して擁護できる知識も無ければ反証材料もないのですが…。
どうも私は、物事を体系的に捉えるシステマティックな思考法というのが単純に好きなんですよね。
当時のゼミの教授には、事象を単純化させるのは危険なことだと随分諌められましたけど。
ちなみにこの教授は、世界システム論に決して反対している訳では無かったのですが、
彼のリアリズムは、歴史の柔軟性が損なわれてしまう危険性があると慎重な立場でした。

あれ、何だか堅い話になってしまいました…修正軌道します。
兎にも角にもこのシリーズ、私のような歴史好きなら絶対ハズさないと思います!
正直言うと、1巻の前半部分がちょっとシンドイんですけど頑張って耐えて下さい。
確実に、後半以降の展開は大変面白くなっています、絶対ハマりますよ。
今更なんですが、大変オススメなBL風味の歴史ファンタジー小説です。

<作品データ>
松岡なつきFLESH&BLOOD』9巻(雪舟薫・画、徳間書店キャラ文庫)2006.2
 ISBN4-19-900372-X
FLESH&BLOOD(9) FLESH&BLOOD(9)
松岡 なつき (2006/02/25)
徳間書店
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[ 2006/11/09 20:44 ] novel BL | TB(0) | CM(0)

FLESH&BLOOD8巻 

昨日、久しぶりに蔵書を整理してサルベージしてきたFLESH&BLOODシリーズです。
カイトとジェフリーがコトに及ぶまでは確実に読み終えていたのですが、
それが何巻だったのか思い出せず、今日までシリーズの続きを買うことを我慢してきました。
この8巻からが新展開のスペイン編でしたね。
この巻自体は発売日に買っていたのに、何故か長らく積読状態でした…。
(そして、そのうち本自体が行方不明に…)
奥付によると2005年6月の発売、大好きなシリーズなのに1年以上放置していた自分が怖いです。

さて、本編。
本当に久しぶりに読んだので、忘れている伏線や設定が多いので感想が粗くなると思います。

まず、ビセンテ。
この長編シリーズの悪役ポジションだった彼が、今回1巻以来の大活躍を魅せてくれますね。
何気に彼は、ジェフリーやナイジェルよりも生真面目で誠意溢れる優しい男性でした。
ちょっぴり天然な所もありそうですね。
彼も今後、主人公カイトに魅了されていくのでしょうかね。
(今でも十分カイトに落ちているとは思いますが…)
カイト姫は、本当にかっこ良い男によくもてるキャラですね。
松岡さんのBL作品は、他のBL作品よりも露骨にハーレークイーンロマンスの要素が強いので、
余計にそんな設定に仕上がっているように見えるのかもしれません。

そして、主人公カイト。
相変わらず大変な目にあってますね…海の中に投げ出された上に漂流中とは!
いつもなら、ジェフリーやナイジェルが必死で助けに来るはずなのですが…。
でも、今回はビセンテがちゃんと助けに来てくれましたけどね。
カイトはいつも助けられてばかりのお姫様キャラっぽく見えるかもしれませんが、
彼は自身が助かる為の理性的な努力を怠りませんし、いつも最善の策を真面目に考えるコです。
思考手段を放棄したようなその辺の受けとは、そこが全く違うのが魅力的なのですよね。
彼に惚れている男達は皆、彼の容姿ではなくて聡明さに惹かれていくのです。
この辺りが、多くの読者を惹きつける重要なキャラクター設定となっていると思います。

更に、何よりもこの作品は歴史ファンタジーとして珠玉の出来なのですよね!
正直言いますと、BL要素が無くても十分に面白く感じられる構成になっているのです。
(いえ勿論、BL部分があるから尚一層美味しいシリーズになっているんですが…)
時代は英仏戦争勃興前夜(エリザベス1世VSフェリペ二世)。
以後幅(1588)利かせる英国艦隊のあの時代ですよ、覚えていらっしゃいますか?
シェークスピアやリチャード・ドレイク、クリストファー・マーロウ等の歴史的有名人が、
ちゃんと登場してくれるところが、歴史好きにとってまたたまらないストーリーなんです。
今後はスペイン編ということで、スペイン陣営の有名人がきっと登場してくれることでしょう。

ああ、続きが本当に楽しみです♪
今日は9巻を買ってきたので、これを上げたら早速続きを読むつもりです。
そして次の休みにはまた1巻から読み返そう…やっぱり大好きなシリーズです。

<作品データ>
松岡なつきFLESH&BLOOD』8巻(雪舟薫・画、徳間書店キャラ文庫)2005.6
  ISBN4-19-900322-3
FLESH&BLOOD (8) FLESH&BLOOD (8)
松岡 なつき (2005/06/29)
徳間書店
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[ 2006/11/08 20:47 ] novel BL | TB(0) | CM(0)

暇つぶしの占い3連発 

先日ブックオフで購入してきたBL小説がさっぱり読み進められません…。
何であんなに短文なのに改行が多いんだろ?
あれはもしかして、小説じゃなくて詩なんだろうか?
てことで、↓は暇つぶしです。

萌えキャラ占い(※かなり表示が重いです…)

いもうと
  温和で家庭的な愛情にあふれたアナタはいもうとっぽいキャラのはず。ワガママやヤキモチ焼きなところも可愛い魅力のひとつかも。誰にでも優しく家族に接するように世話を焼いてしまうのもチャームポイント。しかも芸術的才能や美的センスは相当なもの!そんないもうとキャラだけど、一度怒ると手がつけられないことも。しかも一度恨むとなかなか忘れない頑固な面も!?恋人でもお兄ちゃんでも(!?)手放すことはないはず!
→いもうとキャラを落とすには!?
意思が強くて包容力のある人を求めてるみたい。いつもは上品なのに独占欲を見せられるとクラクラ?

現実には姉なんですけどね…何かこの占いは外れている気がします。
ちょっと前に発売されたエンターブレインの本の結果は、ドジっ娘だったような…うーん。
(※ebは男子校占いなるモノも出版しているらしいです…)

↓はBL系

ちゃんと待ってる 

雑誌のシャレード掲載作品があまりに面白かったので、現在既刊探索中の可南さらささんの作品。
取りあえずの第1弾、無事読了しました(次が無かったらどうしよう…)。

この作品は、大学生の寮モノほのぼのBLでした、楽しかったです~。
いかにもな、シャレードっぽいノリと雰囲気を楽しめる小説でした。
つまり、等身大でちょっと手を伸ばせばそこに手が届きそうなBLなんですよね。
個性豊かな寮生メンバー、主人公の優しい家族達、無理無くリアリティのある日常風景、等々。
決して奇をてらった展開にはならず、ちょっとホロっとくるタイプのハッピーエンド。
普段の私の読書環境からは想像つき難いかもしれませんが、実はこういう作風が一番好きです!
甘っちょろくて恥ずかしいとは思うのですが、好きなものは好きなんだからしょうがないです(笑)。

そしてシャレードが絶対に外さないのは、必ず挿入されるサービスシーン!
これ、実は重要なんです。
こういう青春の香りがするBL作品は、ディアプラスとかコバルトにもきっとあるとは思うのですが、
サービスシーンに対する期待値はシャレードに比べて、格段と落ちるのです。
(私のような)いい歳した読者が恋だの愛だのといった心理描写や葛藤シーンだけで、
満足できる作品は極めて稀な訳でして…(私的例外は月村奎さんの作品のみと断言してもいいや)。
この作品は受け視点なので、サービスシーンが十分とまでは言えないのですが、
ちゃんとあるのでご安心を。

登場人物は受けでも攻めでもなく、脇役の寮長・京一郎先輩が抜群に魅力的でした。
那須雪絵さんの『ここはグリーン・ウッド』に出てくるあの光琉先輩&忍先輩を彷彿させますネ。
(世代的に、寮モノといえば↑作品を思い浮かべてしまうのです)
この作品は場合によってはシリーズ化の展望もあったようでして、もし続いていたら、
京一郎先輩にも素敵な恋人ができていたかもしれません(私的には彼は誘い受けです)。

さて、結論。
文章が荒削りで多少読みにくい所もありましたが、総じてオススメ。
たまにはピュアで甘酸っぱい青春小説も良いもんです。
正直言うと、主人公の心理的葛藤には多少イライラさせられますが、
主人公を取り巻く優しい環境が心地よい、そんなBL作品でした。
今まで、可南さん作品をスルーしていた自分に深く後悔しております…。

<作品データ>
可南さらさちゃんと待ってる』(にゃおんたつね・画、二見書房シャレード文庫)2002.7
 ISBN4-576-0
ちゃんと待ってる ちゃんと待ってる
可南 さらさ (2002/06)
二見書房
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2100-1

[ 2006/11/07 19:37 ] novel BL | TB(0) | CM(6)

夜の言葉 

先日読了しました。
あの『ゲド戦記』の原作者による文学評論です。
私は彼女の小説を一切読んだことがありません、まず断っておきます。
今年の夏に見た映画の『ゲド戦記』は正直つまらなかったです…。

さて、本題。
私は以前から何となく、BLとファンタジーやSFというジャンルが似ているように思っていたのですが、
その理由がこの評論を読んではっきり致しました。
BL自体がファンタジージャンルの一種であるという説もさることながら、
内容がどうというよりも、両者をとりまく文学的環境というか立場が似ているのですね。
それはつまり、未だ公正さを欠いた批評の下に置かれているジャンルであるという共通点。
ファンタジーやSFを見下し歯牙にもかけない有識者の見解も大問題ですが
ジャンル内のファンによる外側への拒絶反応にも問題があると思われます。
グウィン女史による、この辺の忌憚無き痛烈な批評は非常に心地良かったです。

但し、この方は所謂パルプ・フィクションや通俗小説、官能小説等に対して、
彼女の愛するファンタジーやSFを汚している汚物として排除する思考の持ち主でもあります。
本文で明言はしておりませんが(当たり前ですが)、多分ハーレークイーンやBLを知ったら、
これらのジャンルを全面的に叩き潰そうとする人なんだろうなあと思いました。
この辺は私なんかとは意見が合わないので、割り引いて見なければいけませんね。
時代が時代ゆえか、喧々煌々とフェミニズム思想を語っている箇所も多く、
その辺が苦手な方はやっぱり要注意なエッセイです。

あと、余談ですが文体に纏わるエッセイが日本語に翻訳されると、さっぱり状況が見えてきません。
無理に翻訳せずに、原文載せてくれたほうがありがたかったです。

兎にも角にも、割り引いてみればなかなか示唆に富んだ力強いエッセイだと思いました。

<作品データ>
・アーシュラ・K.ル=グウィン『夜の言葉 ファンタジー・SF論』(山田和子他・訳、岩波現代文庫)2006.5
 ISBN4-00-602102-X
夜の言葉―ファンタジー・SF論 夜の言葉―ファンタジー・SF論
アーシュラ・K. ル=グウィン (2006/05)
岩波書店
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↓はいつもの備忘メモ…長めなので注意


[ 2006/11/06 21:49 ] non-fiction | TB(0) | CM(0)

今更シャレード(2006.11月号)感想 

今までコミック誌はコミックに小説誌は小説カテゴリーに放り込んでいたのですが、
雑誌カテゴリーを作ったほうが分かりやすいですかね?

さて、積読雑誌シャレードです(苦笑)、昨日大体全部読みました。(発売自体は9月末です…)

・絢谷りつこ『あかつきの鳥』(みなみ恵夢・画)
シャレード恒例の巻頭のショートストーリー(←今年に入ってからかな?)。
テーマはということで、吉凶をもたらす伝説の赤い鳥が受けです。
作品紹介と本編の主人公の名前の漢字が違っているのが、ちと気になりました。
(本編が正しいのかな?)
ストーリーは、まあまあ楽しめる感じでした、展開が予想通り過ぎですけどね。
個人的希望としては、ショートショートは特に最後に意表をついたオチが欲しいのですけどね。

このショートストーリーだけを集めたアンソロジーって出せませんかね、シャレードさん。
他はともかく、後述の高遠さんの作品や小林典雅さんの作品なんかは、
雑誌だけで流しちゃうのは勿体無いくらい良い作品だと思うのですよね。
これなら私は四六判でも絶対買いますので、ご検討をお願いします!

・椹野道流『執事の受難と旦那様の秘密』(金ひかる・画)
いくらなんでも、引っ張りすぎですよ、椹野さん。
私が心配しても仕方が無いことなんですが、文庫化はちゃんと2冊で収まるのかしら?
この作品は、最早BL作品ではなくてラノベよりミステリーですよね。
いや、いいんですけど…何もシャレードでそれをやらなくてもいいんじゃないかと、
思わなくも無く…。

・森田しほ『声も出ないほど』(桜遼・画)
これがデビュー作品ということでいいのでしょうかね?てことで、初読みの森田さんです。
手放しで面白かったとは呼べない作品ですが、丁寧な仕上がりだったと思います。
特に攻めの日吉君が良い子ちゃんで魅力的でしたね。
BLの攻めは何処かイジワルな面を持っていたほうが私なんかは萌えるのですが、
この攻めは子供の純真さと大人の優しさをバランスよく持ち合わせていて、
その割にはそれ程犬っぽいタイプでもなくて、まあ、つまり意外にも素敵でした。
(電車内でナニを堅くするようなヘタレぶりも垣間見えるから嫌味にならないですよねw)
難点は視点キャラでかつ主人公の阿久津の方にあります。
傲慢な女王様っぽいのに繊細な神経を持ち合わせたキャラというのもバランスが悪いのですが、
何より視点キャラなのに読者に手のひら見せないところが頂けないです。
攻めの気持ちを受け入れるまでに、恐らく彼の内面で激しい葛藤があったはずなのに、
そこを誤魔化してすっ飛ばすモノですから、展開が急すぎて読者がついていけません。
視点キャラは(特殊構成のミステリーでもない限り)、たとえ相方を欺いたとしても、
読者に対しては正直であって欲しいです。
特に、心理の変化が重要な要素である恋愛小説なんかでは。

まま、これは初めの一作ということで次を期待したいと思います。
次作は、個人的にははっちゃけたコメディで勝負してみて欲しいなと思いました。

・高遠琉加『キス』(ゆうどうもし・画)
はっきり言って、『楽園建造計画』の続きが読みたくてシャレード買っているんですけどね…。
これは多分、巻頭のショート用に作られたストーリーだと思うのですが(テーマが多分キス)、
どうにも急遽載せざる得なかった感じが一読者からも見受けられます…。
『楽園~」の放置プレイは著者じゃなくて挿絵家さんの方の事情では無いかと、
疑ってもいるのですが…シャレード編集部の台所事情が心配です。
あ、この作品はショートショートとしてかなり巧い出来です、さすが高遠さん。
キスをタブー化させることで、キスというテーマをより引き立てている作品だと思いました。
が、私の気分は『楽園~』の続きを読む気で満々だったのです。
『楽園~』読めなくて(通算半年も!)、ちょっと、いえ、かなり残念です。

・中原一也『闇を喰らう獣』(石原理・画)
最初に警告します!中原さんのファンの方は↓を読まないで下さい。

先日アマゾンさんに自分が買ったことがあるBL小説の多くを登録したところ、
私に対するアマゾンさんからのオススメ商品がガラッと変わってしまったのですが、
(今までは咎狗関連一色だった…)
そこで割と多く挙げられていたのが、木原音瀬さんと中原一也さんの作品群でした。
私の嗜好と同様の他の方は、このお二人の作品もきっとよく読んでいるのでしょう。
(私はあんまり読んでいません←だから薦められているのですが…)

で、中原さんの作品なんですが、何故か実は好きになれない作家さんの一人です。
あらすじ読むと、シチュエーションもストーリーも割と好みな印象なのに、
実際に読むと、実はあまり楽しくない気分になるのですよね。
本作品はヤクザ×バーテンダー(兄)で、一部弟(作家志望)×兄という設定で、
強引なヤクザが攻めをチクチクと追い詰めて落としにかかる話でして、
ヤクザモノBLとしては割とよくある普通のお話です(兄弟の絡みがあるのが異色?)。
ヤクザBLを浴びるほど読んでも飽きない私が、楽しめないわけがない設定なのに、
現実的にはやっぱり全然楽しくないお話でした…。
攻めの陰謀で弟(←通常受けなんだ、彼)にまで掘られて自尊心ズタボロのはずの受けが、
攻めに実は最初から惚れていたのだと自覚する、というのも全く共感できないのですが、
何よりこの主人公、自分の中の女の部分という言い回しをよくするのです。
これがすごく引っかかります。
まあ、彼にはMっぽい属性があって男に組み敷かれて喜ぶ卑猥な性向があるのは事実なんでしょう。
が、それを女に例えるのって、正直女性に対して失礼だと思うんですよね。
殊にBLジャンルは基本的に女性読者を対象としているはずなのに、この比喩表現…。
少なくとも一人の女読者として私はこの上なく不快な気分になりました。
今まで私が中原さんの作品にイマイチ入り込めなかったのも、
こういう無神経さが作品内から感じられたからなのかも知れません…。

・可南さらさ「移り香」(陸クミコ・画)
可南さんって昔一度買って読んだ小説があまりにつまらなくてスルー作家さんだったのですが…。
これ、すっごく面白かったです!
弟×兄ネタで近親ネタは苦手な私なのですが、本当に楽しかったです。
社会的地位のある立派な兄が、弟に組み敷かれるのはBL世界ではありがちですが、
兄の願いを叶える交換条件として、カメラマンの弟はヌードモデルを強要するのです。
しかも、色気が足りないからと兄にイタズラを仕掛けるというシチュエーションでして、
何ともいえないフェティッシュな雰囲気&関係に大変萌えました。
ご馳走様です♪

目下、可南さん作品探索中。
2作目のシャレード文庫は確保できたのですが、1作目のほうが絶版…。
行きつけのブックオフには在庫が無かったのです、むぅ。
(1作目の続きなら、手持ちのシャレードのバックナンバーで読めるんですけどね)

ちなみに私が読んだ可南さんのつまらなかった小説はプラチナ文庫のでした。
(すっかり忘れていたのですが、今回検索で調べていくうちに判明)

<作品データ>
・「シャレード」2006年11月号(二見書房)

[ 2006/11/05 21:59 ] magazine&anthorogy 感想 | TB(0) | CM(0)

コイノイロ 

待望の上田規代さんの初コミックスです♪嬉しいなあ。
思えば、上田さんの作品の為だけに今は無きバジルとかバジリコ買っていたんですよね…。

この作品は短編集ですが、メガネ率が異常に高いです(笑)。
私は自分がメガネユーザーな為か(コンタクトは大分前から使っていないです)、
所謂メガネ萌えというものが全くありません(嫌いという訳ではなくて、興味が無い)。
ですが本作品で、メガネに目覚めそうな予感がしました。
上田さんの作品におけるメガネってオシャレとか変身のアイテムでは無くて、
正視したくない現実をクリアに見せてしまう魔法のアイテムとして登場します。
メガネさえ外してしまえば(or外してもらえば)情けない自分を誤魔化せると思っているのですね。
私は他のメガネBL作品でこういう扱い方をしている作品を、あんまり見たことありません。
が、ラブストーリーの小道具としてこの扱いは、極めて真っ当で秀逸だと思いました。
メガネ萌えが無くても、メガネが美味しいアイテムに見えてくる作品です。

絵柄が可愛らしくてまた素敵ですね。
BL漫画界ではちょっと前の少女漫画風味な画風になるんじゃないかしら?(90年代風?)
あとり硅子さんとか、せのおあきさんとか、館野とお子さんとかと同一のライン上にいる感じがします。
つまり、優しくてしっとりしていて私が大好きな絵柄ということなんですが。
帯の山田ユギさんじゃないですが、私の残り少ない乙女脳を刺激します。
たまには私も、こういうピュアラブストーリーが読みたくなったりするんですよ(笑)。
兎にも角にも、幸せな気分になれるBL漫画であることは間違いありません!
ご馳走様でした♪

<作品データ>
上田規代コイノイロ』(大洋図書ミリオンコミックス)2006.11
 ISBN4-8130-5048-4
コイノイロ コイノイロ
上田 規代 (2006/11/01)
大洋図書
この商品の詳細を見る

[ 2006/11/04 11:33 ] comic BL | TB(2) | CM(5)

サイン会とか 

珍しく日記調で行きます。

昨日はようやく美容院へ行ってヘアカット&カラーリングをしてもらいました。
(ずっと行きたかったのですが、残業続きでなかなか時間が取れず…)
行きつけの美容院その1は、仕事帰りの時間だとカラーリングを受け付けてくれず、
その2は先月の人事異動で寄れなくなってしまったので仕方なく、別の所でカットしてもらいました。
てか、あの美容院は昔行ったときも思ったのですが、技術はともかくとして接客がヒドイ。
もう二度と行きません!

そして、本日は某作家さんのサイン会に行ってきました。
その前に、念願のスカートも一着購入してきました(白黒チェックのロングスカートです!)。
昨日は美容院で不愉快な思いをして帰路に着きましたが、今日は幸せ気分でいっぱいです。

サイン会は長蛇を予想しておりましたので、会場には予定時間心持ち遅めに入り、
人だかりをざっと見て、1時間は余裕でかかると判断し上の階の新書コーナーをブラブラ。
でも、J堂さんって何故かあんまり学術系新書や文庫を買う気にならないんですよね。
量が多すぎて棚が雑多すぎるのが原因かも…(せめて番号順に整理して欲しいなあ)。
気になった1冊を買おうかと思いましたが、奥付が2003年と古めでしたので、
過去に買ったコトがありそうな予感を感じ、そちらは諦めました…。
(同著者によるもう一つの方は確実に読んでいるのですが、アレはどうだったかなあ)
てことで、確実に読んでいない自信のある古典文芸に関する読み物系の新書を購入。
そして、再度地下へ向かい今度は素直に並びました。

それにしても、あの列は他のお客様にえらい迷惑なんじゃないかと思うのですが…。
私はあの書店の建物構造から、階段方向に並ばせられるものと予想していたのですが、
現実には壁沿いで、しかも列が長いモノですから書棚方面まで伸びてしまっているんですよね。
癇癪持ちのお客様からクレーム付けられても文句言えない状況でした。
あと気になったのは、アンケート。
何か周りの皆さんアンケート用紙をもらって記入していたみたいなんですが、
私(だけ?)用紙自体もらっていないんですよね…よ、良かったのかなあ。

実際に著者と対面した時は、私すごくボンヤリしていて挨拶すらロクに出来ませんでした。
(正直言うと、待っている間に眠くなっちゃったのが原因です)
いい歳して、本当に恥ずかしい人間です。
サインは書籍に直接してもらう形で、ちょっとびっくりしました。
(どおりで、本も整理券と一緒に持ってきてくださいって言われる訳だ)
昔一度だけ参加したサイン会は、サイン色紙だったので今回も色紙だと思っていたのです。
ちなみに、私の名前は1字だけ少し画数が多いのですが、その字を前に、
ちょっとだけ手が止まった英田さんに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
(私的には平仮名でも片仮名でも全然構わなかったのですけどね)
差し入れ(紅茶缶)を渡してそそくさと立ち去ろうと思ったら(後がつかえているので)、
男性スタッフさん(出版社の方かも)からお土産を渡されました!
そのお土産については↓にてご報告します。

何はともあれ、お忙しい中本当にありがとうございました、そしてお疲れ様でした、英田さん。
英田さんのサイン会がもし開催されるとしたら、きっと関西だろうと思っていましたので、
まさか私の身近な場所で開催されるとは夢にも思いませんでした。
今日は本当に大変貴重な1日でした(私にとって)。
改めまして英田さん、出版社さん、J堂さんに心より感謝申し上げます。

てか、祭日にお出かけ&お買い物って本当に久しぶりな気がします。
普段は大抵仕事か家でゴロゴロ無為に過ごすことが多い人間なもんで(笑)。

↓は秘蔵写真つき?


[ 2006/11/03 18:29 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

BLの山 

本日は、↓のコミックスの感想を書くつもりだったのですが…。
書くことに対する集中力が切れてしまいましたので、羅列のみ。
全部、読むには読んだのですけどね…。
メガネ率高すぎ…メガネ萌え属性が無いのに…不思議だわ。

・神楽坂はん子『地球の上に朝がくる』(大洋図書ミリオンコミックス)2006.12
 ISBN4-8130-5046-8
 ●神楽坂はん子さんはコメディだとよろし。

・上田規代『コイノイロ』(大洋図書ミリオンコミックス)2006.12
 ISBN4-8130-5048-4
 ●待望のコミックス♪私の大好きな料理人の話が未収録だったのが残念

・草間さかえ『災厄のてびき』(東京漫画社マーブルコミックス)2006.11
 ISBN4-902671-75-1
 ●昔のも所有しているんですけどね…追加があると聞いていたので、つい。

・夏水りつ『愛のチカラで恋をするのだ』(芳文社花音コミックス)2006.11
 ISBN4-8322-8427-4
 ●むぅ、これは失敗だったかも…こっちに目を奪われて探偵青猫を買うの忘れてたわ。

・志々藤からり『コイノイロ』(新書館ディアプラスコミックス)2006.11
 ISBN4-403-66156-4
 ●ディアプラスらしいほのぼのBLですが…と、登場人物の見分けがつかない。

本当に最近買いすぎです!今月は購入予定のコミックが多いのになあ…。
(ピアノの森とかブラックラグーンとかホリックとか…)
そして、明日は↑の作品の感想頑張りますね。
概ね楽しい作品ばかりでした。

[ 2006/11/01 22:36 ] お買い物 | TB(0) | CM(0)
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