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見つめて、もっと 

今日も、自分みたいな社会のゴミが生きてて本当すみません…。

もう二度と恋はしないと誓う攻めと、恋人は生涯一度だけと頑なに心に誓う受けのメロドラマ。
そんな二人が出会って互いに惹かれあっても、誓約に縛られているために関係は進展しない。
あくまでラブアフェアのポーズを崩さぬ攻めに、一途な受けは次第に切ない思いを募らせていく。
こんなベッタベタでコッテコテのロマンス小説に、私はうっかりグズグズ泣かされてしまったのだ。
人間、本当に年を重ねるごとに涙腺が弱くなってくるなあ(笑)。

ところで、この二人のはじまりの場面はちょっと異色である。
主人公のケイはショーストリッパーで、気晴らしに客として店を訪れた男と運命的な再会を果たす。
チップを取り出した男に、ラップダンス(膝乗り)でたどたどしくも官能的なサービスをするのだが…。
逆に男の視線に翻弄され、元々備わっていた彼の“見られる”快感が進化して大変なことになる。
一見純情そうな受けが、性欲に対しても素直でややフェティッシュなのは絢谷作品の特徴でもある。
彼がいかに女々しい性格の“性別=受け”だったとしても、男の子アイデンティティを失うことはない。
余談であるが、世間的に大ブームの“男の娘”に私がモヤモヤ苛立ちを感じるのも実はココなのだ。
彼らがナニモノになりたいのかが見えないから、女装男子と違ってどうもイマイチ魅力を感じない。

さて、話を強引に戻すと主人公のケイはプロのダンサーである。
今までの彼のダンスは、アクロバティックな身体能力の高さと可愛らしさが魅力かつ売りであった。
が、本来ストリップとは観客を官能的な気分にさせて何ぼの世界で、その意味で彼は未熟だった。
そんな彼が左手薬指に指輪をはめた男にのめり込み、その苦しさと切なさが恋なのだと自覚する。
ラブホのベッドでは思いが届かなくて逃げ出してしまったケイだが、彼の正念場は無論ソコじゃない。
恋心を知った彼はスランプを経て一回り成長し、男の視線と心を虜にするためのダンスに没頭する。
そして、ついに……。

読む前は、小嶋ララ子さんの稚いイラストがどうにも苦手だと思っていたけれど…。
うん、これはアリだ!このヘタレなイケメン攻めが陥落させられたのが彼だと思うと頗る楽しい♪
ケイに対してイケズな時間が長かったのだから、今度は彼が罪悪感に苛まれれば良いと思うよ!

<作品データ>
・絢谷りつこ『見つめて、もっと』(小嶋ララ子・画、アスキー・メディアワークスB-PRINCE文庫)2011.10
見つめて、もっと (B-PRINCE文庫 あ 7-2)見つめて、もっと (B-PRINCE文庫 あ 7-2)
(2011/10/07)
絢谷りつこ

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[ 2011/10/09 02:20 ] novel BL | TB(1) | CM(0)

リセット 

メビウスの輪の如く永遠に抜け出せそうにない数奇な運命が、意外な盲点から解かれていった。
白状すると、15年を挟んだ二つの事件の結末は勿論、三角関係の顛末も予想を外した私…。
著者は謙遜してあとがきで“浅い”などという言葉で呟かれているが、いやいやそんなことないから!
事件の発端も動機も展開も…そしてBL的な帰結も、文句のつけどころがなく面白かった!!
即ち、ミステリーとしても警察小説としても、BL小説的にも読み応えバッチリの骨太作品だった。
一つだけこれから読もうとされる方にアドバイスするなら、上下巻一気読み推奨♪

という訳で、物語の根幹に関わる感想はネタバレ回避の為にも↓に下げます。

<作品データ>
・谷崎泉『リセット』上・下巻(奈良千春・画、二見書房シャレード文庫)2011.4、2011.8
リセット <上> (二見書房 シャレード文庫)リセット <上> (二見書房 シャレード文庫)
(2011/04/22)
谷崎 泉

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リセット <下> (二見書房 シャレード文庫)リセット <下> (二見書房 シャレード文庫)
(2011/08/24)
谷崎 泉

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[ 2011/08/24 05:03 ] novel BL | TB(0) | CM(0)

移り香 

運良くテスト販売分を確保できたので、発売日より半月ほど早く新刊を入手。
だからという訳ではなく、今回の感想は完全に設定ネタバレしているので下に下げる。
読み返すと、お祖母さんの台詞がダリアンそっくりで思わず噴き出しちゃった(笑)。
私の兄萌えとフォトグラファー萌えと攻めざまあ萌えの全てがつまった傑作である。
全てのBLファンにオススメ!!

<作品データ>
・可南さらさ『移り香』(陵クミコ・画、プランタン出版プラチナ文庫)2011.5
移り香 (プラチナ文庫)移り香 (プラチナ文庫)
(2011/05/10)
可南 さらさ

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[ 2011/04/23 23:56 ] novel BL | TB(0) | CM(0)

真夜中クロニクル 

少年期、青年期、壮年…まではいかなかったのでさしずめ大成期かな?
受け→攻め→受けと視点を切り替えながら、甘く幻想的に描いた二人のライフストーリー。
3つのクロニクルを象徴的に扱う手法は、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿させる。
殊に攻め視点の青年期の退屈さは、まさに同じ轍を踏んでいるとしか思えないくらい相似だ。
一方、引きこもりのニーナが何とか外へ出ようと葛藤する姿は『海の上のピアニスト』のよう。
よって、この作品はジュゼッペ・トルナトーレ監督作品への強いオマージュを感じるのである。

この上なく気に食わない登場人物がメインで君臨しているのに、面白い作品なのである。
さよう、私はニーナの光(太陽)そのものである真下陽光という年下の恋人が大嫌いなのだ。
そのませた生意気な物言いも子供なら我慢出来たが、出来すぎのROVEレター以降が最悪…。
筆まめなのか、一途に誠意と愛情を目一杯沁み込ませたメールや手紙を送る姿が特にイヤ。
ラブレターなら頑ななニーナも絆されてくれるかもしれない、という計算が透けて見えるのだ。
元々年下攻めは苦手なんだけれど、年下の癖に搦め手で口説こうとする姿は更に癪に障る。
腹立たしいことこの上ないが、私じゃなくてニーナが選んだのだから仕方無いんだけど。

凪良作品は、このように私の醜悪な気持ちを素っ裸にしてしまうから怖ろしい。
読んでいくうちに流れ込んでくる感情移入とは別個の感情や思考を、つい垂れ流したくなる。
そして、己が主人公だったら拒絶するのかできるのかをグルグル考え込んでしまうのだ。
他のBL作品では決してありえないような感情の暴走が起きる…萌えの次元とは無関係に。
この作品にしても決して手放しで好きとは呼べないし呼びたくないけれど、面白いんだよね。
最後の最後で完敗するのが、本当に悔しい。

この作品の最大の魅力は、何と言っても唐崎監督に尽きる。
ニーナの都合の良い男役を演じ続ける陽光の優しさは、二人の恋の最大の障害だったのだ。
良くも悪くもニーナの感情を逆なでさせるようなトリック・スターが、彼らには必要だった訳で。
遅ればせながら登場してきた当て馬と呼ぶにはあまりに濃い男の存在感が、良いスパイス。
二人の世界は二人だけの世界にとどまらなくなってしまってからが、俄然楽しいのである。
それは、あらゆることに言えるけれど。

<作品データ>
・凪良ゆう『真夜中クロニクル』(小山田あみ・画、大誠社リリ文庫)2011.4
真夜中クロニクル (リリ文庫)真夜中クロニクル (リリ文庫)
(2011/04/12)
凪良 ゆう

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[ 2011/04/20 04:48 ] novel BL | TB(1) | CM(0)

つながりたい 

よくよく考えてみれば、恋人を自分好みにカスタマイズする話は巷にも結構ある。
(そして、そんな男共がこれ見よがしに自身のセンスを誇示して賞賛される展開にイラっとするw)
採寸行為がエロいのがテイラーものの醍醐味だと思ってみたものの、それだけが萌えではない。
シンデレラの靴のように世界で唯一、私の為のフルオーダーという響きがロマンチックなのだ。
しかも、一から採寸して型紙とってマチ針で仮留めしてミシンかけて~と、全工程を彼単独で。
デザイナーではなく一介の職人として、己の道を進む元ヤンキーのカマトトぶりが痛快だった!

一方で、ストリートダンスを唯一のシュミとして生き甲斐にしていた主人公。
彼の青春の大舞台が終わったその日に出会いが訪れ、才能を見出され、新しい世界が開けていく。
実は私の母校はダンスコンテストが文化祭の目玉だったので、当時の空気を思い出して懐かった。
相変わらず、いつきさんの作品はラブよりも青春が前に出張りがちだが、それはそれで楽しい。
二人が目的の為に一致協力したり、些細なことで反目したり、互いに刺激を受けて高みを目指す。
今の私にはあまりに眩しい健康的な二人だが、方言の可愛さも相まって心地よい青春BLだった。

いや、しかしイノブタ…じゃなくてイノマタ君。
君はきっと無自覚だったんだろうけど、ジャイアンポジションの癖にキューピッドだったよね(笑)。
願わくば、彼が宗政にコテンパンにのされるようなサイドストーリーも読んでみたかったな。
以上。

<作品データ>
・いつき朔夜『つながりたい』(石原理・画、新書館ディアプラス文庫)2011.4
つながりたい (ディアプラス文庫)つながりたい (ディアプラス文庫)
(2011/04/09)
いつき 朔夜

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[ 2011/04/15 01:09 ] novel BL | TB(0) | CM(0)
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Author:tatsuki
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