とうとう、先週は一回もブログを更新できなかった…。
さて、前回に引き続き本日も集英社新書強化月間のため樋口陽一さんの『個人と国家』を紹介。
これは購入の経緯をよく覚えている…大学の卒論の参考用にならないかと思って購入したのだ。
でも、私の研究テーマとは重なるところは殆ど無くて、結局は流し読みしてそのままにしていた。
法学系の専門書は事例ばかりを取り上げることが多くて、切り口があまり好きじゃないのだが、
加えてこのエッセイよりの内容は、とある方向性への傾向を感じるのであまりオススメじゃない。
非常に読みやすいお手軽な新書故、逆に心してかからないと著者の思考に染まってしまいそう。
ある程度、法ないし歴史に対する認識が固まってからじゃないと影響力が強すぎる気がするの。
私個人の思想的断片を言えば、第九条の是非は兎も角戦争放棄=平和では無いと思っている。
平和というのは、非常にラディカルに暴力的に貫き通すからこそ、維持できる概念だと感じている。
ガンジーなどは、非暴力という名の最大の暴力を行使したから平和主義者に列せられるのでは?
同じく集英社新書のラミス先生の著作はこの辺りを指摘してるんじゃないかと、勝手に予想してる。
でも、未読。
あと、やたらと“男女平等”という言葉を使われるのがイヤなんだよなー。
男の定義、女の定義だって生物学的にも社会学的にもそんなに簡単に区別できるモノじゃない。
この謳われる概念自体が、アファーマティブ・アクションの要素を帯びている気がして何だかなあ。
まあ、これは樋口さんがというより憲法条文自体の記載がそうなってるから仕方ないとは言え…。
私個人もある程度その恩恵に預かっていることを知りつつ、煩わしい問題だなとつくづく思う次第。
<作品データ>
・樋口陽一『個人と国家』(集英社新書67)2000.11
↓メモはキーワード羅列のみ。練ってない。
・二〇世紀@「短い世紀」(1914〜91)byホブズボーム
・人間社会の構造
Constitution―「憲法」
・国家―「国家主権」―「国民主権」―議会制民主主義―「人権」@制度
・「自己本位」〜「自分の鶴嘴」で「鉱脈」を「掘り当て」るby夏目漱石「私の個人主義」(1914年講演)
・「人が国家を形造り国民として団結するのは、人類として、個人として、人間として生きる為めである。決して国民として生きる為めでも何でもない」by石橋湛山「国家と宗教及文芸」(1912)
・
社会契約論〜「個人」(@人権の主体)―<契約>―「国家」(@主権の担い手)
⇒「人は人にとってオオカミだ」byトマス・ホッブス『リヴァイアサン』
※
リヴァイアサン@個人の安全の確保という目的のために結ばれた契約の産物
∴「
死すことあるべき神」
・「臣民」
・「治安維持法」
・「論憲」
・「
自由」by
丸山眞男『日本における自由意識の形成と特質』(1947)
1)「人欲の解放としての自由」
2)「規範創造的自由」〜新しい秩序by
ジョン・ロック(17C)VS.封建制
・
affirmative action・「連帯」⇔「結婚」@仏
・「
Judge」(判決)⇔「
Justice」(正義)
・妊娠中絶
a.米@女性の自己決定
b.西独@生命の権利、人間の尊厳〜ナチス時代の権力が現在と将来の生命の能力を判定してそれを操作するという歴史的な苦しい経験
c.日@「優生保護法」→「母体保護法」〜水子地蔵
・「
lobbying」
・オリヴィエ・ポー『汚染血液と閣僚の責任』
・伊藤正巳『裁判官と学者の間』〜「
和」のもたらす問題性を指摘
・「砧」、「鳥追舟」by能
・「一所懸命」@一つのところに命をかける⇒「乱訴」(鎌倉時代)
・「欽定憲法」
・憲法創設の精神by伊藤博文
1)君権の制限
2)臣民の権利保護
・「憲政の常道」@憲政擁護運動→責任内閣制(1924)
・「抵抗権」by植木枝盛
・「人民」→「臣民」→「国民」
・
雑多なものの中からいろいろなものを読み取る能力・
立憲主義(
constitutionalism)
cf.democracy〜<希>デモス(民衆)+クラチア(支配)=民衆の支配VS.王権神授説
・バートランド・ラッセル
・「四つの八九年」by樋口
1)「権利章典(ビル・オブ・ライツ)」@英(1689)
2)「人権宣言」@仏(1789)
3)大日本帝国憲法発布(1889)
4)ソ連・東欧圏での一党支配体制の崩壊(1989)
・英・仏@「民主」⇔独@「立憲主義」
*井上毅「およそ立憲の政においては、君臣は臣民の良心に干渉せず」
・違憲審査制度
・憲法裁判所〜西独、伊、西、葡、旧ソ連・東欧圏
例)英
1)「国会主権」=民主主義
2)「rule of law」〜common law@規範=立憲主義
・「国際人権規約」
A規約〜「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」、「社会権」
B規約〜「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、「自由権」
cf.「世界人権宣言」
・「司法権の独立」〜立法権から司法「権」の独立
・裁判の独立〜裁判官⇔検察官@検察一体の原則、上命下服
・「雑音」
・「幣原外交」、「高橋財政」
・「マッカーサー草案」〜民政局@ニューディーラー(「ニューディール政策」)
・「極東委員会」←邪魔
・天皇―国家神道―皇軍
・檀家制度by徳川幕府→「葬式仏教」〜形骸化
・「外圧」〜例)三木清
・「解放」or「屈辱」
・アメンドメント@米
・「コラボー」@仏
・「ドイツ連邦共和国基本法」〜「自由な民主的基本秩序」、「憲法擁護庁」(≒公安調査庁@日)
・「私人間効力」
・「パーリア(pariah)・キャピタリズム」byマックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
cf.「ノアの大洪水以前的資本主義」byカール・マルクス
※金貸し資本主義、遠隔地商業
⇔近代資本主義@労働者「搾取」、「剰余価値」〜一定の合理的な社会関係が必要
・「見えざる手」@「道徳哲学」byアダム・スミス
・象徴君主制〜王位評議会(Conseil de la Couronne)…例)西
・第九条@
正義のための戦争はあり得ないという哲学を前提
・ドゥオーキン『Taking Rights Seriously』〜Taking Constitution Seriously
・個人@寂しいby夏目漱石『私の個人主義』(1914@学習院)
cf.荷風散人(永井荷風)〜さめた目
cf.エーリッヒ・フロム『エスケープ・フロム・フリーダム』(自由からの逃走)
・
ねじれ→仕分けする・徴兵制
・忠誠(ロイヤリティー)
・近親相姦(インセスト)
ついでに、ラミス先生。
温厚な人柄に反して、採点は大層シビアな先生でした…。